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ブシロードの新作TCG「ファイブクロス」&「バディファイト」商品説明会レポート。スマホ連動とターゲットの絞り込みで新規層獲得を狙う
このイベントは全国のカードショップ向けに開催されたもので,小学館のコロコロコミックでの漫画連載が予定されており,さらに2014年からテレビアニメの放映も予定されている「フューチャーカード バディファイト」と,スマートフォンと連動したトレーディングカードゲーム「ファイブクロス」の商品説明が行われた。
2013年秋から2014年にかけての,ブシロードの狙いなども合わせて紹介されたので,その模様をレポートしていこう。
「ファイブクロス」公式サイト
「フューチャーカード バディファイト」公式サイト
リアルとネットを組み合わせたハイブリットTCG「ファイブクロス」
説明会はブシロード社長・木谷高明氏の挨拶からスタート。今回の説明会は,この東京を皮切りに,札幌,仙台,名古屋,大阪,岡山,博多と全国で7か所,さらに世界各地で行われることが宣言され,TCGの商品展開にさらに力を入れることを表明して,幕を明けた。
続いて登壇した「ファイブクロス」の広瀬和彦プロデューサーは,同タイトルのコンセプトを説明。ファイブクロスは,同社の「ヴァイスシュヴァルツ」をはじめとした,版権キャラクターを使用したタイプのTCGだが,現在このジャンルは,同社を含めかなりのタイトルが展開され,飽和状態になっていると現状を説明した。
さらに,アニメが好きでヴァイスシュヴァルツを買ってはみたものの,ルールが難しくプレイしていなかった層や,TCGはプレイしないがスマートフォンなどでゲームを遊ぶ層がいることにも言及。それらの層をターゲットに,既存のものとは被らないプレイヤー層を掘り起こすことを,本作は目的としているという。
具体的な遊び方は,リアルで購入したカードに記載されたシリアルコードを,同社のゲームプラットフォーム「ブシモ」で展開予定のiOSとAndroid,PC版のゲームアプリに入力することでカードを増やしていき,オンラインでデッキを組んで,対戦を行う仕組み。キャラクターカードとクロスカードという2種類のカードの組み合わせで,戦略が変わってくるのだという。
ブースターパックは第1弾として,2013年10月から新作アニメが放送予定の「IS<インフィニット・ストラトス>」と,先日放送が終了した「ファンタジスタドール」のものが,2013年11月8日に発売されるとのこと。さらに12月には「ソードアート・オンライン」,1月には「私がモテないのはどう考えてもお前らが悪い!」,2月には「プリティーリズム・レインボーライブ」,そして3月には先日アニメ化が発表された「熱風海陸ブシロード」と,つぎつぎの人気版権のブースターが登場する。
なお,お試しプレイができるトライアルデッキは,アプリ上の初期サンプルデッキとして組み込まれているため,リアルなカードとしては展開されない。ゲームサービスはすでに9月18日からスタートしており,10月末日まではオープンβテスト期間として,サンプルデッキを使ったプレイが楽しめる。ブースターパックの発売日である11月8日からは,正式サービスとなる予定だ。
プレイするだけでキャラクターになりきれる「フューチャーカード バディファイト」始動
次に登壇したのは,ブシロードの新世代TCG「フューチャーカード バディファイト」を手がける平良俊一プロデューサーだ。「バディ」と呼ばれるモンスターとプレイヤーが契約を結び,タッグを組んで戦っていくという,本作のコンセプトと展開について紹介を行った。
本作のターゲットは,ずばり小学生とのことで,分かりやすいルールとスピーディな試合展開がウリ。そのためいわゆる萌え要素を排除し,そのほかカード内テキストの字数を少なくするなど,分かりやすさやを重視したカードデザインが取られているという。
また,小学生に人気のあるコロコロコミック,「ポケットモンスター」シリーズや「イナズマイレブン」シリーズを手がけるアニメスタジオ「OLM」とガッチリタッグを組み,メディアミックス展開にも余念がない。11月15日発売の月刊コロコロコミック12月号では,田村光久氏による漫画連載がスタートし,また2014年年始にはテレビアニメが放送開始となる予定だ。
なお,本作の発売は2014年1月が予定されている。また最初期から海外展開も考慮されており,日本語版のほか,英語版も同時発売。シンガポールを拠点に,アジア,北米,ヨーロッパ,そしてオセアニアと世界各地でも発売される予定とのことだ。
木谷社長が考えるTCG業界の現状と未来
氏は,「マジック・ザ・ギャザリング」から始まったTCG業界ではあるが,現在は競技性よりもコミュニケーションツールとしての側面が強くなっていると言い,そのため常に新規タイトルを立ち上げ続ける体力が,企業に求められていると持論を展開した。長く続いたタイトルをサポートし続けることは当然としながらも,次々に新しいタイトル――それもなんらかの新規性を持ったタイトルをリリースし続けることで,新規参入のハードルを下げる。今回発表が行われた2タイトルにも,そんな狙いがあるのだそうだ。
またコンシューマゲーム機やスマートフォン,またそのほかのおもちゃによって,小学生のカードゲームプレイヤーが減ってきている現状を業界の危機であるとし,世界を視野に入れた展開も欠かせなくなっているとのこと。また素晴らしい日本初のカードゲーム文化を世界に広げるためにも,マーケットの拡大を推し進める,新たなTCG企業の登場を望んでいるとのことだ。
スピーチは今回の説明会に集まった小売り関係者を対象としたものであるため,そのほか海外展開における“並行輸入”に関する問題や,海賊版対策などにも話が及んだが,本稿ではその辺りは割愛させていただく。
国内TCGメーカーの最大手として,自ら市場を切り拓いていくブシロード。外側から見ると好調続きのように見えるが,その実,数多くの悩みを抱えてるようだ。ブシロードの描く未来を良しとするかは人それぞれだが,ともかく誰よりも真剣であることだけは疑いようもない。TCGカンパニーを謳う同社の今後に,目が離せない。
「ファイブクロス」公式サイト
「フューチャーカード バディファイト」公式サイト
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ファイブクロス
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フューチャーカード バディファイト
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