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「事前予約」「LINE」「リワード広告」の正しい使い方,教えます。「LINEを 活用したマーケティングセミナー」レポート
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印刷2014/11/13 16:46

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「事前予約」「LINE」「リワード広告」の正しい使い方,教えます。「LINEを 活用したマーケティングセミナー」レポート

 2014年11月12日,渋谷ヒカリエのLINE本社にて,「LINEを活用したマーケティングセミナー」が開催された。
 これは主に広告関係者のためのセミナーで,ゲームに直接関わる話ではない。だが「モバイル」で「基本無料」がデファクトスタンダードとなった昨今のゲーム産業において,広告が占めるポジションはかつてなく大きい。
 果たしていま,この広告宣伝の最先端はどうなっているのだろうか? 本稿では,同セミナーの中からゲーム関連の講演をピックアップし,その要点をまとめて紹介しよう。


「事前予約」の効用


AppBroadCast 代表取締役 小原聖誉氏
 「Google Playゲームでトップセールス入りするためのスタートダッシュ集客とは」と題された講演のマイクを取ったのは,AppBroadCastの代表取締役 小原聖誉氏。氏はアプリリリース直後の「スタートダッシュ」について,どうすれば立ち上がりが上手くいくのかを語った。

 さて,スタートダッシュに成功すると言うのは簡単だが,どの程度を「成功」と考えればいいのだろうか?
 氏は一般的に持ち込まれる案件として「100位以内には入りたい」という要望が多いと語った。売上で言えば,月商3300万円程度の規模である。これをもとに氏は,「リリース後30日間で,100位以内に入っていれば,スタートダッシュに成功したと考えられる」とした。
 しかしながら,実のところこの「100位以内」というのはかなり厳しい条件だ。小原氏の提示した資料では,Google Playのセールスランキング100位以内に入っているタイトルのうち,直近2か月以内にリリースされた作品はたった9本しかないのである。

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 さて,この厳しい競争を勝ち抜いてベスト100に入った新作には,ほぼすべてに共通する特徴がある。それは,リリース前に「事前予約」(事前登録)を行っているということだ。今回例に挙がった9タイトルだと,1タイトルを除く8タイトルが事前予約を行っていた。

 しかし,ここでひとつの疑問が浮上する。
 事前予約を行うようなタイトルは,つまるところ「大きなタイトル」だ。ということは広告予算も大きいはずであって,これは結局,「大きな広告予算」=「高い人気」という当たり前の図式を,別の方向から見ているだけではないのか。

 この当然の疑問に対し,氏は別のデータを提示した。結果から言うと,事前予約したユーザーは,ARPU(ユーザー一人あたりの平均売上金額)も継続率も高い傾向があるというのだ。
 例えば月商6000万円クラスの作品の場合,初動10日での売上2200万円のうち,370万円が事前予約ユーザーからの売上となっている。実に16%が,事前予約ユーザーのペイというわけだ。
 1人あたりの消費額で見ると,この数字はより顕著な傾向を示す。事前予約ユーザーが1人あたり370円を使ったのに対し,自然流入ユーザーは120円。その差は約3倍である。
 この傾向は,もう少し規模の小さい作品でも変わらない――変わらないどころか,事前予約の影響がより強く出る。月商2000万円クラスのタイトルの場合,1人あたりの消費額の倍率はあまり変わらないが,売上初速の30%は事前予約ユーザーが占めるのだという。

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 また興味深いデータとして,サーバーがパンクして“事前予約以外のスタートダッシュ施策をほぼ何もできなかったタイトル”の数字が提示された。
 この作品は,事前予約ユーザー5万人を確保し,ゲームの「新着無料トップ」において,リリース後6日で21位,最高19位まで順位を伸ばしている。事前予約だけで,リリース直後のユーザー数は相当確保できるのである。具体的には,予約数が1万5000で新着50位,5万で新着20位をだいたい確保できる,という相関関係にあるようだ。

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 まとめると,
1)スタートダッシュに成功したタイトルの9割が事前予約を行っている
2)事前予約で集まったユーザーはARPUが3倍,初動売上の20〜30%を占める
3)事前予約だけでも新着20〜50位に到達させることが可能

 といった事例があることから,現状ではスタートダッシュを成功させるには,事前予約がかなり重要であると言える。

 会場では,実際に事前予約を集める方法についてスライドで紹介されたが,そちらは写真を確認していただくとして,事前予約について,最も重要だと小原氏が強調したのは,「事前予約は,単なる広告手法ではない」ということだ。

