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[COMPUTEX]Dellコンシューマ部門のトップに聞く,新型PCにおける「Ryzen」採用の理由や新製品のコンセプト
製品発表会に登壇し新製品をアピールした,Dellのコンシューマ向けPC部門を統括する上級副社長のRay Wah氏へのグループインタビューに参加する機会を得たので,新製品にAMD製プロセッサを採用した理由や,各製品のコンセプトなどを聞いてみた。
――今回の新製品で,AMDのプロセッサを採用した理由を教えてください。
Ray Wah氏:(以下,Wah氏)
次に,Dellは高性能なPC製品において,最善の体験をもたらすものを提供したいと考えていますが,同時にユーザーが選択できるようにしたいとも考えています。
デスクトップPCのビジネスで,成長が見込まれる領域は2つあります。1つがPCゲームで,もう1つが仮想現実(以下,VR)です。このセグメントで威力を発揮するのがマルチコアプロセッサです。
Intelのプロセッサを使ったオールインワンPC(※液晶ディスプレイ一体型PC)は,以前から手がけていますが,それと同じように,AMDのプロセッサでも,オールインワンPCを提供します。これによって,中身がAMDであれIntelであれ,ユーザーが好きなものを選べるようになったわけです。
――2017年1月のCES 2017では,Inspironのゲーマー向けPCにどのようなブランド名を付けるかについて,やや混乱があったようです(関連記事)。Inspiron Gaming Desktopは,ブランド名という理解でいいのでしょうか。
Wah氏
はい,Inspiron Gaming Desktopがブランド名になります。ノートPCの場合は,Inspiron Gaming Notebookを今後のブランド名として採用していきます。
――ゲーマー向けPC市場は今後,どの程度拡大すると考えていますか?その中でInspiron Gaming Desktopが果たす役割は?
Wah氏
ALIENWAREはプレミアムセグメントで,究極のゲーマー向け体験を提供します。3枚のグラフィックスカードを搭載できる製品もあるなど,「ゲームマスター」と呼ぶべきハイエンドなゲーマーもカバーする製品です。
そこから学習したテクノロジーをInspironシリーズに搭載し,普及価格帯で最高のゲーマー向けデスクトップPCや,ノートPCの製品を出していきたいと考えています。これによって,マーケット全体の成長を加速できるでしょう。
マーケット拡大におけるもうひとつの要因は,e-Sportsの盛り上がりにあります。今後,e-Sportsをプレイしたい人だけでなく,観戦して楽しみたい人がさらに増えて人気が高まれば,我々の製品もさらに拡大するでしょう。
――Inspiron 27 7000はVRヘッドマウントディスプレイ(以下,HMD)に対応しましたね。一体型PCでVR HMD対応というのは,珍しいように思います。
Wah氏
VRを体験するためには,スペースだけでなくかなりの投資が必要になります。ユーザー目線で考えて,コンパクトなPCであれば,VRをさらに体験してもらいやすくなると考えました。オールインワンPCならば,限られたスペースでもVR HMDを利用できます。
あるいは,中小企業でVRコンテンツのサービスを提供する場合にも,オールインワンPCに必要な要素がすべて入っていれば,小さなスペースで簡単に設置できます。
Inspiron 27 7000でVR対応のスペックを選んだ場合,Ryzen 5とRX 580がミニマムの仕様になり,最低価格は1299ドル(約14万3886円)です。
――さらにコンパクトなInspiron 24 5000はVRに対応できませんか?
Wah氏
これ以上小さくはできません。CPUやGPUの電力消費などを考えていくと,
[COMPUTEX]DellからRyzen搭載のゲーマー向けデスクトップPCや液晶パネル一体型PCが登場。国内発売の予定もあり
Dell 公式Webサイト
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