インタビュー
「サモンズボード」は“超えなきゃいけないゲーム”。対人戦を含めた拡張性が感じられる協力プレイなど,サモンズの今後を荻原プロデューサーに聞いてみた
ゲームプレイに大きく影響を与えるシステムだけに,覚醒の動向に注目していたプレイヤーも多いと思うが,長い時間をかけて開発された分,そのバランスは絶妙で,実装からわずか3か月ほどですっかりなじんでいるように思う。
ただ,覚醒の次によく話題にあがっていた「協力プレイ」についても,やはり多くのプレイヤーが気になっていることだろう。先日行われた「もうすぐ3周年!!アニバーサリー記念生放送!」(アーカイブは「こちら」)では,番組の最後に少しだけイメージ画像が公開されたが,一般的な協力プレイとは毛色が異なるものとなっており,覚醒以上に本作の遊び方に新しい体験がもたらされそうな印象を受けた。
本稿では,そんな協力プレイの話題を中心に,本作のプロデューサーを務める荻原 智氏にサモンズボードの展望を聞きつつ,Twitterでサモンズボーダーから募集した質問事項などをぶつけてみた。
対人戦を含めた拡張の可能性を感じられる協力プレイの話など,興味深いことをたくさん聞けたので,本作の未来が気になるサモンズボーダーはぜひとも読んでみてほしい。
「サモンズボード」公式サイト
※本インタビューには企画中の内容が含まれます。実装時の内容はサモンズボード公式サイトでご確認ください。4月にライゼル,5月にハザン
滅級や塔がもっと楽しめるように
4Gamer:
お久しぶりです,荻原プロデューサー! 本日は協力プレイの話題を中心にさまざまなことを聞かせてもらいたいと思うので,よろしくお願いします。
荻原 智氏(以下,荻原氏):
3周年記念生放送ではご協力いただき,ありがとうございました! 本日はできるだけたくさんのことにお答えしたいと思いますので,こちらこそよろしくお願いします。
4Gamer:
荻原氏:
現状の最高難度コンテンツですから,歯ごたえを感じてもらえているようで良かったです。おれっちさん(4Gamer)はクリアされました?
4Gamer:
そりゃもう,必死でクリアしましたよ。一番印象的だったのはエリア4のオラージュ艦隊です。最初見た時は絶望しましたね。それに,サモンズボードはリバイバルに時間を要することが多いので,「このタイミングで絶対にクリアしてやる」と,躍起になってしまいました。……リバイバルに時間を要することが多いので!(笑)
荻原氏:
痛いところ突きますね(笑)。確かに,現在は塔や滅級の復刻ペースが早いとは言えません。ただ,3周年記念の生放送の際にもお伝えしたのですが,今年は滅級や塔の復刻を早める予定です。直近だと,忘却の神話ライゼルが待ち受ける「エルウエア溶岩口」を4月上旬に,獅皇ハザンが待ち受ける「霊峰・七命山」を5月上旬に再配信します。
4Gamer:
おお,きましたね! 滅級の中でも人気の高いキャラクターですし,プレイヤーのみなさんが喜びそうです。4月,5月と続いているということは,まさか毎月滅級が来るのでしょうか?
荻原氏:
残念ながら毎月行うのはなかなか難しいのですが,ライゼルとハザンに関してはとくに要望が多いので,まずはこれらだけでもすぐにやりたいと思って連続開催することになりました。そのうえで,新しい滅級の開催も早めに行っていきたいと考えています。
4Gamer:
速攻追尾スキルを持ったハザンがいるかどうかで,エレメンタルレイクなどの周回速度が大きく変わりますし,クリアできる人は確実に手に入れておきたいキャラですね。塔についてはどうでしょうか?
荻原氏:
塔は,2015年12月に「トルブクガスの塔」,2016年7月に「ディビニラカンの塔」,2017年2月にサナーレスの塔と,約半年に1回のペースで配信していますが,もともと目標にしていた“3か月に1回の開催”に近づけたいなと。すでに次の塔にも着手していて,2017年4月か5月には新しい塔を登場させる予定です。
4Gamer:
おお,もう目の前ですね。個人的には楽しみな反面,クリアできるかどうかの不安がつきまといます(笑)。
荻原氏:
おれっちさんなら必ずクリアしてくれると信じてますよ!(笑)
4Gamer:
が,がんばります! ちなみに,塔のイメージは固まっているんでしょうか……?
