インタビュー
[E3 2014]「KINGDOM HEARTS -HD 2.5 ReMIX-」では,色あせない華やかな魅力を再確認してほしい。Co.ディレクター 安江 泰氏へのインタビューを掲載
本作は,2007年にPlayStation 2用ソフトとして発売された「キングダム ハーツII ファイナル ミックス」と,2011年リリースのPSP用ソフト「KINGDOM HEARTS Birth by Sleep FINAL MIX」のHDリメイク作に加え,2010年に発売されたニンテンドーDS用ソフト「KINGDOM HEARTS Re:coded」のストーリーを体験できるHD映像作品の3タイトルを収録する作品。日本での発売日は2014年10月2日となっている。
今回,4Gamerでは本作のCo.ディレクター(ゲームデザイナー)を務めるスクウェア・エニックスの安江 泰氏に,本作の開発における狙いや意気込みなどを聞いた。
シリーズのファンとして見てほしい部分を詰め込んだプレイアブルバージョン
4Gamer:
本日はよろしくお願いします。「KINGDOM HEARTS -HD 2.5 ReMIX-」(以下,「2.5」)は,「KINGDOM HEARTS -HD 1.5 ReMIX-」(以下,「1.5」)とともに,最新作となる「KINGDOM HEARTS III」(以下,「KHIII」)のリリースに向けたシリーズ作品の橋渡し的なタイトルとアナウンスされていますよね。
はい。そもそも「KHIII」の立ち上げ時に「1.5」と「2.5」の構想もありました。これまでさまざまなプラットフォームでリリースされてきたシリーズなので,それをPS3に統一しようというのと,10年を越える長いシリーズですので,これから新たにプレイしようという人や,プレイの記憶が薄れている人などに向けて,きちんとストーリーを提示しようという狙いです。このシリーズは結構伏線が多くて,実は僕自身も「これ何だっけ?」と忘れていることがあるんですよね(笑)。
4Gamer:
今回,E3 2014には「2.5」のプレイアブルバージョンが出展されていますよね。これは,2013年末に開催されたジャンプフェスタ2014のバージョンの英語版と聞きましたが。
安江氏:
実はE3バージョンには,若干,調整を入れているんですよ。たとえば「KINGDOM HEARTS Birth by Sleep FINAL MIX」(以下,「BbS」)では,テラなどのアクションを増やしたりしています。
4Gamer:
さすがにまったく同じではないんですね。「キングダム ハーツII ファイナル ミックス」(以下,「KHII」)では2ステージから,「BbS」では3ステージから選択してプレイできますが,このステージはどんな意図で選ばれたのでしょうか。
安江氏:
「KHII」では,私自身が大好きな「ビーストキャッスル」と「ハロウィンタウン」を選びました。私は「KHII」の開発には関わっていないので,1プレイヤーとして感動した部分を,ぜひ皆さんにもプレイしていただきたいと。
4Gamer:
なるほど,安江さんのお気に入りステージということですね(笑)。実際に開発に携わった「BbS」のほうはどうでしょうか。
安江氏:
テラが主人公の「エンチャンテッド・ドミニオン」で硬派なバトルを,アクアが出てくる「レディアントガーデン」では3人の主人公のつながりを体験してほしいという思いがあります。そして,ヴェントゥスを操作することになる「キャッスル・オブ・ドリーム」が,これまた僕の大好きな部分なんです。とくに立体的なマップの探索とキュートな展開が気に入っています。
4Gamer:
「キャッスル・オブ・ドリーム」では,毛糸玉に乗っかって敵を攻撃できるのが楽しいですよね。敵の数も多いので,プチプチ潰していく快感があります。
安江氏:
ええ,あれは作っているときも結構盛り上がったんですよ。そのときのことを思い出したので,今回,プレイアブルに入れようと。マップ上のユニットでいろいろ遊べるという,「BbS」のいいところを表現できているんじゃないでしょうか。
「KH」らしさを熟知したメンバーで進められた開発
4Gamer:
それでは「2.5」で変更された点などを教えてください。まず「KHII」はどうでしょう。
