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HTCのVR HMD「Vive」日本版を入手。豊富な写真と画面でセットアップまで全解説してみる
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印刷2016/04/06 12:00

テストレポート

HTCのVR HMD「Vive」日本版を入手。豊富な写真と画面でセットアップまで全解説してみる

Vive
メーカー:HTC
問い合わせ先:Vive公式サポート
実勢価格:996.48ドル(約10万9613円,送料込み,2016年4月6日現在)
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 HTC製の仮想現実(以下,VR)対応型ヘッドマウントディスプレイ「Vive」の出荷がいよいよ始まった。Valveが策定したVRヘッドマウントディスプレイ(以下,HMD)規格である「SteamVR」に準拠した世界初の製品で,最大で縦横3m×4m,対角5m程度の範囲にいるプレイヤーの位置をリアルタイムに検出できる「ルームスケールVR」を特徴とするものだ。
 Viveの特徴やコンテンツについては,製品発売前に行ったテストレポートインタビュー記事を参照してもらうとして,本稿ではHTC日本から借用した日本向けの製品版Viveを開封して,製品ボックスに何が入っているのかから,PCでのセットアップまでを写真主体でレポートしたい。

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VR空間を歩ける自由度をもたらす「ルームスケールVR」はどこがどう凄いのか? 発売直前のHTC Viveを体験してきた

「なぜVRを?」「社風ですから」HTCの開発者に聞いたVive開発秘話。独特な形のコントローラにも工夫が凝らされていた



同梱物が多いので製品ボックスもでかいVive


 それでは早速,製品版Viveをチェックしていこう。
 まずは製品ボックスだが,びっくりするほど大きい箱となっていた。実測サイズは,575(W)×420(D)×215(H)mm。幸いなことに重さは大したことがない(※大きすぎて編集部の秤では計測できず)のだが,PC周辺機器とは思えない大きなボックスだ。

Viveの製品ボックス。長辺は50cmを超える大きな箱だ
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 箱の側面には,日本語の説明書かれたシールと,日本国内で通信機器として使用可能なことを示す技術基準適合証明(以下,技適)のマークが印刷されたシールが貼られていた。Viveは一部の機器が無線通信を行うため,国内で合法的に使うには技適を取得していなくてはならず,HTCはこれを,きちんと取得しているわけだ。

外箱の背面に貼られていた日本語の説明が書かれたシール(左)。主なスペックや推奨PC環境が書かれている。バーコードが書かれたシール(右)には,技適のマークも書かれていた
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 製品ボックスを開けると,中には紙のスタートガイドが入っていた。これは,同梱物の説明や位置検出用センサーの簡単な設置ガイド,設定ソフトのダウンロード用URLなどが,英語やスペイン語,アラビア語などで書かれたものだ。ここには日本語は書かれていないので,「中身も全部外国語かな……」とちょっと不安になる。

箱を開けるとスタートガイドが入っていた。製品自体はこれを取り除いた下にある
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 スタートガイドが乗ったウレタンの緩衝材を外すと,中は複数の小箱に分かれていた。VR HMD本体は白い袋に覆われており,専用コントローラと位置検出センサーである「Base Station」がそれぞれ2基ずつあるのが分かる。各小箱には,関連する小物――ACアダプターや接続用ケーブルなど――も小分けした状態で入っていた。

スタートガイドの表面。8か国語で簡単な説明が書かれている
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いよいよ中身とご対面。同梱物は複数の小箱に分かれていた
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外箱から4つの小箱を出してみた
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赤外線センサーの凹みが独特の雰囲気を持つHMD本体

長さ5m強のケーブルはやはり邪魔


 続いては,HMDから見てみよう。樹脂製のカバーで覆われたHMD本体から,3本のフラットな布製ベルトが延びており,本体とベルトの間には,長いケーブルがぐるぐると巻かれた状態で入っていた。

ViveのHMD本体。前面についている小さな青いシールは,フロントカメラのレンズを保護するものだ
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後ろ側には,伸縮性に富んだ太い布製ベルトがある
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HMD本体とベルトの間には,長いケーブルが巻いた状態で収納されていた
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 HMD本体は,前面と側面の前側に赤外線センサーを収めた凹みが多数並んでいる。Viveのライバルといえる「Rift」や,「PlayStation VR」では,後頭部を覆うベルトにも位置追跡用のマーカーがあるのだが,Viveのセンサーは前面と左右だけだ。
 Viveは,2つのBase Stationを対角線上に向かい合うように設置する仕組みなので,背面側にはセンサーがなくてもかまわないということだろう。

