プレイレポート
「Fallout 4」の序盤を,一足早くプレイ。文明も秩序も崩壊した世界を,自分の好きなスタイルで生き残れ
「Fallout 4」公式サイト
昨日(11月29日)は,日本でのパブリッシングを担当するゼニマックス・アジアが本作の「完成発表会&日本最速試遊会」を開催するなど(関連記事),日本でもいよいよ盛り上がってきた「Fallout 4」。このたび,そんな本作のPlayStation 4版の序盤部分をプレイする機会を得たので,ここに簡単なインプレッションを書いてみたい。
もっとも,あんまり詳しく書くと,これからプレイする人の興を削いでしまうということもあり,今回は,あくまでさらっと表面的なことだけ書いてお茶を濁したい。すみません。詳しいレビューなどは,追って掲載する予定なので,ぜひお楽しみに。
さて,周知のこととは思うが仕事なので一応説明しておくと,「Fallout 4」は核戦争で荒廃した世界(ウェイストランドと呼ばれる)を舞台にしたRPGだ。最近はこういうのを「ポストアポカリプスもの」というみたいだが,プレイヤーキャラクターは,そんなウェイストランドを自由に移動して,さまざまなミッションを請け負ったり請け負わなかったりしてゲームを進めていく。
最大の特徴は,自由度の高さだ。自由度の高さとは,つまり選択肢の多さと言ってもいいが,荒廃した世界にはやることがいっぱいあって,ミッションの類いも非常に豊富に用意されている。各勢力の闘争に荷担してもいいし,ずっと気ままに散策を続けても構わない。正義のために生きるもよし,悪人になるもよしだ。
もっとも,この世界には正義も悪もない。対立する勢力はあるが,どちらにも言い分があって,どちらが正しいとか,そういう価値判断はゲームには用意されていないのだ。
そんな「Fallout 4」は,核戦争前のアメリカ,首都近くの小さな街,サンクチュアリ・ヒルズからスタートする。核戦争前の様子が描かれるのは,シリーズを通して初のことになるので,非常に興味深い。オープニングムービーに続いて,典型的なアメリカの中流階級という雰囲気の家で暮らす三人家族が登場する。
プレイヤーはここでまずキャラクターメイキングを行うが,これがまた細すぎるほどの顔の調整が可能になっており,好きな人ならかなり熱中してしまいそうだ。実際,先行して発売された欧米ではここばっかりやって,できたキャラクターを次々にネットにアップしている人も少なくないご様子。早く荒野に行けよ!
男性だけでなく,奥さんという設定の女性キャラクターでプレイすることも可能になっているので,文中「彼は」と書くことができないのがライター泣かせだ。さらに,プレイヤースキルもここで決めることになり,「Fallout 3」でおなじみの「S.P.E.C.I.A.L.」というシステムが採用されている。
これは,「Strength」(強さ)や「Perception」(知覚)など,7種類のスキルの頭文字で,例えば,なるべく多くの荷物を運びたいと思えば,「Strength」にポイントを振るという感じだ。
各スキルの詳細については,11月10日に掲載した記事を参照してほしいが,本作が初めてという人はどれが重要なのか,なかなか分かりにくいはず。筆者はとりあえず万遍なく振ってみたが,果たしてどうだろう。ちなみに,前作のプレイヤーは「Luck」を重視する人が多いそうだ。このほか,Perkという成長要素があるが,この段階ではあまり気にすることはないみたい。
やがて,核の閃光が首都付近できらめき,家族と共に地下シェルター「ボルト111」に逃げ込む主人公。そして,次に主人公が地上に出てきたのは戦争勃発から実に200年が経過した,2277年のことだった。ボルトの中でもそれなりに出来事があるのだが,それはさておき,そんなわけで背景となる時代は「Fallout 3」とほぼ同じとなる。文明も秩序も崩壊した世界,ウェイストランドへようこそ!
