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前代未聞の仲間勧誘RPG「あなたってよく見るとドブネズミみたいな顔してるわね」を紹介する「(ほぼ)日刊スマホゲーム通信」第262回
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印刷2013/05/30 10:00

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前代未聞の仲間勧誘RPG「あなたってよく見るとドブネズミみたいな顔してるわね」を紹介する「(ほぼ)日刊スマホゲーム通信」第262回

画像集#013のサムネイル/前代未聞の仲間勧誘RPG「あなたってよく見るとドブネズミみたいな顔してるわね」を紹介する「(ほぼ)日刊スマホゲーム通信」第262回

スマートフォンには相当な数のゲームが存在しているが,「じゃあ,どれが面白いの?」「そもそも,数が多すぎて好みのタイトルが探せない!」と思っている人も少なくないはず。 そんな問題を解決すべく,スタートした連載が「(ほぼ)日刊スマホゲーム通信」だ。話題の新作タイトルからネタ要素多めのオモシロ系まで,スマートフォンのゲームを片っ端からプレイして(ほぼ)毎日お届けする。

 人が生きるために必要なものはなんだろうか? 食べ物,衣服,住居……もちろんそれらは不可欠だが,もっとも大事なことは,自分以外の誰かに助けてもらうことではないだろうか。
 そんな哲学的なノリで始まった本日の「(ほぼ)日刊スマホゲーム通信」では,「あなたってよく見るとドブネズミみたいな顔してるわね」iOS / Android)というゲームを紹介しよう。おそらく連載史上最長,そして意味は最低のタイトル名ではないだろうか。

 プレイヤーの目的は,勇者となり,酒場で仲間を集めて旅立つこと。そう,魔王を倒すことでも,世界に平和を取り戻すことでもなく,「仲間を集めて旅立つ」ことなのである。
 「えらく簡単な目的だな」と思うことなかれ。勇者にとって一番恐ろしいのは,モンスターでも魔王でもなく,人との対話なのだから……。

iOS版,Android版ともに無料プレイできる。グラフィックスは見ての通り,某人気RPGシリーズにそっくり
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「あなたってよく見るとドブネズミみたいな顔してるわね」ダウンロードページ(App Store)

「あなたってよく見ると ドブネズミみたいな顔してるわね」ダウンロードページ(Google Play)


 ゲームを開始する前に「かんたん」と「ふつう」から難度を選ぶことになるが,まずは「かんたん」から始めるのがオススメ。難度で変わるのは敵の強さだが,「ふつう」でしか登場しないレアキャラもいるので,「かんたん」をクリアしたあとにチャレンジしてもらいたい。

 舞台は冒険者たちが集う酒場で,フロアには3〜4人のキャラクターたちがいる。彼らのいずれかをタップすると,職業や性別,レベルに加え簡単なプロフィール的コメントが表示され「かんゆうしますか?」というメッセージに「はい」を選べば,実際の勧誘画面へと移る。

 本作における勧誘は「言葉を使って相手にダメージを与え説得する」というもの。いわゆる一般的なRPGの戦闘が,この勧誘にあたるというわけだ。
 勇者の行動は「こうげき」「じゅもん」「ぼうぎょ」「どうぐ」「にげる」の中からひとつ選択できる。敵・味方ともに1回ずつ行動したらターンが終了し,また次の行動を選択という,実にオーソドックスなコマンド選択式バトルだ。

言葉で戦うというシステムは「ラサール石井のチャイルズクエスト」以来ではないだろうか(知らない人のほうが多いかもれないが)。相手を倒せば仲間になってくれる
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 戦闘についてもう少し詳しく解説しよう。従来のRPGでは,物理や魔法といった攻撃手段が主となるが,本作では,相手の心に響きそうな言葉で説得するのがもっとも効率よくダメージを与えられる方法なのだ。
 本作における「じゅもん」は,いわゆる魔術の類ではなく,いわば勇者の「言葉の引き出し」。「いっしょにきてくれ」「ごはんおごるよ」など,さまざまなバリエーションのセリフを駆使し,相手の説得にあたることになる。勇者の言葉が心に響けば大ダメージを与えられ,逆に怒りを買えばこちらが大ダメージを負うのだ。

