プレイレポート
ゲームロフトの新作パズルRPG「ダンジョン・ジェム」。戦略/戦術性を高めたバトルのプレイフィールをレポート
その外見的な特徴は,ゲームロフトの得意とするダークファンタジー調の美麗なグラフィックスと凝った演出にあるが,それ以上に本作の大きな目玉となるのが,「AP」(アクションポイント)という概念を用いた戦略/戦術性のあるバトルシステムである。本稿では,その内容とプレイフィールを紹介していこう。
属性の組み合わせと「AP」の概念がバトルの戦略/戦術性を高める
本作のゲーム進行は,オーソドックスなパズルRPGと同じで,自分の手持ちの「ヒーロー」でチームを編成し,リストアップされたほかのプレイヤーデータの中から「共闘者」(いわゆる助っ人)を選択。そして攻略したいダンジョンとステージを選択し,探索を進めていく。各ステージには敵が配置されているので,それをバトルで倒しながら進み,最後に待ち受けているボスを見事討伐すれば,ステージクリア。基本的には,この繰り返しである。
バトルは,画面下部にある縦3マス×横5マスの盤上に,計15個の「ルーン」が引き詰められたパネルを用いて行う。ルーンは,火,木,水,光,闇の5属性と,チームのHPを回復するハートの計6種類。そして,チームのメンバーと助っ人,敵にもいずれかの属性が割り振られている。さらには,属性のうち火,木,水は3すくみ,光と闇は相互に弱点属性といった関係を持っている。
攻撃方法は,パネルを指でなぞってルーンを消すというもので,「LINE ポコパン」や「LINE:ディズニー ツムツム」などと同じ系統だ。また,消したルーンと同じ属性のヒーローが敵に攻撃するという仕組みは,「パズル&ドラゴンズ」や「三国志パズル大戦」などのオーソドックスなパズルRPGと変わらない。
本作でルーンを消すには,パネルをタッチしながらルーン同士をつないでいき,最後に指を離すだけ(斜めもOK)。大きなポイントとなるのは,異なる属性のルーン同士をつなげる点で,火属性と水属性の攻撃を同時に発動することはもちろん,やろうと思えば5属性攻撃にプラスしてHP回復なんてこともできる。
ただし,異なる属性のルーンをつなぐときにはAPを消費する。APは敵1体を倒すごとに少量回復するが,無計画にルーンをつないでしまうとすぐに枯渇する。そして,APがゼロになると,思うようにルーンをつなげなくなり,攻撃の質がガクッと落ちるのだ。
もちろん,同じ属性のルーンであれば,APを消費することはないし,それだけその属性の攻撃の威力が高まる。ちなみに,同じ属性のルーンを5つつなぐと,パネル上に「フィーバールーン」が登場する。これを混ぜて攻撃すると,一撃で敵に大ダメージを与えられる。
したがって,本作のバトルにおける基本的な戦術は,APの消費を最小限に抑えつつ単属性かつ大きなダメージを与えられるよう,ルーンを消していくことだろう。
しかし,属性の異なる複数の敵が相手となるようなケースでは,APを大量消費し,そのトレードオフとして複数属性の攻撃を仕掛けた方がスムーズに進むこともあるだろう。
このように本作のバトルでは,ただルーンをつないでいくだけでなく,敵の弱点属性を見極め,ヒーローの属性/編成とパネルに配置されたルーンを考慮しつつ,残りAPを確認してどの属性で攻撃すべきかを考えることが重要となる。
そういう意味では,パズルを解く感覚よりも,与えられた条件の中から,その都度,頭を使って最善の手を選んでいくという,思考型ゲームを遊ぶイメージに近いと感じた。
このほか,本作にはパズルRPGに備わっている一般的なシステムや機能は,一通りそろっている。具体的には,ステージクリアや各種のガチャによって新たなヒーローを入手したり,それぞれのヒーローを進化/強化したりできるといった要素だ。
実装されるヒーローは220種類前後で,それぞれレア度や所持スキルなどが異なる。したがって,どのヒーローをプレイヤーのチームに組み込むかを考えるのも大事なポイントなのだだ。
また,共闘者として選んだプレイヤーとフレンドになってコミュニケーションを図ることもできる。こうした部分は,いわゆるソーシャルゲームをプレイした経験があれば戸惑うことなく馴染めるはずだ。
正直なところ筆者は,本作の概要とスクリーンショットを確認した当初,誤解を恐れずに言えば,よくあるパズルRPGなんだろうなと思っていた。
しかし実際に本作に触れてみると,3Dグラフィックスで表現されるキャラクターとモーション,バトルで飛び交う派手なエフェクト,そして上記のとおり属性の組み合わせとAPの消費量とを考えながら進めていくバトルの奥深さに大きな魅力を感じた。
「『パズドラ』は好きだけど,少し異なる思考性のゲームを遊びたい」「もっとダークな雰囲気が好み」という人であれば,本作を選択肢のひとつに入れてみるのもアリだろう。
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(C) 2014 Gameloft. All Rights Reserved. Gameloft and the Gameloft logo are trademarks of Gameloft in the US and/or other countries.
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