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[TGS 2014]E3 2014で電撃発表された「SCALEBOUND」開発陣にインタビュー。神谷英樹氏が挑戦する「これまでに作ったことがない」ゲームとは
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印刷2014/09/19 03:53

インタビュー

[TGS 2014]E3 2014で電撃発表された「SCALEBOUND」開発陣にインタビュー。神谷英樹氏が挑戦する「これまでに作ったことがない」ゲームとは

 東京ゲームショウ2014初日の2014年9月18日,Xbox One専用ソフト「SCALEBOUND」の開発を担当するプラチナゲームズの主要スタッフへの合同インタビューが実施された。

 今年のE3 2014で電撃的に発表された本作だが,今のところはアナウンストレイラーが公開されたのみで追加情報もなく,その動向が気になる人もいるだろう。SCALEBOUNDとは,いったいどんなゲームなのか,そして現在の開発状況はどうなっているのか。プラチナゲームズのコアスタッフである稲葉敦志氏と神谷英樹氏,Jean Pierre Kellams(ジョーン・ピェール・ケラムス)氏に話を聞いた。

左から,SCALEBOUND クリエイティブ プロデューサーのJean Pierre Kellams氏,同エグゼクティブ プロデューサーの稲葉敦志氏,同ディレクターの神谷英樹氏
画像集#002のサムネイル/[TGS 2014]E3 2014で電撃発表された「SCALEBOUND」開発陣にインタビュー。神谷英樹氏が挑戦する「これまでに作ったことがない」ゲームとは

――まずは現在の開発状況を教えてください。

神谷英樹氏(以下,神谷氏):
 ……ひじょうに大変な状況です。

稲葉敦志氏(以下,稲葉氏):
 (笑)。今がどのくらいのところにいるのか,それすらも説明できる状況ではないというか……。なかなか答えづらいですね。

――完成はいつ頃を目指しているのでしょうか。

神谷氏:
 そんなに遠くない日だったらいいなあと(苦笑)。

――2015年内どころではないというかんじですか。

稲葉氏:
 タイトルを発表した以上は,何年も待たせるというような状況は避けたいと思っていますね。……常習犯ですけど(笑)。

――開発体制はどのようになっているのでしょうか。

稲葉氏:
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 プラチナゲームズが開発を担当していますので,拠点は日本にあります。ただ,今回はMicrosoftとパートナーシップを組んでいますので,技術的な面を始めとするさまざまな面で,アメリカのリードスタッフによるサポートを受けています。その意味では,アメリカのMicrosoft Game Studiosとプラチナゲームズの共同開発体制という感じですね。

――スタッフの規模はどのくらいでしょうか。

稲葉氏:
 いわゆるAAAクラスの体制だと思っていただければと。巨大なプロジェクトであることは間違いないです。

――それでは,実機映像が見られるのはいつぐらいでしょうか。

稲葉氏:
 それも,まだ何とも言えないですね。ただ,日々「これスゲェな」「カッコイイな」と言いながら,着々と開発していることは確かなので(笑),そういうレベルだと思っていただければと。

神谷氏:
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 今までの「ベヨネッタ」とか「デビル メイ クライ」とかは,アクションゲームという点にフォーカスして作っていたので,触り心地や遊び心地,反射神経や動体視力に対してどう勝負するのかといったものを重視していたのですが,今回はそういったベクトルではゲームを作っていないんですよ。

 単純なアクションゲームとは説明できないゲームを作っているので,映像に関してもこれまでに作ってきたものとは違う“絵作り”を見せられると思っています。

――E3 2014で公開されたトレイラーはどれくらいゲーム性を表現しているものなのでしょうか。

神谷氏:
 ゲームの内容については詳しい説明ができませんが,意味のないカットは1つもないですね。あとで,ゲームの情報と照らし合わせたときに「こういうことだったのか」と分かってもらえるとは思うんですが,映像に入っている情報はすべてゲーム性に直結しているものです。


稲葉氏:
 1フレームたりとも無駄はないです。最後の最後まで,神谷が「ここは数フレームが足りない」といったようにこだわっていました。

神谷氏:
 このゲームの柱となる部分は,巨大な怪物同士の激しいバトルだと思っています。そのためにどう迫力を出すのか,怪物に対して自分(プレイヤー)がどう干渉して戦っていくのかといったところを一番力を入れて作っていますね。
 満足のいく形にどんどん近づいているという実感はあります。

――Xbox One専用タイトルということですが,SmartGlassやKinectに対応する予定はありますか。

神谷氏:
 興味はありますね。

稲葉氏:
 ちゃんとゲームが完成したうえで,ハード独自の要素は加えたいとは思います。何かがないと楽しめないゲームにはしませんが,その要素があれば違う楽しみを得られるということなら,そこは活かしていきたいですね。

