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Mionix製キーボード「WEI」レビュー。見た目重視のブランドは,「Cherry MX RGB Red」キースイッチ搭載モデルをどう仕上げたか
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印刷2017/11/20 00:00

レビュー

Cherry MX RGB Redキースイッチ搭載キーボードをMionixはどう料理したか

Mionix WEI

Text by 米田 聡


 Mionix(マイオニクス)にとって久しぶりとなるゲーマー向けキーボード新製品「WEI」(ウェイ)の国内販売が始まっている。最近のMionixらしい,見た目重視の製品ではあるが,一方でシンプルな日本語109配列,かつ定番メカニカルキースイッチ「Cherry MX Red」――正確には「Cherry MX RGB Red」――採用と,クセのない仕様だったりもするのが特徴だ。
 では,その実力はどれほどだろうか。実機をいろいろ試すことができたので,レポートしていきたい。

WEI
メーカー:Mionix,問い合わせ先:ゲート(販売代理店) 03-5280-5285
実勢価格:1万6200〜1万9500円程度(※2017年11月20日現在)
画像集 No.002のサムネイル画像 / Mionix製キーボード「WEI」レビュー。見た目重視のブランドは,「Cherry MX RGB Red」キースイッチ搭載モデルをどう仕上げたか

 テストに先立ってお伝えしておくと,WEIの主なスペックは以下のとおりとなる。

●WEIの主なスペック
  • 接続インタフェース:USB
  • 基本キー数:日本語109キー
  • キースイッチ:メカニカル(「Cherry MX RGB Red」)
  • キーピッチ:19mm
  • キーストローク:4mm
  • アクチュエーションポイント:2mm
  • 押下特性:45g±15g
  • ロールオーバー:Nキー
  • 複数キー同時押し対応:全キー
  • キー耐久性:未公開(※Cherry MX RGB Red公式にはキーあたり最大5000万回)
  • ポーリングレート(レポートレート):未公開
  • マクロ機能:なし(※キーの割り当て変更機能は搭載)
  • バックライト:搭載(※キーごとに約1677万色から選択可能)
  • 実測本体サイズ:450(W)×137(D)×12.5〜20(H)mm(※キーキャップ除く)
  • 実測本体重量:951g
  • 実測ケーブル長:約1.45m
  • 対応OS:Windows,mac OS(※いずれも対応バージョン未公開)
  • 発売日:2017年8月10日
  • 保証期間:1年間


黒くない外観がとても特徴的なWEI


 WEIを語るうえで外せないのは,筐体とキーキャップが明るめの灰色で統一されていることだ。また,工場出荷時のLEDイルミネーションが淡い色設定になっており,全体から受ける印象は,黒い筐体と勢いよく光るLEDでお馴染みの一般的なゲーマー向けキーボードとは一線を画したものとなっている。

キーキャップが本体から浮いた,最近のゲーマー向けキーボードで流行のデザインなので,LEDイルミネーションはキーボード本体の天板を照らすが,その色は淡く,独特の風情を作り上げている
画像集 No.031のサムネイル画像 / Mionix製キーボード「WEI」レビュー。見た目重視のブランドは,「Cherry MX RGB Red」キースイッチ搭載モデルをどう仕上げたか

本体はとてもシンプル。左側面に(どういうわけか着脱可能な)Mionixロゴ入りの黄色いラバー製カバーが付いていたが,これはデザイン上のワンポイントという位置づけだろう
画像集 No.032のサムネイル画像 / Mionix製キーボード「WEI」レビュー。見た目重視のブランドは,「Cherry MX RGB Red」キースイッチ搭載モデルをどう仕上げたか
 もっとも,「やや地味」と印象を持つ人はいるだろう。それを考慮してか,MionixはLEDの色や輝度を変更できる機能を用意するだけでなく,別売りで,カラフルな交換用キーキャップセット「Mionix Keycaps」を用意している。
 ただこのキーキャップセット,各国語版キーボードへ対応できるよう,さまざまなサイズが揃っているにもかかわらず,日本語配列モデルでは[Space]キー用キーキャップなど,長めのキーが適合しない。
 「標準でさまざまなキー配列に対応」なのに「日本語配列は対象外」ということからするに,今後も日本語対応を果たす可能性は低いだろう。販売代理店のゲートはMionix Keycapsの発売を未定としているが,「出ない」と考えておいたほうが,精神衛生上はよさそうである。

