紹介記事
サッカー小僧よ,今立ち上がれ! ネットで遊べるトレーディングカードゲーム「パニーニフットボールリーグ」が開幕
しかし,当然ながら「サッカーファン=コアゲーマー」ではない。アクションゲームもシミュレーションゲームも,“プレイする人を選ぶ”という意味では普通の人にはちょっと手が出しづらく,「一緒にやろうぜー」と誘ったところで,断られてしまうことが多い。でもそれは仕方のない話。だってホントに難しいし。
サッカーが好きだからサッカーゲームにも興味あるけど,手軽に遊べるものがないなぁ……というそんなあなたにこそオススメしたいのが,今回紹介する「パニーニフットボールリーグ」(以下,PFL)だ。指先からほとばしる華麗なアクションも,ノートをびっしりと埋め尽くすほどのメモが必要なシミュレーション性も必要なく,それでいてサッカーの面白さは十分に堪能でき,しかもオンラインで対戦まで出来てしまうのだ。
「そもそもパニーニって何?」「おいしいの?」という疑問を持った人は,少なくないだろう。検索エンジンに「Panini」と入力してみても,やっぱりパンの画像が真っ先に目に飛び込んでくる……。つまり本作は,パンとサッカーが組み合わさったシミュレーションゲーム……ではなく,実は,この「Panini」という言葉,トレーディングカードゲーム(以下,TCG)で有名なイタリアの企業「Panini S.p.A」を指しているのだ。
日本では,あまり聞き慣れない名前だが,海外では「サッカーのTCGと言えば,パニーニ!」と言われるほど知名度の高い企業で,FIFA(国際サッカー連盟)と独占契約を結び,登場する選手,チームはすべて実名である。
そんなパニーニがバンダイとタッグを組んで日本のTCG業界に送り出したのが,この「PFL」というわけだ。
本作は,リアルカードを集めてオンライン上で登録し,自分だけのオリジナルサッカーチームを作って,友達やオンラインで出会ったライバル達と対戦するというサッカーシミュレーションゲームだ。リアルカードには,選手の能力,生年月日など,選手の詳細な情報が記載されており,トレーディングカードとしても楽しむことができる。
もし「プロ野球 オーナーズリーグ」「オーナーズホース サラブレッドロワイヤル」のシステムを知っているのならば,それらのサッカー版と言えば分かりやすいだろう。
現在,「FCバルセロナ」「レアル・マドリード」「インテル」「ASローマ」といった16チームが参戦している。有名どころのチームはある程度入っているので,ごひいきにしている選手がきっと見つかるはずだ。
本作を始めるにあたって必要なのは,PCもしくは,スマートフォンだ。後述するが,カードを購入しなくても,本作を遊ぶことができる。PC,スマホ間で,データの共有ができるので,家ではPC,出先ではスマホ,といった使い分けが可能だ。PCでは,試合の重要なポイントを特別な演出で見ることができたり,フォーメーション編成が快適にできたりする。
しかし,スマートフォンでもちゃんとプレイできるのが,本作の特徴の1つとなっており,スマートフォンを使ってプレイしている人と,PCを使ってプレイしている人に,差が生まれないように配慮された作りとなっている。
さて,ゲームをスタートさせると,まずは全選手の中からランダムで,レンタルカードと呼ばれる18枚の選手カードが配布される。これらのレンタル選手は,ケガをして能力が低下してしまったり,19枚以上保有することができなかったりと,市販されている同名の選手カードよりも,若干制限があるのが注意点だ。
この18枚のレンタルカードでそのまま遊んでも構わないし,市販されているカードパックを購入して入手できる選手を加えてもいい。チームの中から11人のメンバーを選出し,自分だけのオリジナルチームを作り上げる。このとき,細かいフォーメーションや戦術の設定(攻撃的な選手/守備的な選手の指定など)ができるため,選手の顔ぶれや能力を確認しながら,入念に設定していこう。もちろん,このタイミング以外でもフォーメーションなどの変更は可能なので,必ずこのときに設定する,という必要はない。
