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ハロー!Steam広場 第151回:亡霊よりもイカが怖い深海ホラーアドベンチャー「Narcosis」
「すちーむ」ってなぁに?というよい子のみんな集まれー! 「ハロー! Steam広場」は,PCゲームのダウンロード販売サイトSteamでリリースされた気になるタイトルやニュースを,筆者が独断と偏見でピックアップして紹介する,とっても有意義なコーナーだ。毎週欠かさずチェックすれば,どんな話の流れでも最終的にSteamの話題に持っていける上級Steamerにジョブチェンジできるかも。
ハロー!Steam広場 第151回は,カリフォルニアのゲームデベロッパ,Honor Codeが手掛ける「Narcosis」を紹介しよう。本作は,太平洋の深海でメタンハイドレートを採掘していたダイバー達が,謎の大地震に巻き込まれるところから始まるホラーアドベンチャーだ。もっとも,亡霊よりも海産生物のほうが怖かったりするわけだが。
暗く静かな太平洋の深海で,謎の大地震に巻き込まれたプレイヤーのSAN値を削りに来るのは,亡霊&カニやイカといった海産生物。別にふざけているわけではなく,ラヴクラフトなら発狂確実な怖さだから困る。
深海を舞台に,亡霊+海産生物から逃げ回るホラーアドベンチャーゲーム「Narcosis」
今回はカリフォルニアのゲームデベロッパ,Honor Codeが手掛ける「Narcosis」を紹介しよう。本作は,太平洋の深海でメタンハイドレートを採掘していたダイバー達が,謎の大地震に巻き込まれるところから始まる恐怖を描くホラーアドベンチャーゲームだ。プレイヤーは,地震による衝撃で仲間とはぐれてしまった主人公を操作し,深海から脱出するための手がかりを探ることになる。
いまだにその数%も謎が解明されていないという深海を,ダイバースーツのヘッドライトを頼りに探索していくというだけで,すでに恐怖でしかないわけだが,本作では怨霊や恐ろしい幻覚をしばしば見ることがあり,もはや深海とか関係なくただただ怖い。
なにより,プレイヤーが着ているのが重量級のダイバースーツということもあって,何かが起きてもとっさには動けないというのが,余計に恐怖を煽る。とはいえ,プレイヤーがいるのは深度3566メートルの深海。ダイバースーツを脱ごうとした瞬間に水圧で押しつぶされてしまうだろう。
プレイヤーに残された選択肢は,メタンハイドレートの採掘拠点となっているコンパスIと呼ばれる施設に向かうことだ。ほかの採掘仲間もそこに避難しているかもしれないし,そこには緊急用の脱出ポットなどもあるはず。ホラーゲームというジャンルを踏まえると,それはとても淡い期待なのだが……。
本作はストーリー主導のゲームなので,進むべき道は基本的に1つだけである。したがって,ゲーム中に迷子になるようなことはないのだが,プレイヤーのライフは酸素という形で管理されているので,怖くてまごついていると,みるみるうちに酸素がなくなってゲームオーバーになってしまう。絶対に何かあると分かっていても,立ち止まってはいられないのだ。
ただ,序盤であれば深海という非日常な空間を楽しむ余裕も少しはある。青く光る魚やサンゴがうごめく深海はどこか幻想的であり,これがホラーゲームでなければもっと散策してみたいという気分も起こるはず。
――そんな情緒的な気分になりかけていると,どこからともなく現れた巨大なタカアシガニのハサミがヘルメットをぶち抜いてきたり,巨大なイカに巻き付かれて鋭いくちばしで突き殺されたりするわけだが。
本作におけるホラーゲームとしての本番は,採掘拠点コンパスIにたどり着いてから始まる。「そうだこれは夢なんだ。コンパスIにつけばいつもの日常が待っているんだ」なんてことはまったくなく,すでに施設は亡霊(+カニとイカ)に蹂躙されている状態。亡霊はまだ良いとして,まさかカニとイカにこれだけ恐怖を感じる日が来るとは思わなかった。
なぜここまでカニとイカにビビっているのかというと,VRモードでプレイしているからである。そう,このゲームはVRサポートタイトルでもあり,VRヘッドマウントディスプレイを装着することで,イカのくちばしが目の前でドアップになったり,カニのハサミがヘルメットを突き破ってきたり,突然亡霊に掴みかかられたりといった恐怖を,よりリアルに体験できるのだ。
もっとも,VRモードでなくても本作は十分に怖いし,日本語化もされているので(少し機械的な部分もあるが)ストーリーをじっくりと追うこともできる。深海を舞台にしたホラー作品はそうないので,興味のある人はこの機会にぜひプレイしてみてほしい。
「Narcosis」Steamストア(2299円)
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