グラフィックスにこだわりまくったゲーム,というわけではないのだが,使用されているゲームエンジン「Creation Engine」が描き出す荒れ果てた情景は見事だ。試遊では見られなかったものの,時間の経過によって,日が昇り,日が暮れ,夜になり,さらに天候が変わったりもするというから,ウェイストランドのライブ感は高い。建物も細かく作り込まれている。
それにしても,「Creation Engine」によって描き出された,あの瀟洒(しょうしゃ)で小綺麗なサンクチュアリ・ヒルズの変わり果てた姿……。
ボルト111の入り口から,かつての自分の家に向かって進んでいくと,冒険のハブになると思われる半壊したガソリンスタンド「レッドロケット・トラックストップ」に行き着くはずだ。ここには「ケミストリーステーション」「クッキングステーション」,そして建物の建造に関係ある「ワークショップ」などが置かれており,クラフティング要素もパワーアップしていることが分かる。
これらを使って,べらぼうにいろいろなものが作れるわけで,先行して発売された欧米では,モノ集めやアイテム作りにすっかり凝っちゃった人も続出しているご様子だ。早く荒野に行けよ! 物のない時代であるだけに,クラフティングは重要な要素になるだろう。
ミニマップなどは表示されないが,向かうべき方向は,画面中央下のゲージで,直感的に分かるようになっている。自分のいる位置より高いのか低いのかも,矢印で表示されるので便利だ。やがて筆者はコンコードという街に着いた。どうやら,「自由博物館」という建物に立てこもった人々が,盗賊に襲われているようだ。
視点は一人称と三人称にいつでも切り替えることが可能で,一人称視点にするとまるでFPSみたいだが,こちらはRPG。戦闘は単に狙って撃つだけでなく,「Fallout 3」のプレイヤーにはおなじみの「V.A.T.S.」(Vault-Tec Assisted Targeting System)が採用されている。
「V.A.T.S.」とは,所定のキーを押すことで,ターゲットの動きがスローモーションになるというもの(ポイントを消費する)で,表示される部位をゆっくり選んで攻撃することが可能だ。文章で書くと分かりにくいかもしれないが,やってみればすぐに覚える。筆者も多少苦労したものの,建物内の盗賊の一掃に成功した。
序盤だからだとは思うが,銃弾は比較的容易に手に入り,敵もそれほど強くはない印象だ。それになにより,「V.A.T.S.」を使って戦うのは面白く,やみつきになりそう。倒した敵からもらえるものをすべていただくのは荒野の掟だが,あまり荷物が多すぎると移動速度に影響が出るので注意が必要だ。というわけで,立てこもった人々のリーダーと会い,彼からミッションを請け負うことになる。
その後,「パワーアーマー」を着込んで,ミニガンを撃ちまくるという場面もあり,大量の弾丸を受けた敵は割とひどいことになる。すでに発表されているように,海外版と日本語版とでは,表現に関する違いはない。過酷さ,残酷さもまた「Fallout」シリーズの世界観を構築する重要な要素なので,これは嬉しいところだ。
最後に重要なことを書くが,やっぱり日本語はいい。よすぎ。セリフもテキストもやたらと多いゲームなので,英語が母国語並みという人以外,日本語版はありがたいはずだ。ここに掲載した写真は残念ながら,英語版のオフィシャルフォトなのだが,ローカライズはかなり細かく,日本語音声はきわめて自然だった。
簡単ながら,日本語版「Fallout 4」のインプレッションは以上だ。試遊をしていると,え,もうこんな時間? という感じで,本当にできることがたくさんあり,どこへ行っても,何かしらを見つけたり,何かが起きたりするという印象。登場するキャラクターも個性的で,とくに犬のコンパニオン,ドッグミートがやたらとかわいい。価値観も何もかもが変わってしまった世界で,彼が大きな癒やしになってくれる。時間泥棒になることはほぼ間違いないので,プレイを予定している人は,年末年始の予定を今のうちにキャンセルしておこう。なんてね。日本語版の発売は,12月17日が予定されている。
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