プレイレポート
TCGライクなゲーム性を持つ思考型カードバトル「魔戦カルヴァ」をテストプレイ。ソーシャルカードバトルとは一線を画す本格的なバトルが魅力
本作は,カードバトル方式のブラウザゲームとなっている。とはいっても「ブラウザでカードゲーム」と聞いて多くの人が想像しそうな,単純にカードのステータスだけで優劣を決めるソーシャルカードゲームではなく,TCGライクなゲーム性を持っているのが大きな特徴だ。カードの性能を研究して,自分だけのデッキを組む戦略性と,そのデッキを駆使して相手を打ち負かす戦術性,そのどちらも兼ね備えたタイトルとなっているのだ。
今回は,公開前にテストプレイをさせてもらったので,そこで判明した基本システムの紹介を交えつつ,本作の魅力をお伝えしていきたい。
カード間の相性やコスト,スキルの性能などを吟味しつつ自分だけのデッキを構築
魔戦カルヴァでは,人間やモンスターなどのキャラクターが描かれた“カード”と,特殊な効果を持つ“ルーン”を用いてデッキを構築し,ターン制のバトルで勝利を目指す。
バトルの進行は,ターンごとに交互にカードを操作することで行われ,自分のターンになると手札に1枚カードが配られる。カードにはATK(攻撃力)とHP,待機値,そしてスキルが設定されており,場に出すことで相手を攻撃できる。攻撃対象は,
上下に対応するカード > 先頭のカード > 相手本体
の順となるため,場札の先頭(左端)には体力のあるカードを置くのが定石だ。
手札に配られたカードには,“待機値(待機ターン)”が設定されており,ターンが回ってくるたびに数字が減っていく。これがゼロになると戦場へ置くことができる。こうして攻防を繰り返し,相手の所持カードをすべて倒すか,相手のHPをゼロにしたほうがバトルの勝利者となる。
カードごとに属性(王国/精霊/蛮族/幽魔)が設定されており,相克関係(王国→幽魔→精霊→蛮族→王国……)があるので,強力なカードであっても不利な属性のカードには苦戦を強いられることもある。属性,スキル,待機値など,カードの能力を理解したうえで,デッキを構築する必要があるのだ。このあたりが,一般的なソーシャルカードバトルとの大きな違いとなっていて,TCGライクな本格的なバトルが楽しめる所以である。
カード以外には,4つのルーンをあらかじめ設定しておくことができる。ルーンとは,場札の状況で発動する特殊なスキルだと思っておけばいいだろう。ルーンは強化していくことで,戦闘の重要な要素になってくる。
カード間の相性やルーンの発動条件などの要素も絡んでくるが,プレイヤーはカードを手札から戦場へ出すタイミングを指示するだけで,あとはオートでバトルが進行する仕組みだ。
一般に,レア度の高い強力なカードはコストも高く,プレイヤーレベルが低いうちは扱いにくいことが多い。一方,レア度の低いカードの中にも有用なスキルを持つものは多く,なにより待機時間が短いので,すぐに戦場へ投入できるのは大きな長所といえる。コスト上限が増えたからといって,レア度の高いカードばかりを詰め込めば勝てるのかというと,そうとはいえないのが面白いところだ。
まずは「マップ攻略」を通してゲームの基本を学び,デッキを強化していこう
ゲームプレイの流れは,時間の経過で回復する体力を消費してストーリーも楽しめるNPC戦「マップ攻略」を行い,そこでカードやカードの強化に必要な素材を集めてより強力なデッキを組み,対人プレイなどのサブコンテンツを楽しむといった感じだ。
マップ攻略は,一つのマップをクリアすると新しいマップに挑戦できるようになっていて,マップが進むにつれて敵が強くなっていく。マップによって敵の出現傾向が決まっているので,相性を考えてデッキを組むのが攻略のカギだ。
最初のうちは敵も弱いので,防御系のスキルを持つカードを最初に出し,続いて回復系のカードを出しておくだけでもそこそこの戦果を出せるだろう。とにかくカードの種類が多くないとデッキの幅が広がらないので,毎日こつこつプレイしてカードや強化素材を集めることが必要不可欠といえる。
カードの強化は,いらないカードを消費してレベルを上げる「強化合成」の仕様となっている。レベルが5,または10になると新しいスキルを習得できるのもポイントで,スキル次第で,いままでとはまったく違う使い方ができるケースもある。ただし,レベル10まで育成するには,大量の素材カードと金貨(ゲーム内ポイント)が必要になるので,どのカードを優先的に強化するのかも重要な攻略要素となるだろう。
また,同じカード同士で「進化」させて最大レベルを上昇させることも可能なので,手に入りやすいレア度の低いカードも,頑張って育てればエース級の活躍が期待できる。
ルーンも別のルーンと合成することで強化することが可能となっており,レベルが上がるごとに保持しているスキルの効果が上がっていく。ルーンは発動条件があり扱いが難しいが,戦況を一変させるほどの能力を持つものもあるので,カード同様にできるだけ強化しておきたいところだ。
多種多様なサブコンテンツで自分のデッキの実力を確かめよう
例えば,マップ攻略では,各ステージに三つの課題が用意されていて,この課題を達成するとカードなどの報酬がもらえたり,一つのマップをコンプリートすると“マップ収益”として毎日金貨が入手できたりする。
また,通常のマップとは別に「迷宮」も用意されていて,内部をマッピングしながら探索していくと,経験値やお宝を入手することも可能だ。ちなみに,レア度の高いカードの中には,迷宮の宝箱からしか出ないものもあるらしい。
対戦要素として用意されているのは,「フリー対戦」と「ランキング戦」だ。これは,ほかのプレイヤーと非同期で対戦するコンテンツで,成績によって報酬をもらえるのはもちろん,プレイヤーとの戦いによって,デッキ編成のアイデアを見出せるのは大きなメリットといえるだろう。
ゲームの基本設計として「どんなデッキを作っても必ず弱点が存在する」ようになっており,ほかのプレイヤーが強力で人気の高いデッキに偏るのを見越して,そのデッキに勝つデッキを組む,TCGでいうメタゲームの要素も取り入れられていたりする。なお,運営チームによると,将来的には同期してリアルタイムに対戦するようなコンテンツも用意したいとのこと。
カード間の相性やスキルの効果を研究し,複数のカードが連動できるよう自分だけのデッキを構築し,それがバトルでうまく機能したときの快感は,まさにTCGの醍醐味といえるものだ。実際のTCGでは,数十項にも及ぶルールブックを熟読する必要もあるわけだが,魔戦カルヴァでは,直感的に遊べる程度までルールを簡略化しつつも,戦略性と戦術性のどちらも損なっていないところは見事だ。
最強のデッキを目指してカードの組み合わせを考え抜くスタイル,気に入ったカードやテーマを用いて楽しむファンデッキのスタイル,カードをコレクションしていくスタイルなど,プレイヤーによって遊び方はさまざまだが,どんなプレイスタイルも容認して楽しめるだけの懐の深さが本作には備わっている。ゲーム性の高さと手軽さは本来相反するものだが,手軽に始められるし,トコトンやり込むことも可能なのだ。
基本無料で遊べるタイトルでもあるので,TCGファンはもちろん,カードバトルに慣れていないという人でも本稿を読んで気になった人は,魔戦カルヴァ遊んで,TCGライクなゲーム性に触れてみてほしい。
「魔戦カルヴァ」ティザーサイト
- 関連タイトル:
魔戦カルヴァ
- この記事のURL: