「妖怪ウォッチ3」や新プロジェクト「スナックワールド」などが発表。レベルファイブの新作発表会「LEVEL5 VISION 2015 -THE BEGINNING-」詳報

　レベルファイブは2015年4月7日，同社の新作タイトル発表会「LEVEL5 VISION 2015 -THE BEGINNING-」を東京都内で開催した。
　すでにお伝えしてるとおり，この発表会ではニンテンドー3DS用ソフト「妖怪ウォッチ3」や新クロスメディアプロジェクト「スナックワールド」（ニンテンドー3DS/iOS/Android）などの新情報が明らかにされた。本稿では，その発表の模様をお伝えしよう。

レベルファイブ 代表取締役社長/CEOの日野晃博氏が発表会の進行を務めた

イベントのオープニングを飾ったのは，Dream5とキング・クリームソーダによるライブ。「ようかい体操第一」「ゲラゲラポーのうた」のメドレーに，抽選で会場に招待された一般来場者も大いに沸いていた

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・レベルファイブ，「妖怪ウォッチ」シリーズの最新作「妖怪ウォッチ バスターズ」を2015年7月11日発売
・シリーズ最新作「レイトン7」がiOSおよびAndroidに向けて2015年夏に配信決定。ほかのプレイヤーと吸血鬼を探し出す「人狼」風のゲームに
・「ファンタジーライフ 2 ふたつの月とかみさまの村」がスマホアプリとして2015年夏に配信。事前登録受付は本日から
・レベルファイブ，スマホ向け「妖怪大辞典」と，シリーズ初のリズムゲーム「妖怪ウォッチ ゲラポリズム」の配信を2015年開始
・スマホ用パズルゲーム「妖怪ウォッチ ぷにぷに」が2015年夏に配信。事前登録受付が本日スタート予定
・レベルファイブ作品のプレイヤーステータスを共有する新サービス「LEVEL5 ID」が発表。2015年夏にサービス開始予定

「LEVEL5 VISION 2015 -THE BEGINNING-」公式サイト

「レイトン7」

　最初に紹介されたのは「レイトン7」（iOS / Android）。スマートデバイスのプラットフォームで開発中の本作は，「レイトン教授」シリーズの世界観を継承しつつ，世界中で人気のテーブルトーク推理ゲーム「人狼」にヒントを得た，まったく新しいゲームになっているとのことだ。

レベルファイブ 専務取締役/CTO 赤坂泰洋氏

　プレゼンテーションを担当した，レベルファイブ 専務取締役/CTO 赤坂泰洋氏の説明によると，「レイトン7」は最大7人が参加可能で，各プレイヤーは「レイトン教授」シリーズの登場人物となって，参加者の中に潜んでいる「吸血鬼」を推理していくという内容。吸血鬼のほかにも「占い師」「騎士」「裏切り者」といった役割が存在し，いずれもランダムで参加者に割り振られ，自分以外の参加者が何の役割を演じているかは分からないようになっている。


　ゲームは，プレイヤーがキーワードを選択し，会話形式で展開していく。そこからヒントを得て，誰が吸血鬼であるかを推理するという流れだ。画面には次々に発言が表示されるため，たくさんの情報を把握するのは大変そうに思えるが，慣れれば推理に集中できるようになるという。


　また，キャラクターの豊富さも魅力になっており，それぞれの口調や使用可能なスキルが異なる。スキルには吸血鬼から身を守るものなどがあり，特定の条件を満たすと発動可能となる仕組みで，会話の流れを読んで，どのタイミングでスキルを使うのかがポイントになりそうだ。


　そして，ターンの最後には「追放するキャラクター」を投票し，多数決によってそれを決定する。見事，吸血鬼を追放することができれば村人チームの勝ちとなるが，選択を誤ると吸血鬼が村人に襲いかかる。村人が一定の人数以下になってしまうと，吸血鬼の勝利だ。
　本作は，2015年夏のサービス開始が予定されている。

