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[TGS 2013]「ファンタシースター ノヴァ」のステージイベントをレポート。“声を掛け合える距離感”を意識して開発を進めるキーパーソン3人が思いを語った
「ノヴァ」は,セガの「ファンタシースターオンライン2」(PC/PlayStation Vita。以下,PSO2)と同じ世界観を持つタイトル。この世界では「アークス」と呼ばれる調査隊が様々な惑星を調べているが,その一部隊が謎の新惑星「マキア」に不時着し,孤立無援の状況下で生き残るため,巨大な敵「ギガンテス」と戦っていくというストーリーが描かれる。
オンライン専用タイトルである「PSO2」に対し,「ノヴァ」はオンライン要素がなく,ストーリーと,PS Vitaを持ち寄っての“共闘”プレイにフォーカスしているのが特徴だ。
最初に登壇したのはセガの都築氏とトライエースの田村氏。両氏はそれぞれ「ノヴァでは,ファンタシースターの新しい面白さや魅力を提案したいと考えています」(都築氏)「このお仕事をいただいた時,責任重大だと思いました。スタッフ一同頑張って開発しています」(田村氏)と述べた。
PSノヴァのプロデューサーである都築靖之氏 |
開発を担当するトライエースの田村裕志プロデューサー |
「ノヴァ」の開発の経緯について,都築氏は「PSO2はオンライン専用ゲームなので,ネット環境の無い方から,オフラインで楽しめる新作を希望される声が多く寄せられました。そこで,ファンタシースターの世界を広げるため,酒井智史シリーズプロデューサーと協議を重ね,新プロジェクトとしてノヴァを立ち上げた訳です」と解説した。
PSO2と同じ世界ではあるが,「ノヴァ」ではオリジナルのストーリーが展開するという。シリーズでおなじみとなっているエネルギー「フォトン」が使えない危機的な状況の中,仲間達が協力して生き抜く「サバイバル感」が特徴の1つで,極限状況での「絆」と「約束」がテーマになっていくとのことだ。
そのプレイ動画の内容は,謎の敵「ギガンテス」との戦闘シーンだ。「ギガンテス」は,生物と兵器が組み合わさったかのような超巨大エネミー。このギガンテスとの戦いが本作の醍醐味とのことで,都築氏は「アドホック通信を使ったプレイならではの,声を掛け合える距離感だからこそできる,熱い共闘を楽しんでほしい」と語った。
プレイ動画に出てきたのは,これまでに公開されたイメージビジュアルでもその姿が確認できた,身体の随所に重火器を装備した四つ足のギガンテスだ。大きさは約60m,10階建てのビルほどの大きさ(山下氏)と言うから,その巨大さが分かるだろう。全身に付いた砲台から,ミサイルや銃弾をプレイヤーに浴びせる姿は,まさに動く要塞だ。
プレイヤーたちは,ギガンテスの武装を破壊して攻撃力を削いだり,装甲を破壊して弱点を露出させたりして戦っていくが,中でも興味深いのが「足場」と,対ギガンテス武器「パイル」の存在だ。
「足場」は何もない空間であっても作ることができるようで,動画では高所に作った足場を使ってギガンテスの身体に攻撃するシーンが見られた。「パイル」はフォトンが使えないマキアで作られた杭状の武器で,“ギガンテスの装甲に突き刺したパイルに攻撃を加えることで,ギガンテスの身体の内部に大ダメージを与える”といった使い方ができるそうだ。山下氏は「ギガンテスは兵器の派手さと,生物の荒々しさのいい所取りです。他にも色々なデザインのギガンテスが出ます。中には形容しがたいようなヤツもいますのでお楽しみに」と語った。
イベントの最後には,山下氏,田村氏,都築氏がそれぞれ挨拶した。
「まだまだお見せしたい映像もあるんですが,もっとクオリティを上げて,皆さんの期待を膨らませられる様な状態になってから出したいです」(山下氏)
「多くのスタッフがお客様にいいゲームをお届けできるよう頑張っていますのでご期待下さい」(田村氏)
「『ファンタシースター』ファンの皆さん,トライエースファンの皆さん,そして今回初めて遊んで頂く方に楽しんで頂けるよう作っています。ぜひ,楽しみに待っていて下さい」(都築氏)
イベント終了後,都築氏,山下氏,田村氏に合同インタビューを行う機会が得られたので,その様子をお伝えしよう。
──今回,戦闘面で意識したのはどんな部分ですか。
山下氏:
アドホック通信の,顔をつきあわせて声を掛け合いながらのプレイで,みんなで大きなエネミーと戦うというのが主軸になっています。もちろん1人でも倒せますのでご安心下さい。
──主人公となるキャラクター自分で作れるということですが,「PSO2」のようなクリエイトが可能なんでしょうか。
都築氏:
現在開発中ですが,「PSO2」と同等のキャラクタークリエイトができると考えていただいて問題ないです。
──「ノヴァ」はアドホック通信で4人までプレイできるそうですが,インターネットを経由したマルチプレイを敢えて導入しない理由はなんでしょうか。
都築氏:
インターネットを経由すると通信速度などに制限を受けることになりますので,我々が伝えたかった遊びを再現できないんです。アドホックだからこそできる処理,遊びを実現しようとするために,インターネット経由でのマルチプレイを外したといういきさつがあります。
──インターネットでのマルチプレイより迫力のあるプレイができるというわけですね。
都築氏:
そうです。
──田村さんにお聞きします。セガのお二人の印象を聞かせてください。
田村氏:
どちらも,やりたいことがハッキリした熱い人です。確かにタフなリクエストはあるんですが,やりがいのありますね。
──「ファンタシースター」シリーズの作品として重要と考えている部分はどこでしょうか。
田村氏:
どの部分,というのではなく,とにかくクオリティを上げて,「ファンタシースター」シリーズの名に恥じないようなものにすることが重要だと考えています。
──では「ノヴァ」を期待されている皆さんにひと言ずつお願いします。
山下氏:
開発中のため,全然情報を出せずに申し訳ありません。皆さんの期待を裏切らないものにしていきますので,ご期待下さい。
田村氏:
多くのスタッフと一緒に,いいゲームを作っていければと思います。
都築氏:
今までシリーズが気になっていたけれど手を出せていない,という方にも遊んで頂き,「ファンタシースター」を好きになって頂ければと思います。
──ありがとうございました。
「ファンタシースター ノヴァ」公式サイト
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ファンタシースター ノヴァ
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