インタビュー
“戦意”MAXで作り上げたスルメゲー,「FRONTIER GATE Boost+」は何が変わったのか? 主要スタッフに聞く
新要素でさらに味わい深くなった“スルメゲー”
4Gamer:
聞けば聞くほど,凄まじい情熱の詰まった作品ですね……。そのボリュームを果たして遊び尽くせるのか(笑)。
2と言えるほどではありませんが,単純に1.5倍くらいのボリュームになっているので,ただの「アップデート版」と表現するには惜しい内容です。今作から始める人は,かなり長期間遊べると思いますよ。
4Gamer:
ちなみにBoost+を最初から始めた人が一通りプレイするとして,総プレイ時間はどれぐらいを想定していますか?
小牟田氏:
実はテスターさんにその辺りを確認したんですよ。そうしたら,前作をプレイした人,していない人を合わせた全体の平均が,150時間程度という結果が出ました。
4Gamer:
RPGとは思えないプレイ時間です……。
向峠氏:
僕が前作部分をクリアするのに100時間くらいかかっていたので,だいたい1.5倍くらいのイメージですね。
小牟田氏:
あ,前作で100時間以上かかっている人は,間違いなくもっとかかると思います。テスターさんの話だと,前作のクリアが70時間くらいの人でも,今回は150時間くらいだという話なので。
4Gamer:
これは,場合によっては200時間くらい遊べてしまうかもしれませんね。
小牟田氏:
高難度のものも含めて,クエストの数がかなり増えていますから。また,APが増えた関係上,バトルの時間が少し長めになったのも大きな要因だと思います。
天野氏:
とはいえ,間口の広さやテンポの良さは損なわれていません。ゲームを買った時点から「150時間遊ぶぞ!」と意気込んで遊ぼうと思わなくとも,一つ一つをスムーズに遊んでもらって「気付いたら150時間も遊んでた」という感覚になるよう,気をつけて作っていますから。
向峠氏:
プレイヤーさんから「スルメゲー」っていう評価をよく頂くんですよ。最初は「同じ作業の繰り返しで,面白さが分からない」と感じても,気がつくとなぜか長時間遊んでいる。そういうパターンが多かったみたいです。
4Gamer:
噛めば噛むほど味が出る,と。
天野氏:
だいたい,ティランノサウルスを越えて,戦意システムの重要性が分かってきたくらいのタイミングで,各キャラクターのストーリーも本格的に動き出します。そこから先はテンポ良く話が進むので,1日1時間のプレイが毎日続くようになる……。という仕組みを目指しました。
小牟田氏:
だから新作の体験版は,ティランノサウルスまで遊べるようにしてあるんですよ。そこからどんどん先へ行きたくなるタイミングなので。
4Gamer:
Boost+の体験版には,最初から遊ぶモードと,いきなり新要素を体験できるモードがありましたよね。体験版としてはかなり珍しい形態だと思うんですが。
天野氏:
前半部分だけでは前作を遊んでくれていた人には訴求できませんからね。後半で使えるブーストスキルの良さは絶対に感じてもらいたかったので,結果として2つのモードに分けることになりました。
向峠氏:
本当にかなり危ないスケジュールだったので,入って良かったですよ……。
4Gamer:
体験版も厳しいスケジュールの中で作っていたんですね(笑)。
小牟田氏:
本編と並行して作っていたので,本編の中にギリギリで入った仕様は,体験版でも同じようにギリギリで入ったというわけです。なにしろ体験版のほうが配信が先ですからね。
向峠氏:
苦労もありましたが,前作を遊んでいたプレイヤーさんにも楽しんでもらえる体験版を提供できたので,結果としては良い形に落ち着いたと思います。
4Gamer:
今作では,前作のエンディング後から新システムのブーストスキルを使えるようになるんですよね? プレイヤーも気になっていると思うのですが,そこから具体的にゲームはどのように変化するのですか?
