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ドーム型筐体の中に大空が広がる,新作アーケードシューティング「マッハストーム」。そのプレイフィールを,開発ディレクターのコメントと共にお届け
本作は,同社のアーケードゲーム「機動戦士ガンダム 戦場の絆」(以下,戦場の絆)にも使われている大型ドーム筐体を採用した,一人称視点のシューティングゲームだ。稼働は12月19日の予定で,プレイヤーは最新鋭の戦闘機を駆り,世界5都市を模したステージ上空で,白熱の空中戦を楽しめる。
まず気になるのは,なんといってもその独特の筐体のデザインだろう。前述どおり,筐体自体は戦場の絆と同じものだが,後部にスモーククリアの素材が使用されており,ギャラリーからもプレイ画面が見えるようになっているのが大きく異なる点だ。
後部にはライトアップされたパネルがある。ゲーム中に見ることのできないプレイヤー機体の情報が描かれている |
写真では少しわかりにくいが,筐体左右と中央の窓から中のプレイを見ることができる |
内部には左にスピードコントロール用のスロットル,右に機体を操作する操縦桿があり,また操縦桿には機銃とミサイルを発射するボタンも備わっている。スロットルを加速方向に入れたときなどに動作する送風ファンや,レバーやシートの振動など,アーケードゲームらしい体感ギミックも搭載されていて,臨場感のあるプレイを楽しめる仕組みだ。
筐体内左側のスロットル。前に押すと加速,手前に引くと減速する。敵に接近してボーナスを狙うときは加速,敵を追うときに小回りを利かせるために減速するといった使い方がある |
操縦桿には機関砲のトリガーと,ミサイルのボタンを装備。また前方にカメラがあり,ゲーム終了時にこのカメラでプレイヤーの姿を映した画面が表示される |
シートに座って感じられるのは,180度に開けた圧巻の視界で,航空母艦から発進するシーンや,各都市上空の大パノラマを最初に見たときなどは,思わず上下左右をキョロキョロ眺めてしまうほど。ゲーム中の視点は一人称で固定されており,視野のすべてがゲーム画面で被われるため,まるで空中に浮かんでいるような感覚となる。
ゲームプレイはミッション制で,プレイヤーはマイアミ・ドバイ・パリ・ワシントン・東京のいずれかのミッションを選んで出撃することになるのだが,ミッションの成否に関わらず,1プレイは1つのミッションで終了(だいたい3分〜4分程度)となる,どちらかというとテーマパークのアトラクションに近い仕様となっていた。今回試遊できたバージョンは,稼働日である2013年12月19日に出荷されるものと同じものとのことなので,混雑時などでも,順番がまわってくるのは早いかもしれない。
各都市上空で繰り広げられる空中戦では,周囲に現れる敵機を,機銃とミサイルで撃墜していくのが主な目的だ。プレイヤーの機体は、敵機を自動的に追尾する最新鋭のシステムを搭載しているので,エースコンバットシリーズのように空中を自由に飛び回って,敵機を探す必要はない。ただし完全なレールシューターかというとそういうわけではなく,操縦桿を操作することで,ある程度は自由に飛び回れる。ただ敵機の居る方向は,画面上に矢印で表示されるので,基本的にはその方向に操縦桿を操作し,敵機を正面に捉えて打ち落としていく流れとなるだろう。
なお敵機は,早く倒すほど得点が高くなり(クイックキル),それを連続で行うことでコンボとなって,さらに高得点が得られる。これを利用して,スコアを競う遊び方も楽しそうだ。
そういった楽しみ方もあるとはいえ,やはり本作の最大のウリは,アーケードの大型筐体でこそ可能な大迫力の画面演出だろう。崩れ落ちる摩天楼の隙間を縫うように飛び回ったり,東京湾のレインボーブリッジの下をくぐったりと,ステージごとの見せ場も用意されていて,とにかくプレイする人を楽しませようという仕掛けが満載だった。
ルールも分かりやすく,ステージ次第ではあるが,難度設定もかなり低めに設定されていることから,子供から大人まで,誰もが楽しめるタイトルと感じられた。
というわけで,長々とプレイフィールを書いてみたものの,この大迫力の臨場感は,いくら文章で表現してみても,実際に筐体の中ではないと味わえない。ゲームセンターで見かけたら,ぜひ一度プレイしてみてほしいところだ。
ディレクター 井本一史氏ミニインタビュー
今回の体験会の会場には,本作の開発ディレクター・井本一史氏も居合わており,短いながらも話を聞く事ができた。そもそもの開発経緯から,エースコンバットシリーズとの意外な関係まで,色々な話題が飛び出したので,本作に興味のある人はぜひチェックしてみよう。
4Gamer:
プレイさせていただきましたが,すごい迫力ですね。
ありがとうございます。実際にプレイされた人は,筐体ごと大きく動いているなじゃないかって感じるみたいです。視界いっぱいに画面が広がっているので,筐体が動いているのか,自分が動いているのか分からなくなるんですね。
4Gamer:
まさにドームスクリーンならではの効果だと思うのですが,本作はこのドーム型筐体を前提に企画されたものなんですか?