黄(French Fries),桃(Frosting),水(Ice Cream)の3色展開となっているMionix Keycaps。レビューのため特別に黄モデルを入手してみたところ,日本語配列対応の[Enter]キーはあるが[Space]キーはないといった具合だった。これでは国内発売も望み薄だろう。残念だ
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 見た目のユニークさと,交換用キーキャップの大雑把さがなんともMionixだが,細かいところでも,WEIからはMionixらしさが見てとれる。
 日本語配列ながらそのキートップにかな刻印を持たず,キースイッチ側のLEDは英語キー配列と同じように英字のみを下から照らすようになっているのが一点。そのまま文字を印字すると下から光を当てたとき,見た目にあまり美しくなくなる[半角/全角]キーや[Page Down]キーといったキーは,表示がアイコンに置き換わっているのが一点だ。
 結果として,キートップ上には必要最低限の情報だけが載るという,とてもすっきりしたものになった。

正面から。日本語配列だが日本語の印字はない,すっきりしたデザインだ
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[Space]キーの幅は実測47mmとやや短め。[Space]キーを多用するゲーマーには違和感があるかも
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 配列上の特徴としては,右[Windows]キーを省略して代わりに[Fn]キーを配置した,ゲーマー向けキーボードではよく見かけるタイプの配列になっていることが挙げられる。
 ただ,それだけにちょっと気になるのは,[かな]キーと右[Alt]キーに十分な横幅を与えた結果として,[Space]キーが横幅実測約47mmとやや短くなってしまっている点だ。こういう“調整”も日本語配列における交換用キーキャップの非互換性を生んでしまっているのではないかと思うが,ともあれ,[Space]キーは大きいほうがいいという人だと,少々扱いづらいかもしれない。

画像集 No.015のサムネイル画像 / Mionix製キーボード「WEI」レビュー。見た目重視のブランドは,「Cherry MX RGB Red」キースイッチ搭載モデルをどう仕上げたか
 もう1つは,本体右奥から左に向かっての7キーが特殊になっているということだ。詳細は後ほど触れるが,4キーが追加になっていたり,本来なら[F12]キーの右は左から[Print Screen][Scroll Lock][Pause]キーのはずだが,明らかにそうは見えないアイコンのキーに変わっていたりする点を押さえておいてもらえればと思う。


その仕様上,リストレストはほぼ必須。安定感はやたらと高い


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 ここまで掲載してきた写真で想像できた読者も多いと思うが,WEIはフルキーボードとしては設置面積がコンパクトだ。実測の横幅は450mm,奥行きは137mmである。
 一方,キーキャップを除く本体の高さは[Space]キーの行で実測約12.5mm,[Esc]キーの行で約20mmだった。チルトスタンドがないため,傾斜の調整は不可となる。

本体側面から。チルトスタンドがない一方,傾斜は相応にある
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 また,これもここまで掲載してきた写真から自明だが,WEIはキーボード本体の天板部にキースイッチがマウントされており,そこからキーの軸が立ち上がってキートップが乗るという,イマドキのゲーマー向けキーボード然としたデザインになっている。そのため,机上に置いたとき,机上からキートップまでの高さは相応にある。

MionixのLong Pad
画像集 No.008のサムネイル画像 / Mionix製キーボード「WEI」レビュー。見た目重視のブランドは,「Cherry MX RGB Red」キースイッチ搭載モデルをどう仕上げたか
 WEIのキートップは行ごとに高さが異なるのだが,[Space]キーの行でキーボードの天板部から実測約16.2mm高く,[Caps Lock]キーの行だと同15mm,[Esc]キーの行だと同17mm高い。つまり,最も手前にある[Space]キーの行ですら,机上から28.7mmも高いところにきてしまうのである。
 Mionixからは,黒(Black)と黄(French Fries),桃(Frosting),水(Ice Cream)の4色でリストレスト兼マウスパッドである「Long Pad」が発表済みで,いずれも税込2200円前後で購入可能だが,これは事実上,必須のオプションと言っていいのではなかろうか。

