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「カードファイト!! ヴァンガード 新シリーズ制作発表会」をレポート。漫画原作のアニメ,TCGの新要素,大会レギュレーションなどが公開に
本稿では,テレビアニメの新シリーズの発表やカードゲームの新要素など,さまざまな新情報が明かされたイベントの模様をお伝えしよう。
テレビアニメの新シリーズでは
先導アイチの物語が新たな形で描かれる
まずは,ブシロードのカードゲーム総括で「カードファイト!! ヴァンガード」(以下,ヴァンガード)の新シリーズではプロデューサーを担当する島村匡俊氏,原作コミックを手掛ける伊藤 彰氏が登壇し,作品の概要が明かされたテレビアニメの新シリーズに関する情報を紹介しよう。
新シリーズは,2011年1月に放映された第1期「ヴァンガード」と同じ時代で,主人公も同じく先導アイチが務めることになるが,漫画版をベースにさまざまなオリジナル要素が織り交ざった完全新作となるようだ。
新たな形でアイチの活躍を描くことになる新シリーズは,前作のアニメを否定するものではなく,“前作で作り上げてきた世界観をもう1回遊んでもらうため”,漫画原作をベースとしたアニメを作ることになったという。伊藤氏は「(一度見たことがある世界観だが)寄り道しながらいろんな所を煮詰めるような,ゲームでいうところの“強くてニューゲーム”のような作品にしていきたいと思います」とコメント。さらに「結構長く続く予定ですので,皆さん頑張ってついてきていただけたらと思います」とファンに対してメッセージを送った。
TVアニメ「カードファイト!! ヴァンガード」公式サイト
TCGは分かりやすさと戦略性を意識した新要素が追加
大会は新規と既存それぞれのレギュレーションで開催
続いてカードゲームに関する情報をお届けしよう。「ヴァンガード」でシステムデザインを担当している遊宝洞の中村 聡氏が登壇し,島村氏とともに新要素などの紹介を行った。
テレビアニメと同じく原点回帰を意識したという今回のテーマは“シンプル・スピーディー・キャラクター”。島村氏は「ヴァンガード」を最初に企画した際のイメージが「本当にシンプルで,スピーディな決着がつくカードゲームだけど,非常に楽しめる。そしてキャラクターになりきって遊べるカードゲーム」であったと語る。
それを目指す形でさまざまな部分で見直しや調整が行われたという新シリーズには,「クランタイプ」と「イマジナリーギフト」という2つの新要素が追加される。
新たなシステムとなる「イマジナリーギフト」は,特定のグレード3のユニットをライドしたときに,「ギフトマーカー」が得られ,それを使用することでさまざまな効果が得られるというものだ。
ギフトマーカーにも「フォース」「アクセル」「プロテクト」という3種類があり,例えば「アクセル」だと,使用すると前列リアガードサークルになり,自分のターン中はサークル上のユニットのパワーが+1万になるといったように,その効果はどれも強力ものとなっている。クランごとにどのギフトが使用できるか決まっており,またそれらは3すくみの関係となっているので,いかに「イマジナリーギフト」を扱うかが,今後のカードファイトにおいて重要なポイントとなりそうだ。
「カードファイト!! ヴァンガード」新システム紹介ページ
新要素が追加されることに合わせ,大会レギュレーションとして,新シリーズのカードのみが使用可能となる「スタンダード」,そして既存のカードも含めたすべてのカードが使用できる「プレミアムスタンダード」の2つが用意されることも発表された。4月に開催される大会までは現在のレギュレーションが適用され,5月以降の大会はこの新たなレギュレーションを使用して行われるとのこと。また,既存のプレイヤーのための移行期間として,既存のカードのみが使用できる期間限定のレギュレーション「Gスタンダード」も設けられる。
イベントの最後には,ブシロードのTCGプロジェクト最高責任者である木谷高明氏が登壇。スマートフォン向け新作の情報や,新シリーズに向けた思いなどについて話した。
