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龍が如く 極公式サイトへ
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  • 発売日:2016/01/21
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シリーズ10周年を締めくくる「龍が如く 極」プレイレポート。伝説の極道,桐生一馬のドラマが現代の技術で鮮やかによみがえる
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印刷2016/01/21 00:00

プレイレポート

シリーズ10周年を締めくくる「龍が如く 極」プレイレポート。伝説の極道,桐生一馬のドラマが現代の技術で鮮やかによみがえる

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 セガゲームスは本日(2016年1月21日),「龍が如く 極」PlayStation 4 / PlayStation 3)を発売する。

 昨年,龍が如くシリーズは10周年を迎え,その記念作品として制作された本作は,2005年に発売された第1作「龍が如く」を大胆にリメイクしている。
 10年の時を経て,その内容やプレイフィールはいかなる進化を遂げたのか。旧来のファンはもちろん,近年の作品で龍が如くシリーズを知った人にとっても気になるところだろう。

今回,筆者はPlayStation 4版をプレイした。掲載しているスクリーンショットもすべてPlayStation 4版のものとなる
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「龍が如く 極」公式サイト



開発陣が培ってきた10年のノウハウが詰め込まれている


 「龍が如く 極」のプレイレポートに入る前に,第1作「龍が如く」について少しだけ振り返ってみたい。
 現在,龍が如くシリーズの総合監督を務める名越稔洋氏が,プロデューサーとして「極道」をテーマとした異色作を世に送り出したのは2005年12月8日のこと。新宿・歌舞伎町のキャバレーで行われた「龍が如く」の発表会には,渡 哲也さんをはじめとする俳優陣,声優の黒田崇矢さん釘宮理恵さん,そしてシナリオ監修を担当した作家の馳 星周氏らが出席し,翌日の新聞やTVでも大々的に取り上げられた。

 実は,筆者もその会場に足を運んでいたのだが,豪華なゲストの顔ぶれや発表内容はもとより,来場者へのお土産として配られたアタッシュケース入りのウイスキー「山崎12年」のことも鮮明に覚えている。ちなみに山崎12年は「龍が如く 極」の作中にも登場しており,龍が如くシリーズとの縁は深い。今でこそゲームと企業のコラボは珍しくなくなったが,その先駆けとなったのが「龍が如く」であることは多くの人が知るところだ。

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 当時,筆者はセガの名作「シェンムー」や「ジェットセットラジオ」と共通するゲームシステム――実在の街を再現した箱庭の中を自由に歩き回れる――を持つ作品として大いに注目していた。あれから10年が経過したという時間的な実感はあまりないのだが,ゲームは年を追うごとに飛躍的に進化を続けている。
 2012年に第1作と第2作をHDリマスターしたPlayStation 3用ソフト「龍が如く1&2 HD EDITION」が発売されたが,すでにナンバリングは「龍が如く5 夢、叶えし者」まで進んでいたこともあり,ゲームシステムや演出に対して“古さ”を感じなかったとは言えない。

 その点,「龍が如く 極」にはシリーズを10年間継続し,世間をあっと驚かせる挑戦を続けてきた開発陣によるノウハウが詰め込まれており,単なる「リメイク」として片付けられない完成度に仕上がっている。

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かつての親友,錦山の変化を描くシーンが追加


 「龍が如く 極」のストーリーは,プロデューサーの横山昌義氏インタビューで語っているとおり,基本的に原作との違いはない。「堂島の龍」と呼ばれるほどの伝説の極道だった桐生一馬を主人公に,かつての親友・錦山 彰,忽然と消えた100億円の鍵を握る少女・らが織り成すシリアスな物語が展開していく。

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 そこでちょっとしたアクセントとなっているのが,各章の冒頭や合間に挿入される錦山の回想シーンだ。これは,物心ついた頃に桐生と出会い,同じ道を歩んできた錦山が豹変していく過程を描いたもので,初めて明かされるエピソードとなる。
 筆者が10年前に「龍が如く」をプレイしたときには,「かつての親友,今は敵」というシンプルな認識だったが,桐生との親しい間柄が描かれた「龍が如く0 誓いの場所」PS4/PS3)をプレイしたことで,錦山に対する感情移入度は当時とはまったく異なっている。

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 錦山を演じる中谷一博さんの真に迫る演技とグラフィックスの向上が相まって,その存在が物語にさらなる深い味わいをもたらしているので,ぜひ注目してほしいポイントだ。

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新要素「どこでも真島」に注目!

“真島の兄さん”は神出鬼没で油断禁物だ


 龍が如くシリーズの象徴的な存在と言えるのが,物語の舞台となる神室町だ。新宿・歌舞伎町を彷彿とさせ,「龍が如く」が発売された2005年の街並みや行き交う人々の雰囲気が再現されている。シリーズのファンには馴染み深い街ではあるが,自由に歩き回れるのはやはり楽しく,それによって新たに発見できるスポットやサブストーリーも多く存在する。

街を自由に歩き回れるようになるのは,第四章以降だ
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サブストーリーは特定の場所に行くか,特定の人物に話しかけると発生する
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ゲームセンターに登場する新要素「昆虫女王メスキング」。プレイに必要なカードは,街で拾ったり購入したりして集めていく
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 そんな神室町に,新たな楽しみ(?)として追加されたのが「どこでも真島」。龍が如くシリーズの人気者である真島吾朗(「龍が如く 極」での肩書きは「東城会直系 嶋野組内 真島組組長」)が,街のさまざまなところに出没し,桐生にバトルを挑んでくるというものだ。
 あるときは街の大通りで人混みの中から現れ,あるときは店の中で店員に扮装して,さらにはまったく関係のないバトルに乱入してくることもある神出鬼没の存在である。