2枚のLong PadをWEIの周囲に置いてみたイメージ。写真はFrench Friesモデルだ。Long Padを選ぶか,他社製品を選ぶかどうかはさておき,リストレスト(パームレスト)なしで使うのはけっこう厳しいと思う
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本体底面は全面が明るい灰色のラバーシートになっている。エンボス加工によるMionixロゴ入りだ
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 気になる重量は実測約951g。ケーブルを重量計からどかして計測した参考値だと同897gで,ゲーマー向けキーボードとしては若干軽めだが,使ってみると,1kgオーバーの製品に勝るとも劣らない安定感がある。
 その大きな理由の1つが,チルトスタンドを廃した結果として実現できている,底面のほぼすべてを覆うラバーシートだ。このシートが机上でしっかりと貼り付いて,WEIに高い安定感をもたらしてくれる。

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 また,キースイッチがマウントされている天板自体の安定感にも注目しておきたい。ノギスによる実測で1.5mmもあるアルミ板になっており,これがキーの剛性を高めるのに寄与している。
 一般的なゲーマー向けキーボードだと底面に4〜6個の滑り止めゴムを装備しているため,その分だけ本体が接地面から浮くような格好になって,いきおい,キーをタイプしたとき筐体が振動する胴鳴りのような現象を起こす要因となり得るのだが,WEIは底面全体が接地面と触れる仕様ゆえに胴鳴りがほぼ皆無という点も押さえておくべきだろう。実際,WEIはキータイプ時の「カッチリ感」がとても高い。

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 なお,本体から伸びるUSBケーブルは部分的にコイル状となった,珍しいものになっている。
 ただこのケーブル,全長は実測約1.45mと,やや短め。コイル状の部分を伸ばせばいいということなのかもしれないが,少し短すぎると感じる人はいると思われる。


[Fn]キーは手探りで使う必要あり


製品ボックスの側面には,情報に見えてあまり情報ではない文言が書いてある
画像集 No.013のサムネイル画像 / Mionix製キーボード「WEI」レビュー。見た目重視のブランドは,「Cherry MX RGB Red」キースイッチ搭載モデルをどう仕上げたか
 以上,キーキャップの位置が高く,事実上リストレスト(パームレスト)が必須という点を除けばシンプルでスマートな印象のWEIだが,シンプルすぎることが問題となるケースもある。というか,WEIには説明書が付属しておらず,しかも[Fn]キーでどんなショートカットを呼び出せるかの説明がオフラインにもオンラインにも存在しない。つまり,ユーザーは手探りで追加機能を調べるほかないのだ。
 幸か不幸か,[Fn]キーとの組み合わせで呼び出せる機能は少ないため,手探りでも何とかなるレベルではあるのだが,説明が皆無というのはさすがに不親切すぎるのではないか。

右手奥に並ぶ7個のキー。左から順に[LED Intensity][LED Effect][Lock][Volume Down][Volume Up][Media Play/Pause][Media Next]キーである
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 というわけで,まずは「後段で触れる」とした,一般的なキーボードなら[Print Screen][Scroll Lock][Pause]キーがあるところの3キーだが,これらは左から順に以下のような割り当てとなっている。

  • [LED Intensity]キー:LEDイルミネーションの輝度を,消灯を含めた4段階から順繰りに切り替えるためのもの。[Fn]キーを組み合わせれば[Print Screen]キーとして利用可能
  • [LED Effect]キー:LEDイルミネーションのエフェクトを切り換えるためのもの。[Fn]キーを組み合わせれば[Scroll Lock]キーとして利用可能
  • [Lock]キー:左[Windows]キーと[コンテキストメニュー]キーの無効化/有効化を切り換えるためのもの。[Fn]キーを組み合わせれば[Pause]キーとして利用可能

 続いて10キーの奥にある追加の4キーだが,こちらは左から順に[Volume Down][Volume Up][Media Play/Pause][Media Next]キーだ。
 サウンド出力音量を調整するための前2者はゲームでも使えるキーで,メディアプレーヤー操作用という位置づけの後2者は[Media Play/Pause]キーが再生/停止,[Media Next]が曲送りのためのものとなるが,[Volume Down]キーは[Fn]キーと組み合わせることでサウンド出力のミュート有効/無効切り替えキー,[Media Next]キーは[Media Previous](曲戻し)用としても利用できるようになっている。
 ゲームでも使用頻度が割りと高いミュートの切り替えが[Fn]キーとの同時押しに割り当てられているのが使用上のマイナス点だが,慣れれば対応は可能だろう。