「KHII」の場合,キャラクターモデルはそのままに,テクスチャだけを変更しています。色彩がびっくりするほど鮮やかになって,ディズニーのワールドがこれまで以上に暖かく感じられると思います。もちろんキャラや背景だけではなく,サウンドやUI,エフェクトなど,あらゆる要素をグレードアップしています。
4Gamer:
テクスチャは,今回,新たに作り直したんですか。
安江氏:
まずすべてのテクスチャをプログラマーの処理でHD用にキレイにして,その上でデザイナーが手描きで手直しをしています。「BbS」で言えば,キャラクター1人あたりのテクスチャー量は元の4倍くらいになっていて,アクアなどのキャラはかなりキレイになっています。
4Gamer:
別のタイトルでは,HDリマスター用のキャラクターを作ったところ,顔立ちなどの印象が変わってしまって,微調整が必要だったと聞いたことがあるのですが,「2.5」ではどうだったのでしょう。
安江氏:
長らくシリーズに携わっているメンバーが多いので,そこは心得ているというか,それほど苦労なく進みました。「KH」シリーズは設定やデザインが独特なので,ちょっと外れると全然別のものになってしまうんですよ。なので,チーム全体で「KH」シリーズらしさの理解と継承が必要なんです。以前と比べてチームはかなり大きくなっていて,大阪と東京両方にかなりの人員がいるので,デザイナーなどは毎朝テレビ会議をして,共通の認識を損なわないよう常に注意しています。
4Gamer:
「KH」らしさとは,例えばどんなことでしょうか。
安江氏:
ゲーム面で言うなら,ライトからコアなプレイヤーまで楽しめるところでしょうね。比較的簡単にストーリーを進められる一方で,その進行に関係ないところで戦う敵はすごく強いといったように。また,特定の手順を踏まないと攻略できないようにはせず,「こういう戦い方が好きだから」というプレイヤーの好みに合わせて遊べるようにしています。
世界観やアートに関しては,言葉で説明するのが難しいですね(笑)。「KH」シリーズは,ほかに似たタイトルがない独特な世界観で,それは野村(野村哲也氏)が持っている明確なイメージから来るものですが。グラフィックスの方向性としては,鮮やかな色彩だったり,滑らかなグラデーションだったりと,独特なものがありますね。
4Gamer:
そういった言葉にしづらいものをチーム内で共有していると。
安江氏:
そうですね。ほかのゲームなら通るアイデアでも,「『KH』ではこういう表現をしないよね」ということがあったりします。
4Gamer:
分かりました。次にちょっと細かいところなのですが,画面比率についても教えてください。PS2版「KHII」の頃は4:3が一般的でしたが,今回は16:9になりますよね。
安江氏:
カットシーンでは,エフェクトが切れてしまったり,アニメーションが動かない場所があったりと,16:9用に作り直している部分はかなりあります。バトルでは視界が開けて遊びやすくなったと思います。
4Gamer:
続いて「BbS」ですが,こちらはもともとPSP用のタイトルでしたよね。「1.5」に収録されていたリメイク作品2つと,今回の「KHII」はもともとPS2作品でしたので,それらとは違った作業になったと思うのですが。
安江氏:
一番違ったのは,当然ながらグラフィックス面です。メニュー,キャラクター,背景などにおいて,モデルとテクスチャを大幅に変えました。たとえばPSP版の「キーブレード」は薄っぺらく見えるんですが,PS3版ではきちんと厚みを出したり。
4Gamer:
確かに,元がPSPのゲームだと思えないくらい綺麗になっている印象を受けました。
安江氏:
そして操作性ですね。PS3のコントローラーはPSPよりボタンが多いですから,新たに操作を振り分けたり,カメラの操作を右スティックに割り当てたりしています。
4Gamer:
なるほど。では「KINGDOM HEARTS Re:coded」(以下,「Re:coded」)についても教えてください。「1.5」では同じくニンテンドーDSの「キングダム ハーツ 358/2 Days」が2時間の映像作品になっていましたが。
安江氏:
「2.5」の「Re:coded」は,3時間の映像になりました。当初は2時間程度に収めようと考えていたのですが,どんどん増えてしまって。3時間のうち,オリジナルのカットシーンをHD化したのが約1時間なのに対し,新たに作ったのが2時間強です。