最初に出会ったときから,桐生を四六時中,つけ狙うことを予告してくる
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街で遭遇すると「!」マークが出現。追いつかれると有無を言わさず,バトルに突入する
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 真島は4つのバトルスタイルを使いこなすだけでなく,ヒートアクションも繰り出してくる強敵だ。だが,手ごわい相手だけに勝利したときの報酬は大きく,桐生のバトルスタイル「堂島の龍」の能力を“思い出す”という形で習得できるようになる。これは,通常のバトルでは習得できないため,ゲームの攻略上において重要な存在となっている。

バトルに勝利すると「真島との因縁」ゲージが上昇し,バトルスタイル「堂島の龍」が強化されていく
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 物語で見せる「嶋野の狂犬」ぶりと,「どこでも真島」におけるコミカルな行動のギャップが,真島のクレイジーさを際立たせており,「龍が如く 極」によって“真島の兄さん”ファンが増えることは間違いないだろう。

物語ではシリアスな場面で桐生と対峙する真島。だが,その背景をまったく無視したかのようなコミカルな遭遇シーンもまた“真島の兄さん”らしさを感じさせる
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ゲームシステムには「龍が如く0」の要素を追加


 第1作「龍が如く」をリメイクした「龍が如く 極」だが,ゲームシステムには「龍が如く0」の要素が追加されている。
 たとえば,街でのエンカウントやイベントなどから発生するバトルでは,4つのバトルスタイル(チンピラ/ラッシュ/壊し屋/堂島の龍)を切り替えながら戦えるようになった。バトルによって獲得した経験値と引き換えに,それぞれのスタイルを強化できるという仕組みだ。

かつては「伝説の極道」と呼ばれた桐生だが,10年間の服役生活によって能力を失っていて,それを取り戻していくという設定も面白い
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 ちなみに,バトルの難度はいつでも変更でき,「EASY」を選べばアクションゲームが苦手な人でも楽しめる。どうしても勝てない特定のバトルのときだけ,難度を下げるといったことも可能だ。

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体力回復中の強敵に対して繰り出せる新たなヒートアクション「超スタイルの極み」
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桐生の強化に必要な経験値は,バトルや食事などで獲得できる


歴史を重ねたからこそ,にじみ出るキャラクターの魅力


 現代のグラフィックスで表現されたことで,お馴染みの登場キャラクターの魅力がグッと増しているのも「龍が如く 極」の特徴と言える。桐生や錦山,真島はもちろんだが,個人的に注目してほしいのは遥だ。
 龍が如くシリーズのナンバリング作品(「龍が如く0」を除く)は,ゲームの発売時期とほぼ同じ時間軸で物語が展開しており,そのなかで遥は徐々に成長していく姿を見せている。しっかりと成長して高校生になった「龍が如く5」では,主人公の1人としてアイドルへの道を突き進む彼女に驚かされたファンも多いと思うが,第1作での幼い姿を知っていれば,その魅力が一層引き立つことだろう。
 なお,遥を演じるのは釘宮理恵さん。10年間も変わらず遥を演じてきた釘宮さんが,あらためて収録したという少女・遥の演技にも注目してほしい。

第1作の登場時から可愛らしかった遥だが,「龍が如く 極」ではさらに洗練された印象を受ける
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一部の登場キャラクターはキャストが変更となり,原作とは違った魅力が味わえるかも
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「龍が如く0」をプレイしていれば,物語をより深く味わえる


 物語の時間軸として,「龍が如く 極」の前作にあたる「龍が如く0」ついても少しだけ触れておきたい。
 「龍が如く0」は1988年と時代設定が古いこともあり,プレイしていないからといって「龍が如く 極」のストーリーが理解できないということはない。ただ,桐生と錦山,真島といった主要キャラクターの関係が描かれているので,知っていれば「龍が如く 極」をより深く楽しめるのは間違いない。また,サブストーリーのなかには,若かりし日の桐生が神室町で体験したエピソードとつながるものも含まれている。
 もし「龍が如く0」をプレイしていないのであれば,この機会に遊んでみることをおすすめしたい。

サブストーリーには,若かりし日(「龍が如く0」当時)の桐生が遭遇したキャラクターも登場
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「龍が如く」を初めてプレイするには絶好のタイミング


 単なるHDリマスターではなく,現代の技術と経験で作り直されたという「龍が如く 極」。インタビューで横山氏が「カット割りやイベントシーンの構成なども当時のまま」「それらは僕らが未経験だったからこその荒々しい演出であり,今見るとそれがかえって斬新で,すごくパワーを感じる」と語っているとおり,原作のエッセンスはそのままだ。まるで違う作品になっているというわけではない。
 それでも,10年ぶんの“古さ”をほとんど感じなかったのは,グラフィックスの向上やキャラクターボイスの再収録,数々の新要素などによるものだろう。
 その意味では,これまでに龍が如くシリーズをプレイしたことがない人が,初めてその世界に飛び込むには絶好の機会と言える。前述のとおり,アクションゲームが得意でなくても楽しめるようになっているので,ぜひ人気シリーズの原点に触れてみてほしい。

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