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「FFXIV」恒例の14時間生放送内で行われた「第56回プロデューサーレターLIVE」と出演陣のミニインタビューをお届け
「ドマ式麻雀実装約1周年記念 ファイナルファンタジーXIV麻雀大会2019」など,バラエティ色の強いさまざまな企画が放送されたが,ここではプレイヤーの注目度の高い「第56回 FFXIVプロデューサーレターLIVE」を中心にレポートしよう。また,会場内ではメディア向けに開発スタッフによるミニインタビューも実施されたので,その様子もあわせてお届けする。
すでにニュースでもお伝えしているように,番組オープニングでは「FFXIV」の冒険者数(登録者数)が1800万人を突破したことが発表された。スクウェア・エニックス代表取締役社長の松田洋祐氏は「これもすべてみなさまのおかげです。これからも頑張っていきますので,今後もお友達などを誘って一緒に遊んでいただければと思います」と語った。
また,吉田氏に向かって「2000万人はすぐという感じですし,2500万人,3000万人を目指していきたいですね」と言うと,吉田氏は「がんばっていきます。でも(3000万人は)あんまり自信ない……」と頭を抱えつつ苦笑する場面も。
12月24日にパッチ5.18が実装予定。週制限の撤廃やPvPアクションの調整など
「第56回プロデューサーレターLIVE」(以下,PLL)では,「パッチ5.2コンテンツ特集Part1」として,主にパッチ5.2に関する情報が公開された。今回は実装項目の紹介となっており,いつものように次回PLLで「パッチ5.2コンテンツ特集Part2」としてより詳細な内容が伝えられるとのことだ。
また,後半では「FFXIV」サウンドディレクターの祖堅正慶氏を迎えて,事前に募集した質問に答えるQ&Aトークセッションが行われた。
パッチ5.2の情報の前に,年内に予定されているパッチ5.18の内容が発表された。本来年明けに予定されていたものだが,プレイヤーの要望も高まっていることから,修正パッチを充てる必要があるような,重大なバグが出なければ12月24日に実施を予定しているとのことだ。
「ザ・フィースト」に関してはシーズンオープンはするものの,前倒しで行われるため,ランキング入賞時に武器トークンを入手できない状態になっているとのこと。称号やトロフィーは従来通り受け取れるそうだ。
また,画像にはないが,「オンサル・ハカイル」では忍者のPvPアクションや一部スコアポイントを中心とした調整も行われる予定になっている。これは現状を鑑みた緊急措置的な内容で,パッチ5.2では本格的な調整も予定されている。
さらに,「YoRHa:Dark Apocalypse」の2B装備などで話題になったキャラクターの尻のモデリングに関して,全体的な調整措置が行われる予定で,早ければパッチ5.18で開始されるとのことだ。
パッチ5.2タイトルは「追憶の凶星」に。実装時期は2020年2月中旬を予定
ここからは,いよいよパッチ5.2の紹介となる。お伝えしているように,パッチ5.2のタイトルは「追憶の凶星」。タイトルからはいろいろな意味が考えられそうだが……?
イシュガルド復興関連では「ディアデム諸島」を中心に,ギャザラーの活躍が期待できる
続いてパッチ5.2における「イシュガルド復興」について公開された。前回は主にクラフターが活躍できた内容だったが,今回は主にギャザラーに光の当たる内容になっているようだ。
「クラフター&ギャザラー大改修」では便利な「効率予想」のシステムや漁師システムの大型アップデートも!
