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「ムーアの法則」50周年記念展示が科学技術館で今夏に開催。8086や80486,Pentiumなどが一堂に会した記者説明会レポート
要は,「半導体製造技術が進化していくにしたがって,プロセッサやメモリに集積可能なトランジスタはどんどん増えていく」といった意味で,コンピュータの発達を分かりやすく示したものと考えればいい。もっとも,半導体製造技術の進化がスローダウンしていくのにつれて,「○か月ごと」の数字は徐々に増えており,Intelは現在「24か月ごと」と表記したりする。
いずれにしても,私たちがプレイしているコンピュータゲームの進化は,ムーアの法則に則ってプロセッサが高性能かつ低価格になっていくことで実現されているわけだ。
さて,2015年という年は,ムーアの法則が発表されてちょうど50年めに当たる。それを記念して,Intelの日本法人であるインテル(以下,Intel)は,東京都千代田区の科学技術館にて,「『ムーアの法則』50周年記念展示」を2015年の夏休みシーズンに行うと発表した。日程はまだ未確定であるものの,7月くらいから約2週間行われるとのこと。
2015年4月21日には,科学技術館にて,この記念展示の概要やムーアの法則とIntelの歩みについての記者説明会が開かれた。直接ゲームに関係する話題ではないのだが,その概要をレポートしたい。
第5世代CoreプロセッサはIntelの初代CPU「4004」と比べて3500倍速い
阿部氏によれば,Intel製の初代CPUである「4004」と比べた場合,現在最新の第5世代CoreプロセッサのCore i5(型番未公開)は,性能で3500倍以上※,電力効率は9万倍以上に向上しており,しかもコストは6万分の1に縮小しているのだという。さらに阿部氏は,「もし,自動車がムーアの法則どおりに進化したなら」という例を挙げ,スピードは時速48万km/h,燃費は1リットルあたり約85万km,そして価格はたったの4セント(約4.8円!)になっただろうと,ユーモラスに説明した。プロセッサはそれくらい極端な進化を遂げていて,しかも,その進化は今も進行中というわけだ。
※半導体レベルでの比較。Core i5が1クロックで複数の命令を同時に処理できるのに対して,4004は1命令の実行に数クロックかかっていたので,実際の性能差はもっと大きい。
こうした進化は,Intelと半導体製造技術におけるパートナー企業によるたゆまぬ努力の賜物だ。阿部氏は近年のIntel製CPUに採用された半導体技術の進化をスライドで示した。たとえば,90nm世代では「歪みシリコン」,45nm世代では「Hi-kメタルゲート」,そして22nm世代では「3次元トライゲート・トランジスタ」といった技術が導入されている。そして,現行14nm世代の先となる,10nm世代や7nm世代の実現に向けた技術開発も進行中であるという。
また,Intelのプラットフォーム戦略について説明した,同社執行役員 技術本部本部長の土岐英秋氏も,ムーアの法則を継続させるべく,Intelとパートナー企業が半導体製造技術の革新に向けて取り組んでいることを訴え,とくに,いわゆる「ナチュラルインタフェース」の発展などにより,今後もコンピュータは進化していくだろうとの見方を示した。
昔懐かしいIntel CPUが一堂に
いくつ使ったことがありますか?
記者説明会の会場では,4004から最新の第5世代Coreプロセッサまで,Intel製CPUの実物が並べられた展示も行われていた。同じようなものは,50周年記念展示でも披露されるだろう。
以下に,展示されていたオールドCPUの写真をまとめて掲載しておこう。ベテランのPCユーザーは,これらを見て,昔使ったPCの思い出話に花を咲かせるのも一興だ。実物を見てみたい人は,記念展示にぜひ足を運んでみることをお勧めする。
ムーアの法則の50年 公式Webページ
Intel 公式Webサイト
- 関連タイトル:
Core i7・i5・i3・M(Broadwell)
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