4Gamer:
新たに作ったシーンのほうが多いわけですか。
安江氏:
ええ,オリジナルのDS版ではカットシーンでなかった部分や,バトルもイベント化して映像に加えています。ボリュームのあるコンテンツなので,ファンの皆さんには喜んでいただけると思います。
4Gamer:
「1.5」や「2.5」の開発にあたって,ゲームをリメイクするのか,それとも映像化するのかという判断基準は何でしょう。
安江氏:
これはもう,プラットフォームの問題です。正直なところ,ニンテンドーDSのタイトルをPS3で動かすとなると,全然違うゲームを作るのと同等の労力が必要になります。そういう意味では,こちらの都合になってしまいますが,ストーリーのおさらいという部分を優先して,映像化したというわけです。
4Gamer:
それではサウンドはどうでしょう。「1.5」では,サウンドが5.1ch サラウンドに対応するなどの変更が加えられましたけれど,それは「2.5」も同じでしょうか。
安江氏:
はい。今回,サウンドでは,オーケストラを使ったストリングスの演奏を追加しています。下村陽子さん監修の元,「KHII」は90曲くらい,米国のボストンで40人編成のストリングスを録音して,再ミックスしました。あと大きいのは、環境音ですね。「BbS」では、PSPの制約で入れられなかった環境音,例えば噴水から水が流れる音などを大量に追加しています。当然,5.1chにも対応しています。
4Gamer:
ここまでお話をうかがっていると,「2.5」におけるリメイクは,かなり細かいところまで手が入っていますね。
安江氏:
ええ。「1.5」のときにはシステム面を含めてどうするか悩んだのですが,今回はそれがこなれて余裕ができた分,デザイナーがいろいろこだわり出して自分達の首を絞めていました(笑)。こだわり出すととことん突き詰めてしまうので,どこまでやるべきか。描いて描いて描いて……と,修正を重ねていますよ。
4Gamer:
具体的に,どんなこだわりが見られるのでしょう。
安江氏:
一番目立つのは,繰り返しですが「BbS」のキャラクターですね。テクスチャはとくにこだわって綺麗にしています。またメニュー画面も綺麗に表示するために全面的に描き直しています。そういう意味では,「1.5」よりもデザイナーが手を入れた要素が多くなっています。
4Gamer:
では逆に,過去作品のHD化にあたって,ここは変えずに残しておきたいと思った部分はあったのでしょうか。先ほどのお話だと,安江さんは「KHII」のファンだったということで,そういった思いがあったんじゃないかと。
安江氏:
「KHII」はゲームとしてよくできているので,変に手を入れるのではなく,グラフィックスをはじめとするクオリティアップに集中しました。クリエイターとしては「変えたい」という部分もあるのですが,それは自己満足に陥ってしまいがちですから。
今回は,評判のよかったゲームシステムやゲームバランスはそのままに,丁寧にコツコツとPS3向けにクオリティを高めました。それは「BbS」も同じで,基本的なゲームシステムには変更を加えていません。
「KH」らしさ,ディズニーらしさという枠によって,ゲームがより良くなる
4Gamer:
普段,安江さんは大阪にいるわけですよね。東京と大阪でチームが分かれていることに不便さはありませんか? さきほどKHらしさの共有が大事という話がありましたが,そういったことも,実際に顔を合わせないと難しいのではないかと。
安江氏:
確かに,何か分からないことがあったとき,すぐそばにいる人へ聞くといったことはできないですが,それほど大きな問題とは思っていません。東京チームとは,テレビ会議などをやっていますし,1〜2か月に一回、大阪と東京のメンバー全員で共有会をしています。シリーズを展開していくにあたって,チーム全体の人数が増えると,どうしても1か所に集まることは難しくなりますから,さまざまなツールを使ってコミュニケーションを密にしていくしかないと考えています。東京や大阪に別チームがあるというよりは,一つのKHチーム内に,違う所で働いているメンバーがいるとイメージですね。
4Gamer:
なるほど。
安江氏:
