ミュージック フロム ゲームワールド：Track 199 「仁王2」，「ニーア」シリーズ

Illustration by しなぷう

　すっかりテレワークや在宅勤務といった言葉が定着した今日この頃。筆者は普段から自宅作業がメインですが，会社勤めの同居人がテレワークになり，仲良く自宅で仕事をするという，今までにない経験をしています。一緒に過ごせる時間が増えたのは新鮮で嬉しいですが，早く気軽に外出できるようになって，イベントなどに遊びに行けたらいいなぁというのが本音です。

　それでは，今週の「ミュージック フロム ゲームワールド」は，「仁王2」のサントラと，「ニーア」シリーズのオーケストラアレンジアルバムの2枚を紹介します！

迫力の和風オーケストラサウンドに圧倒される

「仁王2 オリジナル・サウンドトラック」

タイトル	仁王2 オリジナル・サウンドトラック	→Amazon.co.jpで購入
発売日	2020年3月18日
価格	3200円（税抜）
発売元	コーエーテクモゲームス
コピーライト	（C）コーエーテクモゲームス All rights reserved.

　今週の1枚めは「仁王2」の楽曲をCD2枚組に収録した，「仁王2 オリジナル・サウンドトラック」をご紹介。作・編曲は，前作の音楽を手がけた菅野祐悟氏に加え，眞鍋昭大氏が担当。劇場版アニメやTVドラマの音楽を中心に活躍している2人が生み出す重厚な和風オーケストラサウンドが存分に堪能できます。

　DISC1の1曲めはテーマ曲「Nioh 2」。“緩やかな狂気”とでも表現したい，緊張感にあふれたこの曲で幕を開けます。続いて，子守歌風のフレーズを一瞬だけ交えたスリリングな「Opening」，和楽器の美しさが際立つ「Prologue」と続きます。

　16曲めの「Peace」は和の雰囲気と異国情緒が交錯した曲で，主張の強い和楽器の演奏に耳を惹かれます。19曲めの「Kamaitachi」は終始クライマックス感あるフレーズで押しまくる，アグレッシブな曲。ときおり聞こえてくるうめき声のような音色が不気味さを演出しています。

　続いてDISC2へ。個人的な注目曲は7曲めの「Dark Realm I」。冒頭から迫りくる楽曲の迫力も凄いのですが，後半パートでは雰囲気が一変。静寂を伴ったアレンジに変貌する構成に驚かされます。

　そして，ラストを飾るのは「Lullaby」。前述の「Opening」で一瞬だけ挿入される子守歌風のパートは，実はこの曲のフレーズからの引用です。ハードな和風オーケストラと子守歌的なボーカルが交互に入れ替わりつつ進行し，最後は余韻を残しながら締めくくられます。

　重厚でありつつ，どこか懐かしさを感じさせるフレーズがたっぷり詰め込まれたこのサントラ。日本人の心に訴えかける，オススメの1枚です！

「仁王2」公式サイト

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ジャケットに込められた物語を想像しながら楽しみたい

「NieR Orchestral Arrangement Album - Addendum」

タイトル	NieR Orchestral Arrangement Album - Addendum	→Amazon.co.jpで購入
発売日	2020年3月25日
価格	3500円（税抜）
発売元	スクウェア・エニックス
コピーライト	（C）2010, 2017, 2019 SQUARE ENIX CO., LTD. All Rights Reserved.

　今週の2枚めは，「ニーア」シリーズの楽曲をオーケストラアレンジで収録した「NieR Orchestral Arrangement Album - Addendum」を紹介します。本アルバムは「ニーア」シリーズ10周年を記念して新たにアレンジされた楽曲を収録したもので，「ニーア ゲシュタルト/レプリカント」「ニーア オートマタ」から厳選された10曲のオーケストラアレンジを楽しめます。

　1曲めは「ニーア ゲシュタルト/レプリカント」のエンディング曲「Ashes of Dreams」。心に染みるピアノの旋律で始まり，エミ・エヴァンスとジュニーク・ニコールによるボーカルが優雅に絡み合います。

　2曲めの「エミール」は弦楽を交え，前半は「ニーア ゲシュタルト/レプリカント」，後半は「ニーア オートマタ」を意識したアレンジに。美しいサビのメロディを引き立てる演奏は，とくに注目です！　4曲めの「イニシエノウタ」はメランコリックな雰囲気がより強調され，切ないボーカルと相まって感動を呼び起こします。

　7曲めは，混声コーラスを交えた迫力ある演奏に圧倒される「美シキ歌」。そしてラストは，「ニーア オートマタ」のエンディング曲「Weight of the World」でしっとりと幕を下ろします。エンディング曲に始まり，エンディング曲で終わる独特の構成も斬新です。

　また，ライナーノーツにはヨコオタロウ氏による，気になるショートストーリーが書かれており，その内容を読み解くと，ジャケットイラストに込められた意味が推測できそう。音楽に耳を傾けながら想像力を働かせ，イラストの裏に隠されたストーリーを聴き手自身で自由に思い描く。そんな楽しみ方もできるアルバムです。

「NieR」シリーズ10周年記念サイト

「NieR Orchestral Arrangement Album - Addendum」公式サイト

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■■風のイオナ■■ マーベルランド産まれのフェアリーランドで育ちで現在はNEO TOKYO在住のフリーライター＆編集者。将来は惑星あくあに移住してサイキックと共存しながら最新ゲームで遊びまくるのが夢。ゲーム＆ゲーム音楽に加えて邦楽インディーロック＆サブカルアイドル追跡，自転車旅行，広島東洋カープの応援などが趣味。地下アイドルグループ，あまりりすのプロデュース＆運営も手掛けています。