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ZeniMax Mediaとid SoftwareがVR技術の権利を巡って,Oculus VRと創設者パルマー・ラッキー氏を告訴
ZeniMax側が発表したプレスリリースによると,「Oculus VR側はRiftの開発のためにid Softwareが知的財産権を所有する技術を侵害し,ノウハウを不正に盗用している」とのことで,2014年5月21日(アメリカ現地時間)にテキサス州の地方裁判所に告訴したという。この件に関しては5月2日の本誌記事でも,Zenimax側が裁判所に提出した訴状内容についてお伝えしているが,Facebookに約2000億円で買収されたばかりのOculus VRにとって,Riftの製品化に向けて大きな障害になるかもしれない。
John Carmack(ジョン・カーマック)氏 |
その一方,カーマック氏はid Software在籍時より,個人的な興味からOculus VRのアドバイザーを引き受けており,しばらくは“二足のわらじ”を履いた格好になっていた。2012年にはRAGEがOculus VRの正式デモとして採用されるように,NDA(秘密保持契約)を結んだうえでid SoftwareとOculus VRの間を取り持ったという。この話は最終的に御破算となったが,その翌年(2013年)にカーマック氏はid Softwareを退社,Oculus VRのChief Technology Officer(最高技術責任者)に就任している。
カーマック氏は「私が書いたコードで,特許や知的財産として登録されているものはありません」とTwitterでコメントしているが,“二足のわらじ”の期間に従事したプログラミングがそのままOculus VRで利用されていることが不正である,というのがZeniMax側の主張のようだ。
ZeniMax側は具体的にどの技術が不正利用にあたるのかまでは明らかにしていないが,同社の権利を巡ってOculus VR側に金銭的な解決案の打診していたものの,満足な成果が得られなかったために告訴に踏み切ったとのこと。
「Fallout」「The Elder Scrools」シリーズで知られるBethesda Softworksを傘下に抱えるZeniMax Media,FPSの礎を築いたジョン・カーマック氏,そしてRiftの完成が待たれるOculus VRが絡んでいることから,世界中のゲーマーの中心に今後の動向が大きな注目を集めそうだ。
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