荻原氏:
もちろん固まってますよ。……言わないけど。
(一同笑)
4Gamer:
言わんのかい!(笑) でも,デルフィニウム(光属性),プラタナス(水属性),ハーデンベルギア(闇属性)と続いているので,属性的に考えると次は火か木属性ですよね。
荻原氏:
いやいや,次も闇属性かもしれないですよ?
えっ! そんなことあります!?(笑)
荻原氏:
まあ,それはないんですけど(笑)。塔シリーズは,現状の最高難度コンテンツなので,内容は大切にしていますし,単純な作りにはしません。なんらかの新しい試みを取り入れます。
4Gamer:
サナーレスの塔でいえば,各エリアで特定の敵を残すと最終エリアのボスにバフがかかりますよね。
荻原氏:
今回はまさにそれです。難しいダンジョン向けのギミックとして開発したので,別のダンジョンで登場することはあまりないと思うのですが,逆にコラボ合わせで入ったギミックなどは,ほかのダンジョンでも結構使っていますよ。
4Gamer:
ああ,コラボで登場した矢が降ってくるギミックとかですね。
荻原氏:
そうです。現在では,矢を隕石に置き換えた「飛来ダメージ」として,いろんなダンジョンに登場するようになりました。あと,ボスの取り巻きの敵が復活するギミックもコラボで実装しましたね。
思い返すと,いろんなコラボがありましたね……。また遊びたいので復刻を楽しみにしています! 復刻といえば,そろそろ春ですし,サコンの待ち受ける「桜の迷宮」がきますかね?
荻原氏:
きます! 桜の迷宮は桜が咲く季節にきます。どこの地域の開花時期かは分かりませんが(笑)。
4Gamer:
出ました,含みを持たせた言い回し(笑)。サコンって,リーダースキルにクセがありますけど,強いんですよね,ほんと。今後,サコンのような“軍師タイプ”が増えてくれると嬉しいんですけど……。
荻原氏:
サコン自体はすごく優秀ですし,戦いの幅を広げてくれるキャラクターだと思うので,軍師タイプは増やしていきたいと思っています。ただ,単純に色違いを量産するみたいなことはしたくないので,しっかりとキャラ立ちするように,タイミングを見計らって登場させます。
意外と前向きな回答が得られた
オートバトルの可能性
4Gamer:
季節系のダンジョンの中では,アニバーサリーダンジョンの「ヴァルハラの死闘」がかなり印象的です。ブリュンヒルデのセリフから物語が垣間見えるというか。あれってどういう世界設定なんですか?
荻原氏:
ブリュンヒルデは,光ノルン,闇ノルン,ウルド,スクルド,ヴェルダンディなどと同じ北欧神話がモチーフで,それらの女神からフィルギャが生まれて,そこからブリュンヒルデが生まれた,という立て付けがあります。
サモンズボードでは,召喚士が彼女達の世界に踏み込んでしまい,そのまま戦いになってしまった……というのが1周年のときに登場した「ヴァルハラの死闘」ですね。
4Gamer:
そこまでは,物語が垣間見えるような作りのダンジョンがなかったので,非常に新鮮だった記憶があります。
荻原氏:
公式サイトにちょっとした物語を載せたのも,あれが初めてですね。続く2周年では,「ニーベルンゲンの歌」をベースに,ジークフリートやクリームヒルト,グンターといったキャラクターが登場する「ブルグント戦記」を配信しました。そして今年は,「ニーベルングの指環」をモチーフに,ハーゲンが待ち受ける「ヴァルハラの悲闘」を実装したかたちです。
4Gamer:
全部つながりがあったとは……。それにしても,ブリュンヒルデは極級と冥級だと性格が豹変しすぎじゃないですか?(笑)
荻原氏:
そこを説明すると,ますます開発設定の話が濃くなってしまうんですけど(笑),極級のブリュンヒルデは神様の教えを布教している信者で,言ってしまえば過保護なレベルで神様に管理されているんです。
そして,冥級のブリュンヒルデは神様の管理が行き届いておらず,自身が抑圧していた願望を爆発させて,人間らしいわがままな性格になるんです。……それにしたって発言が過激過ぎますけどね(笑)。
4Gamer:
最初出会ったときは本当にびっくりしました。あと,ブリュンヒルデがスキルを放つときに「code」が付く技が多かったんですけど,何か意味を持っているんでしょうか?