パッチ5.1から始まった「クラフター&ギャザラー大改修」。パッチ5.2においてどんな変更・追加があるのかが発表された。
また,パッチ5.2の話ではないが,将来的にはクラフターの練習機能の実装も予定されているとのこと。今後の発表に期待しよう。
海に船出して存分に釣りを楽しむ新コンテンツ「オーシャンフィッシング」
パッチ5.2で実装される新コンテンツとして「オーシャンフィッシング」が予定されている。これは一定時間ごとに出港する船に搭乗して海釣りが楽しめるというもの。コンテンツエリアまで自動移動するものが多い「FFXIV」だが,世界を感じてほしいということで,敢えて出港時間の決まった船に乗り込むという仕様になっているそうだ。
その他のアップデートでは待望の「傘」の実装にも注目
その他のアップデート項目としては,フリーカンパニーのレベル上限アップなどのほかに,以前から要望の多かった傘の実装も予定されているようだ。
「FFXIV」開発スタッフにミニインタビュー
会場では「FFXIV」開発スタッフにミニインタビューを行うことができたので,ここからはその内容をお届けする。時間は短かったものの,全員に共通で2019年の振り返りと,2020年に向けての抱負をお聞きすることができた。
●プロデューサー兼ディレクター 吉田直樹氏
「漆黒のヴィランズ」が過去最高の評価をいただけたことは嬉しかったです。しかし,日々忙しくて過去のことになりつつあるんですよ。自分の中でMMORPGのアイデアというのは「漆黒のヴィランズ」でだいたい出し切ったかなということもあって,今後新しいステージに向かっていかないといけないと思っています。ほかのMMOがやっていないこと,「FFXIV」でしかできないことを作っていかなければと。そのうえでスタッフからの新しい提案なども上がってきています。なにより今年はスタッフが成長してきて嬉しかったという思いがあります。
来年はまたファンフェスもありますが,制作側が「やらなきゃいけない」みたいな感じで飽きてくる点もあると思うんです。でも,それじゃいけないなと。
やることはやるんですが,またいろいろ趣向を凝らしていけたらなと思っています。僕らが楽しそうにやっているほうが,結果的にプレイヤーさんにも楽しんでもらえるんじゃないかなと。
●グローバルコミュニティプロデューサー 室内俊夫氏
「漆黒のヴィランズ」がリリースされたのがもう1年以上前なんじゃないかという体感なんですよね(笑)。イベント事が多かったせいもあるのかもしれませんが,時間が経つのが早かったです。
今回発表したように,来年はファンフェスもあるので,そろそろ全力で走り出さないといけないのかなーと(苦笑)。吉田からもあったようにこの1年ではスタッフの成長が感じられた年でした。国内はもちろん,海外イベントを切り盛りしてくれる人も増えましたし,層が厚くなったと感じています。
●サウンドディレクター 祖堅正慶氏
2019年は「漆黒のヴィランズ」開発とオリジナルサウンドトラックの制作,オーケストラコンサートの準備が同時だったので,前半はかなりしんどかったですね。後半はサウンドのシステム面にテコ入れというか基本的なところから見直しなども行って,これまでできなかったところに手を入れているという感じでした。
今まではコンポーザー枠として新人を取れる環境になかったのですが,新しい人が「FFXIV」に加わってくれています。教えることはまだまだありますが,彼ら自身も「FFXIV」のクオリティがものすごく高いということを実感してくれていて,悩んでいる姿も見かけています。僕にはなかなかできない表現もたくさんありますし,そんな若いエキスも「FFXIV」に注ぎ込んで,皆様に楽しいサウンドをお届けしていきたいなと思っていて,それは僕にとっても楽しみです。
今年,オーケストラコンサートをやってみて思ったのは,新規のお客様がすごく増えていて,「オーケストラコンサート初めてなんです」という方が半数くらいいらっしゃったんですよ。引き続き,いろんなお友達を誘って,冒険したあとに音楽も聴いていただけると嬉しいなと。
来年に向けては……ノープランですけど(笑)。引き続き開発は全力で頑張らせていただきます。オーケストラコンサートのパッケージングも行いましたが,海外のお客様にはなかなかお届けしづらい面もあります。まだまだ模索中でいろいろ難しい点もあるのですが,中身をオンデマンドに上げるなりといったことができたらなぁと,もがいている最中です。あとは(着ていたThe PrimalsのTシャツを示しながら)これやりたいですね!