Viveの前面(左)と背面(右)。前面には左右対称形に並んだ赤外線センサーの凹みがある
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Vive本体の左側面(左)と右側面(右)。横からでも多くのセンサーが見える
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凹みの部分はマーカーではなく,赤外線センサーの受光部となっている
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 本体の右側面下側には,小さなダイヤルがある。これはレンズとディスプレイパネルの間隔を左右に広げたり狭めたりすることで,「Inter Pupillary Distance」(IPD,瞳孔間距離)の調整をするためのものだ。

右側面にあるIPD調整用のダイヤル
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HMDの内側。顔が当たる部分は柔らかいウレタン素材となっている。安価なフレネル式レンズを使っているため,レンズ上に同心円状の模様が見える
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レンズ同士の距離を最も広げた状態(左)と,最も狭めた状態(右)。瞳孔間距離は,60.8〜75mmの間で調整可能だ
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Vive本体から延びるケーブル。長さは5mを超えるほど
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 以前から,Viveの問題点として挙げられているのは,HMD本体から延びるケーブルが長くて太いことだ。PCとViveをつなぐには,映像用のHDMIケーブル,データ送受信用のUSBケーブル,HMDの電源ケーブルの3本が必要になるうえ(※HMD本体からは,サウンド出力用の短いケーブルも出ている),室内を歩き回って使うという仕組みであるため,長さもかなり長い。その長さは,実測で5m強もあった。
 ケーブル自体は,太いものの柔軟な素材であるため,ユーザーの動きを妨げないように工夫されてはいる。とはいえ,長さ5mのケーブルをズルズルと引きずったまま動き回るというのは,お世辞にもスマートとはいえまい。

ケーブルを広げてみた。皮膜は柔軟な素材であるため,太いが柔らかく,簡単に切れたりはしなさそうに思える
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ケーブルは上側のバンドに沿って本体へとつながっている(左)。なお,本体からケーブルを外すことはできない。HMD本体からは4本のケーブルが出ているが,そのうち1本は,3極3.5mmミニピンのサウンド出力用ケーブルで,付属のイヤフォンだけでなく,任意のヘッドフォンをつなげることも可能だ
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 むさいオッサンの写真で恐縮だが,Viveを装着した状態の写真を掲載しておこう。バンドは上側と左右のそれぞれに面ファスナーがあって,そこで長さを調節できる仕組みだ。きつく締め付けなくてもずり落ちたりはしなかった。

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写真ではケーブルを首の横に流しているが,歩き回るVRコンテンツを体験するときは,後ろに流すのが基本となる。ちなみに,かぶるときには髪型が乱れやすいのでご注意を
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 なお,眼鏡を着用したままでもViveをかぶることは可能だが,レンズやフレームが大きな眼鏡だと,着用したままではかぶれない可能性もある。筆者の場合,レンズが小さめな普段使いの眼鏡では問題なかったが,デスクワーク時に使っているレンズの大きい眼鏡では,Viveをかぶれなかった。


PCとの接続は,付属のLink boxを介して行う


 HMD本体の次は,インタフェースやケーブルが入った小箱をチェックしてみよう。

インタフェースとケーブル類や,小物が入った小箱
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 この小箱には,HMDとPCの間に入るインタフェースユニットの「Link box」とLink box用ACアダプター,PCとLink boxの接続用ケーブル,ステレオイヤフォンや紙のガイドが入っている。このガイドはきちんと日本語化されており,日本向けに出荷される製品は,日本語ガイド付きとなっているようだ。HTCがきちんと日本市場を考慮してくれていることがうかがえてホッとした。

小箱の中身。Link boxとACアダプターやケーブル類のほか,顔に接する部分の交換用ウレタンフォームや,付属イヤフォンの交換用イヤーキャップ2種類などが入っていた
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 Link boxは,PCとの接続側にLink box用電源コネクタ,USB 3.0 Type-Aポート,mini DisplayPort 1.2入力,HDMI 1.4入力が並んでいた。HMDを接続する側には,HDMI 1.4出力とUSB 3.0 Type-Aポート,HMD用の電源コネクタがある。HMDを接続する側の端子類は,HMDから延びるケーブルと同様にオレンジ色のマークがあるので,つなげる側を間違えにくいようになっているわけだ。