荻原氏:
あれは,“ヴァルハラサーバー”という架空の神界の管理サーバーに技のコードを申請して,神様から使用許可をもらっているというイメージです。
4Gamer:
おお,サモンズボードチームらしい,厨二感のある面白い設定ですね……!
荻原氏:
ただ,4周年のアイデアがまだまとまってなくて,困ってるんですよ。
4Gamer:
……よし,ボイス入れましょう!
荻原氏:
えっ!(笑)
4Gamer:
人型じゃないキャラクターも多いですし,全部のキャラクターに入れるのは難しいと思うんですけど,ブリュンヒルデならアニバーサリーキャラクターとして,ボイスを入れても納得してもらえそうじゃないですか?
荻原氏:
確かに世界観を深掘りできそうではありますが,やっぱりサモンズボードはボイスの必然性が低いので,なかなか難しい気がします。もし,どうしても声を入れるという話になったら,PVみたいなのを作って,そこにボイスを入れるというのは考えられそうです。
4Gamer:
なるほど。でも,やっぱりゲーム内で聞きたいなあ……。ボス戦でいきなりBGMが変わってブリュンヒルデがめっちゃしゃべり出すみたいな。
荻原氏:
確かにそれは気持ちが盛り上がりそうですね。BGMといえば,現在,新しい楽曲を下村陽子さんに交渉しているんですよ。みなさんご存じだと思いますが,下村さん自身もサモンズボードを楽しんでくださっていて,新しいBGMの制作については非常に前向きですね。
4Gamer:
どのような楽曲を予定しているんですか?
荻原氏:
具体的な例を挙げるとすれば,滅級や塔の専用BGMができるかもしれません。
4Gamer:
おお,それは確実に盛り上がる……! BGMの話題が出たので,システム面についても聞いていきたいのですが,ダンジョンクリア後にすぐ再挑戦できるボタンやオートバトルなど,周回機能を取り入れる予定はないのでしょうか?
荻原氏:
それらについては検討しているものではあります。とくに,オートバトルについてはゲームの遊び方が変わってくる要素なので,議論を重ねて慎重に考えていますね。
オートバトルって,どこでも使えてしまうと考えることを止める要因になりかねないので,サモンズボードの一番面白い部分を削いでしまう可能性がありますもんね……。
とはいうものの,新しいダンジョンが登場したときに一番楽しいのって,たぶん初見のときなので,その後の周回って苦痛になることが多いんですよ。その分,キャラクターのスキルレベルをMAXにできたときはすごく達成感があるんですけど。
そうした部分を踏まえると。「クリアしたところだけ使えるようになる」とかであれば,割となんとかなりそうじゃないですか?
荻原氏:
そうですね。1回クリアしたところっていうのもそうですけど,素材系ダンジョンはオートバトルができるみたいなのも,ありといえばありですね。そうした部分を含めて,導入に向けて議論は重ねてます。そういった中でも,再挑戦ボタンはあったほうがいいよねっていう話は出ているので,現在前向きに検討しているところです。
4Gamer:
その答えは正直意外でした。オートバトル完全否定派だと思っていたので。
荻原氏:
時代に合わせて変化していくことは大切だと思うので,可能性を無闇に否定しないことは心がけています。そもそも,神級や滅級が1回クリアしたからってオートでクリアできるとは思いませんし。ただ,もしオートバトルを実装するとしても,クリアしていないダンジョンをオートでプレイできる,という仕様にはしない予定です。
4Gamer:
聞けば聞くほど実装できそうな感じが……。あと,ソウルの管理が大変なのですが,改修の予定はありませんか?
荻原氏:
あと,実現できるかどうかが分からないので,話半分で聞いてほしいんですけど,そもそもソウルをアイテムとして扱うようにして,ソウル付きキャラクターじゃなくて,ソウル自体がドロップするっていう形式も合理的ではありますよね。
ただこれも,先制攻撃を防ぐためだけに先制攻撃耐性ソウルを溜めておいたモンスターをダンジョンに連れて行く,といった編成ができなくなってしまいます。
4Gamer:
なるほど。
荻原氏:
その点でいうと,素材系のキャラクターをモンスターBOXから外すっていうのも構想の中の1つの案として持っています。例えば,素材専用BOXみたいなものがあって,今みたいに素材系のキャラクターが1体ずつ並ぶんのではなく,素材を示すアイコンごとに所持数がまとめて表示される感じで……。
これも単体で行うと素材系モンスターにソウルを付与できなくなってしまいかねないので,実現できるかどうかもわからないのですが,不便なところはの改善は常に考えています。
覚醒の本領発揮はこれから
あえて要素を絞って実装した理由とは?