井本氏:
はい,筐体は決まっていました。「戦場の絆」の稼働から既に7年が経過しましたが,濃いプレイヤーさんにどっぷり浸かって遊んでいただくタイプのゲームだったことから,実はあのドーム筐体を体験した人というのは,それほど多くないんです。
あの180度スクリーンならではの迫力を,世界中の人に楽しんでもらうためにはどんなゲームがいいだろうと考えた結果が,飛行機に乗って実際に空を飛んでいる感覚を味わえて,さらにあまり難しくないシューティングという,本作の企画になりました。
4Gamer:
ミッションをクリアしてゲームが続いていくのではなく,1ミッションを楽しんで終了という仕様になっていますね。
井本氏:
ええ。「今日はこのミッションを遊んでみよう」という感じで,アトラクションとして遊んでいただきたいと思っています。
4Gamer:
一方で,コアな遊び方としては,やはりスコアアタックになるでしょうか。
井本氏:
ゲームの基本としては,どんどん敵を早く倒していくとスコアが上がっていく「クイックキル」というシステムがあり,それを続けていくことでコンボとなり,スコアが倍増されていきます。また敵の背後についたときに,スロットルを入れて接近し,ど真ん中を撃って倒すと「ダイレクトシュート」というボーナスがあり,機銃で倒せば「ガンキル」ボーナスになります。それらを狙っていけば,かなりスコアに差がついてくるので,スコアラーにはこういったテクニックを駆使して,ランキングのトップを目指してほしいですね。
4Gamer:
なるほど。スコアアタックも熱くなりそうですね。ちなみに本作は,近未来のドッグファイトという,御社のエースコンバットシリーズに近いテーマとなっていますが,これにはなにか理由があるのでしょうか。
井本氏:
エースコンバットの開発チームと協力して制作に当たったから,というのもあるのですが,その理由の根っこには「空を飛ぶ爽快感」を多くの人に手軽に楽しんでいただきたい,というコンセプトがあるんです。本作の自機には,「敵機を自動追尾する機能を搭載した,最新鋭の戦闘機」という設定があって,これにより操作のハードルを下げています。
4Gamer:
ゲームシステムと,設定をリンクさせたわけですね。
井本氏:
ええ。エースコンバットのように,「完全に自由に飛び回れるが,操作のハードルが高い」というタイプではなく,「決まったルートを辿るけれど,安心して飛べる」というタイプですね。しかし飛行ルートが決まっていても,逃げ回る敵機をサイトに捉えらえるかどうかは,プレイヤーの腕次第です。その辺りの楽しみを失わないよう,注意してデザインしてあります。
4Gamer:
プレイしても,確かにレールシューティングのような感覚ではなかったですね。とくに戦闘シーンは,かなり自由に飛び回れるように感じました。
井本氏:
そこが本作の目指したところでもあります。ルートを固定したことで,狭いところをくぐり抜けたり,逃げる敵を追いかけたりいった演出がしやすくなりましたし,プレイヤーは簡単な操作で,エースパイロットになったような華麗な空中戦が楽しめます。
4Gamer:
飛行中の演出は,確かにかなりすごいですね。
井本氏:
ハリウッド映画のお約束シーンを,難しい操作なく体験できるようになっています。各都市のランドマークには,必ず何かしらのイベントが用意してあるので,ぜひ体験してほしいですね。
4Gamer:
ミッションに難易度がありますが,あれはどのように設定しているんですか?
井本氏:
本作では,敵に逃げ切られてしまうと反撃されるのですが,高難度ミッションでは,その反撃までの時間が短くなっています。また敵の逃げ方の挙動なども,難度によって変わります。ですが,初めて遊ぶにはちょっと厳しいというだけで,基本さえ踏まえれば,東京やワシントンといった難度の高いミッションも,楽しめると思いますよ。
4Gamer:
では,井本さんのオススメミッションは?
井本氏:
日本人ならやっぱり東京をプレイしてもらいたいですが,砂漠の中に高層ビルが建っているドバイなんかは,見慣れない風景で面白いと思います。海上にヤシの木のような人工島があったりとか。
4Gamer:
確かに,戦闘を忘れて思わず見入ってしまいますね(笑)。
井本氏:
プレイしている人だけでなく,後ろにいるギャラリーも楽しめるタイトルになったと思っています。そのために背後の扉を半透明にしてあるんです。本当は開放型にしたかったのですが,お店によっては外が明るすぎると,画面が見づらくなってしまうんですよね。
4Gamer:
では最後に,稼働に向けたメッセージをいただけますでしょうか。
井本氏:
12月19日の稼働日時点では設置台数はまだ多くはないかもしれませんが,来月2014年1月から,徐々に増えていく予定です。多くの皆さんに,ぜひこのドーム筐体の迫力を体感してもらいたいので,ゲームセンターで見かけたら,ぜひ遊んでみてください。とくに映画「トップガン」世代のお父さんお母さんは,ぜひお子さんと一緒にプレイしていただければと。
4Gamer:
稼働を楽しみにしています。本日はありがとうございました。
「マッハストーム」公式サイト
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