ブーストスキルが開放されると,まずキャラクターカスタマイズの考え方が変わってきます。
もともとFRONTIER GATEにおける装備品のコンセプトは,「どんな装備でも頑張れば最強に育てられる」というものでした。そのため,同レベル帯で手に入る装備品は,同じ水準の能力に設定してあるんです。そこが受け入れ難い方も多かったようなので,ブーストスキルはその不満を解消するような役割も担っています。
4Gamer:
一方で,一つの武器をこだわって使いたいようなプレイヤーには好評を博していましたよね。
小牟田氏:
ただ,それは逆に言うと,見た目にしか武器のカスタマイズ要素が存在しないことになってしまうんですよね。そこにブーストスキルを搭載することによって,武器の特性をシステムに紐付けし,それぞれの武器に個性を付けることができるようになりました。
向峠氏:
プレイヤーさんが従来より,カスタマイズできる要素を増やしている感じですね。「この武器だけだと,このスキルしか使えない!」という不自由感を解消したと。
小牟田氏:
例えば,それまで片手剣をずっと使っていた人がブーストスキルを覚えるために,ふと戦盾を使ってみたとします。そのブーストスキルを覚えたあとに,片手剣へ戻って戦盾のスキルを使ってもいいし,そのまま戦盾を使い続けてもいい。……という具合に,武器選択の自由度が大きく広がっています。
4Gamer:
覚えたブーストスキルは,武器を替えても使えるということですか。もはや成長の底が見えませんね(笑)。
天野氏:
成長の要素と装備品をリンクさせることで,それまでにどの武器を使って戦ってきたかで,プレイヤーごとの成長度合いに変化を付けています。
ブーストスキルまで手を付けられるのは,ガッツリと遊んでくれている方だと思うので,与えられた線路の上を進むのではなく,自分の考えで成長を設計できるシステムを入れたいなと思ったんです。
より狡猾に,手強くなったモンスター
4Gamer:
ブーストスキルでプレイヤー側の能力が大きく強化されるとなると,敵側にはどのような変化があるんでしょうか。
向峠氏:
かなり強力になっていますよ。
小牟田氏:
これまでコンボ攻撃はプレイヤー側の専売特許でしたが,今度は敵側も仕掛けてくるようになりました。
4Gamer:
えっ……それはもしかして,すべての敵がコンボ攻撃に対応しているという……?
天野氏:
やっちゃいましたね(笑)。
小牟田氏:
Boost+のストーリー中に,2体同時に出現するボスがいるんですが,当初はその2体だけコンボ攻撃を発動させようと考えていたんです。それをプログラマーさんにお願いして,出来上がってきたものを見てみたら……なぜかすべての敵がコンボ攻撃を仕掛けてくるようになっていて(笑)。
一同:
(笑)
4Gamer:
根本的なシステムが変質しているじゃないですか!(笑)
小牟田氏:
「このボスだけ」って言ったはずなのに,ある日,テスターさんから「このバージョンのROMからは,ザコ敵まで含めてすべての敵がコンボを仕掛けてくるようになりました!」と報告があったんです。冒頭で出現するザコのウルフが,連携攻撃でこっちをボッコボコにしてくるんですよ(笑)。
さすがにそのまま搭載というわけにはいきませんでしたが,とても面白くなったので調整を施したうえで,そのシステムを採用しました。
4Gamer:
プログラマーの技量もさることながら,その「根本から変える!」という判断も凄いですね。
天野氏:
いきなり戦闘に緊張感が増した気がします。……もし最初からバシバシコンボを決められちゃう仕様だったら,心が折れちゃう人続出ですよ(笑)。
小牟田氏:
なので,さすがに序盤は控えてもらうように調整しました。おかげさまでボスの限定的な特殊行動ではなく,新作全体のエッセンスとして楽しめるようになっています。
4Gamer:
やはり前作から続く作品というだけあって,全体的に難しくなる方向に調整したのでしょうか。
向峠氏:
いえ,目立つ部分を紹介するとそう見えてしまいますが,実際は難しいだけではありません。前作で難しすぎた上級クエストなどには,しっかりと再調整を施しています。
せっかく上級クエストに挑戦可能になったのに,その入り口部分で締め出される……というのは悲しいじゃないですか。だから,まずは入り口部分のハードルを下げて,別の部分にもっと上を作る調整をしています。
4Gamer:
なるほど。そうして登場するのが,今回から搭載された「特級クエスト」なんですね。この新要素は,具体的にどういった立ち位置になるのですか?
小牟田氏:
ブーストスキルのシステムが開放されたあとに,メインシナリオでいくつかの特級クエストが登場します。でも特級だからといってレベル最大値じゃなきゃクリアできないとか,そういったことはありません。
4Gamer:
特級クエストをクリアするにあたって,目安としてどの程度のレベルが必要になるんですか?
モノによる,という答えになると思います。特級から上は全部かなり難しいのですが,その中でも差があるので……。
少なくとも,ブーストスキルが無ければ,まず勝てません。そう考えると,下はレベル70〜80くらい,上は最大値のレベル200でも厳しいくらいです。
4Gamer:
レベルの数字だけを聞くと,どうしてもかなり難しく感じてしまいます。レベルアップまでのハードルなどは調整されていますか?
