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[gamescom]凄腕の殺し屋が活躍するシリーズ最新作「ヒットマン」のデモの模様をレポート
頭のあたりが割と特徴的な凄腕暗殺者,コードネーム47を主人公にした「ヒットマン」シリーズは,2000年にリリースされた「Hitman: Codename 47」を皮切りにいくつもの作品が作られてきたが,今回の最新作は,最近ちょっと流行のリブート作品として,サブタイトルなしの「ヒットマン」としてリリースされる予定だ。
「HITMAN」公式サイト
特徴的なのはミッションごとにダウンロード販売される予定になっていることで,これまでのようなパッケージでの販売ではない。ただ,すべてのミッションが配信されたあと,それらをまとめたパッケージ版が2016年内にリリースされる予定になっている。
今回,デモの解説をしてくれたのは,スマホ版を除いて,これまでずっと「ヒットマン」シリーズの開発を続けてきたIO Interactiveのスタジオヘッド,Hannes Seifert氏。氏によれば,どれくらいのエピソードが制作されるのか,配信はどういったタイミングで行われるのかといったことは,gamescomが終わったあと,あまり間隔を空けずに発表する予定なので楽しみにしてほしい,とのことだった。なお,今回紹介されたデモは,フランスのパリを舞台にしているが,ロケーションとしては,さらにイタリアやモロッコなどが登場する予定だという。
ということで,さっそくデモを見せてもらったが,舞台となるのは上記のようにパリにある城のような建物。これは,6月に開催されたE3 2015のデモと同じだが,ビルドは新しくなっているという。
ともあれ,建物の中ではきらびやかなファッションショーが行われている最中だ。パリコレとかオートクチュールとか,そういうやつ。たぶん。時刻は夕暮れどきで,パリの街には明かりがともり始めている。夕日を浴びるエッフェル塔など,最新コンシューマゲーム機をターゲットにしているだけあって,グラフィックスはリッチな雰囲気だ。そこへ47が,いつものように静かにやってくるわけだ。
マップはこの城のような建物の周辺になるが,広さとしては前作「HITMAN ABSOLUTION」の最大のマップの約6倍というから,かなりのスケールだ。プレイヤーはこのどこへも自由に行けるうえ,移動の際にローディングは発生しないとのこと。マップ内には,約300人のAIキャラクターがおり,それぞれが仕事や食事,ショーの鑑賞といった目的を持って移動しているという。前作の場合,最大でも50人ほどのAIキャラクターだったため,これも大幅にボリュームアップしている。
AIもより優秀になっており,例えばレポーターを撮影しているカメラの前を47が横切ると,カメラマンが舌打をして,レポーターが文句をいう。
地下階への入り口,人目につかないところでは,仕事をさぼったウェイターがタバコを吸い,テレビクルーは忙しげに中継の準備を進め,ガードマン達は怪しい人物がいないか目を光らせている。見ているだけで,この緻密に作りこまれた世界に引き込まるが,「ここには,デストラップも無数にある」とSeifert氏は述べる。
例えば,屋外に置かれたガスヒーターは,ねじ回しがあれば壊してガス漏れを起こさせることができる。引火すれば爆発するはずだ。豪華で大きなシャンデリアも,落とせば立派な凶器になる。ウェイターに変装して,ターゲットに毒を飲ませるのもいいだろう。毒ではなく,気持ちが悪くなるような薬を入れれば,トイレにいくだろうし,そこで何かできるかもしれない。ウェイターに化けなくても,ビュッフェには多数の軽食が並んでいる。
カメラを移動させると,そこはファッションショー会場。ショーはすでに始まっており,キャットウォークをモデルが歩いている。その上にある照明器具は,大きさとしては申し分なく,落とせば下の人はただではすまない。楽屋を抜けて建物の裏手に回ると,酸素ボンベや電源ケーブルが並んでいる。これも使い道はいろいろありそうだ。ケータリングのバンも来ており,その従業員に変装すれば,建物のかなり奥まで入れるだろう。さらにカメラを引くと,建物の裏手はセーヌ川に面しており,浚渫(しゅんせつ)用の高いクレーンを載せた船が見える。クレーンの上ならバルコニーを狙うポイントとして最適であり,エージェンシーに依頼して高性能狙撃ライフルを用意させればいいだろう。だが問題は,ターゲットがうまくバルコニーに出てきてくれるかだ。と思ったら,眼下にショーを記念する花火を打ち上げるためのはしけが浮かんでいる。あれにリモコンを仕掛ければ,花火を見るためにターゲットは外に出てくるはずだ……という感じで,次から次にアイデアが浮かんできて,なんだかそんなことを考えている自分がかなりの危険人物になったような気になれる。裏庭のヘリコプターは,暗殺に成功して逃げるときに使えるな,みたいな。うふふ。
ちなみにこのマップで難しいのは,ターゲットが2人いることだ。暗殺に失敗したからといって,単純にゲームオーバーというわけではなく,例えばシャンデリアを落とすタイミングに失敗しても,事故として片づけられればリカバーできる。あるいは,爆殺に失敗しても,ターゲットがセーフルームに逃げ込めば,まだ可能性は残っている。ゲームオーバーになるのは,ターゲットが暗殺者に気づいて逃走してしまった場合だ。そのため,最初の一人は事故に見せかけるか,人知れずアレしてしまう必要があるわけだ。
という感じで,デモは終了した。うーむ,面白そうだ。アイデアは浮かぶが,実際にやってみると,そう簡単にはいかないだろう。シャンデリアを落とすといっても,衆人環視の下で天井に仕掛けをするわけにもいくまい。どういう理由があれば,大丈夫だろうか。AIが優秀になったぶん,彼らの行動を読み切れないかもしれない。
などと,発売前から心配していてもしかたないのでもうやめるが,以上のように,「ヒットマン」シリーズのパズル的な面白さを強く前面に押し出し,リブート作として磨きをかけた感じの本作。マップごとの配信という販売スタイルも試みとして挑戦的で,すべてのマップをプレイすると,底にある物語が見えてくるというのも興味深い部分だ。従来作のファンなら,ぜひプレイしてみよう。
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- 関連タイトル:
ヒットマン ザ・コンプリート ファーストシーズン
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Hitman (C)2016 Io-Interactive A/S. All rights reserved. IO-INTERACTIVE and the IO logo are trademarks of Io-Interactive A/S. HITMAN and the HITMAN logo are trademarks of Square Enix Limited. SQUARE ENIX and the SQUARE ENIX logo are registered trademarks or trademarks of Square Enix Co. Holdings Ltd. All other trademarks are the properties of their respective owners.
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