4Gamer:
そういえば,取り巻きの敵から覚醒玉が落ちないのは仕様ですか?
荻原氏:
あれは仕様です。ちなみに,俗に覚醒玉と呼ばれている青い玉ですが,実は「トランスポイント(TP)」っていうんですよ。TPという文字は,覚醒を紹介するPVで出てくるのですが,トランスポイントという名称は出してなかったですね。
4Gamer:
知りませんでした……!
荻原氏:
取り巻きの敵がTPを落さないのは,1つのダンジョンで2体くらいが覚醒できる程度のTPしかドロップしないように調整しているからなんです。ただ,タイプによって消費量が異なっているため,アタックタイプでギリギリまで粘ればもうちょっといけるなど,一概に2体までというわけではないんですけど。
あと,まだ構想段階ですが,獲得TPが増加するソウルやリーダースキル,能力などの実装も考えています。例えば,TPの獲得量が増える分,攻撃力やHPの上昇値が低いとか。
4Gamer:
なるほど。敵から得られるTPの量を変えるというよりは,こちら側のTP獲得量が増える要素が追加されるかもしれない,ということですね。でも現状,覚醒ってかなりバランスが取れていると思うので,あんまりいじることもない気がするんですが……。
荻原氏:
それは嬉しいですね。
4Gamer:
例えば,具体的な話になっちゃうんですけど,サナーレスの塔のエリア3で,バロールが覚醒できる状態になっているけど,敵をすぐに倒したくないからまだ覚醒しないとか,プレイヤーさんの判断が重要になってるんですよね。それに,ボスに到達した時点で2体くらいが覚醒できるというのも「誰を覚醒するか」という判断が必要になるので,丁度いい感じなのかなと思ってます。
荻原氏:
そもそも覚醒を開発している段階で,ボスに到達したときに4体が覚醒できるほどTPをドロップさせるか否か,という議論はあったんですよ。せっかく覚醒解放したのに覚醒させない理由はあるのかという話だったんですけど,選択肢を提示することでプレイヤーさんに判断を委ねたかったんです。
4Gamer:
なるほど。
荻原氏:
正直に言ってしまうと,ロンドハーケンなどの初代覚醒シリーズは,特殊な状況を除けば,基本ステータスやスキルが純粋に強化されるため,覚醒できるならすぐに覚醒したほうがいい作りになってるんです。
ただ,その次に追加されたクンネカムイとカンナカムイに関しては,覚醒前と覚醒後でスキルの特性が変化するという,ちょっとトリッキーな作りになっていて,状況判断がすごく重要になるようにしました。
4Gamer:
クンネカムイの覚醒は本当に嬉しかったです。ここ最近,すごくクンネカムイを多用していて,序盤は回復マス設置しながら安全に進み,ボス戦では覚醒してダメージトラップを設置しつつ,特性の「トラップ発動」で大ダメージを与える,といった戦い方が気持ち良くて……。
荻原氏:
3周年生放送の時点でかなり気にいってましたもんね(笑)。あとは,覚醒前と覚醒後でスキル発動までに必要なターンが異なるので,ボスエリアですぐに覚醒後のスキルを使いたい場合は,ボスエリアの1つ前のエリアで早めに覚醒しておいたほうがいいなど,今後も,覚醒のタイミングをプレイヤーさんに委ねるような能力を持ったキャラクターを増やしていく予定です。
4Gamer:
おお,戦いの幅が広がるのは嬉しいですね。
荻原氏:
あと,現状は2体が覚醒できるようにTPを調整していますが,仮に4体が覚醒できるくらいのTPがドロップするダンジョンが入ったとしても,覚醒させる順番が重要になるなどうまくバランスを取れると思います。
4Gamer:
なるほど。覚醒自体まだ入ったばっかりですし,あんまりたくさんの要素がありすぎても,プレイヤーさんが混乱しちゃいそうですしね。
荻原氏:
おっしゃるとおりです。まずは純粋にキャラクター性能が上がるようにし,その先でプレイヤーさんの判断が重要になるスキルや能力を持った覚醒キャラクターを増やしていきたいと考えています。
あと,まだ覚醒できるキャラクターが少ないので,現在までのダンジョンは覚醒キャラクターがいなくてもクリアできる設定にしていましたが,覚醒キャラクターが増えてくれば覚醒をうまく活用する必要があるようなダンジョンも面白そうですね。
4Gamer:
覚醒キャラクターの注目度はこれからも高そうです。覚醒も重要ですが,進化解放も引き続き行われていくんですよね?