天野氏:
クリア後のレベルアップスピードは若干調整されて,レベルアップしやすくなっています。数字からそのまま感じるインパクトよりは厳しくありません。
4Gamer:
敵も味方も強力になっていますが,前作のシングルプレイでもマルチプレイでもクリアできるというコンセプトは健在なのでしょうか?
向峠氏:
それはもちろん,シングルプレイでも問題なく戦えますよ。
小牟田氏:
ブーストスキルを覚えていくと,もう上級クエストなんて楽勝ですからね。あの「アストラデウス」ですらザコに見えてきますよ(笑)。
4Gamer:
そこまで強力なんですか!
天野氏:
それ以前にレベル上限が200まで開放されてAP上限も大幅に上昇しているので,単純に戦いやすくなっています。
小牟田氏:
そうそう……実はBoost+に入ったあとにも一つ,ティランノサウルスのような壁があって。そいつがまたキツいんです。先ほど言っていた,敵側のコンボ攻撃の発端になったボスですね。
天野氏:
人によっては「必ず負けるイベントバトル」だと思っちゃうレベルの強さですから。そして,負けると普通にホームポイントへ戻されちゃう(笑)。
4Gamer:
負けイベントだと思ってしまうほどに絶望的な攻撃を仕掛けてくるのですか? どうやって倒せばいいんですかそんなん……。
小牟田氏:
ブーストスキルを駆使する,という一点に尽きます。一つのヒントとして,これまでのボスのように「敵の戦意を下げて攻撃すれば安心!」とはいきません。技の一つ一つに戦意の上下を絡めてくるので,ガンガン戦意が回復するんですよ。それをどのようにさばいていくかが重要になります。
向峠氏:
それって完全にマゾゲーに一直線だけど……みんなそんなのをやりたいの!?
小牟田氏:
いやいや,全部が全部そういうわけではありませんから。一部,そういったスパイス的な要素もありますよ,という話です(笑)。
4Gamer:
スルメゲーという評価をされている以上,歯応えを求めているプレイヤーは多いはずですからね。前作で「遊び足りない!」と思ったような人も満足できそうです(笑)。
天野氏:
昨今のRPGにはしては珍しいくらいの大ボリュームだと思うので,長く楽しんでもらえたら嬉しいです。
向峠氏:
しかも今回,定価は低めに設定しているんですよ。ですからきっと,今作から始める人なら,かなりのお得感を味わってもらえると思います。
4Gamer:
150時間遊べるゲームだと考えると,確かにコストパフォーマンスには目を見張るものがありますね。
■価格データ
・パッケージ版 3990円(税込)
・ダウンロード通常版 3500円(税込)
※前作のダウンロード版購入者は2100円(税込)で購入可能
・ダウンロードアペンド版 2100円(税込)
※前作のパッケージ版購入者のみ利用可能
向峠氏:
値段の設定は,なんとかして下げられるように頑張りました。
前作のEDからスムーズにつながる追加シナリオ
4Gamer:
さて,前作をプレイした人が,また最初からプレイし直すということもあると思うのですが,その場合引き継ぎ要素はどのようになっているのでしょう?
小牟田氏:
レベルだけが1に戻って,装備品とお金を引き継ぎつつ最初から遊べます。
天野氏:
前作から期間が空いているので,シナリオを再確認する意味でも必要な要素ですよね。
向峠氏:
あとは,このシステムを導入することでキャラクターエディットをやり直せますから。結構重要なことだと思います。
4Gamer:
レベルを引き継げない仕様にしたのは,何か理由があるんですか?
