プレイレポート
「FINAL FANTASY VII REMAKE」メディア向け体験会が開催。エアリスやティファのバトル,召喚獣などを体験できた最新版をレポート
「ファイナルファンタジーVII」(以下,FFVII)の発売から23年が経過し,リメイクされる本作のプレイフィールが気にかかるという人は多いだろう。これまで4Gamerでは,E3やTGS 2019に出展されたデモバージョンをその都度紹介してきたが,今回は発売直前の最新バージョンを用いて,規定の範囲を約3時間プレイできた。これまで操作できたのはクラウドとバレットだけだったが,今回はティファやエアリスも登場するなど,見どころの多い内容だった。さっそくプレイレポートをお届けしよう。
[TGS 2019]「FINAL FANTASY VII REMAKE」試遊バージョンをレポート。約15分のゲームプレイの中に,新たなプレイフィールが詰め込まれていた
スクウェア・エニックスが2020年3月3日に発売予定の「FINAL FANTASY VII REMAKE」の試遊台が,2019年9月12日より開幕する東京ゲームショウ2019に出展される。アクション性の高い戦闘を取り入れた,新たなゲームシステムを体験できる試遊版のプレイレポートをお届けしよう。
まずは「CHAPTER 1」のプレイとなった。そのオープニングは既に公式の動画でも披露されている通り,ミッドガルの日常が描かれている。湾岸の工業地帯を思わせるパイプや煙突がひしめく中に,現代のような日常が存在している世界観にすこぶる興味を惹かれ,この中でFFVII REMAKEの物語が描かれていくのかと思うと,期待が高まる。もちろんここでエアリスも登場。そこから流れるようにタイトルロゴが現れ,列車に乗ったアバランチのメンバーが壱番魔晄炉へと侵入していく展開は,オリジナルを知っていればグッとくるはずだ。
本作では,敵のいるところに移動するとバトルへとシームレスにつながっていく。いわゆるシンボルエンカウントとも異なり,アクションゲームのように戦う対象のすべてがその場に現れる。
[□]ボタンの「たたかう」で攻撃を繰り出すと,カーソルが表示された対象を攻撃し,[R1]ボタンでガード,[×]ボタンで回避を行う。攻防を繰り広げるときには,ダメージの数値が互いにポップアップされるのがRPGらしい演出で,それによりどんな攻撃の効果が高いのかを判断することも可能だ。コマンドバトルとアクションが融合したゲームシステムなので,互いの攻撃範囲や位置取りなどにも気を付けなければならない。
アクション性は強く見えるが,FFVIIらしさを演出しているのが「ATB(Action Tactical Battle)ゲージ」による攻防だ。これは時間経過や敵に攻撃を当てる,あるいは防御したときなどに2段階まで溜まっていくゲージで,これを消費することで,[○]ボタンを押すと開くコマンドメニューから,操作キャラと仲間の「ABILITY(アビリティ)」「MAGIC(魔法)」「ITEM(アイテム)」をそれぞれ使用できるというもの。コマンドメニューが開いている間は周囲の時間がスローとなり,内容や対象を選びやすくなっている。
通常攻撃やガードをしながらゲージを溜めて,アビリティなどで攻撃をしたり,アイテムなどを使用して回復したりといった感じだ。
つまり,アクションがありつつも,コマンド選択式RPGの側面が強い。逆に言えば,ゲージがないと攻撃どころか回復もままならないわけだが,慣れないうちはうっかり管理を忘れてしまいがちだ。とくに「自分が操作しているキャラクターのゲージは空だが,仲間のゲージは余っている」という状態になりやすいため,画面右下に表示されたATBゲージの量は,常に意識して戦うようにしたい。
敵にはHPのほかに「バースト」の値が存在している。敵に表示された下側のゲージがそれで,攻撃をヒットさせることで少しずつ増えていく。これが一杯になると敵はバースト状態になり,無防備となって与えられるダメージが大きく増え,圧倒的に有利な状況を作り出せるのだ。
バーストとは別に,特定の攻撃を当てるか一定のダメージを与えると「HEAT」と表示される体勢を崩した状態となり,このときにはバーストゲージを一気に増やせる。とくにボスのようなHPが高い敵に対して重要な戦術であり,バーストを増やすためのアビリティや魔法などを試行錯誤しながら戦うのが,本作の戦闘の面白いところでもある。
実際に操作することになるキャラクターの個性についても注目してみたい。バスターソードを装備したクラウドは,近接戦における攻撃範囲が広く,[□]ボタンを長押しすると周囲の敵を巻き込む範囲攻撃も繰り出せる。
特筆すべきは[△]ボタンで通常の「アサルトモード」と,攻撃性能を重視した「ブレイブモード」を切り替えられること。後者を選択すると,移動が極端に遅くなる代わりに,[□]ボタンによる攻撃が「強撃」となり,さらに敵の近接攻撃をカウンターで弾くことができるのだ。ただし遠距離攻撃や魔法はガードできず,回避すると自動的にアサルトモードに戻ってしまうので,敵の隙を見てモードを切り替えていくことになるだろう。
