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[TGS 2015]カナイセイジ氏の最新作はまさかのストリートファイターコラボ。カプコン物販ブースで先行発売されていたカードゲーム“ライバルズ”をさっそく遊んでみた
またTGS 2015の会場を訪れていたカナイ氏に話を聞いたミニインタビューも合わせて掲載するので,こちらもぜひご一読を。
「ストリートファイターライバルズ」販売ページ
シンプルなルールで格闘ゲーム的な攻防を再現
ストリートファイターシリーズをベースとした対戦ゲームである本作。それにならい,まず最初は使用するキャラクターを決めるところから本作はスタートする。今回のパッケージには,リュウや春麗を始めとした8キャラ分のカードセットが用意されているので,その中から好みの一人を選択する。
キャラクター一人分のカードセットは10枚のカードによって構成されている。カードには,各キャラクターが使える技が書かれているので,この中から「使用しない」カード2枚を選ぼう。そして2枚のうち1枚を対戦相手に見えるように表向きにしたら対戦の準備は完了。もう1枚は伏せたままにしておくのがポイントだ。
バトルは残った8枚の手札から,使用するカードをターンごとに1枚選んで出し,相手が出したカードと比べて,どちらの攻撃がヒットしたかを判定することで進んでいく。基本的には,カードの左上に書かれたイニシアティブの値を比べ,より大きい方が勝ちとなる。勝った方はカード右下に書かれた数字分のダメージを相手に与えて,ターン終了。これを繰り返すことで,先に10のダメージを与えた方が勝利,というシンプルなルールである。
ただ,いまどきのカードゲームがそれだけで終わるわけはない。各カードに設定された特殊能力が,本作の駆け引きをより複雑なものにしているのだ。
具体例を見ていこう。
例えばリュウの「セービングアタック」は,イニシアティブが“3”でダメージが“3”という,あまりパッとしないカードだ。ただ,特殊能力として「この攻防のイニシアティブの大小を逆転する(ただし“7”は除く)」という効果を持っているので,実はカードの大半を占めるイニシアティブ“3〜6”のカードに勝ててしまう。では,このセービングアタックに勝つためにはどうすれば良いか。
もちろん相手の手札を読み切り,例外である“7”のカード(実は7には「スーパーコンボ」が割り当てられていることが多い),あるいは“2”以下のカード(こちらは「ウルトラコンボ」や「ガード」など)を出せればそれで良い。しかしもう一つ選択肢がある。それが「相手のカードの特殊効果を無効にする」効果を持つ投げ技のカード(リュウなら“5”の「巴投げ」)だ。
特殊効果には,「相手は次のターン先にカードを公開しなくてはならない」「次の攻防で自分のカードのイニシアティブが2上昇する」など,さまざまなものがある。こうした特殊効果にはキャラクター固有のものもあり,また同じ効果であってもカードセットに含まれる枚数が異なったりする。さらにこうした効果は攻防の勝敗に関わらず,どちらのカードも効果が発揮されるので,それを考えながら出すカードを選んでいく必要がある。
本作「ストリートファイターライバルズ」は,明日以降の一般公開日(2015年9月19・20日)にも,カプコンの物販ブースにて販売されるとのこと。物販ブースはメイン会場から離れた9・10・11ホールにあるので,本稿で興味を持った人は,ぜひ立ち寄ってみてほしい。
基本のルールがシンプルなので遊びやすく,すぐに駆け引きの妙が味わえるので,普段アナログゲームを遊ばない格闘ゲーマーにも,ぜひオススメしたい一作だ。
非対称なカードセットで広がる選択肢――カナイセイジ氏 ミニインタビュー
4Gamer:
「ストリートファイターライバルズ」,さっそく遊ばせていただきました。ストリートファイターシリーズとのコラボとは驚きましたが,どういう経緯で実現したのでしょうか。
いつもお世話になっているキュービストさんが,ゲーム系の版権に強いと聞きまして,コラボ先を探してもらっていたんですね。そうしたら“対戦もの”であるストリートファイターシリーズではどうかというお話をいただけて……まさかという感じだったので,すごく嬉しかったですね。しかも,イラストは超有名な別天荒人さんに描いていただいて,もはや恐縮ですらあります。
4Gamer:
格闘ゲームをカードゲームに落とし込んだ本作ですが,ゲームデザインにあたってはどんな苦労があったのでしょうか。
カナイセイジ氏:
実は本作は,以前キュービストさんから発売された「R-Rivals」というタイトルが元になっているんです。あちらは同じカードセットで戦うゲームだったのですが,それをアレンジを加え,非対称なカードセットにしたのが本作になります。元が格闘ゲームなわけですから,それぞれ強みの異なるカードセットを使って戦えるようにするのが,本作のコンセプトになりました。
4Gamer:
ああ,そうだったんですね。つまり「R-Rivals」をリファインしたタイトルだと。
カナイセイジ氏:
ええ。選択肢のバリエーションが増えているので,遊びの幅も大きく広がったと思います。苦労した点で言うなら,原作でのアクションや特徴を,カードセットの形で表現する部分でしょうか。結果的にはうまくいったと思っているのですが。
4Gamer:
キャラは違えど,イニシアティブの数値ごとに技の特性が共通しているのが面白いと思いました。
カナイセイジ氏:
“7”は発生が早い技,“6”は飛び道具のようなけん制技,“5”が投げで“4”が昇龍拳のような強打ですね。あと“3”はセービングアタックのような逆転技になっています。
4Gamer:
ガイルのサマーソルトキックが,“3”を無効化する技になっていて最初不思議だったんですよ。つまり,アーマーブレイク技を表現しているわけですね。ところで,格闘ゲームのアナログゲーム化というと,どうしても「YOMI」が思い浮かぶのですが,何か影響された部分というのはあるのでしょうか。
カナイセイジ氏:
格闘ゲームを題材にしている以上,多かれ少なかれ駆け引きの部分が似るでしょうね。ただ,YOMIは格闘ゲーム上級者の思考をトレースしている側面があって,ちょっとマニアックな仕上がりなんですよね。
4Gamer:
YOMIは,格闘ゲーマーならすごく納得がいくルールですが,そうでない人には覚えることが多すぎて,ちょっと煩雑かもしれませんね。
カナイセイジ氏:
「ストリートファイターライバルズ」がウェイトを置いたのは,あまりカードゲームを遊ばない人でも簡単に楽しめるものにすることです。それこそ,ストリートファイターシリーズファンの人が初見で遊んでも,十分楽しめる難度にしたかった。
4Gamer:
ええ,その狙いは成功していると思います。実際,我々もすぐに遊べてしまいましたからね。では最後に,ファンに向けたメッセージをいただけますか。
カナイセイジ氏:
一般販売は9月下旬の本作ですが,TGS会場では先んじて購入できますのでぜひお買い求めください。あとルールブックにも書きましたが,キャラクターが8人いるので,慣れてきたら自分で追加ルールを考えて遊んでもらえると嬉しいですね。例えば某タイトルのようなタッグマッチとか,勝ち抜き戦とか,きっと楽しいと思うので。
4Gamer:
本日はありがとうございました。
「ストリートファイターライバルズ」販売ページ
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