小牟田氏:
もともと本編のボリュームがけっこうあるので,最初からレベルだけが高いと再プレイが完全に作業になってしまうんです。
その点,装備品だけの引き継ぎであれば,以前の苦労が全部無駄になるわけでもなく,それでいて新鮮な気分で遊べますよね。もし詰まっても強い装備を使えば良いわけですし。
向峠氏:
どこまで何を引き継ぐのかは,かなり揉めましたね。普段はほとんど円滑に話が進むのですが,これは珍しいくらい議論が起こりました。そうやって色々と話し合った結果,落とし所が「装備品の引き継ぎ」になったわけです。
向峠氏:
何より,レベルの上昇がトリガーとなって出現するシナリオが見られなくなってしまうというのが致命的でした。だったらレベル1からやったほうがいいかなと。
4Gamer:
しかし,ストーリーは前作で一段落してしまっていますよね。それをさらに掘り下げるとなると,最終的な到達点が気になります。
向峠氏:
流れとしては「ボスを倒して一段落したと思ったら,実はもっと強いのがいました!」という感じです。いわゆるジャ◯プ的な王道展開ですよ。
4Gamer:
ボスを倒したから,平和な世界でダラダラしようぜ的な展開ではないんですね。
向峠氏:
前作のラスボスを倒した場所を調べたら,その先が見つかる。そして,それを発見した後に開拓村へ戻ってみると……。という流れになっています。その先は,ぜひ製品版でお楽しみください。
小牟田氏:
今回のメインシナリオは,前回とはかなり違っているんです。これまでは「まだ見ぬ大地を目指せ!」という,けっこう漠然としたお話だったのですが,今回は最初から目的がハッキリしています。
4Gamer:
開拓のために行動していた前作に対して,今回は明確な危機に立ち向かうという感じですか。
小牟田氏:
「せっかく開拓した世界が!」という感じで,根本的に意識が違っています。
天野氏:
プレイヤーからのご意見で,「ストーリーが漠然としすぎている」というものも少なくなかったんですね。そこで今回は,ストーリーにおける明確な“ゴール”を最初から提示してお話を進めています。
前作クリア後から,スムーズに新作部分へと入れるようにしたかったので,話をスッパリと切るのではなく延長線上でつながるようにしました。
向峠氏:
前情報無しで今作から入った人は,どこからが新作部分なのか分からないかもしれませんね。取ってつけたような印象は,まず受けないと思いますよ。
4Gamer:
となると,前作で登場したキャラクターや敵が伏線に……?
向峠氏:
ちょっと核心突きすぎです(笑)。……ええ,しっかりと前作の伏線が活かされていますよ。
4Gamer:
そう考えると,ストーリーが再確認できる要素は本当に嬉しいですね。
天野氏:
あ,でもパートナーのストーリーはまた違いますよ。メインストーリーほど緊張感あふれるものではありません。……まぁ,世界が危険なのにパートナー達はのうのうと生活していたりするので,最初はちょっとビックリするかもしれませんが(笑)。
4Gamer:
やっぱり,人気のあったディジーやクロトキのストーリーなんかは気合が入ってたりするんですか?
天野氏:
好みは別として「とくにこのキャラクターが!」という差別はしていません。それぞれの設定がキッチリと作られていたので,全員分のシナリオを違和感が無いように搭載しました。
向峠氏:
そんな! ディジーのシナリオは長くしてくれって,さんざん言ったじゃない!
小牟田氏:
そのあたりは不平等がないようにしました!(笑)
4Gamer:
全体的に楽しげな印象なんですか?
天野氏:
もちろんキャラクターの性質によって,内容に「暗い」「明るい」の違いはあります。ただ,それは個性を出した結果でもあるので,実際に遊んでみれば納得して頂けると思います。
向峠氏:
今回のシナリオはプレイヤーキャラクターとパートナーの間柄はもちろん,パートナー同士の絡みもたくさん用意されています。そちらにも期待して頂ければ!
4Gamer:
それは面白そうですねぇ。パートナー間で仲の良し悪しもあるでしょうし。
小牟田氏:
15人全員が同じフロンティアにいるわけですからね。これまではそれぞれが違う目的を持って行動していたんですが,今回は目的が合致していたりして,さまざまな展開が見られます。
例えば,シナリオ中で選択しているパートナーとは別のキャラクターが割り込んできたり,キャラクター間のつながりが見えてくるような内容になっています。
向峠氏:
あとは,なぜかギルドマスターがパートナーのシナリオに絡んできたりします(笑)。
4Gamer:
おおお。
向峠氏:
それと,今回もアレッティオ君はかなりやっちゃってますので,楽しみにしていください。彼の赤裸々な家族構成までも明らかになりますからね。
天野氏:
もう,彼はこの路線以外は生きる道が無いんですよ!