荻原氏:
もちろんです。状況とバランスを見て行っていこうと思います。
ええい,御三家の活躍はまだか!
クレン,イドラ,ガルーの可能性に言及
4Gamer:
その点でいうと,進化解放や覚醒させるキャラクターはどうやって選ばれているんですか?
荻原氏:
進化解放は,ゲーム内に実装されたのが早いキャラクターを優先しています。最初に覚醒したキャラクターは,さまざまな議論のうえで「獣がいい!」という結論に落ち着いて,獣王シリーズになりました。やっぱりサモンズボードはモンスターがメインですから。
4Gamer:
精霊使いシリーズまでは人型があまりいなかったですもんね。
荻原氏:
最初は「2体しか作れないんじゃないか?」みたいな危機もあったんですが,サモンズボードチームとしても気合いの入ったコンテンツということで,思い入れの強い獣王シリーズをすべて覚醒させることになり,かなり無理をしました(笑)。
あとは,極クラスのダンジョンで手に入るキャラクターも覚醒させたいよね,というところからウルス・ラグナ,神クラスも必要でしょう,というところからバロールが選ばれて,最初の覚醒キャラクターが決定しました。
4Gamer:
なるほど。
荻原氏:
今後の覚醒キャラクターについては,最近の動きを見てもらうと分かるように,ドゥルガーやカムイなど,できるだけダンジョンで入手できるキャラクターを覚醒させたいと思っています。
とはいえ,人気がありつつもトップトレンドには届かないようなキャラクターも覚醒させてあげたいという思いもあるので,3周年生放送で黒塗りにして紹介した,アルテミス,ランスロット,トヨタマヒメ,アリスも覚醒させます。
4Gamer:
3周年生放送で,初代ランバトの報酬で手に入っていたシリーズも覚醒することが発表されたと思うのですが,今となっては入手が難しいキャラクターでもありますよね。何かしらの入手チャンスはあるのでしょうか?
荻原氏:
それについては,かなり昔からいるキャラクターということもあり,いまさらランバトの報酬で出たとしても「ちょっとなあ……」と感じる人もいると思うので,ミッション報酬でランバトのキャラクターが手に入るダンジョンを用意する予定です。少なくとも,1体ずつは行き届くようにしたいですね。
4Gamer:
おお,自分も持っていないキャラクターが多いので嬉しいです! ランバトのキュウビ,ティアマトなどもそうですけど,昔からいるキャラクターだと,いわゆる御三家と呼ばれているクレン,イドラ,ガルーが活躍の場を失っている気がします。最初に選べるキャラクターですし,もう少しスポットライトを当ててあげられないでしょうか?
荻原氏:
実は,進化解放か覚醒のどちらかを行いたいと考えています。一番最初に手に入るキャラクターなので,一番利便性が高くてもいいと思いますし。
あと,ノーマルダンジョンとテクニカルダンジョンの最終ステージみたいなものを追加する予定なのですが,そちらで入手できるキャラクターについても,御三家のように進化解放か覚醒ができるようにしたいと考えています。
4Gamer:
ドロップするキャラクターを中心に使っている自分としては,どんなキャラクターで,どんな能力を持つのか気になります……!
