「Detroit: Become Human」をクリア済みの4Gamerスタッフで語り合ってみた。たった1つの選択で，全く違う物語に

　2018年5月の発売から大きな反響を呼んだ「Detroit: Become Human」が，7月のPlayStation Plus（以下，PS Plus）フリープレイに登場している。本作は3人の“アンドロイド”を主人公としたアドベンチャーゲームで，プレイヤーの選択1つで物語が大きく変化していく。その分岐の多彩さに，プレイした大勢の人が「あそこでどんな選択をした？」「どんなエンディングになった？」といった話題を共有し，大きな盛り上がりを見せていた。


　4Gamerでも，男色ディーノさんやヒャダインさん，結さんがプレイの感想を連載で語っている。それだけ「Detroit: Become Human」は人の心に刺さり，感想を語らずにはいられないゲームなのだ。

　いい機会なので，4Gamer編集部で「Detroit: Become Human」をクリアしている3名が集まって，それぞれがどんな選択をして，どんな物語になったのかを熱く語り合ってみた。フリープレイではじめて体験した人も，発売直後にプレイした人も，また「Detroit: Become Human」の話題で盛り上がってほしい。

　記事の最後には読者プレゼントも用意してあるので，「Detroit: Become Human」ファンは要チェックだ。

※本稿では物語の違いを確認するという趣向から，以下ほとんどの内容がネタバレを含んでいる。読み進める場合はその点に注意してほしい。

■■今回語るスタッフ■■
鼬……今回の発起人。コンシューマーゲームが大好きで，アクションやRPGが得意。初代「ドラゴンクエスト」や「ゲームボーイ」など，生まれてさえいない頃に発売したゲームや，プレイしたことがないMMORPGの体験レポートを書いている人。

だび……TCGから最新のゲームまで，気になったものはとりあえず遊んでみる雑食系。「バイオハザード」や「テイルズ オブ」シリーズなど，好きなゲームの魅力を語りだしたら止まらない人。

さがさん……女性向けゲームや2.5次元舞台のレポートなど，主に4Gamer女子部（仮）を担当。男性向けも含む恋愛アドベンチャーゲームが好き。でもなかなか両思いになれない。スマホ向けゲームで遊ぶことが多く，最近までPS4も持っていなかった。

「Detroit: Become Human」公式サイト

まずはカーラ編を語り合おう
序盤から1人だけ違うゲームに？

鼬：
　「Detroit: Become Human」がPS Plusのフリープレイに来ました。いい機会だと思うんで，人によって選択が分かれそうなシーンで，みんながどんな選択をしたのかをここで語り合ってみたいと思います。2人とも1周以上プレイしてますよね。

だび：
　そうですね。

さがさん：
　私は鼬さんにパッケージを渡されたんですよ。

鼬：
　そうだった（笑）。さがさんはまだPS4を持っていなくて，私が「Detroit: Become Human」の面白さを熱弁してからPS4本体を買ったんだよね。

さがさん：
　そう。つまり「Detroit: Become Human」がPS4で初めてプレイしたゲームでした。

だび：
　PS4を持っていないのも，うちでは珍しいよね（笑）。

鼬：
　さがさんのメインはスマホ向けや乙女ゲーだし……。
　さて，そろそろ本題に入りましょう。まず語っていきたいのは，カーラ編のチャプター「夜のあらし」について。ここでは，家の主人であるトッドが，娘のアリスに暴力を振るおうとするのを，カーラに止めさせるか否か選択を迫られます。世界の比率を見ると97％が止めに入っているようですよ。