制約があるからこそ,いいものができる,枠があるからこそ工夫するということですね。それはディズニーさんのIPを扱ううえで,「くまのプーさんはこういうことはしないだろう」とか,世界観を壊さずにKHを作ることにもつながると思います。
4Gamer:
ディズニー側の思惑と,「KH」チームの解釈が違うというケースはあるのでしょうか。
それは当然あります。それを織り込んだうえで,細かくコミュニケーションを取りながら進めているという感じですね。ディズニー側の担当者さんが,非常に「KH」シリーズに情熱を持っている方なんですよ。ですから,両社にとって大事なコンテンツという位置付けで,お互いにこだわりを持って話し合いをしています。
4Gamer:
順序としては,「KH」チームから提案して,ディズニーの判断を仰ぐという形なんですか。
安江氏:
そこはケースバイケースですが,基本的にゲームの内容に関しては「KH」チームが企画を構想して,ディズニーさんと情報を共有するという形を取っています。もちろんグラフィックスのモデルやアートを新しく作った場合には,その都度チェックしていただいています。
4Gamer:
「2.5」の各タイトルをHD化してみて,あらためて気づいたシリーズの魅力などはありますか。
安江氏:
今ちょうど,僕は「KHII」の「XIII機関・再現データ」でボス討伐を繰り返しプレイしているんですが,すごく熱くなれますね。きちんと見ていないと,敵の攻撃を回避できなかったりするなど,よくできていると思います。
4Gamer:
「KHII」のボス戦は,意外というと失礼なんですが,結構難度が高いですよね。今回のプレイアブルバージョンで久しぶりにボスと戦ってみて,こんなに難しかったのかと思いました。
安江氏:
僕も「アクセル」の再現データは,40〜50回リトライして,ようやく討伐しましたよ。
4Gamer:
先ほどのお話だと,ゲームバランスには手を加えていないんですよね。
安江氏:
ええ,難しくしたということはありません。歳を取ってゲーマーとしての腕が落ちたのかなと(笑)。
4Gamer:
そこは私も否定できません(笑)。
安江氏:
気づいたことでいうと,もう1つ,「KHII」のグラフィックスは全体にゴージャスな作りですね。HD化によってそれを改めて感じました。今見ても色あせてない魅力だと思います。
4Gamer:
そのほか「2.5」で,「KH」ファンやプレイヤーに注目してほしいというポイントはありますか。
安江氏:
個別のポイントというよりは,全体ですね。「2.5」ではというか,「1.5」も同じですが,全体を通して丁寧に作られていることを確認してほしいです。細部の作り込みが重なって綺麗に仕上がっている,そういうところを見ていただきたいですね。
また「Re:coded」は完全に新しく作り直しているところがあるので,ぜひ綺麗なグラフィックスでストーリーを楽しんでほしいです。
4Gamer:
さきほどのお話にも通じるかと思うのですが,「2.5」のプレイアブルバージョンを遊んで,「KH」シリーズは古さを感じさせないなと思いました。ほかに似たタイトルがない,独自の魅力があるからかもしれませんが。
安江氏:
ええ。実際にプレイすると,「昔のゲームはよかった」という思い出補正だけではない魅力を実感できます。今のゲームと比較しても,特徴がはっきりしている独自路線が功を奏しているんでしょうね。
例外はもちろんありますが,今コアなゲームはグラフィックスや内容でリアルを追求している作品が多く,その一方でライトな方向ではパズルゲームやカードゲームなどがはやっています。その中で「KH」シリーズは,すごくゴージャスなグラフィックスなんだけれど,リアルではなくファンタジー寄りで,まさしくディズニーのアニメのような暖かさのあるタイトルです。それが独自性につながっているんじゃないかと。同じスクウェア・エニックスの「ファイナルファンタジー」や「ドラゴンクエスト」とも違う進化を続けていくのかなと思いますね。
4Gamer:
そうなると,開発するうえで参考になるタイトルなどもないわけですよね。
安江氏:
そうですね。何かと比較してどうこうするというよりは,「『KH』はこうだから」というスタンスになります。
ディズニーさんが出してくる新しいIPの雰囲気を大事にしながら取り込んでいるのも,古さを感じさせてないことにつながっているんじゃないでしょうか。
4Gamer:
最近ディズニー作品に触れられたりしていますか?