壱番魔晄炉の攻略中に操作が可能になるバレットは,右腕の銃により離れたところの敵にもヒットする遠距離攻撃を行える。[□]を押しっぱなしにすれば連射もでき,さらに[△]ボタンの「ぶっぱなす」では高威力の一撃を放てるという具合だ。後者を使うと,次弾をぶっぱなすまでしばらくチャージが必要となるが,再び[△]ボタンを押して「エネルギーリロード」をすることで,チャージ時間を短縮できる。
高所の砲台など,クラウドの剣による攻撃では倒せない位置に存在する敵も頻繁に登場するため,バレットの存在意義は大きい。
壱番魔晄炉の道中や,ボスの「ガードスコーピオン」戦の動画を撮影したので,本作のバトルが気になっている人はチェックしてほしい。基本的にストーリー部分はカットして,バトルシーンを確認できるようにしているが,どうしてもネタバレにはなってしまうので,その点はご注意を。
続いてはストーリー的にはだいぶ飛んで,「アプス」とのボス戦を体験できたのだが,ここでティファとエアリスを操作できた。
ティファは動きが素早く,格闘による手数の多い近接攻撃を主体としている。[△]ボタンでの攻撃は発動したアビリティ「秘技解放」の使用回数によってその内容が切り替わるという特徴を持っていた。
クラウドもけっこうな勢いで剣をブンブン振り回しているが,ティファの手数はそれ以上だ。ただしリーチは短いため,素早さを生かしたヒット&アウェイが有効に感じられた。
一方エアリスは,杖から魔法を撃って戦う遠距離攻撃主体のキャラクターで,この通常攻撃はMPを消費せずに行える。[△]ボタンの「テンペスト」は,長押しでチャージするほど威力が上がる遠距離攻撃だ。
アビリティは特殊なものが多く,例えば「聖なる魔法陣」は,指定したキャラクターの周囲に魔法陣が一定時間展開され,その中で魔法を使うと自動で2連発になる。相手の弱点属性の魔法を使用するときは特に有効だ。仲間を支援しても,自分が攻撃してもいいだろう。
敵からMPを吸収する「アスピル」も持っているが,これを使うにもATBゲージがいるので,「やりたいことが多くて何にゲージを使うかが悩ましい」となりがちなキャラクターかもしれない。
アプスは両腕を振り回しての近接攻撃や,巨体を使ったタックルなど,近接攻撃がとにかく痛い。そのため,クラウドやティファはどうしてもダメージを食らいがちになってしまう。そして瀕死状態に追い込まれると,回復のためにATBゲージを溜めたくても,攻撃を当てにいく余裕がなくなるのでジリ貧だ。
そうした状況では,遠距離攻撃で比較的安全にATBゲージを溜められるエアリスが頼もしい。
なお,操作キャラクターをリアルタイムに切り替えて戦うのはもちろん有効だが,コマンドによる指示を確実に行うことで,特定の1人を操作するだけでも十分戦える印象もあった。製品版ではぜひいろいろと試してみてほしい。
プレイ中のキャラクター同士のやりとりも楽しい。今回はティファやエアリスのやりとりも聞けたが,とくにエアリスは「交代〜」「はいは〜い!」など,軽い感じのリアクションもあって,ちょっと印象が変わるかもしれない。
またアプスとの対戦前に,倒れているティファとエアリスのどちらに先に話しかけるかで会話の内容が変わるなどの細かな演出もあり,ストーリーの進行においても退屈することはなさそうだ。
アプス戦では「マテリア」による召喚獣の存在も確認できた。マテリアはオリジナルのFFVIIと同様に,武器防具のスロットにセットすることで,そのキャラクターが特定のアビリティや召喚魔法を使えるようになるものだ。
召喚獣は特定のバトルでマテリアを装備したキャラの「SUMMON」ゲージが溜まると,ATBゲージを使って召喚が可能で,しばらく一緒に戦ってくれる心強い存在だ。召喚後は自動で動いてくれるが,パーティメンバーの誰かがATBゲージを消費することで,任意にアビリティを発動できる。また,SUMMONゲージがゼロになると消えてしまうが,最後に必殺技を発動していくという特徴を持っている。
今回の試遊では「シヴァ」「イフリート」「リヴァイアサン」の3体を確認できた。
さらに今回は,伍番魔晄炉爆破に向かうシーンや,ボスの「エアバスター」とのボス戦も体験できた。オリジナルのFFVIIには,エアバスターに向かうまでの道のりで「3人で一緒にボタンを押すとロックを解除できる」という,あまりに雑なセキュリティのドアを突破するシーンがあったが,これは本作でも健在だ。こうしたクスっとくるシーンが,本作の美麗なグラフィックスで再現されているのが面白い。
エアバスター戦は,筆者がアプス戦で苦戦しすぎたせいで,残念ながら時間的にほとんど戦えなかったのだが,製品版でじっくり味わいたいと思う。
23年前の思い出と最新のプレイフィールや演出が融合された本作。発売日が若干延びてしまったが,期待して損しない作品であることは間違いないので,ぜひ楽しみにしてほしい。
最後に,今回プレイできた範囲の動画を掲載しておこう。シーンはガードスコーピオン撃破後のミッドガル八番街,アプス戦,伍番魔晄炉からエアバスター戦までとなる。こちらも,できるだけバトル部分を中心に編集しているが,やはりネタバレは避けられないので,そこはご了承いただきたい。
「FINAL FANTASY VII REMAKE」公式サイト
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