「デモンゲイズ2」の発売日がついに発表。発売直前の「√LETTER ルートレター」の魅力も紹介された「KADOKAWA GAMES MEDIA BRIEFING 2016 SUMMER」をレポート

　角川ゲームスは2016年6月13日，メディア向け発表会「KADOKAWA GAMES MEDIA BRIEFING 2016 SUMMER」を，東京都内で開催した。
　このイベントでは既報のとおり，同社のPS Vita用ソフト「デモンゲイズ2」の発売日が発表されたほか，6月16日発売の「√LETTER ルートレター」（PS4 / PS Vita）および，2016年内発売の「GOD WARS 〜時をこえて〜」（PS4 / PS Vita）の最新情報が公開された。

「デモンゲイズ2」公式サイト

「√Letter ルートレター」公式サイト

「GOD WARS 〜時をこえて〜」公式サイト

角川ゲームス 代表取締役社長 安田善巳氏

　発表会の冒頭では，「GOD WARS 〜時をこえて〜」のクリエイターズボイス映像が公開され，それに続いて登壇した角川ゲームス 代表取締役社長 安田善巳氏により，本作が東京ゲームショウ2016に出展されることが発表された。
　なお，現時点での本作の開発進捗率は約70％で，現在はほぼすべてのデータが実装され，パラメータの調整を行っているという。

「ミステリー女優」のベテラン声優3名が「√LETTER ルートレター」を語った

　「√LETTER ルートレター」のコーナーには，声優の日髙のり子さん，井上喜久子さん，皆口裕子さんが登壇し，本作の発売を記念したスペシャルトークを披露した。この声優陣3名はそれぞれ，「角川ゲームミステリー」シリーズの「ミステリー女優」として，本作に登場するAYA（文野亜弥），YUKARI（石原由香里），SHIORI（吉岡 栞）のボイスを演じている。

左から，皆口裕子さん，日髙のり子さん，井上喜久子さん，

　日髙さん，井上さん，皆口さんと言えばベテランの女性声優だが，この3名が同じ仕事で顔をそろえるのはなんと20数年ぶりとのこと。日髙さんは，自分が本作で18歳の役を演じることになったことを驚きつつ，お互いの名前がキャストに連ねられていることを喜んだという。
　また皆口さんは「若い声優に混じって演じるとなると，痛々しいことになるかもしれないと思っていたけれど，二人の名前があったので安心した」と冗談めかして語った。
　そして井上さんは，ゲーム内で18歳と33歳のYUKARIを演じることについて，「井上喜久子，17歳です」という持ちネタに通ずるものがあると話していた。


　ちなみに18歳の高校生を演じることに関しては，10代から20代前半の若い頃よりも，むしろ年齢を重ね，さまざまな経験を経たり，技術を習得したりしてきた現在のほうがうまくできるのではないかと3名は口々に語る。たとえば若い頃に，嬉しさと悲しさが入り交じった感じや切なさといった複雑な感情を，きちんとセリフに乗せて演技できたかというと，疑問が残るという。
　また井上さんは，新人の頃だと「ヒ・ミ・ツ」といったような，いかにもなセリフは気恥ずかしくてなかなか口にできなかったそうだが，今では頼まれなくともアドリブで入れられるようになったと明かしていた。

　「√LETTER ルートレター」はプレイによってさまざまなルートが展開し，登場するキャラクター達はそれに応じて多様な側面を見せる。それぞれを演じ分けるのは難しいが，やりがいもあるとのこと。とくに井上さんの演じるYUKARIはルートごとの振れ幅が大きいので，演じていてワクワクしたそうだ。また33歳のYUKARIはバリバリ働く女性であり，18歳の頃との差別化が図りやすかったという。
　また皆口さんは18歳と33歳のSHIORIを演じるにあたり，自らを振り返って「本質的な部分はあまり変わらず，周囲の変化に応じて立ち位置が変わるのではないか」と考えたとのこと。

　そのほかトークでは，ミステリー女優がかつての角川映画の看板女優「角川3人娘」にちなんだものであることや，YUKARIの髪型が井上さんのそれに合わせて変更されたことなどが明かされた。
　その中で，今後ミステリー女優として演じてみたい役として，しとやかな役の多い皆口さんはSHIORIのキャピキャピした姿，井上さんは魔性の女を挙げ，日髙さんは「素の自分に近い元気でのびのびとしたAYAで，ミステリーのイメージを切り崩してみたい」と語っていた。