荻原氏:
やはりそのあたりのキャラクターっていうのは,初心者の方でも使いやすいほうがいいと思うので,覚醒よりも素材の集めやすい進化解放のほうがいいんじゃないかなと思っていて……。御三家に限って言えば,現状☆6ですし,ひとまず進化解放するのがいい気がします。
4Gamer:
進化解放からの覚醒に期待してます! そういえば,御三家や騎士系など最初のほうに登場したキャラクターって,進化するとスキルが変化してスキルレベルがリセットされちゃうじゃないですか。もし,御三家が前線で戦えるようになるなら全力で育てたいところですが,スキル上げはかなり大変そうだなと。
荻原氏:
そうですね。最終形態のスキルに合わせてしまうのがいいのかなと思っていますが,すでに途中までスキルを強化してくださっている人もいると思うので,スキルは変わるけど育てた分のスキルレベルはそのままになる,みたいな落としどころがいいかもしれません。
ただ,ちょっと難しそうな気もしていて……。もちろん,仕様変更に抵抗があるわけではないので,できるだけ最善の形にできるように,適切な解決策を模索し続けます。
4Gamer:
なるほど。せっかくの御三家なので,新しい覚醒特性が付くと面白そうなんですが。
荻原氏:
新しい覚醒特性を追加する予定はとくいないのですが,現状の5つだけにこだわる理由もないので,タイミング次第では追加するかもしれませんね。
4Gamer:
今はセカンドタイプに連動させた覚醒特性ですし,この流れであればファーストタイプや属性に連動した覚醒特性が来るのでは……!?
荻原氏:
今後,覚醒キャラクターの数に応じて,追加する可能性はゼロではないです。ただ,最初からいろんな要素を入れすぎると,プレイヤーさんが混乱しちゃうんじゃないかと思い,最初はなるべく抑えている感じではあります。なので,これからはタイミング次第で幅が広がっていくはずです。
4Gamer:
おお,現状でも強力なものが多いので,どんなものが追加されるのか楽しみです。特性以外だと,飛来ダメージ吸収や攻撃力吸収など「能力」も,少しずつ増えていますよね。
荻原氏:
能力は,特性に比べると非常にフレキシブルで,有用そうなものであれば割と随時追加していきたいと考えています。例えば,分かりやすいところですと,「飛来ダメージを防げたうえで活用できたらいいよね」という考えから,飛来ダメージ吸収が誕生したなどですね
協力プレイのベースは非同期型
サモンズボードらしいシステムを目指して
4Gamer:
さて,話は変わりまして,協力プレイについても聞かせてください。3周年生放送の最後に協力マップの画像が公開されましたが,いまだにどんなものなのか想像がつきません。
荻原氏:
協力プレイの導入を検討し始めてから最初にできあがったプロトタイプって,おれっちさんにも触ってもらったことがあったと思うんですけど,1つのダンジョンを複数人でプレイするものだったんですよね。その後もいろいろと試行錯誤したんですが,この仕様だとサモンズボードの楽しみ方には合わないということになり,そのかたちはやめることにしました。
そして現在新しいコンセプトとしてまとまったのが,1つの大きなマップをみんなで攻略する協力マップです。基本はほかのプレイヤーさんとリアルタイムに協力するものではなく,非同期で楽しむ形になります。
4Gamer:
なるほど。具体的にはどうやって進行していくんでしょうか?
荻原氏:
基本的には,プレイヤー間で進捗を共有している大きなマップが舞台で,開放されているダンジョンにどんどん挑戦していきます。ダンジョンをクリアして次のダンジョンを開放する,というのを繰り返して最後に待ち受けるボスを倒したり,マップの踏破率100%を目指したりします。
また,鍵がかかったマスも用意されており,例えば,特定の敵を一定数倒す,一定のダメージを与える,特定のキャラクターを一定数集めるなど,さまざまな条件を満たすことでそのマスをアンロックできるようになる予定です。もちろん,こうした条件マスの進捗もプレイヤー間で共有されます。
4Gamer:
画像を見る限りでは,分岐した先に宝箱が設置されていることが多いみたいですね。この右上の離島みたいなところにも行けるんですか?
荻原氏:
こちらも特定の条件を満たすことで行けるようになるんですが,こういったマスもクリアして,マップ踏破率100%を目指すのであれば,参加メンバーで条件を探すところから始めなければなりません。
4Gamer:
まさに協力プレイですね。
荻原氏:
ただ,ほかのプレイヤーさんのマップ攻略に貢献すると,自分がホストになった際,何かしらの恩恵があるようなシステムにはしようと思っています。
4Gamer:
なるほど。確かに,ゲストとしてマップ攻略の終盤に参加して,マップ踏破100%ってなってもあんまり達成感が得られないですしね。
荻原氏:
そうなんです。基本的な遊び方としては,隠されたマスの開放条件をみんなで相談したり,「100体討伐がんばろう!」と鼓舞したりしつつ,楽しんでもらう感じですね。
4Gamer:
となると,コミュニケーションツールも用意されるんですか?