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 かつて,事前予約は広告手法の一つでしかなかっただが,現在「そういう時代は終わった」と氏は断言する。
 事前予約は,これからリリースするゲームの「最初の理解者」かつ「育ての親」を募集するというイベントであり,そのゲームのファンを育成する期間だ,というのが氏の持論である。
 つまり,「ゲームの運営」はゲームをリリースしてからではなく,今やゲームをリリースする前から始まっている,というわけだ。

 売上が上がるとは,つまり「ファンに支えられる」ということである。実際,「ファンづくり」が上手く行っているゲームは,売上も良好なのだ。事前予約は,このファンを作る戦略の一環として行うからこそ効果的に機能するのであって,ただ事前予約を打てばそれで集客できる,という美味しい話はどこにもないのである。
 この点について小原氏は,「精神論になりがちだが」と前置きしつつ,そこで成否を分けるのはプロデューサーの熱量であったりする,と語った。

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価値のインフラとしてのLINE


LINE 広告事業部 フリーコインチーム マネージャー 川代宣雄氏
 続いてのスピーカーは,LINEの広告事業部 フリーコインチーム マネージャー 川代宣雄氏だ。「フリーコインと動画・スタンプ連動を活用した最新プロモーション手法」と題された講演では,LINEが提供するリワード広告「LINEフリーコイン」によるユーザー数のブーストと,ダイレクトスタンプというシステムを使ったPRについて解説された。

 本題に入る前に,まずはリワード広告とLINEフリーコインの説明をしておこう。
 リワード広告とは,「指定された行動をすることで,特典が得られるというスタイルの広告」とでも言えるだろうか。具体的に言えば「このアプリをインストールすると,別のアプリで使えるポイントをプレゼント」といった類のものだ。ちなみに,最近は「この動画を最後まで見るとプレゼント」といった条件付きリワード広告も増えてきている。

 LINEフリーコインは,ユーザーがLINEの広告経由で特定のアプリをインストールすると,LINEコインを獲得できるというもので,システムとしてはリワード広告の一種と言える。
 ユーザーから見たLINEフリーコインの大きな特徴は,ここで獲得できるコインは「LINEで利用できるスタンプの購入にのみ利用できる」ということだろう。価値としては,50〜100コインでスタンプが購入できる,程度の位置づけである。

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 さて,このLINEフリーコインだが,広告出稿側から見ると別の――そして巨大なメリットが見えてくる。
 まず,規模が桁違いであるという点。一般的なリワード広告メディアのポテンシャルは,全部ひっくるめて20万〜30万ダウンロードを稼げる程度であるのに対し,LINEフリーコインは80万ダウンロード以上という圧倒的なポテンシャルを持っている。
 また,こういった“ハイカラ”な広告システムは,往々にして首都圏を筆頭とした大都市圏でしか訴求できないという傾向が見られるのだが,LINEフリーコインは,全国津々浦々,人口分布とだいたい同比率での利用率となっている。ある意味,テレビと同じ傾向の訴求力があると言っていいだろう。
 事実,テレビや雑誌といったマス広告と,LINEフリーコインを用いたリワード広告は,とても相性がいいそうだ。
 ユーザーの人口構成としては女性が多く,かつ10代〜20代が中心。このあたりはLINEというメディアの特性と,リワード広告の特性が組み合わさった結果と言えるだろう。

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 広告商品としてのLINEフリーコインの仕様はさておくとして,言ってみれば「日本におけるリワード広告の代表格」であるこのLINEフリーコインは,実際のアプリの売上にどのような影響を与えるのだろうか。

 先の講演にあったように,20位以内というランキングは,事前予約だけでも実現できる。ここから先に順位を上げていくには,リワード広告によるブーストが重要になってくるとのこと。
 新着アプリの勢いは,リリース後だいたい1週間くらいで陰り始めるが,ここにリワード広告をぶつけることで,さらに順位を上昇させられるというわけだ。

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 またLINEフリーコインの場合,新しいサービスとして,「低インセンティブブースト(スタンダード)」という方式がある。これは,リワードとしては微々たる量のLINEコインを提示するタイプのリワード広告である(具体的に言えば3コイン程度)。
 スタンプが100コインで購入できることを考えると,インセンティブとしては非常に小さい。だが,この経路で流入してくるユーザーは,リワード目当てでなく,そのアプリを使いたくてインストールするユーザーが結果として多くなる。先の講演で言うところの「ファン」を掴みやすいというわけだ。

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 最後に,「ダイレクトスタンプ」という広告手段も紹介された。これはLINEスタンプを用いた広告で,簡単に言えば「今このゲームに登録すると,このゲームでしか得られれないスタンプがゲットできる!」的なものである。当然,その手のスタンプは,通常のスタンプショップでは購入できない。
 ダイレクトスタンプは,ある意味でリワード広告の一種とも言え,実際,そのゲームやサービスに対する,ユーザーの関心を高められる広告手段だ。