　また角川ゲームミステリーシリーズは，日本の各地域の良さを描いていくことをテーマーの一つに掲げている。3名は今後，さまざまなところを舞台にしたいと前置きしつつも，「雪国はミステリーっぽい」と盛り上がっていた。

　トークの最後には，声優陣3名が6月16日発売の「√LETTER ルートレター」を，ぜひ楽しんでほしいとあらためてコメント。なお，このトークの映像は，ニコニコ動画の角川ゲームスチャンネルにて後日公開される予定となっている。

会場では，ミステリー女優のサイン入り色紙がプレゼントされる「『√LETTER ルートレター』発売キャンペーン」と，体験版配信の告知もなされた

「√LETTER ルートレター」の日本およびアジア地域における初回出荷本数が5万本を突破したことや，2016年内に韓国，北米，欧州でリリースされることも発表された

個人出版のサポートなどを手がける「BCCKS」（ブックス）の代表取締役 山本祐子氏（写真左）より，「√Letter × BCCKSオリジナルエンドルート募集キャンペーン」が紹介された

4つのコンセプトに沿って概要が紹介された「デモンゲイズ2」

左から，エクスペリエンス 代表取締役社長 千頭 元氏と，角川ゲームス 開発本部 部長 河野順太郎氏

　「デモンゲイズ2」のコーナーでは，まず本作の発売日が10月13日に決定したことが発表された。
　本作を紹介したのは，デベロッパであるエクスペリエンスの代表取締役社長 千頭 元氏と，パブリッシャである角川ゲームスの開発本部 部長 河野順太郎氏の二人だ。

コーナーの冒頭では，前作が好評だったことを受けて，「デモンゲイズ2」がプラットフォームもジャンルも変更することなく，PS Vita用のダンジョンRPGとしてリリースされることがアピールされた

　会場では，「デモンゲイズ2」の4つのコンセプトに沿ってゲーム内容が公開された。
　一つめのコンセプトは「スケールアップ」である。河野氏によると，実のところ前作の開発時には先のことなどまったく気にかけていなかったそうで，今回，本作を企画するにあたってはあらためてシリーズ化を前提として考える必要があったという。さらに前作が全世界30万本セールスを記録したことを受け，前作，本作，次回作の3部作なら達成不可能ではないだろうと「全世界100万本」を目標に掲げたそうだ。


　それでは具体的に何をスケールアップしたかというと，「デモンゲイズ2」ではダンジョンだけでなく，街中の至るところを探索できるようになり，ストーリーもさまざまな形で展開していくとのこと。
　またストーリーでは，主人公を含む「革命団」の冒険が描かれる。彼らの集う「ステラ座」は，迷宮探索と革命活動の拠点となり，その中でも「ラジオ放送」がキーになるという。


　千頭氏によると，こうした舞台設定のスケールアップは，ダンジョンRPGのシステムをより楽しむためのものとのことである。


　二つめのコンセプトは「もっと楽しいテーマやシチュエーション」である。千頭氏は，ダンジョンRPGファンがロールプレイを重視する傾向にあることに着目し，主人公の立ち位置としていろいろ検討した結果，「革命」をモチーフにしたことを明かした。


　主人公は，とある事件に巻き込まれ，人体改造によって作り出された新世代の「デモンゲイザー」で，左腕は前作とは異なる特殊なギミックを持った義手となっている。
　また主人公は，プレイ開始時に性格を「善」「中立」「悪」のいずれかに設定できる。往年の「Wizardry」シリーズを思わせる要素で，いろいろ想像の膨らむところだが，詳細は後日公開とのこと。


　ヒロインは，主人公の幼なじみであるミュゼとプリムの姉妹。また革命団のメンバーには，前作から引き続きカッスルとプロメスなどが登場し，ストーリーでは彼らが繰り広げるさまざまなシチュエーションが描かれていく。


　会場ではミュゼのボイスを演じる斎藤千和さんと，プリム役の小澤亜李さんから寄せられたビデオメッセージが公開された。
　齋藤さんによると，ミュゼは明るく元気で前向きな女の子で，革命団のリーダーにしてラジオのDJを務めているという。妹のプリムを非常にかわいがっている一方，主人公との三角関係に揺れ動く姿に注目してほしいとのことだ。