 相手の心に響きそうな言葉を探るには,キャラクターごとに表示されるプロフィールコメントを見ればいい。たとえば「男らしい人がいい」というコメントが書かれていれば,「おれがまもってやる」のじゅもんが有効で,「団体行動は好きじゃない」という相手には「ひとりはさみしいだろ」というじゅもんが効くのだ。

 このように,コメントから有効な呪文を推測するという,ある種謎解きっぽい要素がなかなか新鮮で,予想がバッチリハマったときのニンマリ感は意外とクセになる。中にはコメント内容と相反するようなじゅもんが効く場合もあるので,しっかり頭を働かせて真意を読み取ろう。このあたりはまさに現実世界と同じである。

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相手に効きそうなじゅもんが簡単に推測できそうなコメントから,どうしたらいいかさっぱり分からないものまでさまざま。人を説得するという行為は,こんなにも奥深く,難しいのだ
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説得に成功したり,新たなフロアへ移動したりすると,新たなじゅもんを覚えることがある。ちなみに覚えているじゅもんは,本のアイコンをタップすれば,具体的な内容まで確認できる

 このようにして相手を倒せば仲間になってくれるが,本作は勇者を入れて最大4人までしかパーティを組めない。仲間を増やすたびに,今いる仲間と別れて新たな仲間を加入させるか,仲間にするのを諦めるかという選択を迫られることになる。
 とはいえ,一度倒した相手は戦闘なしでパーティに加入させられるシステムなので,気軽に編成するといいだろう。

 さて,フロア内のキャラクターすべての説得に成功すると,酒場が増築され上の階へと移動できるようになる。このようにフロア内のキャラクターを説得→上の階へ,というプロセスを繰り返していくのだ。

新たなフロアに進むたび,勇者のレベルが自動的に1つ上昇。仲間のレベルはその階に応じた数値(15Fならばレベル15)なので,基本的には後半に出現する仲間ほど強くなる
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 5の倍数のつくフロア(5F,10F,15Fなど)には,じゅもんが効きづらいバトルマニアが待ち構えており,このときは純粋な力対力の戦いになる。1Fの受け付けで武器や防具が購入できるので,これらをしっかり装備して備えておくようにしたい。
 バトルマニアを突破して上のフロアへ向かうと酒場の背景がガラリと変わる。同じ建物の中なのに,氷やマグマといったファンタジー世界が旅できるのだ。「なんで酒場に氷やマグマが?」という突っ込みはあえてしないでおく。

背景に対応してBGMも変化するという凝りよう。個人的には氷世界の切ないBGMが非常に好き
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 なお,じゅもんを使えるのは勇者だけではない。登場するキャラクターたちはほぼ例外なく,何らかのじゅもんを覚えている。じゅもんの効果は攻撃力をアップさせたり,相手を魅力したりとさまざまだ。
 中盤以降は相手の攻撃力が増すうえに,全体攻撃の頻度も急増する。こういったときに役立つのが,「やればできる」系の体力回復じゅもん。これがあるとないとでは安定感が大違いなので,覚えている仲間はなるべく優先してパーティに入れることをオススメしたい。

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誰かのHPが危なくなるとメニューの枠線が緑になり,死ぬとオレンジ色に。ファミコン世代なら,懐かしくもジワリと脂汗が沸き立つはず
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なお,27Fには本作を開発したSYUPRO-DXの作品がモチーフとなったキャラクターたちが登場。プレイ経験のある人ならば,思わずニヤリとするだろう

 このようにネタ満載ながら,オープニングからエンディングまでしっかりとした一本の物語となっている。ラストバトルの演出には感動を覚え思わずウルリときてしまった。
 道具とお金を引き継いだままニューゲームをプレイできるという,2周目以降のお楽しみもバッチリ。若干バトルの難度が高く感じるが,その分やり応えがあるので,RPG好きやネタゲー好きに遊んでもらいたい一本だ。

著者紹介:トリスター/目代将規
 ゲームやアニメの書籍企画,編集,シナリオライティングや広告制作なども手がける編集プロダクション「トリスター」所属。スマートフォンならではのゲームや,一瞬で遊べてしまうゆるいゲームが大好物。好きなゲームのジャンルはRPGとアドベンチャー。“モンハン”好き。

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