●リードアーティスト 鈴木健夫氏
2019年前半は「漆黒のヴィランズ」の制作で,これまで作ってきた拡張パッケージと比べても1,2を争うぐらいに大変でした(苦笑)。自分が担当したもので言うと,第一世界の背景やカットシーンまわり,キャラクターでは新種族などに関して,アニメーションも含めて見させていただいた感じです。
とくに大変だったと感じたのは,ずっと光に満ちた天候を引っ張ったまま絵作りしていくということでしょうか。
1つの絵だけでいいと思われがちなんですが,今までのフィールドは昼から夜への変化,天候による変化に頼れる絵作りだったんです。変化することでプレイヤーがいろいろな経験を持てるわけです。
今回は夜を取り戻すという瞬間に,ものすごく大きなゲーム体験ができるのですが,それまでは世界を冒険していくという意味で,次のフィールドに行っても同じ見た目ではよくないですよね。(どのように変化をつけるか)そういったあたりが大変でした。
自分の予想以上に多くのプレイヤーさんから称賛をいただけたというか,楽しんでいただけたということもあり,今年の後半は嬉しい時間を過ごさせていただきました。拡張パッケージなどでないと追加のフィールドなどは実装できませんし,4年振りくらいに新種族を追加するというのも達成できたのでそれもよかったですね。
それと,予想以上にカットシーンを含めたシナリオを楽しんでくださった方が多くて,頑張った甲斐があったなと。こういった良い評判を得られたのも,開発スタッフそれぞれが積み重ねてきたものが大きいと感じます。来年以降,今後もいろんなものを積み重ねていって,いいものを作り続けていきたいと思います。
●世界設定/メインシナリオライター 織田万里氏
設定やシナリオというのはゲーム制作の上流工程になるので,今もまさにほうぼうからいろいろせっつかれていて,「漆黒のヴィランズ」の発売も感慨に耽っている状態ではなかった感じです。ですから2019年は,自分としてはもう(次の)仕込みの1年という感じが強いんですよ。
「漆黒のヴィランズ」についての反応についても半ば忘れかけているところもありまして……(苦笑)。思い出深いのは,とくに海外からの反応が多かったのですが,中南米の神話などをモチーフに使ったことがやたらと刺さったという印象がありました。
「中南米を取り扱ってくれてありがとう」みたいなことも言われていて,日本人からするとインカとかアステカとか“どメジャー”なんじゃないの!? って思っていたんですが,意外な反応だったなと。
来年の抱負については,「FFXIV」は運営の長いタイトルになりますので,作っているほうにも“慣れ”がでてきてしまいやすいところがあります。ですので,常に新しい挑戦を忘れないことと,あとはプレイヤーさんの動向などをちゃんと見守りながら寄り添っていければなと思っています。
それと,世界設定本に関して,期待されている方が多いというのは承知しています。自分はもともと出版業界にいた人間なので,たくさん本を作っていきたいと考えているんです。とくに,ゲームの仕事に追われていると唐突に本を作りたくなる病気が出てきて,グッズを統括しているスタッフに企画を投げていたりするのですが,「絶対に通常業務を遅らせないように」と釘を刺されていまして(笑)。そんなわけで,実現するかどうかは状況次第という感じです。
●メインシナリオライター 石川夏子氏
今年は「漆黒のヴィランズ」をリリースできて,気づいたらキャラがヒートテックを着ていました(笑)。来年はパッチの制作とバリバリ並走しつつ,この勢いを続けていけたらと思っています。休めないけど頑張りたい(苦笑)。
私はもともとオンラインではない売り切りの形態のゲームに携わっていたんですが,だいたい3週間も経つとそのゲームの話題ってなくなってしまうんですよ。でも「FFXIV」はMMORPGであるというのがいい方向に働いて,話題が途切れずに聞こえています。それを聞いた別の方が新たにプレイしてくれたり,感想をいただけるという,私の開発の経験では今までになかった新鮮な喜びを感じています。
これからチャレンジしてみたいこととしてはエイプリルフール企画の「イシュガルド学園」の漫画の原作,届かないまま来年のエイプリルフールを迎えそうなんですが,どこかの編集部さん,ぜひお願いしたいです(笑)。
●クエストデザイナー 高柳早紀氏
上半期はずっと「漆黒のヴィランズ」の制作で走り続けていて,大変だったけれど,これだけプレイヤーさんに喜んでいただけたなら,なによりかなと。パッチ5.1からは「YoRHa:Dark Apocalypse」の実装を行っていて,これからもヨコオさんとのタッグクエストを盛り上げていけたらと思っています。