　また小澤さんはプリムについて，革命団のラジオで歌を披露する歌姫であると紹介。また彼女は，皆のために料理を振る舞うなど，誰かのために尽くす，ひかえめな面がある一方，芯の強さを持ち合わせた女の子とのことだ。


　河野氏は革命をモチーフにした内容により，ストーリーは前作以上にオススメできるものになるとアピール。また千頭氏は，二人のヒロイン，そしてデモンが前作以上に大きな存在感を持つことで，「ラブコメ度が前作比300％を超えるんじゃないか」と話していた。

「デモンゲイズ2」ディレクター 安宅元也氏（写真左）

　3つめのコンセプトは，そのデモン達を「もっともっと魅力的な存在にすること」である。
　登壇した「デモンゲイズ2」のディレクター・安宅元也氏は，本作に登場する新たなデモンについて「もともとは人間だった」と明かし，主人公と共に戦うだけでなく，一緒に生活する存在として描かれることを明かした。


　具体的には，デモン達は通常は「人間体」として生活しており，戦闘時には「トランス・デモン」を介して「デモン体」となり，真の力を発揮する。またデモンゲイザーとデモンが協力して放つ最終奥義もあるとのことだ。


　ここで会場には，「歌姫デモン」と呼ばれる特別なデモンのボイスを演じる声優陣3名がゲストとして登壇し，それぞれのキャラクターを紹介した。大西沙織さんは，自身が演じる「キグナス」について「クールで凛々しい，主人公の美人秘書的な存在」とする一方，「仕事以外は世間知らずな“堅物カワイイ”女の子」と表現した。
　田村睦心さんは「ドラコ」について，格闘家としての鍛錬を怠らないような真面目さを持ち，他人に頼れない性格と説明。またナイーブで，何かあると一人になりたがるという。
　長縄まりあさんは「センタウル」を，「可愛いのに，何かにつけてダジャレを言うのが残念」と話していた。
　なお，安宅氏によるとこれらの歌姫デモンはパーティメンバーとして非常に扱いやすい存在とのことで，どのデモンを同行させるか迷ったときは彼女達の中から選べば間違いないそうだ。

左から「センタウル」役の長縄まりあさん，「ドラコ」役の田村睦心さん，「キグナス」役の大西沙織さん

ベニー松山氏

　4つめのコンセプトは，「幅広いダンジョンRPGユーザーに向けたコンテンツの提供」である。「デモンゲイズ2」では，2016年秋の配信を目指し，ベニー松山氏が原作・監修を手がける大型無償DLC「PROJECT CODE -KENGOU-」を鋭意開発中とのこと。本作のゲーム本編は，どちらかと言えばダンジョンRPGのライトユーザーからミドルユーザーに向けた内容だが，DLCはハードコアユーザーに向けたものになるという。
　ベニー松山氏によると，前作のラストダンジョンを新たなものに作り替え，歯応えのある内容になっているそうだ。そのほか“和”のテイストで意外な人物が登場することや，「デモンゲイズ」シリーズの舞台とは異なる世界から来た敵と戦うことが紹介された。


　コーナーの最後には，河野氏が「デモンゲイズ2」について「開発は終盤に差し掛かっており，自信を持って皆さんにお届けできるよう頑張っております」とコメント。また，残念ながら写真撮影は禁止されていたが，会場にはゲーム本編の序盤を遊べるプレイアブルデモも出展されており，その言葉を裏付けていた。

「デモンゲイズ2」の製品概要と，予約特典も紹介された

「デモンゲイズ2」もまた，東京ゲームショウ2016に出展される

　発表会のエンディングには安田氏が再び登壇し，角川ゲームスがこれから2017年度にかけて，未発表の2タイトルを含め全8タイトルをリリースする予定であることを発表。「次回は東京ゲームショウでお目にかかれるかと思います」として，発表会を締めくくった。

8月25日発売の「レコラブ」（写真右）が，「フォトカノ」「キミキス」などを手がけた杉山イチロウ氏のプロデュースタイトルであることも，あらためて紹介された

「デモンゲイズ2」公式サイト

「√Letter ルートレター」公式サイト

「GOD WARS 〜時をこえて〜」公式サイト