 そのほか,[Fn]キーと[F1]〜[F5]キーの組み合わせでは「プロファイル切り換え」も行えるのだが,その話は続く段落で行いたい。


使いやすいが機能は最小限の設定ツール,Mionix Hub


 LEDイルミネーションの色が標準で淡いという話を序盤で行ったが,WEIのLEDイルミネーションは,キーごとに異なる色を指定できるようになっており,それを制御するのは,Mionixの公式Webサイトからダウンロードし,導入する必要のある「Mionix Hub」である。
 左ペインの「Keys」がキー関連の設定,「カラー」がバックライトの設定,そして「情報」がファームウェアのバージョン確認やアップデートを行う設定だ。

Mionix Hub
画像集 No.016のサムネイル画像 / Mionix製キーボード「WEI」レビュー。見た目重視のブランドは,「Cherry MX RGB Red」キースイッチ搭載モデルをどう仕上げたか

バージョン1.25より前のファームウェアだと,Nキーロールオーバーの切り替えができたりできなかったりする不具合があった。購入後,ファームウェアが古かった場合は最新のものへアップデートすることを勧めたい
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 Keysで設定できるのは,Nキーロールオーバー設定とキーの再割り当ての2つ。デフォルトだとNキーロールオーバーの「利用中」にチェックが入っており,WEIはNキーロールオーバーモードになっている。
 チェックを外すとUSBキーボードの標準動作である6キー同時押し対応になるが,筆者が試した限り,Nキーロールオーバーは常時有効で問題なかったので,少なくともゲーム用途において,チェックを外す必要はないだろう。WEIはWindowsだけでなくmacOSもサポートしているので,一般的なPCゲーム環境とは異なる環境で何かあったとき,切り換えられるようにしてあるのだと思う。

Microsoftが公開しているWebアプリケーション「Keyboard Ghosting Demonstration」で同時押しの数を確認したところ。片手の手のひらを使ったことによる限界で中央だけになっているが,基本的に全キーの同時押しが可能だった
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キーの再割り当て設定。ここでは[半角/全角]キーを選択している
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 キーの再割り当て設定では,メインウインドウにあるキーボードの画像から再割り当てを行いたいキーをクリックして5つの選択肢を表示させ,そこから好みの機能を割り当てることになる。
 選択肢の概要は以下のとおりだ。

  • デフォルト:変更したキー設定を初期状態に戻す
  • 再配置:選択したキーに別のキーを割り当てる
    (※このボタンをクリックすると,そのキーに割り当てるキーを押すよう促される)
  • キーシーケンス:キーを,押した順に登録する
    (※このボタンをクリックすると,登録したいキーを順番に入力するよう促される。遅延などの設定は不可なので,マクロ機能とは言えない。Mionixはテキストチャットのショートカットを想定しているのだと思われるが,日本語入力には対応せず)
  • マルチメディア:メディア再生や音量上下,ミュートの有効/無効を割り当てる
    (※専用キーを持つWEIだと,設定する機会はまずない。あえて言えば,ボタン一発でミュートの切り換えを行えるようにするとき使うかどうかだろう)
  • 停止:キーを無効化する

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再配置機能を使って[半角/全角]キーに左[Alt]キーを割り当てようとしているところ。登録して[OK]ボタンを押せば割り当て完了である
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こちらはキーシーケンスでキーを適当に入力してみた例。「Fast Playback」にチェックを入れると,入力を高速に行うようになる
マルチメディアの登録メニュー(左)と,停止から複数のキーを無効化した例(右)。Mionix Hub上では再割り当てや無効化など,標準状態から変更したキーがすべて灰色に変わるため,「何か設定が入った」ことは分かるが,「無効化されたかどうか」は実際にキーを押して確認するほかなく,不便だ
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 重要なのは,ここまで紹介してきた設定内容を「プロファイル1」〜「プロファイル5」に保存すると,[Fn]+[F1]〜[F5]キーから切り換えられるようになっている点である。
 Mionix Hubは常駐型のアプリケーションではないため,「ゲームの起動にプロファイルを関連付けて,自動で切り替わるようにする」ようなことはできない。なのでキーボードショートカットを用いたプロファイル切り替えは,WEIを使いこなしていくうえで必須の機能と言えるだろう。
 ファンクションキーは[F12]まであるのに,登録できるプロファイルが5つだけなのは,おそらく,WEIが搭載するフラッシュメモリの容量制限によるものと思われる。