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 特徴的なのは,よりゲームのUIに寄り添うことが可能ということだろう。ポイント目的で「インストールしたので,さようなら」ではなく,ゲームの流れの中に「スタンプを獲得する」ボタンを置くことができるのである。結果,アプリをインストールしたユーザーを,より長期間「掴んでおける」可能性が高まるというわけだ。

 リワード広告関連のシステム自体は一般に浸透した趣があるが,LINEフリーコインは「スタンプ」というところにユーザーから見た価値を集約しているのが面白いと言えるだろう。

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「流行ってる感」の醸成


エイリム 代表取締役COO 高橋英士氏
 3番めに登壇したのは,エイリムの代表取締役COO 高橋英士氏と,gumi/エイリム PR戦略統括の羽入田 新氏。講演のタイトルは「“ブレイブ フロンティア”の最新プロモーション実績のご紹介」である。

 まず高橋氏が,「ブレイブ フロンティアはどんなゲームか」という部分を解説したが,本誌読者にはこのあたりの詳細は不要だろう。モバイル向け本格RPGという路線で最初期に成功して,いまだに大きな成功を収め続けている作品である(数字で言えば,国内400万ダウンロード,世界では1500万ダウンロードを達成)。

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gumi/エイリム PR戦略統括 羽入田 新氏
 そして公演の本題は,ブレイブ フロンティアの成功を支えた広告戦略は,どのようなものなのか,と言う点だ。ここからは,羽入田氏がマイクを受け継いだ。

 羽入田氏は,重要なのは「流行ってる感」をどう作るかである,と語る。そしてこの「流行ってる感」を作るために,マス広告(テレビCMや看板など)とオンライン広告(リワード広告など),そしてゲーム内施策がきちんと連携しなくてはならない,と語った。
 例えば,テレビCMを打てば,当然「ブレイブ フロンティアって面白そうだから,やってみよう」と思う人が出てくる。そう思った人が,手元のスマホを起動し,ストアを見たとき,無料ゲームのトップにブレイブフロンティアが来ていれば,CM効果は倍増するだろう。
 この構造を作りたかったら,マス広告とリワード広告の連携は必須となる。

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 同様に,ゲームを始めた人が「もっと続けてみたい」と思ったり,そう思った人が友人に「今始めればお得」とオススメしたりする(そしてもちろん,すでにプレイしている人からも「やっぱり良いゲームだ」という口コミを発生させる)ためには,ゲーム内施策(消費スタミナ半減,課金ポイント配布,新マップ追加,特別なイベントの実施など)との連携が欠かせない。
 ブレイブ フロンティアの場合,テレビCMにあわせてこういった大規模なイベントを打つだけでなく,「ブレフェス2014」というリアルイベントも開催している。

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 だが,「連携」にばかり目を向けているわけにもいかない。氏は特にテレビCMについて,3つのポイントがあると語った。

1)テレビCMの制作に関わる全員が,ゲームの特性をとことん理解すること:
 「同じモバイルゲーム」だからという理由で,ブレイブ フロンティアでパズルゲームと同じ雰囲気のCMが流れても,訴求力は弱い。ブレイブフロンティアがどんなゲームなのか,関係者全員が正しく理解している必要がある。
2)テレビCMのクリエイティブを徹底的に練り込む:
 未来のユーザーに,きちんと「刺さる」CMでなくてはならない。広告代理店の言いなりになってはダメ。
3)テレビCMと連携する施策は,大規模かつ厳選されたものを:
 特にリワード広告は重要になるが,リワード広告によるブースト効果が発揮されるのにはタイムラグがあるので,CMオンエアのちょっと前に仕掛けなくてはならない。

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 聞けば聞くほど綿密かつ筋の通った広告戦略だが,その羽入田氏が「よいしょするつもりはないが,リワード広告としては,日本ではLINEフリーコインしかない」と言い切ったのが興味深い。
 言い方は悪いが,LINEフリーコインは,LINEスタンプを購入することにしか使わないわけで,LINEをまったく使わない人や,テキストベースのチャットアプリ程度に考えている人などにとっては,ほとんど価値がない。
 ゲーマー目線で言えば,「別のゲームをインストールすればプレゼントされる,ゲーム内の有料ポイント」に比べたら,圧倒的に「もらっても仕方がないポイント」である。
 だが現実的には,その「もらっても仕方ないポイント」こそが,リワード広告として日本最大の規模を有している。このことは,LINEというプラットフォームの巨大さを実感させる,一つの好例と言える。

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