Link box。電源ボタンやステータスLEDの類はない
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Link boxのPC接続側(左)とHMD接続側(右)。Link boxのUSBポートはUSB 3.0対応だが,Viveの推奨PC仕様はUSB 2.0となっているので,USB 3.0でなくてもかまわないらしい
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Link box専用ACアダプター。入力は100〜240V対応で,出力は12Vの1.5Aだった
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Base stationの小箱にはウォールマウント用の取り付け具も付属


 続けて,Base stationの小箱をチェックしてみる。小箱は二重底で,上側にBase stationが2つ,下側には関連する小物類が入っていた。

Base stationの小箱は二重底。下側に関連する小物がまとめて入っている
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小箱の中身をすべて出してみた。Base stationが2個に,それぞれ用のACアダプター,ウォールマウント用の取り付け具と留め具も,2個ずつある。束ねられたケーブルは,Base station同士を相互接続するための「Sync cable」とのことだが,通常は使わなくてすむようだ
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Base stationの小箱に入っていた設置ガイド。Viveを設置するときの重要なポイントだけに,きちんと日本語版になっていた
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 Base stationは,位置追跡用の赤外線レーザーを発信するもので,Viveのプレイエリアを挟むように,対角線上に設置するようになっている。プレイエリアをくまなく覆えるように,2mほどの高さに設置することが推奨されており,付属のウォールマウント用取り付け具を使って壁に固定するか,カメラ用の三脚を転用して,その上に取り付けて使う仕組みだ。
 ただ,センサーの視野角(※センサー角というべきか)は上下左右に120度もあるそうなので,多少低い位置でも使えないわけではない。実際,今回は170cm強の高さに設置して使ったが,とくに問題はなかった。

Base stationに電力が供給されると,上にステータスLEDが,左下にはBase stationのチャンネルを示す「チャンネルインジケータ」が点灯する。薄赤く光って見えるのが赤外線レーザーの発信部のようだ
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Base stationの背面(左)。背面には電源コネクタ,チャンネルの切り替えボタン,Sync cable用の接続端子,USB Micro-B端子がある。中央の孔はウォールマウント用の孔だ。USB端子はBase stationのファームウェアアップデート用とのことで,Viveの使用時にはACアダプタだけをつなぐのが基本となるようだ。底面(右)には,一般的な三脚を取り付けられるネジ孔があるだけ
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 なお,Link boxとBase stationのACアダプターは,見た目こそそっくりだが出力とプラグのサイズが異なる点には注意しておきたい。Link box側は1.5A,Base station側は2.5Aとなっているのだ。プラグのサイズが異なるので,間違えてつないでしまう心配はないはずだが,一応注意しておこう。


ワンド型コントローラには,ACアダプターが2個付属


 さて,最後の小箱はVive専用コントローラとACアダプターが入っている。

コントローラの小箱に入っていたもの。コントローラのストラップは最初から取り付けられていた
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 コントローラはワイヤレス式で,内蔵のリチウムイオン充電池で動作する仕組みだ。充電用の端子はUSB 2.0 Micro-Bとなっており,付属のACアダプターをつないだり,PCとつないでファームウェアのアップデートをしたりできる。コントローラが2本あるので,同時に充電できるようにと,ACアダプターも2個同梱されていた。
 なお,コントローラの詳細は,別掲のインタビュー記事を参照してほしい。

前方側から。円環部分に赤外線センサーが配置されているのが分かる
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コントローラを裏返すと,トリガーボタンがあった。グリップ部分にあるメッシュ状の部分はグリップボタンで,左右両側面にある
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グリップの中央にはボタンにもなるトラックパッドがあり,上側にはメニュー表示用のメニューボタン,下側には電源ボタンをかねたシステムボタンが配置されている
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コントローラを右手に握ってみた(左)。すっぽ抜けたりしないように,使用中はストラップを手首にかけておく。トリガーボタンは操作しやすいが,グリップボタンはちょっと押しにくく感じた
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 さて,Viveの製品ボックスに含まれているものを一通り並べてみたのが下の写真だ。コントローラの充電用ACアダプターやLink cableは常時使うものではないのだが,広い会議用テーブルがないと広げられないくらい,同梱品が多い。これを全部出したりしまったりするのは相当に面倒ではある。

Viveの製品ボックスに含まれていたもの。全部を同時使うわけではないとはいえ,かなり数が多いのは間違いない
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実際に設置してみた。ルームスケールVRを堪能するなら3×4mのスペースが欲しい