「レイトン7」公式サイト

「ファンタジーライフ 2 ふたつの月とかみさまの村」

「ファンタジーライフ 2」ディレクター 菅野 敦氏

　続いて，「ファンタジーライフ 2 ふたつの月とかみさまの村」（iOS / Android）が紹介された。本作のディレクターを務める菅野 敦氏によると，12の「ライフ」（職業）から1つを自由に選び，気ままな生活を送るという「ファンタジーライフ」シリーズのコンセプトはそのままに，新要素「ビレッジ」が追加されているという。
　ビレッジでは，さまざまな施設を建設して，仲間達と暮らすための本拠地を作れる。また，ビレッジ内を歩き回ったり，仲間の家に立ち寄ってコミュニケーションしたりといったことも可能だ。


　プレイヤーの分身となるアバターは，シリーズ作と同じく豊富に用意されており，さらに細かく個性を表現できるようになったとのこと。
　また，RPGの要素も拡張されており，会場では木を切り倒して素材を入手する様子や「イネムリドラゴン」とのバトルなどが実機によって披露された。なお，最大4人が参加できるマルチプレイに対応予定であることも明らかにされている。


　「ファンタジーライフ 2」は，2015年夏のサービス開始が予定されており，現在は公式サイトで事前登録を受付中だ。
　また，「ファンタジーライフ」シリーズの全世界累計出荷本数が100万本を突破したことを記念し，「ファンタジーライフ LINK!」のダウンロード版をニンテンドーeショップにて通常価格の半額（税込2560円）で配信するキャンペーンの実施もアナウンスされた。キャンペーン期間は4月22日から5月13日までとなっている。

「ファンタジーライフ 2 ふたつの月とかみさまの村」公式サイト

「妖怪ウォッチ」の海外展開

　社会現象になった「妖怪ウォッチ」は，2014年に発売された「妖怪ウォッチ2 元祖/本家/真打」の出荷本数が600万本を達成，関連商品の市場規模は2000億円を突破，さらにさまざまな賞を受賞するなど，クロスメディアコンテンツとして大きな成長を遂げた。そこで，さらに飛躍するべく海外展開に乗り出すことが発表された。
　海外におけるゲームの流通に関しては任天堂が，クロスメディア展開に関しては「トランスフォーマー」シリーズなどを手がける玩具メーカーのHasbroがそれぞれ担当するとのこと。Hasbroによると，北米での玩具展開は2016年春のスタートが予定されており，その後，2016年末までには許諾地域全体で展開していくという。

「妖怪ウォッチバスターズ 赤猫団/白犬隊」

　「妖怪ウォッチ」シリーズの最新作として，7月11日発売予定のニンテンドー3DS用ソフト「妖怪ウォッチバスターズ 赤猫団/白犬隊」が発表された。「妖怪ウォッチ2」に収録されている人気コンテンツ「妖怪ウォッチバスターズ」を，プレイヤーのリクエストに応える形で大幅にパワーアップしたもので，最大4人で遊べるマルチプレイアクションとなっている。

「妖怪ウォッチバスターズ」ディレクター 本村 健氏

　ディレクターの本村 健氏によると，プレイヤーは所有するバージョンに応じて「赤猫団」「白犬隊」のいずれかに所属し，2つの勢力に分かれて戦うことになるという。
　操作可能なキャラクターは，「妖怪ウォッチ2」で仲間にできる妖怪はほぼすべて。さらに初登場の妖怪も加わる。また，ボス妖怪は新登場のものを含めて25体以上になるとのことだ。
　さらに，バージョンによって異なる特典が付属するほか，「妖怪ウォッチ2」との連動要素が用意されていることが明かされた。

「妖怪ウォッチバスターズ」公式サイト

「妖怪三国志」

コーエーテクモゲームス 「三國志」シリーズ ゼネラルプロデューサー シブサワ・コウ氏

　続いて，ニンテンドー3DS用ソフト「妖怪三国志」が発表になった。これは「妖怪ウォッチ」シリーズと，コーエーテクモゲームスの「三國志」シリーズがコラボレーションしたシミュレーションゲームだ。
　「三國志」シリーズのゼネラルプロデューサーを務めるシブサワ・コウ氏によると，今回のコラボは，2014年に日野氏と「一緒にゲームを作ろう」と話したことがきっかけで実現したとのこと。さらに「三國志」シリーズが今年で30周年を迎えることに言及し，それを記念するタイトルとして，三國志ファンのみならず，幅広くゲームファンに遊んでもらえる内容を目指すと，強い意気込みを見せた。

