プレイレポート
7人の冒険者がアヴァロン島の伝説に挑む「レジェンド オブ レガシー」のプレイレポートをお届け
発売からしばらく経ってしまったが,「こちら」の記事でもお伝えしているとおり,本日(2月10日)から製品版へセーブデータを引き継ぎ可能な体験版が配信されたタイミングで,これからゲームを始める人のために,そんな本作のプレイレポートを掲載したい。
「レジェンド オブ レガシー」公式サイト
前人未到のアヴァロン島で伝説に挑め
10年前に突然現れたアヴァロン島で唯一の拠点となるのが,イニティウムの街だ。最初にアヴァロン島を発見し,自らを“冒険王”と名乗る領主が築き上げたこの街には,日々多くの冒険者が訪れる。しかし,島の特異な地形と凶悪なモンスターに阻まれ,現在もほとんど探索が進んでいない。
このアヴァロン島では精霊の姿が見えると言われており,それはこの地に眠る神々の遺産の力によるものだという説がある。その中でも,とくに冒険者達の心を引きつけてやまない「星杯」と呼ばれる遺産は,持ち主に“永遠”をもたらすという。
本作の主人公となるのは,ある者は財宝を求めて,またある者は精霊の声に導かれてこの地にやって来た7人の冒険者達だ。この中の誰か1人を選んでゲームを開始すると,選んだキャラクターに応じて2人のパーティメンバーが加わり,残りのキャラクターも酒場などで出会った際に声をかけるとすぐに仲間になってくれる。
本作ではキャラクターごとの装備に制限がなく,パーティの入れ替えもイニティウムの街にある宿で自由に行える。旅の途中で出会ったキャラクターと,あれやこれやの出来事を通じて仲間になる……みたいな展開を期待している人にとっては,ちょっと物足りないかもしれないが,ゲームを始めてすぐにお気に入りのメンバーで冒険できるのは嬉しいところだ。
地図を作って,売って,また作る
発見から10年が経過したとはいえ,今でもほとんど探索が進んでいないアヴァロン島。冒険は,まだ何も書かれていない白紙の地図を手に入れるところから始まる。フィールドを歩き回ると,ニンテンドー3DSの下画面に地図が描き込まれていく仕組みになっており,作成した地図の情報は,街で売ることができる。
新たな地図は冒険の途中で見つけたり,ショップで購入したりできる。どんどん手に入れよう |
フィールドを歩くと,木や岩などのオブジェクトが地面からポコポコ飛び出してくる演出が楽しい |
地図の情報を売却すると,その完成度に応じたお金がもらえるのだが,情報を売却できるのは1つの地図につき1度だけ。そのため,ついつい100%の完成度を目指したくなってしまう。
しかし,情報を売却すると街にいるほかの冒険者にその情報が共有され,モンスターの数が減ったり,フィールド内に回復拠点ができたりといったメリットがあるので,探索が厳しいと感じたら早めに地図を売ってしまうのも1つの手だ。もちろん,情報を売却したあとも引き続きそのエリアを探索し,地図の完成度を100%にすることもできる。
不思議なことに,アヴァロン島は浮上した直後から,まるで大昔からそこに存在していたかのように草木が茂り,モンスターが徘徊しており,数多くの遺跡が残されている。
島のあちこちには「ささやく岩」と呼ばれる岩があり,これを調べると聞こえてくる不思議なメッセージによって,少しずつアヴァロン島に隠された謎が明らかになっていく。さらに,ささやく岩を調べると「精霊術」を使うために必要な「岩のかけら」も手に入るので,見落としがないようにフィールドを隅々まで歩き回ろう。
覚醒の瞬間が病みつきになるバトルシステム
本作における戦闘は,フィールド上を徘徊しているモンスターのシンボルと接触すると始まるシンボルエンカウント方式が採用されている。基本的なシステムはおなじみのターン制だが,本作ではターンの初めに,毎回フォーメーションを選択することになる。
フォーメーションとは,「アタック」「ガード」「サポート」という3つのポジション(=役割)に各キャラクターを割り振ったもので,戦闘前にあらかじめ最大6つのフォーメーションを登録しておける。