――基本はコントローラだけで楽しめる,という理解でよろしいでしょうか。

稲葉氏:
 そこは否定しません。

――本作は1人でプレイするゲームなのか,それとも協力プレイができるのかといった点も気になるのですが。

稲葉氏:
 そのあたりも答えられないんですが,少なくとも短いプレイ時間で終わるようなゲームではないです。今は,そこから想像していただきたいなと。

神谷氏:
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 僕が作ってきたベヨネッタとか「The Wonderful 101」とか,「ビューティフルジョー」のようなタイプを想像されるかと思いますが,まったく違いますね。プラチナゲームズとしても同様で,これまでに作ったことがないものに挑戦しています。

稲葉氏:
 我々が作ると,ピュアアクションというイメージがあると思いますが,そうではない。アクションのインタフェースではあるんですが,そうではないゲームになります。

Jean Pierre Kellams氏(以下,Kellams氏):
 これまでのプラチナゲームズの信念として,「常に新しい刺激を与えたい」というものがあります。今回のプロジェクトも同様に,新しいハードで新しい刺激を目指しています。それは,単純に要素を挙げれば表現できるものではなく,ゲームの楽しさで伝えたいと思っています。

神谷氏:
 たとえば,ベヨネッタのようなゲームだと,ターゲットは動的なゲームが得意な人です。そういうゲームが好きな人にはたまらないものを作ったつもりですが,そのあたりの裾野を広げたいと思っています。

――本作のキーコンセプトを教えてください。

神谷氏:
 先ほども言いましたが,やはり巨大なモンスター同士が戦う迫力を表現したい。ここから,今回のプロジェクトは始まっています。そのためにゲーム性を練っていった結果,形になりつつあるという段階で,常に揺るぎない柱になっています。それがすべてといってもいいです。
 僕は子供の頃からドラゴンが好きで,ドラゴンをメインテーマにしたゲームをいつか作りたいと思っていたんです。そして,それを叶えているゲームとも言えますが,同じドラゴンファンに楽しんでもらえるゲームにしたいですね。

――公開されているトレイラーに登場しているドラゴンについては,いろいろな解釈があると思います。そもそもドラゴンは敵なのか。味方になることもあるのでしょうか。

神谷氏:
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 強大な力を持ったドラゴン,一方で等身大の人間。この2つの存在の絆を描きたいと思っています。

――両者はどのようにコミュニケーションを図るのでしょうか。

稲葉氏:
 それは,またの機会に説明できればと(笑)。

神谷氏:
 ゲーム性に関わることなので詳しくは話せないのですが,ドラゴンがペットであったり,敵を攻撃するための道具や武器だったりという描き方はしたくないですね。生きている存在として扱いたいと思っています。
 ゲームの世界観においても,ストーリーにおいても,ドラゴンはひじょうに重要な存在であるということは言えますね。

――ゲームエンジンは何を使っているのですか。

稲葉氏:
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 「Unreal Engine 4」です。このゲームでは,いろんなテクノロジーにアプローチする必要があって,とにかくさばかなくてはいけない要素があまりにも膨大です。そのためのベストなアプローチとして,Unreal Engine 4を選びました。

――Xbox Oneという新ハードでの開発はいかがですか。

神谷氏:
 思い返してみると,僕は,たいがいのゲームは新しいハードで開発してきたんですね。ベヨネッタにいたっては,会社を設立したばかりでまったくライブラリがない状態から作っていくということを経験しました。
 そういう意味では,新しいハードでいろいろと探りながら作っていく刺激的な面白さはいつもと同じかなと。

稲葉氏:
 ただ,Microsoft Game Studiosのサポートには驚かされました。世界中の優秀な人材が集まっているので,そことがっつり組んで,ゲームを作っていることが刺激的な体験ですね。

Kellams氏:
 「一緒に神谷のビジョンを実現したい」という意気込みを感じますね。どんな壁があっても,ともに乗り越えましょうというサポートを得ています。

――日本のゲームファンに向けてメッセージをお願いします。

神谷氏:
 僕が強く伝えたいのは,(今まで)長くアクションにフォーカスしたゲームを作ってきましたので,そういったものを期待している人が多いとは思いますが,そこで培ったノウハウを最大限に活かしつつ,これまでに作ったことがないジャンルのゲームに挑戦しています。そこも含めて楽しみにしてほしいです。

稲葉氏:
 まだ何も言えないのがもどかしいのですが,おそらく皆さんが体験したことのない遊びを楽しめる作品になります。「ゲームはこんな方向にも進化できるのか」という驚きを提供できると思います。

Kellams氏:
 開発チーム一同,何よりもゲームの楽しさを最優先にして作っています。長く楽しめるコンテンツにしたいと思っていますので,ご期待ください。

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