「妖怪三国志」公式サイト

「妖怪ウォッチ ぷにぷに」

NHN PlayArt 代表取締役社長 加藤雅樹氏

　「妖怪ウォッチ」のスマートフォン向けアプリとして，NHN PlayArtと共同開発している「妖怪ウォッチ ぷにぷに」（iOS / Android）が紹介された。NHN PlayArt 代表取締役社長の加藤雅樹氏は，ぷにぷにした妖怪の可愛らしさや心地よさを表現するため，妖怪達を「妖怪ぷに」としてゲームに登場させたと解説し，「見た目が可愛らしく，誰でも簡単に操作できて，夢中になれる戦略性があるゲーム」を目指していると述べていた。

　ゲームは，仲間にした妖怪5体でチームを組み，上から落ちてくる妖怪ぷにをタップで消していくというパズルアクションだ。妖怪ぷにを消すと敵の妖怪を攻撃し，すべての敵を倒せば勝利となる。また，同じ種類の妖怪ぷにを一筆書きの要領でつなげていくと，妖怪ぷにが大きくなってパワーアップする。さらに，それぞれの妖怪ぷにの持つ必殺技を使えば，一発逆転も狙えるという。
　本作は，2015年夏のサービス開始が予定されており，現在は公式サイトで事前登録を受付中だ。

「妖怪ウォッチ ぷにぷに」公式サイト

「妖怪大辞典」「妖怪ウォッチ ゲラポリズム」

　「妖怪大辞典」（iOS / Android）は，ミニゲームを遊んで「妖怪ウォッチ」のさまざまな情報を集めていくスマートフォン向けアプリだ。自分で辞典を完成させるという内容で，日野氏は「親子で『妖怪ウォッチ』の話題ができるように，親御さんにもぜひ遊んでもらいたい」と述べていた。
　同じくスマートフォン向けアプリの「妖怪ウォッチ ゲラポリズム」（iOS / Android）は，シリーズ初のリズムアクションゲーム。おなじみの人気楽曲が収録されるとのこと。
　いずれのタイトルも配信開始は2015年内が予定されている。

「妖怪大辞典」公式サイト

「妖怪ウォッチ・ザ・リアル」

　「妖怪ウォッチ」の世界を再現したアトラクション「妖怪ウォッチ・ザ・リアル」が，2015年夏に期間限定イベントとしてユニバーサル・スタジオ・ジャパンで開催されることが発表された。来場者は，このアトラクションのために制作されたというアイテム「妖怪ウォッチ」と「妖怪Pad」を使って楽しむことになるとのこと。アトラクションのほかにもいろいろな企画が計画されており，新情報は順次発表していくという。

「妖怪ウォッチ・ザ・リアル」紹介ページ

「LEVEL5 ID」

　レベルファイブが展開するゲームにおいて，プレイヤーステータスの共有などを行うためのアカウントサービス「LEVEL5 ID」も発表された。現在，同社が運用中の「UNIPLAY」（ユニプレイ）を進化させた内容になり，一つのゲームで遊んだデータがあれば，ほかのゲームを始めたときに特典が受けられるという。
　サービスの開始は2015年夏の予定。すでにUNIPLAYに登録している人は，サービス開始時にLEVEL5 IDへと自動的に移行するとのこと。

「妖怪ウォッチ」セカンドシーズン

　発表会の中盤では，「妖怪ウォッチ」シリーズの新展開「セカンドシーズン」がアナウンスされた。日野氏が，同シリーズは「時代とともに変化する」と宣言すると，7月よりテレビアニメ「妖怪ウォッチ」にもう一人の主人公「未空イナホ」と，妖怪「USAピョン」が登場することを明らかにした。

未空イナホとUSAピョンは「イナウサ探偵事務所」を構え，探偵団的なストーリーが展開されるとのこと

　従来の主人公・ケータ（天野景太）がごく普通の男の子であるのに対し，新キャラクターの未空イナホは自称「ちょいオタ」の女の子。日野氏は，女子の主人公を投入する理由として，「妖怪ウォッチ」が7〜9歳の女の子から高く支持されていることを挙げ，「男の子，女の子，さらには家族全員が楽しめるコンテンツを目指す」と意気込みを見せた。