 製品ボックスの検証が済んだので,Viveのプレイエリアを構築してみよう。
 Viveは,椅子に座った状態でプレイすることも可能だが,ルームスケールVRの特徴を生かしたコンテンツを楽しむなら,歩き回れるプレイエリアを用意しなくてはならない。プレイエリアの広さとしては,小さめの2×1.5mと,広めの4×3mという2種類が推奨されているのだが,やはりルームスケールVRを堪能するには,後者のスペースが欲しくなるところだ。

ルームスケールVRのイメージ図。ソファや家具をかたづけて,4×3mの空間を確保している
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 2×1.5mでは,前後左右に数歩動いただけで境界に達してしまうので,歩き回れる面白さはあまり楽しめないだろう。そこで今回は,4Gamer編集部で広い会議室を占拠して,4×3m,対角線で5mのプレイエリアを構築することにした。
 構築といっても,難しいことはあまりない。高さ1.8m弱の三脚を長さ5mの対角線上に2本立てて,その上にBase stationを設置するだけだ。問題があるとすれば,Base stationにつなぐACアダプターのコンセントを確保しなくてはならないということ。プレイエリア上にテーブルタップのケーブルを這わせると,プレイ中に足でひっかけそうなので,なるべく外側を這わすのが得策だろう。

カメラ用の三脚にBase stationを取り付けて(左),Base stationの正面を30度程度の角度で下を向くように調整(右)。視野角が広いので,けっこうアバウトでも大丈夫
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Base stationにACアダプターを接続(左)。通電すると,モーターのような音が聞こえる。Link boxにもケーブルを接続する(右)。ただし,この時点では,まだPCにつながないように
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今回構築したプレイエリアの写真。三脚同士の間隔は約5mとした
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Viveのセットアップには最低でもSteamアカウントが必須

セットアップソフトは基本的に日本語化済み


 ハードウェアの準備が整ったら,ようやくPC側のセットアップに進む。Link boxはつなげないようにしておいて,Viveのサイトから「ViveSetup」というインストーラをダウンロードして実行する。インストーラの起動直後は英語版の画面になっているが,左下の「English」をクリックすると,表示言語を選択するメニューが表示され,そこには日本語もちゃんと用意されていた。
 インストール途中のテキストも,ほとんどが日本語化されていたが,本稿執筆時点では,セットアップの最後にあるサウンドやチュートリアルだけは,一部英語が残っていた。とはいえ,それほど難しい英語ではない。

ViveSetupを起動した直後
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左下の「English」をクリックすると,言語の選択メニューが表示される。ちゃんと日本語もあるのは,さすがHTCといったところか
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インストールに要する時間の目安。30分近い表示に驚くかもしれないが,大半は必要なソフトのダウンロードにかかる時間なので,インターネット回線が十分に速ければ短時間で終わる
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Viveの基本的な情報が表示される。紙やPDFのマニュアルがなくても,これを見れば分かるだろうというくらいだ
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必要なソフトウェアのダウンロードとインストールが始まる。テスト用PCにはSteamがインストールしてあったが,もしなければ,Steamのインストールもここで行われる
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 インストールで注意する点は,プロセスの途中で「HTCアカウント」というものを作ることを求められることだ。これは,HTC製品共通のアカウントであり,HTC製スマートフォンを使っている人でもなければ,持っていないだろう。幸いなことに,GoogleやFacebook,そしてSteamのアカウントを使ったソーシャルサインインも可能なので,PCゲーマーならSteamアカウントでサインインしてしまうのが簡単だろう。本稿でもSteamアカウントを使う前提で話を進める。

HTCアカウントの作成を求められる。PCゲーマーならSteamアカウントでサインインするのが楽だ
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Steamアカウントでサインインしようとすると,Steamへのログオン画面が表示されるので,Steamのユーザー名とパスワードを入力して[Sign in]ボタンを押す
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Steamの認証を通ると,HTCアカウントに使うメールアドレスの入力を求められる。入力後には,そのメールアドレス宛に認証メールが届くので,アカウントを認証しよう
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インストールが終了した
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 インストールが終了したら,Base stationの設置やVive本体の準備に必要な情報が表示される。日本語で丁寧に書かれているので,これを見ながら設置するのが楽だろう。