LEDイルミネーションのエフェクトも必要最小限


Mionix Hubの左ペインからカラーを選択するとLEDイルミネーションの設定が行える
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 LEDイルミネーションの変更は,Mionix Hubのカラーから行う。「カラー」で設定できるバックライトエフェクトは「カスタム」「呼吸」「足跡」「爆発」「レインボー」の5種類で,このうちカスタムには「ソリッド」と「グラディエント」という2つの選択肢がある。ソリッドはキーごとに任意の固定色を割り当てる設定,グラディエントはキーボード左端と右端の位相角を設定すると,グラデーションを付けて固定色で光る設定となる。

キーごとに色を指定可能なので,左から順に赤,緑,青,白,黄,水,薄花,桃に光らせてみた例。発色はCherry MX RGBらしく良好だが,キートップが浮いているだけに隣り合う色が混ざり合ってしまう。WEIの場合,個々のキーをしっかりと色分けするという目的より,アルミパネルにも広がる光の見た目の美しさを狙った設計のようだ。これはこれでアリだとは思うが
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 呼吸以降の4種類は,どう光るのか,ムービーで見てもらったほうが早いだろう。ざっくり紹介しておくと,

  • 呼吸:指定した色でゆっくり輝度が切り替わる(※消灯状態にはならない)
  • 足跡:押したキーが点灯し,ゆっくり消灯する
  • 爆発:押したキーを中心に光が広がる
  • レインボー:虹色が左から右へ動く(※工場出荷時設定)

といった感じで,とてもシンプルである。逆に言うと,あまり凝った設定は行えないので,そういうニーズには応えられないだろう。


 念のため書いておくと,LEDのカスタム設定は1つだけ本体側のフラッシュメモリへ保存でき,前出の[LED Effect]キーを使うことによって,プリセットともども順繰りに切り換えられるようになっている。


見た目と安定感に惹かれるなら「RGBキーボード」の選択肢となるWEI


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 冒頭で紹介したとおり,WEIが採用するキースイッチはCherry MX RGB Redで,いわゆる“Cherry赤軸”である。バネ荷重は45g(±15g)で,キー入力がオンとなるアクチュエーションポイント(actuation point,作動点)は2mm。クリック感のない,ストレートな押下感を持つスイッチで,Cherry MXシリーズの中では軽く,かつ打鍵音が静かで,ゲーム用途としては定番の1つと言える。

 キーキャップの作りはよい。また幅広のキーには両サイドにダミーのプランジャーを埋め込んであるため,キーの沈み込みはとても安定している。

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各所でキーキャップを外してみたところ。一定以上幅広のキーにはダミーのプランジャーが用意されている
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プランジャーに寄ったところ。[Space]キーなど横幅が長いキーは,ダミーのプランジャーを使って両サイドを支え,沈み込みを安定化させている

 定番中の定番スイッチだけに新鮮さとか驚きはないものの,安定したゲームプレイが可能で,とくに本機の場合は全キー同時押し対応,かつ筐体の安定感が抜群ということもあり,ゲームとの相性は相当にいい。
 デザインはすっきりして,LEDイルミネーションは個性的で,ソフトウェアはシンプルと,製品自体にはほぼ文句のないレベルである。


製品ボックス
画像集 No.029のサムネイル画像 / Mionix製キーボード「WEI」レビュー。見た目重視のブランドは,「Cherry MX RGB Red」キースイッチ搭載モデルをどう仕上げたか
 2017年11月20日現在の実勢価格は1万6200〜1万9500円程度で,中心価格帯は1万6000〜1万7000円台だ。Cherry MX RGB搭載のゲーマー向けキーボードとしては標準的な価格設定なので,見た目や底面のグリップ力に惹かれるのであれば,検討に値するだろう。

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MionixのWei製品情報ページ(英語)

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    Mionix

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