向峠氏:
彼は「ウザい」というキャラクター性を手に入れたのが逆に良かったかもしれません(笑)。
4Gamer:
パートナー関連の充実っぷりは思い入れが深まるので嬉しいですね。
天野氏:
そのほかには,クエスト中に発生するイベントも少し追加されています。あまり大々的な追加要素というわけではありませんが,「特定のパートナーとクエストへ行くと何かしゃべる」という,ちょっとしたおまけ的な要素になります。
小牟田氏:
また,前作で好評だったパートナーの「手紙」も追加されています。レベルキャップ開放とともに,フロンティアレベルもさらに上を用意していますから,フロンティアレベルが一定ラインまで到達すると,これまでより先の手紙を見ることができますよ。
天野氏:
そういえば前作をプレイしてくれたユーザーの中には,全パートナーを育てて400時間もかけてすべての手紙をチェックしてくれた方もいました。そこまで遊んで頂けて本当にありがたいですね。
4Gamer:
それは作り手冥利に尽きるというものなんでしょうねぇ……。
ちなみに,今作では4Gamerとのコラボクエストなんかも用意されているんですよね。
小牟田氏:
はい。とある「白いネズミ」のボスを倒しに行くことになります。
向峠氏:
ダウンロードで遊ぶことができますので,ぜひお楽しみ頂ければと。名称に難しい漢字が並んでいるカッコイイ戦盾が手に入りますよ!
小牟田氏:
ツノが四つ生えた亀のようなデザインの戦盾ですね。
4Gamer:
四亀だけに。
「Boost+」の反響次第では続編も……?
4Gamer:
さて,コマンド式のマルチプレイRPGとして独自の路線を確立したFRONTIER GATEですが,今後もシリーズとして続けていくのでしょうか?
向峠氏:
評判が良ければ,ぜひやりたいですよね。
小牟田氏:
当然,今作で終わらせたくはないです。
向峠氏:
プラットフォーム選びが難しいタイミングですけどねぇ。
4Gamer:
それこそスマートフォンだってゲーム機並みどころか,ゲーム機を上回るスペックのものまで出てきていますし。
向峠氏:
まあ,Boost+の反響によっては,さまざまな形で可能性を模索しなければいけなくなると思っています。現状は完全に白紙なんですが……。
4Gamer:
もし続編が作られることになったとき,マルチプレイの最大人数を増やすなど,何らかの大きな変革が起こる可能性はありますか?
向峠氏:
ハードの性能が上がっていけば,システム的にはそういうものも搭載できますからね。もし今後があるのならば,そういった変化は起こりうると思います。
小牟田氏:
実際,プレイヤーからは「4人で遊びたい」という声も出ていたんです。6人パーティというこだわりを持って作り始めた作品なんですが,そこにだけ拘泥しているわけではないので……どうなるんでしょうね?(笑)
4Gamer:
今後の展開に期待しています。
では最後に,4Gamer読者へのメッセージをお願いします。
向峠氏:
これから新しく始める人は前作部分を含めた大ボリュームを楽しめますし,前作FRONTIER GATEを遊び込んでくれた方にも,「クリア後のシナリオでここまであるのか!」という感覚で楽しんでいただける作品に仕上がりました。
発売が近いので,それまでに今プレイしているゲームを終わらせておいてください(笑)。よろしくお願いします!
小牟田氏:
RPGがたくさん発売される世の中で,さらに時間を食いつぶすスルメゲーFRONTIER GATE Boost+が3月14日に発売となります。
前作をプレイしてくださった方も,パートナーや武器を変えるだけで遊び方がガラッと変化するので,色々と試しつつ遊び尽くしてほしいなと思います。
天野氏:
前作FRONTIER GATEも自信を持って送り出した作品ですが,今回のBoost+はそれ以上のものになりました。死ぬ気で作りましたので,手に取って頂ければ,きっと皆さんに満足していただける出来になったと自負しています。
「間口が広く奥が深い」というコンセプトはそのままに,より進化したFRONTIER GATEにご期待ください。
4Gamer:
本日はありがとうございました!
以上,話を聞けば聞くほど制作スタッフの高い“戦意”に驚かされ,FRONTIER GATE Boost+に対する期待感が大いに高まるインタビューとなった。
思えば「モンスターハンター ポータブル」の登場以降,携帯機で多くの上質なマルチプレイアクションゲームが生まれているが,FRONTIER GATEのようにコマンド式RPGで協力プレイができるタイトルというのは,かなり稀有な存在だ。なおかつトライエースらしい作り込みでリプレイ性が非常に高く,インタビュー中で何度も言われていたように“スルメゲー”として高い評価を得ている。
そんな中,いよいよ発売されるFRONTIER GATE Boost+が,前作ファンや新規プレイヤーから,どのような反応を引き出すのか,非常に興味深い。もし本稿で多少なりとも興味を引かれたならば,ぜひとも実際にゲームを触ってみてほしい。コマンド式RPGの新たな楽しみ方を“開拓”できるはずだ。
「FRONTIER GATE Boost+」公式サイト
- 関連タイトル:
FRONTIER GATE Boost+
- 関連タイトル:
FRONTIER GATE(フロンティアゲート)
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