荻原氏:
現状では,コミュニケーションボードみたいなものを設置したいと思っていて,テキストのチャットができるかは分からないのですが,スタンプとかでやりとりができるくらいにはするつもりです。
また,ダンジョンではないので1時間とかで終わるようなものではなく,「今月のマップはこちら!」みたいに,1か月かけてみんなでマップを攻略するというコンテンツを想定しています。例えば,自分がプレイしていない間に新しい道が開拓されていたり,実際に誰かが戦っていたりと,ちょっとした変化を楽しんでもらえると嬉しいですね。
領地を取り合うGvGの可能性は?
荻原プロデューサーの考える対人戦とは
荻原氏:
実は,協力プレイのベースは非同期なのですが,同時にプレイしているメンバーで共闘できる「同期モード」のようなものも考えています。
4Gamer:
具体的にどういったものですか?
荻原氏:
例えば,3人が同時にプレイしている状態で同期モードに切り替えれば,リアルタイムにコミュニケーションを取ることができる,みたいな感じです。この同期モードでは,新しいコンテンツとして「同時バトル」ができたらなと。
4Gamer:
同時バトル……?
荻原氏:
4Gamer:
なるほど。バランスが難しそうですが,サモンズボードとはかなり相性がよさそうなシステムですね。
荻原氏:
ええ。なので,非同期だとモンスター討伐に近い感覚で,同期するとダンジョンの攻略が捗る,もしくはクリアが近付くといった感じですね。
4Gamer:
おお,サモンズボードの協力プレイって全然想像つかなかったんですが,いい感じに落とし込めそうな雰囲気です。
荻原氏:
あと,コメントかスタンプか分かりませんが,ダンジョン攻略中に同期モードのプレイヤー間でコミュニケーションが取れるシステムも採用予定です。救援を出しておくと,どこかのターン開始時にHPが回復して「Aさんが助けてくれました」みたいなものが表示されるとか。
まだ企画段階で,プロトタイプで手触りとかも確認しつつ進める必要があるので,まだまだ全然違うかたちになる可能性もありますが……!
4Gamer:
聞けば聞くほど面白そう。協力マップはギルドメンバーで楽しむものなんですか?
荻原氏:
ギルドメンバー“でも”楽しめます。ただ,最初はギルド関係なく遊べるようにしつつ,ギルドに入るキッカケになるようなものにしたいと考えています。そして,ゆくゆくはギルドメンバーで協力して楽しめるものも用意したいですね。
4Gamer:
ギルドメンバーで協力するタイプは具体的にはどういったものなんでしょうか?
荻原氏:
あくまで構想段階ですが,次のステップとしてギルド単位の協力マップがあって,最終的には領地を取り合うPvP(GvG)みたいなところまで持って行きたいなと。例えば,マップに設置された砦ダンジョンを攻略することで得られるポイントを集めて相手とスコアを競い合ったり,砦ダンジョンを占領して領地を広げていったりするといった感じですね。
覚醒のときと同じですが,一気に要素を入れようとすると,実装がどんどん先延ばしになってしまいますし,要素が多すぎるとプレイヤーさんの混乱を招いてしまうので,フェーズを分けつつ実装していこうと思っています。
4Gamer:
領地取り合戦とかめちゃくちゃ面白そうじゃないですか……。全然仕様は分かりませんが,1回落された砦を落すにはクリアした人のスコアを超えなければいけないとかあったら,ものすごく胸がアツくなりますね。それに,もっと先のことを考えると3対3みたいな形で領地戦ができると,大会とかめっちゃ盛り上がりそうなイメージが……。
そうなんです。ちょっと考えるだけでも夢が広がるんですよ。あくまで展望なので,どこまでできるかはまだ分かりませんが,なるべくサモンズボードだからこそ楽しめるような協力プレイやシステムを実装したいと考えています。
ひとまず,ベースとなる協力マップはなんとか今年中に公開できるように粛々と開発を進めておりますので,ご期待ください。
4Gamer:
では,お時間もそろそろ迫ってきているので,締めに移りたいと思います。荻原プロデューサーにとってサモンズボードとはなんでしょうか?