安江氏:
子どもと一緒に「アナと雪の女王」を観に行ったのですが,あの映画は大人の僕と子どもの双方が感動できるんですよね。純粋にすごいと思いますし,「KH」シリーズも特定の人に向けるのではなく,子どもも大人も楽しめるものにしていきたいです。
さきほども話したように,「KH」シリーズはライトからコアゲーマーまで楽しめますし,ストーリー面においても,深い設定がある一方で,「友情」など誰もが理解できる普遍的なテーマも描いています。あとは開発者視点だと,「アナと雪の女王」での氷の結晶の表現がすごいと思いましたね。
4Gamer:
ではディズニー作品を単体でゲーム化したタイトルと,「KH」シリーズの違いについてはどうお考えですか。
安江氏:
「KH」シリーズの場合は,1タイトル中にさまざまな魅力があるというのがセールスポイントの1つですね。「KHII」で言えば「パイレーツ・オブ・カリビアン」は比較的年齢の高い方向け,「アトランティカ」はもう少し可愛らしい世界観を求める方向けといったように。それぞれの作品の魅力をうまくゲームに取り入れて表現するのがポイントなのかなと。それぞれのキャラクターやストーリーには,ファンが愛する理由があるわけですから,それを損なうことなく生かすことが重要なんじゃないかと思います。
4Gamer:
なるほど。具体的には,どうやって生かしていくのでしょう。
安江氏:
やはりディズニー映画の名場面のストーリーを変えてしまってはマズいですよね。そこにダークシーカーのストーリーと,ゲームをうまく組み込んでいく。ただストーリーを観たり聞いたりするのと,ゲームとして体験するのでは全然違いますから,僕達はディズニー映画のストーリーとは別のところで,ゲーム体験としての緊張感や感動を演出していくわけです。
4Gamer:
それがうまく表現できた,というシーンはありますか。
安江氏:
たとえば今回のプレイアブルバージョンに選んだ「BbS」のヴェントゥスのパートですね。あれはシンデレラがお城で王子様に会う前の段階で,実はネズミとヴェントゥスがドレスの素材を集めていたというストーリーです。「KH」シリーズとして心の成長を描きつつ,もともとシンデレラのストーリーが持っていた「夢を信じる」というところを表現できた部分だと思っています。ゲームプレイの面では,普段体験できないネズミサイズの視点で,広い立体的な空間を冒険できるという面白さですね。
4Gamer:
シンデレラのストーリーの裏側で,プレイヤー自身が主人公となるもう一つのストーリーを体験できると。
安江氏:
そういったKHの構造って,ディズニーランドに近いものがありますよね。雰囲気が異なるいろいろなワールドがあって,それぞれにストーリーがあり,その中でお客さんがさまざまな体験ができるから,楽しいわけです。
「KH」のゲームプレイの展開を考えるとき,ディズニーランドを歩いているところをイメージすることがあるんですよ。たとえばディズニーランドでは,入場後しばらく歩くと急に目の前が開けてシンデレラ城が現れます。「KH」シリーズでも長い通路をあえて歩かせて,この先,何があるのかとプレイヤーの想像をかき立てたところに,お城がバーンと見えたり,あるいは,ボス戦が待ち受けていたりする場面があります。
「KHIII」の開発も着々と進行中。「1.5」と「2.5」を遊びながら続報を待とう
4Gamer:
「1.5」が2013年3月発売,「2.5」はそのおよそ1年半後となる2014年10月2日発売ですが,これは当初の予定どおりなんでしょうか。
安江氏:
そうです。「KHIII」のリリースに向けて,「2.5」も早めに皆さんに提供したいと考えていました。幸い,開発も遅延なく順調に進みましたね。
4Gamer:
そうなると,「KHIII」も「2.5」からそれほど間を置かずに遊べるのかなと期待してしまうのですが……。
安江氏:
今の段階では,発売日に関してコメントすることはできないのですが,鋭意制作中です。これまでのシリーズと「KHIII」では根本的な仕組みが異なるため,いろいろ研究も進めなければならないんですけれども,着々と構想や内容の企画が進んでいます。
4Gamer:
シリーズのファンからすると,今度はどんなワールドが出てくるのか気になるところです。
安江氏:
ええ,そういった部分もかなり構想を進めています。これも今の段階では,まだお話しできませんけれど(笑)。
4Gamer:
「KHIII」では,これまでのストーリーが一段落すると聞きましたが。
安江氏:
そうです。これまでのシリーズで展開してきた「ダークシーカー編」が完結します。
4Gamer:
そう聞くといよいよ期待が高まります。それでは最後に,「2.5」の発売を待ちわびている人や,「KH」シリーズのファンに向けてメッセージをお願いします。
安江氏:
「2.5」の開発チームには,もともと「KH」シリーズのファンだった人がたくさんいます。今回のHD化では,過去のシリーズを大事に扱わなければならないというチーム全体の強い意識のもと,グラフィックスをはじめ一つ一つコツコツと丁寧に作っていますので,是非プレイして,さらに魅力的になった「KH」の世界を遊び尽くして下さい。「1.5」「2.5」とプレイしていただければ,「KH」の奥深い物語を知ることができ,「KHIII」の体験もよりリッチになると思います!
4Gamer:
ありがとうございました。
「KINGDOM HEARTS -HD 2.5 ReMIX-」公式サイト
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