「漆黒のヴィランズ」では,サブクエストのプロットから担当したのですが,そんなサブクエストにも感想などがいただけて。自信満々で作った闇色シロップを拾っていただいて嬉しかったですね。プロット初挑戦で,「大丈夫かな」と毎日こわごわとしていたので本当にありがたかったです。
来年の抱負は,好みのミッドランダーを特注で(キャラ班に)発注したいです(一同笑)。実は今回も「漆黒のヴィランズ」内でイベント班に内緒でミッドランダーの顔を新しく作っていて……(石川氏から「ヤバいんですよ。疲れるとイケメンばっかり作り出すんですよ!」とツッコミ)。エレゼンの新しい顔も作りたいけど,私はミッドランダー大好きなので。ミッドランダーまたはハイランダーの新しい何かを作りたいなと。これを言ったらキャラ班の人たちがザワっとするかもしれないけど(苦笑),仲良く頑張りたいと思います。
●リードアーティスト 市田真也氏
2019年内は,無事に「漆黒のヴィランズ」を作ることができ,パッチ5.1,5.2と進んでいますが,そこを日々チーム全体で進めていくことができてホッとしているところです。
「漆黒のヴィランズ」で印象に残っているのは,新種族のロスガルで,ちょっと背中を丸めた風貌をしているために,共通で使えていたリソースがあまり使えず,専用のコストがかかったというのがありますね(笑)。あと,手が大きいので武器のグリップが収まらなかったり,マウントの手綱の持ち方を工夫したりと,新種族ならではの苦労を経験しました。
制作全般で言うと,チーム全体も成長していて,若手はもちろんですが,その影響を受けてベテラン勢も力を発揮していいものが作れているのではないかと思っています。新しく入ってきてくれたメンバーは,「FFXIV」をプレイしてきて,開発に参加したいと思って加わってくれた人が多いです。もともといたベテランのスタッフも,外から見た「FFXIV」の素晴らしさを客観的に教えてもらって改めて気付かされるということが増えています。ベテランもまたそこで活気づくというか。それは今までに見られないコミュニケーションでしたね。
どの部署もそうだと思うんですが,若手がすごく開発全体を押し上げてくれています。この力をうまく1つにまとめて今後もよりいい作品を作っていきたいと頑張っています。
来年に向けては,MMOというのは同じことの繰り返しというのも含まれるので,自分としてはその中での新しい体験,グラフィックスだったり,ゲーム体験だったりとそれはさまざまだと思いますが,それらをプレイヤーの皆様に届けたいですね。
●リードプロジェクトマネージャー 松澤祥一氏
今年リリースされた「漆黒のヴィランズ」はビジネスの面でもコミュニティの面でも大きな盛り上がりがありました。MMORPGという長期運営ならではだと思うのですが,盛り上がった瞬間を,開発だけでなくプレイヤーのみなさんと一緒に作っていけている感じがありました。今年はとくにそれを実感できたというのが印象に残っています。
あとは,プロジェクトマネージャーや宣伝のメンバーも含めてみんながすごく成長していて,チームとして仕事がすごく進むようになってきたというのが感じられた年でもありました。個人的にはとても助かった1年と言えるんじゃないかなと。
プロジェクト規模がすごく大きいので,個人個人の担当している箇所は部分的にはなってしまいます。それが表に出てきていないメンバーがいてこそ成り立っているなというのを強く感じています。そんな中,プロジェクトマネージャーメンバーとしては,すでに次の長期のスケジュールを今から組まなければいけなくて,楽しみと同時に,心配事もいろいろあり,頑張って対応していかないとなと思っているところです。
「FFXIV」というのは国産MMORPGの立ち位置としてすごく特殊なところにいると感じていて,例えばフリートライアルを無期限にしたところなど,ほかでやっていないことをウチでやるしかないという状況だと思うんです。
ここからさらに攻めの姿勢を続けていければと思っていますので,今後もいろいろ新しいことにも挑戦したいと思っています。まだ何に挑戦するのかといった具体的なことは言えないですが,それはおいおい吉田の口から語られるはずです。楽しみにお待ちください。
「ファイナルファンタジーXIV」公式サイト
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