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「BlueStreak」はSFモノのスポーツ系FPSに? “クリフB”に新作の概要を聞いてみた
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印刷2014/08/01 00:00

インタビュー

「BlueStreak」はSFモノのスポーツ系FPSに? “クリフB”に新作の概要を聞いてみた

画像集#002のサムネイル/「BlueStreak」はSFモノのスポーツ系FPSに? “クリフB”に新作の概要を聞いてみた
 「Unreal」シリーズや「Gears of War」シリーズといった,Epic Gamesの人気タイトル開発に長年関わってきた“クリフB”ことCliff Bleszinski(クリフ・ブレジンスキー)氏。2012年10月にEpic Gamesから退社し,ゲーム開発はしばらくお休み……していたはずなのだが,2014年7月9日にNEXON Americaから,ブレジンスキー氏率いるデベロッパ,Boss Key Productionsと資本・業務提携を行い,新作FPS「BlueStreak」(開発コードネーム)のグローバル独占配信権を獲得したという情報が公開された。意外なところからゲーム開発の前線に戻ってきたブレジンスキー氏だが,新作FPSはどのようなタイトルになるのだろうか。
 今回4Gamerでは,北米にいるブレジンスキー氏に,日本のネクソンから電話でインタビューを行う機会を得た。BlueStreakはまだ開発が始まったばかりという印象で,踏み込んだ話は聞けなかったが,その内容を探ってみたのでお伝えしよう。

クリフ・ブレジンスキー氏。現在一番期待しているタイトルは「バットマン:アーカム・ナイト」,今一番ハマっているタイトルは「Hearthstone: Heroes of Warcraft」とのこと
画像集#001のサムネイル/「BlueStreak」はSFモノのスポーツ系FPSに? “クリフB”に新作の概要を聞いてみた
 まずブレジンスキー氏に聞いたのは,なぜゲーム開発を休んでいたはずなのに新作タイトルが出てきたのかということだ。氏は,Epic Games退社後,ゲーム開発そのものは行っていなかったのだが,結局,無意識にいろいろと新作タイトルのことを考えてしまっていたのだという。そして,ノートにさまざまなアイデアを書いたり,少しお金をかけて,そのアイデアのコンセプトアートも用意したりしていたのだそうだ。こう聞くと,「結局新作に向けて動いていたように思えるけど,お休み……?」と頭に疑問符が浮かぶが,ブレジンスキー氏としては「実際の開発作業はしてないから休みだよ」ということらしい。

 さて,そのノートに書かれたアイデアの中には,今で言う「タイタンフォール」PC / Xbox One / Xbox 360)に近い形の,メカが出てくるFPSがあった。これがBlueStreakの最初のアイデアなのだそうだ。ただ,氏としてはメカが大好きなのだが,FPSとして考えた場合,メカを入れるとスケールが大きくなり,狙うターゲットも小さくなってしまうので,じっくり考えた結果,BlueStreakにメカや乗り物は出さないということになった。ただ,そもそものアイデアがメカものなだけに,SFの世界観は現在のBlueStreakの企画に引き継がれたようだ。

画像集#003のサムネイル/「BlueStreak」はSFモノのスポーツ系FPSに? “クリフB”に新作の概要を聞いてみた

 本作の発表時に,テーマがSFという以外に,「アリーナタイプのFPS」「古き良きゲームスタイルを踏襲する」という情報も明かされていた。これについて,ブレジンスキー氏と言えばUnrealシリーズということで,「Unreal Tournament」のようなイメージになるのか聞いてみたところ,「具体的なことは考えている最中だけど,Unreal Tournamentと『Team Fortress 2』の間ぐらい」という返答が。また,氏の言う「古き良きゲームスタイル」には3つのポイントがあり,

  1. 敵から離れて狙撃するのではなく,近距離で撃ち合う
  2. 射撃の腕だけでなく,ダブルジャンプなどのモーションを駆使した動きも重要
  3. アリーナの中にはいろいろなアイテムが配置されており,これを拾って活用する