それぞれのポジションには,アタックなら攻撃力上昇,ガードなら被ダメージ減少,サポートなら行動速度と味方への回復効果が上昇するといった効果があるので,状況に応じて切り替えていくことが重要だ。ポジションによって,その後の行動が制限されるといったことはないので,ガードポジションのままで敵を攻撃したりもできる。
例えば強敵と戦うときは,1人をガード,もう1人をアタック,残りの1人をサポートにバランスよく配置しておき,チャンスになったら全員アタックに変更して一気に攻撃する,といった具合に,自分なりの戦略を組み立てるといいだろう。
また,ゲーム開始時に選べるポジションは3つだが,地図の情報を売るとフィールド内で出会えるようになるNPCの冒険者に話しかけることで,新たなポジションが使えるようになることもある。そのため,売却額とのトレードオフになるので悩ましいところではあるが,ある程度地図を完成させたら早めに売ってしまうことで得られるメリットは結構大きかったりする。
話が少し脇道に逸れてしまったが,フォーメーションを選択したあとは,武器ごとに異なる「戦技」で敵を攻撃していくのが基本の流れだ。戦闘中は戦技のほかに精霊術も使用できるが,それについては後述する。
同じ戦技を使い続けると,戦闘中に一定の確率でレベルアップするほか,「覚醒」によって新しい戦技を習得できる。また,本作には経験値の概念がなく,HPやSPなどのステータスは戦闘終了後に,これまた一定確率で上昇する仕組みになっている。覚醒やステータスの上昇は強敵と戦っているときほど発生しやすいので,ボス戦などでは連続して新たな戦技を覚えることもある。
精霊を奪い合う双次元バトルが戦闘のもう1つの柱
戦闘中にもう1つ注意しておきたいのは,そのフィールドに存在する精霊の勢力図だ。精霊の属性は,炎,水,風,邪の4種類あり,どの精霊の勢力が大きいかによって,戦技や精霊術の威力(効果)が変化するなど,戦闘中にさまざまな影響を受ける。
また,精霊術を使う方法も独特で,そのためにはまず,上述した「岩のかけら」を装備したうえで戦闘中に「大いなる呼びかけ」というコマンドを使い,精霊と契約する必要がある。例えば,水属性の精霊術を使いたい場合は,事前に水の精霊と契約しなければならないというわけだ。
精霊と契約しているあいだは,それに対応した精霊術が使えるだけでなく,水属性なら毎ターン終了時にHPが回復するといった効果が得られる。しかし,厄介なのは敵も同じように精霊との契約を行ってくるという点で,いざ精霊術を使おうとしたときに敵に精霊を奪われていると,術は不発に終わってしまう。もしこうなってしまった場合は,もう一度「大いなる呼びかけ」を使って,精霊と契約し直さなければならない。
こうした,実次元でのモンスターとの戦いと,精霊界における勢力争いを同時に行う戦闘のことを本作では「双次元バトル」と呼び,本作ならではの大きな特徴となっている。魔法を使うのも楽じゃないのだ。
“ゲームを攻略する”とはどういうことかを実感できる1本
本作は,シナリオよりも探索と戦闘を重視した内容になっており,とくに戦闘バランスについては,雑魚との戦いであっても気を抜くとたちまち全滅してしまう程度には難度が高い。また,何をすればどういう効果があるのかについて,あえて詳しく説明されていないゲームシステムも多く,アヴァロン島の謎だけでなく,こうした1つ1つの疑問点に対する答えもプレイヤーが手探りで見つけ出していかなければならない。
一方で,探索中にいつでもどこでも使えるクイックセーブ機能が用意されており,たとえ全滅しても容易にリスタートできる。これは明らかに,トライアル&エラーを繰り返しながら一歩ずつゲームを攻略していってほしいという開発陣からのメッセージだろう。
ただレベルを上げて順番にスキルを覚えていくだけで戦いに勝てるというようなゲームではなく,文字どおりの意味で“ゲームを攻略する”ことが求められる本作。少しずつキャラクターを鍛え,失敗しながらゲームシステムを理解し,戦い方を工夫することで,最初はまるで歯が立たなかった強敵を打ち倒せたときの快感は何とも言えないものがある。自分の手でゲームを攻略していく実感が味わえる,やり応えのあるゲームを探している人は,ぜひアヴァロン島での冒険に足を踏み出してほしい。
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