まずはBase stationの設置から
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Base stationの設置とACアダプターの接続まで説明が続く。注意する必要があるのは,チャンネルインジケータのチェックくらいか。Base stationの1台は「b」,もう1台は「c」になるよう,背面のチャンネルボタンを押して切り替える
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続いてはHMD本体(画面では「ヘッドセット」と表記)とLink boxの設置に進む
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手順としては,Link boxをPCにつないでから,HMD本体をつなぐのが推奨の接続方法。Link boxをつなぐと,各種ドライバソフトのインストールが行われるはずだ。筆者は逆にやってしまったが,とくに問題はなかったのでよしとする
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最後にコントローラのセットアップへと進む
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HTCのソフトウェアによるインストールはここまで。続きはSteamVR側のセットアップとなる
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 HTC製インストーラによる設定はここまでで,プレイエリアの設定はSteamVRのソフトウェア側で行う。インストールプロセス中に導入されているはずなので,とくに問題なく自動で切り替わるはずだ。

ルームスケールで使うか,それとも立位(※着席状態も可)で使うかを選択。今回はルームスケールを選ぶ
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必要なスペースを確保しろとの通知。ルームスケールVRには,最低でも2×1.5mは必要だ
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スペースができたら,Base stationから見える場所にHMD本体とコントローラ2本を置く
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操作するPCの画面に向かって,コントローラの1本を向けてトリガーボタンを引き続ける。基準点を決めるようなものか
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コントローラを2本とも床に置く。これで床の高さを設定する
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 ルームスケールVRのプレイエリアを設定するプロセスは,コントローラを持って歩き周り,Base stationがどこまで認識するかを指定するものとなっている。

プレイエリアの範囲を決める重要な部分に進む
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 ここでは2つの設定方法があり,基本の方法はコントローラのトリガーボタンを引いたまま,先端で外周をなぞるように歩くようになっている。一方,「詳細」というモードでは,プレイエリアの四隅でトリガーボタンを引いて,4点を指定する方法になっていた。
 筆者としては,詳細側のほうをお勧めする。トリガーボタンを引いたまま歩くと,動きによるブレが生じるためか,プレイエリアが確保した面積よりも狭くなりがちなのだ。目一杯の面積を活用したいのなら,詳細で設定しよう。

位置追跡する範囲を指定する。基本モードでは,トリガーボタンを引いたまま,外周をなぞるようにコントローラを持って歩く
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プレイエリアを指定した状態。緑色で塗りつぶされている範囲がそれだ
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 なお,設定後に範囲を編集したり,再設定することも可能なので,気に入るまで,何度かやってみるのもいいだろう。

「編集」ボタンで前後左右の幅を調整もできるが,あまり細かくは設定できない
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プレイエリアを設定したら,Viveのセットアップは終了だ
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 設定が済むと,SteamVRのチュートリアル画面に進む。ここではイヤフォンをHMDに接続して,VR HMD内の画面を見ながらValveのゲーム「PORTAL」に登場したロボットのガイダンスに従って,基本的な操作を学ぶことになる。ガイダンス音声は英語で,ここで出てくる字幕もほとんど英語なのだが,一部字幕は日本語になっていたので,将来的にはすべての字幕が日本語になると期待できそうだ。

イヤフォンをHMDに取り付けて,音を聞けるようにする。ここいらあたりから,テキストは英語になってしまう
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PORTALのロボットが登場して,コントローラの基本的な使い方を教えてくれる。字幕は一部だけ日本語になっていたが,本稿執筆時点ではほぼ英語のまま
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インストールが終わると,「SteamVR」のアプリが動作しているはずだ
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SteamVRアプリのメニューで「ディスプレイミラー」を選択すると,VR HMD側に出力している映像を,PC側ディスプレイでモニター表示できる
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 Viveの開封からセットアップまでの説明は,以上となる。
 4×3mもの面積をVive用として常時開けておくのは,よほど広くて余裕のある家でもなければ,個人宅では無理というもの。とはいえ,Viveを使うたびにBase stationを設置し直していては,使うたびにプレイエリアの設定をし直さなくてはならないので,かなり面倒になる。Base stationは,一度設置したら片付けずに済む場所に置いたほうがいいだろう。
 そう考えると,ルームスケールVRを個人宅で楽しむというのは,日本では――いやアメリカでも――かなり難しいことになるのは間違いない。やはり基本的には,アトラクション施設やイベントに向いたVR HMDといったところだろうか。

VR空間を歩ける自由度をもたらす「ルームスケールVR」はどこがどう凄いのか? 発売直前のHTC Viveを体験してきた

「なぜVRを?」「社風ですから」HTCの開発者に聞いたVive開発秘話。独特な形のコントローラにも工夫が凝らされていた

HTC Vive公式Webサイト


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