まず木谷氏は,「ヴァンガード」の新作スマートフォンアプリゲーム「ヴァンガード ZERO」のリリースが決定したことを発表した(関連記事)。アプリは2018年冬にリリース予定で,現在は事前登録を受付中だ。
木谷氏によると,本作の大きな目的は2つあり,1つは,本作の物語の途中にアニメの映像が随所で登場することで,無印から現在のシリーズまで,すべてのアニメシリーズのストーリーを振り返って楽しんでもらうことだという。
もう1つの目的として木谷氏が挙げたのが,新規プレイヤーの開拓だ。本作は「ヴァンガード」本来のルールを簡略化した,シンプルなルールで「ヴァンガード」の対戦を楽しむことが可能で,初心者でも「ヴァンガード」のルールや雰囲気をなんとなく掴むことができる作品とのこと。さらに木谷氏は,「世界観を楽しんだり,キャラクターを好きになってもらえるように,箱庭要素もあります。単なる対戦型ゲームではありません。世界観自体も楽しめる,非常に盛りだくさんな内容になっています」と,本作の魅力をアピールした。
「1つは,キャラクターをどうするのか,ということ。僕は正直に言って,新しいキャラクターで新しいシリーズを始めるという時間も自信もなかった」と自らの本心を語った木谷氏は,どんなキャラクターなら次につながっていくのかと考えたとき,「せっかく今までのシリーズには素晴らしいキャラクターがいるんだから,もっとそれを深く知ってもらったらいいんじゃないか」という考えに至り,その結果,漫画版を原作にするという現在の形になったと述べた。
もう1つが,カードゲームのルールに関することだという。多数のカードプールを抱えている「ヴァンガード」で,新規のプレイヤーが少しでも簡単に始められるためにどのような方策を立てるべきか考えていたという木谷氏。「マジック:ザ・ギャザリング」がアメリカで長年にわたり人気を獲得し続けている理由を考えた際,「複数のレギュレーションがあり,常に新規のプレイヤーが始めやすい環境があるからだ」という結論に至り,初心者や以前プレイしていた人が復帰しやすい環境を整える意味でも「ヴァンガード」に2つのレギュレーションを設けることになったそうだ。
多くの新情報や今後の展開について情報が明かされた「カードファイト!! ヴァンガード 新シリーズ制作発表会」。イベントでは代永さんと佐藤さん,島村氏からファンへのメッセージが送られたので,本稿の締めくくりとしてそれをお伝えしよう。
代永 翼さん |
佐藤拓也さん |
代永 翼さん:
7年前のこの場所で,「ヴァンガード」を盛り上げていくという想いを背負って発表会に立たせていただいたときは,(佐藤さんと)2人で本当に緊張していたことを覚えています。
いまこうして7年越しに帰ってくることができました。「ヴァンガードG」のキャラクターたちが頑張ってくれて,その想いをまた僕らが引き継いで,新たな気持ちで頑張っていきたいと思います。「ヴァンガード」がこれからも盛り上がっていくためには,皆様の力が必要です。ぜひこれからも応援よろしくお願いします。
佐藤拓也さん:
ただいまと言えばいいのか,初めましてと言えばいいのか,いろんな思いがあります。「ヴァンガード」の作中の言葉を借りると,我々はまだか弱い霊体に過ぎません。これから皆さんの力で,我々のグレードをどんどん上げていっていただければと思います。
島村匡俊氏:
ようやくこの日を迎えました。7年前,「ヴァンガード」のプロジェクトをいろんな方と一緒に作り上げて,やってきました。その1番最初の原点に返って「ヴァンガード」の楽しさを多くの方々に伝えていきたいと,準備をしてまいりました。
ぜひともアニメやカードゲームなど,いろんな形で手に取って楽しんでいただけたらと思いますし,今回はぜひ皆さんに,自分が楽しんで,そしてその楽しみをいろんな方に広げていただくという,作中のアイチくんのような“先導者(ヴァンガード)”になっていただきたいと思っています。これからの「ヴァンガード」もご期待ください。
「カードファイト!! ヴァンガード」公式サイト
- 関連タイトル:
カードファイト!! ヴァンガード
- 関連タイトル:
ヴァンガード ZERO
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