イナホのキャラクターボイスを担当する声優の悠木 碧さん，同じくUSAピョン役の重本ことりさん（Dream5）が登壇。ボイス収録時にじっくりとそれぞれのキャラクターを作っていったエピソードや，今後の展開に関する期待と意欲を語った

新展開に合わせて登場する「妖怪ウォッチU プロトタイプ」も初公開。詳細は明かされなかったが，さまざまな機能や秘密が隠されているとのこと

「妖怪ウォッチ3」

　「妖怪ウォッチ」のセカンドシーズンの要となるのが，ニンテンドー3DS用ソフト「妖怪ウォッチ3」だ。日野氏曰く，RPGで最も楽しいと感じる「見知らぬ場所，新しい世界での冒険」をコンセプトに，日本を飛び出し，海外USAの「セントピーナッツバーグ」が新たな舞台となる。「本当に外国を旅しているような感じ」（日野氏）の作品になるとのことで，発売後は無料の大型アップデートを数回にわたり実施する予定も明かされた。
　なお，発売時期は未定となっている。

映画「妖怪ウォッチ」の第2弾も発表。2015年12月に公開予定となっている

玩具展開では，バンダイから「DX妖怪ウォッチU プロトタイプ」が2015年夏に発売される。すべての妖怪の召喚ソングがリニューアルされており，メダルの新シリーズ「メリケンメダル」が登場。さらにSDカードを使って，ゲームのバージョンアップに合わせたデータ更新も可能になるという

5月以降のテレビアニメで放映される新曲として，5月のEDテーマ曲「ようかい体操第二」（Dream5），7月のOPテーマ曲「人生ドラマティック」（キング・クリームソーダ），7月のEDテーマ曲「宇宙ダンス！」（コトリ with ステッチバード）が披露された

「妖怪ウォッチ3」公式サイト

クロスメディアプロジェクト第4弾

「スナックワールド」

　発表会の最後に発表されたのは，「イナズマイレブン」「ダンボール戦機」「妖怪ウォッチ」に次ぐ，レベルファイブのクロスメディアプロジェクト第4弾となる「スナックワールド」だ。本プロジェクトは，テレビ東京系列によるテレビアニメの放映，小学館「月刊コロコロコミック」でのコミック連載，タカラトミーによる玩具展開，全国東宝系での映画化などが決定しており，日野氏は「『妖怪ウォッチ』級の展開」と表現した。

会場ではフルCGアニメーションで制作された「スナックワールド」のショートムービー（パイロット版）が上映された

　世界観はファンタジーと現代をクロスオーバーしたもので，「ハイパーカジュアルファンタジー」をキーワードに，設定や音楽を含めて，これまでのファンタジー作品とはまったく異なる内容を目指すという。
　ゲームの対応プラットフォームはニンテンドー3DS/iOS/Android，発売時期は未定。

タカラトミー 事業統括本部 ボーイズ事業部 ボーイズ第2企画部 部長 髙原文彦氏

　主人公のキャラクターは，武器や防具を「ジャラ」と呼ばれるミニチュアアイテムとして持ち歩き，必要に応じて元の大きさに戻して使用する。ジャラは，タカラトミーから玩具化される予定で，会場では同社の事業統括本部 ボーイズ事業部 ボーイズ第2企画部 部長 髙原文彦氏によるデモが披露された。それによると，ジャラにはNFCチップが搭載されており，ニンテンドー3DS本体やスマートフォンでデータを読み込むと，ゲーム中に同じアイテムをゲットできる地図が出現したり，セール価格で手に入れたりできるようになるとのことだ。


　また，「スナックワールド」のゲーム内アイテムはブランド化されており，それぞれのブランドによってレア度や価格帯が異なるという。さらに，実在のブランドとのコラボ展開も企画しているとのこと。

「スナックワールド」公式サイト

　発表会のエンディングでは，「レベルファイブは常に挑戦し，新しいものを世に送り出すことをモットーにしている」と日野氏が宣言。また，今回の発表会におけるサブタイトル（THE BEGINNING）について言及し，「ゲーム会社，ひいてはゲームクリエイターが，ゲームの枠を越えてほかの分野に飛び出す新たな始まりにしたいと考えました」と意図を明かし，新情報の発表尽くしとなったイベントを締めくくった。