エキシビションマッチは,対戦相手を探して勝負を挑むことで試合を行うことができる。いわゆるシンプルな「対戦」だ。
一方,リーグ戦では,オンラインのプレイヤーが主催するリーグに参加する,もしくは自分でリーグを開催する,という方法で試合を行える。リーグ戦の場合,リーグに所属するすべてのチームの試合が同時にスタートし,得点王,アシスト王など,記録が残っていくので,エキシビションとは違い“蓄積されていく楽しみ”もある。
誰かが主催しているリーグ戦に参加する場合は,参加表明をし,人数が揃えばリーグがスタートする。また,自らリーグを立ち上げる場合は,リーグの詳細を設定し,人数が揃えば開催できる。
参加チームを募集している間に,リーグの設定を変更することが可能だが,リーグの途中脱退は出来ないので,リーグ設定変更の場合には,参加チーム全体へ事前に告知した方がいいだろう。
聞いてるとちょっと面倒そうに聞こえるリーグ戦だが,本作の一番面白い部分は,まさにここにある。リーグ戦を行っていると,当然勝ち負けにより順位が付き,リーグが進んでいくにつれて,自分と近い順位にいるチームをライバルとして認識し始める。そして,ライバルチームに勝った負けたで一喜一憂し,次はどうするかを考えてチームを編成し,戦術を練り直すのが楽しいのだ。
自信満々で作り上げたチームがボロ負けしたときのガッカリ感,ギリギリの試合展開を制したときの歓喜,アディショナルタイムに得点が入ったときの興奮は,現実のサッカーに近い感覚を持って楽しめるだろう。
本作は,インターネットを介して,日本中のさまざまなプレイヤーとの試合を楽しめるのだが“週末の午後を楽しむ”ために,筆者としてはあえて,仲間内でのローカルなリーグ戦を推奨したい。
「フォーメーションは3-2-2-3が安定する」「サイドアタックはかなり効果的」「両ウイングに快足FWを」など,現実のサッカーの話しも交えながら“PFL談義”をしている時間は,チームを抱える監督同士の座談会のような感覚を味わえた。ちなみに監督の経験はないので,きっとそんな感じだろうと思っただけなのだけど。
また,現在持ち合わせている選手だけでは,なかなか勝てないという場合には,新たな選手の獲得に動く。これはつまり,市販されているカードパックを買うことなのだが,必要な選手を引き当てることはなかなか難しい。
こんなときは,ほかのプレイヤーと交渉しながら,現実世界で選手カードのトレードを行うことになるだろう。だが,トレードを行うということは,マイチームの戦力を補強すると同時に,ほかのチームの戦力補強にもなりかねない。
そこで,なるべく上位チームに戦力を流出させないような工夫が生まれる。不特定多数のプレイヤーが絡むゲームならではの慣習だが,どこか政治めいた部分すら楽しめてしまう。これぞまさにサッカー“シミュレーション”ゲームではないだろうか。
むろん,現実の友達同士でリーグを立ち上げるという方法だけでなく,ネット上のプレイヤーのみでも十分に楽しめる。ネット上でのリーグ戦は,現実の友達同士だけではなかなか開催することが難しい大規模なリーグ戦を行えることがメリットと言える。
身近にどんなに多くのサッカー好きがいたとしても,10〜15チームを集めるのがやっとだろう。しかしネット上で募集を行えば,もしかしたら100チームを集めることすら可能かもしれない。自分のチームの実力を試したい,いろんなプレイヤーのチームと戦ってみたい,といった場合には,ネット上のリーグに参加してみるのもいいかもしれない。
そんなとても楽しいリーグ戦,そしてエキシビションマッチだが,試合中は,選手の交代,戦術の変更といった操作は一切できないうえ,「AのときにBを発動する」といった,状況によってチームを変化させる機能が付いていないというのが少し気になる。これらの点に関しては,もう少し自由度の幅が欲しいと感じた部分だ。
例えば,カウンター狙いといった簡単な指示から,点差が広がったときに攻撃的な陣形に変更する,といったもう一歩踏み込んだ指示などができると,監督としての楽しみ方がさらに広がるように感じた。