荻原氏:
そうですね……。“超えなきゃいけないゲーム”といったところでしょうか。やっぱり何でもそうですけど,現状に満足したらダメだと思うんですよ。新しいコンテンツの開発はもちろん,既存の要素もよりさらに遊びやすい形になるよう,進化・変化し続けることでプレイヤーさんに楽しんでいただけることを常に意識しています。いつも時間がかかってしまって申し訳ないのですが……。
4Gamer:
素晴らしいお言葉をありがとうございます。では,最後になりますが,サモンズボードを楽しんでいる読者の方にひと言お願いします。
荻原氏:
3周年を迎えて,サモンズボードがより遊びやすくなるにはどうしたらいいか,という部分を今までに以上に意識して見直していきます。もちろん,今後もサモンズボードらしい新しいコンテンツを追加していく所存ですので,少し時間がかかってしまうかもしれませんが,楽しみにしていただけると嬉しいです。これからもサモンズボードをよろしくお願いします。
4Gamer:
ありがとうございました!
Twitterで募集した一問一答
討伐はダメージの報酬なども含めて改善予定
最後に,筆者のTwitter(@Orecchi4g)で募集した質問事項の中から,インタビューの内容と被っていないものをピックアップしてお届けします。時間の都合ですべて聞けなかったのが心残りですが,少しでもサモンズボーダーの不安や疑問を取り除けられれば幸いです。
Question.1
スキルの使用確認をオフにできる機能は入りませんか?
荻原氏:
確かにスキルを使用するのに2回もタップしてもらうのは,手間をかけているとは思うのですが,覚醒などのUIを含んでいるので,確認をオフにするというのはなかなか難しい部分かもしれません。
Question.2
師範代道場の遊級を増設する予定はありますか?
荻原氏:
こちらは現在,遊級の増設と,神級,冥級のダメージの追加など,全体的に改修する方向で進めております。具体例を明言できないのが心苦しいですが……。
Question.3
次のモンスターアイデアコンテストはいつやるんですか?
荻原氏:
実は,アイデアコンテストはイラストコンテストに変えようかなと思っています。というのも,アイデアコンテストは“アイデア”を重視するので,どれだけイラストがよくても採用できないものがあるんですね。
もう,本当にすごい魅力的なデザインを泣く泣く採用できなかったこともあるので,現在,どういった形がベストなのか検討しているところです。
Question.4
レヴォルトの入手機会が増えることはありますか?
荻原氏:
基本的には,ノーマルダンジョンとテクニカルダンジョンがメインで,なかなかクリアできない人は定期的に登場するミッションなどを活用してほしいと思っているので,現状,増やすことは考えていません。ただ,覚醒モンスターは増えていくので,イベント等で入手できる機会を増やしていきたいと思います。
Question.5
探索の改良予定はないのでしょうか? 例えば,今は3体をそれぞれ探索に行かせる仕様ですが,キャラクターAを3時間,キャラクターBを6時間,みたいな分け方ってしてないと思うので,通常編成のように4体を1セットにして,一括で派遣できるようにするっていうのはありなんじゃないかと。
荻原氏:
探索についてはもっとよくする方法を模索しているところですね。先日のアップデートで報酬が変化するなど,ちょっとずつ改良はしています。システムの大枠自体は簡単に改修できるものではないので,慎重に進めているところです。
Question.6
BOX枠の最大値はいつ頃増えそうですか?
荻原氏:
次回か,その次のアップデートで2000に拡張する予定です。
Question.7
討伐を改修する予定はありますか?
荻原氏:
討伐に関しては,ダメージの報酬とかも含めて全体的に改善を予定していて,すでに着手しています。オーバーキルはサモンズボードの現在の仕様だと,テコ入れするのが難しいので,まずは,APの消費や与えたダメージによる報酬の割合など,データの部分を調整します。
Question.8
水着や浴衣を着た,季節系のランスロットが出る予定はありませんか?
荻原氏:
すごいピンポイントな質問ですね(笑)。直近の覚醒キャラクターとしてあがっていますし,せっかくなので出します。今,決めました。
Question.9
荻原プロデューサーとおれっちさんはそういう関係なんですか?
荻原氏&4Gamer:
違います!(笑)
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