借金しながらクズを育てて，立派な社会人に。iOS向け「ニート育成セット」を紹介する「（ほぼ）日刊スマホゲーム通信」第170回

スマートフォンには相当な数のゲームが存在しているが，「じゃあ，どれが面白いの？」「そもそも，数が多すぎて好みのタイトルが探せない！」と思っている人も少なくないはず。　そんな問題を解決すべく，スタートした連載が「（ほぼ）日刊スマホゲーム通信」だ。話題の新作タイトルからネタ要素多めのオモシロ系まで，スマートフォンのゲームを片っ端からプレイして（ほぼ）毎日お届けする。

　本連載第75回で紹介し，大きな反響を呼んだ「壁ドンの達人」。あのナンセンスで想像の斜め上を行く作品をリリースしたuseFoolから，新作「ニート育成セット」が登場した。相も変わらずカオスな世界観とあざといキャラクター達が活躍するのだが，中身はきちんとした育成ゲーム。しかも無料で楽しめる。

壁ドンの達人でお馴染み，カノンちゃんも登場。相変わらずの毒舌っぷり

「ニート育成セット」ダウンロードページ（App Store）

　ゲームは，useFoolのゲームでお馴染みキャラクター「アルマ」「アニマ」「カノン」達が，卵から生まれた謎の生物「クズ」を育てることになるというストーリーから始まる。
　クズは「年齢」「クズランク」「おなか」「メンタル」「偏差値」「顔」「コミュ力」というステータスが設定されており，これらのステータスを上げると進化。別の生物へと変貌を遂げるのだ。
　こうしてクズを育てて進化させていき，最終的に就職させられれば次の世代へ交代。また同じように育成を繰り返す，というのが本作の楽しみ方となる。

クズは基本的に部屋をウロウロするだけ。画面を何度もこするようにスワイプするとなでることができ，キャラクター達のクズに対する一言が見られる

やがて迎えるお別れの日。無事就職に成功したクズは，社会という戦場へ旅立っていく

　クズのステータスを上げるには，「めにゅー」にある「あそび」から，6つあるうちのいずれかを選択すれば上昇。ただし，あそびの種類によって上がるステータスや下がるステータスがあるため，すべてのステータスをまんべんなく上げるというのはなかなか難しい。最初はいろいろなあそびを選んでステータスの変化を確認し，あとは自分の好みに合わせてあそばせていくといいだろう。

画面では偏差値がMAXになっているが，実際にプレイした経験から言うと，顔は比較的上がりやすく感じた。偏差値とコミュ力を同時に上げるのが難しい

あそびは，「ネトゲ」「生放送」「あくしゅけん」「つぶやくったー」「ダーツ」「金」の6種類。どれもこれもツッコミ待ちなものばかり

　ただし，あそびを選ぶ際には「メンタル」が必要となる。メンタルはハートマークで表示され，最大3個。メンタルはめにゅーの「ごはん」から，あそびと同様に6種類のうちいずれかを与えると上昇する。
　ごはんを3回与えるとクズのお腹がいっぱいになってしまい，1回分のごはんを消化するのに10分かかる。このようなシステムのため，基本的には，ごはんを3回あげる→メンタルが尽きるまであそばせる→ごはん消化のため30分待つ，という遊び方になるだろう。

ごはんを食べているときのクズはなかなか愛らしい。好物や嫌いなものはクズの種類によって変わり，好物ほど1回で上がるメンタルが多くなる

　成長段階によって好むごはんやあそびで上がるステータスに違いが出るなど，細かい設定が施されているので，クズの状況によって，いろいろと調べていくといいだろう。
　なお，ごはんやあそびにはお金がかかる。基本的にお金を稼ぐ手段はなく，所持金がなくなったら借金ということになるのだが，気にすることはない。あえてここまで言わずにいたが，本作の最終目標はずばり「どれだけ借金を重ねられるか」なのだ。ちなみにGameCenterにも対応しており，全国のクズ愛好家たちと借金の額を競い合うという，豪毅な楽しみ方も可能だ。

めにゅーには，これまで育てたクズが見られる「ずかん」や，Game Centerのランキング，これまでの世代数，就職回数といった各種データが閲覧できる「これくしょん」などの項目もある

　とはいえ，本作の最大の魅力は，クズのバラエティやごはん・あそびの種類などに見られる風刺たっぷりのテイストにある。テキストも某大型掲示板やTwitterなどのネタが満載で，この辺りは実にuseFoolらしい。
　逆にいうとこの手のネタが理解できないと面白さも半減なので，少々人を選ぶゲームともいえるだろう。
　育成ゲームは数あるものの，ここまでネタに走ったものも珍しい。以前紹介した「┌（┌ ＾o＾）┐＜ホモォいじり」と似たものを感じる本作は，あざとい美少女好き，ニート好き（いるのか知らないが），某掲示板のまとめサイト好き，つぶやき好き……といった人にぜひともオススメしたい。「ペットは飼い主に似る」という格言が身にしみること間違いなしだ。

著者紹介：トリスター/目代将規
　ゲームやアニメの書籍企画，編集，シナリオライティングや広告制作なども手がける編集プロダクション「トリスター」所属。スマートフォンならではのゲームや，一瞬で遊べてしまうゆるいゲームが大好物。好きなゲームのジャンルはRPGとアドベンチャー。“モンハン”好き。

「（ほぼ）日刊スマホゲーム通信」記事一覧