そこで重要となるのが,本作の特徴であり,サッカー好きにはたまらない機能でもある「LIVE」と「個人スタッツ」という2つの機能だ。
LIVEは,現在行われている試合を,リアルタイムに観戦できるというもので,選手1人1人の動きを俯瞰的に確認することができる。また,すでに終わってしまった試合も,“リプレイ”という形で,再度確認することが可能だ。リプレイの場合は,早送り/巻き戻しを自由自在に行えるので,気になるシーンを繰り返して確認できる。唯一“実況がない”というのは,寂しさを感じるが,スマホでのプレイを考えると現状は難しい……のかな。
個人スタッツは,その名の通り,試合に参加した各選手の行動を数値化したものだ。項目は,評価点,ゴール,アシスト,ボールタッチ,走行距離,ファール,出場時間,シュート,パス,パスカット,ドリブル,カードという12項目。これらの数値と試合の映像を確認しながら,次のレギュラーや戦術を考えるのが,本作の面白い部分の1つと言える。
いろいろなオーダーを組み,試行錯誤していくと「サイドバックが足りない」「3トップの両翼には足の速い選手が必要だ」といった感じで,自分のチームに“足りない部分”が浮き彫りになってくる。そうなるとおのずと新たな選手を欲するはずだ。新しい選手を加入させる方法について,すでに少し触れているがもう少し掘り下げてみよう。新選手を加入させる方法は2つある。
1つは,選手カードを購入する方法。これは,市販されている「パニーニフットボールリーグ 2013 01」のブースターパック,カードダス,ウエハースを購入し,カードに記載されているシリアルコードを入力する,もしくは,スマートフォン向けのQRコードを読み込むことで,そのカードの選手がチームに加入するというもの。シリアルコードを入力して入手できる選手は,レンタル選手よりも,能力が高めに設定されており,しかもケガをしない,という点を覚えておこう。
先述のとおり,これらのカードには,選手のデザインだけでなく,選手の能力,生年月日,得意なプレイエリア,得意なプレイなどが記載されている。カード自体に価値が生まれ,シリアルコード入力に使う以外にも,純粋にトレーディングカード収集を楽しむことができる。
もう1つの方法は,1日2回引けるレンタルカードパックで,新たなレンタル選手を入手すること。引けるタイミングは,12:00と20:00で,1回分まではストックされる。レンタル選手は,最大で18人しかチームに在籍することができないため,新たなレンタル選手が加入した場合,必ず1人を放出しなければならないのがネックだ。なお,レンタルカードパックだからといって出現する選手に制限はなく,低確率ではあるが,最上級のレアリティである“SUPER”の選手カードも手に入れられる。
そして,試合中に操作することができないということは,スマートフォンやPCをずっと見ている必要がない。言い換えれば,貼り付いていれば必ず優位になれるというわけではないので,あまりゲームをする時間を作れないプレイヤーでもしっかりと楽しめるように配慮されているということでもある。
しかし,事前準備としてやれることが少ない……つまり,勝つためにできることが少ないと感じることもあるため,物足りなさを感じる面もあるかもしれない。この点については,今後,改善されていくことに期待したい。
実際のサッカーは,22人揃わなければ試合をすることができず,あの感動と興奮を自分で味わうには,かなりの苦労が必要だ。しかし,本作であれば,インターネットにつなげさえすれば,あの感動と興奮に近い感覚を手軽に味わうことができる。もちろん,「PFL談義」ができるサッカー小僧が多ければ多いほど,その楽しさは倍増するだろう。そして談義をしながら,「どうしたら勝てるのか」と,チーム編成画面を眺めている自分に気づいたとき,あなたはもう「パニーニ」の虜になっているはずだ。
「パニーニフットボールリーグ」公式サイト
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