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MicrosoftのAR HMD「HoloLens」開発者向けキットが3000ドルで予約受付開始。対応ゲーム「Fragments」と「Young Conker」も発表
それと同時に,フランスのゲームスタジオであるAsobo Studioが,Microsoftと提携して,HoloLensに対応するPC用新作ゲーム「Fragments」と「Young Conker」を制作することも発表している。この2タイトルは,HoloLensに付属するそうだ。
Oculus VRの「Rift」やHTCの「Vive」など,仮想現実(以下,VR)対応型HMDの価格やリリース時期の発表が相次いで,ここのところゲーム業界内外で大きな話題になっている。
一方,AR HMDであるHoloLensは,顔の前面を覆うスクリーン部分が伊達メガネのようなシースルーになっており,現実世界に重ねるように3Dオブジェクトやユーザーインタフェースを表示するのが大きな特徴になっている。言い換えれば,VRはユーザーをまったく別の世界へといざなうのに対して,ARはユーザーが今いる現実世界にホログラム風オブジェクトを持ち込むわけだ。
HoloLensは,Intelの32bit CPUをベースとした,現実世界の情景を把握するための専用プロセッサ「Holographic Processing Unit」を搭載しており,ユーザーのジェスチャーや視点をリアルタイムで識別できるという。そのデータをシースルーのホログラフィックレンズに光学投影することによって,あたかも目の前の世界に3Dオブジェクトやキャラクターが存在するかのようなイリュージョンを作り出すのである。
さらにHoloLensは,外界を撮影するためのカメラも内蔵しており,ユーザー視点での映像を記録する「Mixed Reality Capture」システムを備えているとのこと。Bluetooth 4.1に対応しているそうだ。
またHoloLensは,単体で動作するコンピュータでもあり,Windows 10の新しいアプリケーション実行環境である「Universal Windows Platform」向けに作られた数々のアプリケーション――Microsoft OfficeやMaps,Movies&TVなど――を動作させることも可能だ。
さて,今回発表されたFragmentsとYoung Conkerは,MicrosoftとAsobo Studioの提携により開発中のゲームアプリだ。
Fragmentsは,未来的な犯罪ドラマの中にプレイヤーが身を置くというアドベンチャーゲームになっており,ソファにいる自分の隣りに腰掛けてきた3Dキャラクターに話かけたり,目の前のテーブルの下に,容疑者の指紋が残っていたのを実際に覗き込んで確かめたりといった,これまでにない感覚のゲームプレイを楽しめそうだ。
一方の,Young Conkerは,NINTENDO 64時代にRareが開発したゲーム※1に登場するリスのキャラクター「コンカー」を主人公にしたアクションアドベンチャーゲームである。コンカーが,プレイヤーの目前にある家具を飛び回ってコインを集めたり,敵モンスターと戦ったりするのをサポートしつつ,ゲームを進めていくというシステムになっているようだ。
※1 「コンカーズ バッド ファー デイ」として,Xbox One用の「Rare Replay」でプレイ可能だ。
3000ドルという価格からして,HoloLensは,まだ開発者専用のデバイスであることは疑いないが,実際に販売されるとなれば,試してみたいというゲーマーは少なくないはずだ。
ゲーム以外でも,NASAや自動車メーカーのVolvo,医療施設との提携がアナウンスされるなど,HoloLenzには幅広い用途での利用が考えられており,今後どのようなアプリケーションがリリースされてくるかには大きく注目しておきたいところである。
HoloLens 公式Webサイト
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