さがさん：
　やっぱり止めに入りますよね。残り3％の人は何かを試したのかなぁ？

鼬：
　操作パートに移るのがシームレスだから，操作できることに気付かない人がいたのかも。

だび：
　でも，ここで動かさないとアリスも自分（カーラ）も死んじゃうって思って，思わず動かしましたよ。

鼬：
　私もここは止めに入ったなぁ。その後は，トッドを2階まで追いかけて，もみ合いになりながらも，なんとかアリスを連れてバスに乗って逃げましたよ。

だび：
　僕は1階で格闘して，トッドをボコボコにして逃げました。

鼬：
　すごいなそれ。

だび：
　僕はやられそうになったら，とりあえず立ち向かう姿勢なんで（笑）。

さがさん：
　えっ。二人とも銃を取ってないの？

鼬：
　こんな小さい子供の前で使えないでしょ。
　……撃ったの？

さがさん：
　えーと……。
　（トッドを）撃ち殺して逃げました。でも不可抗力だよ！　最初は脅したんだけど，結局もみ合いになって，暴れているうちに……。1周目は難度「EXPERIENCE」でやったから，操作がめっちゃ大変だったんだよ。


だび：
　ジャイロ操作が大変だよね。「HEAVY RAIN -心の軋むとき-」とかをやってれば大丈夫なはずだけど。でも，……殺したのさがさんだけですよ。

さがさん：
　意外だった。トッドが怖いから……銃で脅せばどうにかなるかなって。

鼬：
　その考えが怖い（笑）。

子供のために，あなたはレジの金を取りますか？
見知らぬ人の服を盗みますか？

鼬：
　全員トッドから逃げ切れたということで，その後のチャプター「あてどなく」についても話していきましょう。ここでは，アリスとカーラが一晩泊まれる場所を探すわけですが，トッドの家を飛び出してきたので，何も手持ちがない状態です。

だび：
　ランドリーとコンビニでは，いろいろ盗めるんですよね。僕はランドリーでは何もしなかったですけど。

鼬：
　服，盗めるじゃないですか。こんなにアリスが寒そうにしてるんだから。

だび：
　いやいや。だって，本人目の前で寝てるんだよ。


鼬：
　改めてゲームを見るとたしかに。まさか持ち主の手からこんな大胆に盗むとは思わなかったよね。でも，アリスのためなら服ぐらい盗む！

さがさん：
　私は1周目のプレイだとどこに入って良いかわからなくて，ランドリーもコンビニも寄らなかったんですよね……。でも2周目では盗みました。

鼬：
　じゃあ次はコンビニに行きましょう。ここではお菓子やオモチャを万引きしたり，レジからお金を盗んだりできます。ちなみに私は何もしなかったですよ。さすがに万引きとか，レジのお金を盗むのは子供の教育上よくないと思います。

だび：
　さっき服盗んだじゃん！　僕はレジからお金盗みました。

鼬：
　服は盗まないのにお金は盗むの？

だび：
　レジの金なら，監視カメラがあってもその場からは逃げ切れるじゃないですか。でも服の方はもし本人が起きたらその場でいざこざになる。

鼬：
　そういうものかな……。私はお金を盗むほうが罪の意識が高かったし，別になくてもすぐには死なないと思ったから。さがさんは2周目はどうしたの？

さがさん：
　銃を突き付けてレジの金を盗みました。


鼬：
　もう強盗だよ（笑）。そもそも銃なんてどこにあったんだ。

さがさん：
　トッドの家から持ってきたから。

だび：
　あーなるほど！　あのとき銃を取ってたらそういう選択肢が出ていたのか。

鼬：
　完全に1人だけ別ゲーですよ。結局，2人はどこで一晩泊まりました？　私はラルフのいる廃屋に行きましたけど。

だび：
　僕も廃屋ですね。だからせっかく盗んだお金使わなかったんですよね。

さがさん：
　なんで使わなかったの？　もったいない。ちなみに私はどこにも寄らなかったから，廃車の中で寝ました。

鼬：
　流石に廃車はなぁ。アリスとカーラをそんなとこで寝させたくはなかった。

さがさん：
　アリスは相当嫌がりましたよ。

鼬：
　そりゃそうでしょうね。

必死に逃げるカーラとアリスを追い詰められますか？
アンドロイド捜査官，コナー編を語ろう

鼬：
　この後で，もう1人の主人公コナーの操作パートも登場します。いよいよ今まで接点がなかった主人公同士が遭遇するちょっとドキドキなシーンですね。ちなみに，廃車に泊まった場合だとコナーはどこを捜査してるの？