といった内容を盛り込む予定だそうだ。BlueStreakは,いわゆるスポーツ系FPSになると考えて間違いなさそうである。
 さらに,MODのサポートも前向きに検討していると話していた。ブレジンスキー氏は,例えば「Warcraft III」のMODからMOBAが生まれ,現在は「League of Legends」が世界的にヒットしているなど,プレイヤーから生み出されるイノベーションに可能性を感じており,そこは積極的にサポートしていきたいとのことだった。まだ具体的に実装すると決めているわけではないが,プレイヤーがアリーナのマップを作ってアップロードし,ほかのプレイヤーが評価するといった仕組みなども考えているとのことである。

 ちなみに,BlueStreakという開発コードネームに,何かゲーム内容のヒントがないかと思い,名前の理由を聞いてみたところ,「子供の頃にもらったトランスフォーマーのおもちゃがBlueStreakだったから。子供の頃は,トランスフォーマーにすごく刺激を受けたんだよ」とのことで,あまり深い意味はなさそうである。また,BlueStreakはあくまで開発コードネームであり,実際のタイトルは違ったものになる可能性が高いとも話していた。
 なお,本作の開発コードネームは,発表当初,海外で「Silverstreak」として広まっており,4Gamerでも海外情報からそう書いていたのだが,ブレジンスキー氏によると「最初からBlueStreakとして発表したんだけど,どこかのメディアが間違えてSilverstreakにしたのか,なぜか違う名前が広まっていた」のだそうだ。

画像集#004のサムネイル/「BlueStreak」はSFモノのスポーツ系FPSに? “クリフB”に新作の概要を聞いてみた

 BlueStreakは,PC用の基本無料オンラインゲームとしてリリースされる。しかし,ブレジンスキー氏はXbox 360のGears of Warで大きなヒットを生み出した開発者だ。また,世界的に据え置き型ゲーム機でFPSをプレイするゲーマーは多く,PlayStation 4やXbox Oneといった新世代のゲーム機が発売されている。そこで,なぜあえてPC用の基本無料タイトルにしたのかを聞いてみたのだが,氏によると「(マルチプレイFPSの)コミュニティのほとんどがPCにあるから」「(スポーツ系FPSであれば)操作はマウスとキーボードが最適。ゲームパッドでは少し難しい」というのが理由だそうだ。
 ただ,もちろん据え置き型ゲーム機市場に興味がないわけではなく,PCでサービスした後,移植する可能性もあるという。

 パブリッシャとしてNEXON Americaを選んだ理由についても聞いてみた。ブレジンスキー氏によると,NEXON Americaが持つ基本無料オンラインゲームのノウハウが優れていたということはもちろんだが,氏の友人の意見も大きかったようだ。氏は,最初はBlueStreakのパブリッシャを探すにあたって,オンラインFPSに強い会社を探していたが,そういった典型的な会社と提携しているデベロッパに話を聞くと,満足していないケースが多かったのだという。一方で,NEXON Americaと働いている友人の評価は高く,かつ氏自身が同社の社長であるOwen Mahoney氏と意気投合したこともあり,あえてカジュアルなMMORPGのイメージが強いNEXON Americaでやってみたくなったとのことだ。

 以上が,今の段階でBlueStreakについてブレジンスキー氏から聞けた内容となる。開発自体はこれからといった段階のようで,情報は順次公開していく予定とのことだが,まずは8月にコンセプトアートが見せられるのではないかと話していた。近年,スポーツ系FPSはすっかり減ってしまっただけに,どのようなタイトルになるのか期待したい。
 最後に,今後の氏の活躍に注目しているゲーマーへのメッセージをもらったので,これを掲載して本稿の締めとしよう。

これまで皆さんに支えられて,この業界で20年間,ずっとゲームを作ってきましたが,自分の会社を設立して,また最初からスタートすることにしました。仕事だからというわけではなく,自分自身,ゲームが大好きで作りたいから,これからも作っていきます。皆さんの期待に応えられるようがんばりますので,楽しみにしていてください。
(クリフ・ブレジンスキー)

Boss Key Productions公式サイト

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