さがさん：
　目の前のコンビニで捜査してましたよ。

だび：
　そうそう。カーラ編でレジの金を盗んだら，コナー編で「金を盗んだアンドロイドがー」ってすごく言われてて，うわーまじかよーって思いましたね。

鼬：
　廃車と廃屋に泊まった場合では結構違うっぽいですね。廃屋に泊まっていると，コナーを操作してラルフとのやり取りが発生するし。

だび：
　ラルフがかくまってくれるんですよね，「何も知らない」って。でもラルフがめちゃくちゃテンパっちゃって，すぐにカーラとアリスの場所が分かっちゃうんだけどね。


鼬：
　でも，さっきまでカーラとアリスを必死に逃がしてたわけだし，プレイヤーとしてはちょっと複雑ですよね。コナーにしっかり仕事をさせたい気持ちもあるけど，カーラとアリスには逃げてほしいし……。

だび：
　僕は全く迷わなかったですけどね（笑）。捕まえるまで行かなくても，ちょっとはハンク※に頑張りを見せないとなと思って，すぐ見つけちゃいましたよ。

※ハンク……コナーの相棒で，人間の刑事。

さがさん：
　あれ。警察に見つからないようにゆっくり出て行くとかじゃないんだ？

鼬：
　それは，廃車に泊まった人だけじゃない。

さがさん：
　廃車だと，警察にばれないように駅まで行くっていうカーラの操作パートだけだった。まぁ，見つかっちゃいましたけど。見つかった後は，コナーに操作が移って，カーラたちを追いかけるシーンになりました。

鼬：
　そこから一緒の展開っぽい。私も1周目はコナーとしてちゃんと仕事をしなきゃいけないと思って，カーラを見つけちゃったんだよね。

さがさん：
　その後，高速道路で逃げるQTEがめっちゃ大変じゃなかった？

だび：
　大変だったけど，僕はカーラたちを道路の反対側まで行かせて，コナーはハンクに従わせて追うのをやめましたよ。

さがさん：
　ハンクに従って止まる時，フェンス越しにコナーとカーラの目が合うじゃないですか。その時に思いましたね「この2人，恋に落ちるかもしれない」って！


鼬：
　さすが乙女ゲー担当（笑）。

だび：
　その発想は完全にそっち系ですよね（笑）。僕はハンクとの関係性を大切にしたかったから，ハンクの言うことには全部従いましたよ。

鼬：
　私もハンクの指示には全部従ってたなぁ。それに，このシーンだとハンクに追跡をやめるように言われてちょっと嬉しかったんだよね。ハンクの指示には従いつつ，カーラとアリスも逃がせるし。

さがさん：
　じゃあハンクとの関係性はみんな大事にしてたわけですね。

だび：
　僕はチャプター「鳥の巣」でも，「逃げた変異体を追う」or「ハンクを救う」の選択でちゃんとハンクを助けましたからね。ハンクに何かあったらもう生きていけないぐらいの気持ちでやってました。

鼬：
　あそこ，悩んだんですよ。刑事ドラマだったら，仲間を残してでも犯人を追いかけた方が喜ばれるかな？　とかいろいろ考えたんですけど，選ぶ時間が短すぎて結局「ハンクを救う」にしました。


さがさん：
　私はジャイロ操作が本当に苦手で，犯人を追い詰めるところまでいかなかったです。チャプター「エデンクラブ」とかも，クラブ内で迷子になって犯人見つけられなかったし。

鼬：
　コナーパート全滅してない？

さがさん：
　まぁ，簡単に言うとそうね（笑）。

鼬：
　ちなみに，エデンクラブは最後に犯人を追い詰めるところまで行くと，犯人を銃で撃つか撃たないかの選択を迫られますが，だびさんはどうでした？

だび：
　僕ここでボタン操作失敗しちゃったんですよね。間違えて犯人を撃っちゃって「あ，ごめん！　そんなつもりじゃなかったんだ！」みたいな感じになりましたね。

鼬：
　操作ミスあるある。しかもその1つのミスが結構響いてくるんですよねこのゲーム。私は逃がしちゃダメだと思って，ここは犯人を撃ちました。アンドロイドを殺したりすると，ハンクの好感度がすごく下がるのが印象的でした。