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ニンテンドー3DS「Ever Oasis 精霊とタネビトの蜃気楼」インタビュー。石井浩一氏が,新たなエジプシャンファンタジーの世界を構築するまでの秘話を聞いた
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印刷2017/07/11 00:00

インタビュー

ニンテンドー3DS「Ever Oasis 精霊とタネビトの蜃気楼」インタビュー。石井浩一氏が,新たなエジプシャンファンタジーの世界を構築するまでの秘話を聞いた

間接的な表現すべてが

Ever Oasisの世界を感じさせるための演出に


4Gamer:
 さて,ゲームの話に戻りますが,Ever Oasisというタイトルにはどんな意味が込められているんでしょうか。何となく,かつて石井さんもプレイされていたという「EverQuest」が元ネタにあるのでは? という声もあるようですが。

石井氏:
 そういう声もあるそうなんですけど,そういうわけじゃないんです(笑)。
 タイトルに関しては,「オアシス」という言葉を入れたいと話していて,僕のアイデアで「Ever」を付けたんですよね。副詞+名詞なので言葉としてはちょっとおかしくて,本当なら「Eternal Oasis」とかが正しいと思うんですが,聞いたときの語感を優先したんです。名前って何度も呼ばれるものだから,語感がいいとより感情移入がしやすくなるんです。タイトルの場合も同じで,Ever Oasisという語感にすごく納得できたんですよね。
 意味合い的にも,自分達が守り育てるオアシスが永遠に続くといいな,という願いも込められているというか。そこでの経験がその場所に永遠に残っていく……という意味を込めて,この言葉を選んだんです。

4Gamer:
 そういうことだったんですね。
 ゲームのシステム部分についても聞かせてください。物語を進めるうえでナカマになっていくタネビトやケモビトのおねがいは,その都度,聞いたほうがいいんでしょうか? あるいは放っていてもゲームは進められますか?

石井氏:
 仲間が増えれば売り上げが入ったり,使える技が増えたりするので,冒険は楽になると思います。
 ただ僕としては,あまりこちらから「こうしましょう」みたいなことは言わないようにしているんです。もちろんそれだけだと進め方が分からなくなってしまうので,序盤である程度の道筋は示していますが,「今日はこうして遊ぼう」みたいに,寄り道ができるような作り方はしていますね。

4Gamer:
 ハナミセの配置や,どこに素材を納品するかなど,オアシスの中だけでもけっこう自由に楽しめますよね。


石井氏:
 そうですね。納品についてこだわったのは,普通なら納品して終わりで,キャラもありきたりの反応をするだけということが多いと思うんですが,本作ではちゃんと翌日にお礼を言ってくれるんです。
 感謝の気持ちを伝えることって意外に大事で,現実世界なら当たり前なのに,ゲームだと頼んでいるのにやってもらって当たり前,みたいな風潮があるじゃないですか(笑)。あの雰囲気が嫌いで,タネビトごとに違うお礼を言うようにして,人間性みたいなものを出すことで,また納品をしてあげたくなるように作りました。

4Gamer:
 プレイしていると,タネビト達を好きになりますよね。

石井氏:
 イベントを組み込んで演出を見せるだけではなく,さりげないところからキャラクターに感情移入ができるようにしました。ちょっとキャラクターが多くて誰に感情移入するか迷う方もいらっしゃるかもしれませんが,現実世界でもそんなに大勢とは友達になれませんから,たくさんいる中から自分が思い入れできるキャラクターを選んで楽しんでもらえればいいと思います。

4Gamer:
 ということは,ゲーム全体のボリュームも,遊び方によって変わってくる?

石井氏:
 はい,長時間遊びたいという人はずっと遊べるでしょうし,早めにエンディングを見た人がもう少しやってみようかなと,さらに続けられるような仕組みにはなっています。

4Gamer:
 オートセーブがないとか,オアシスに戻ってから経験値が入ってレベルが上がるとか,システム的な部分でちょっと難しい印象を受けるところもありました。

石井氏:
 プレイヤー自身が自分の責任として行動を面白がれるところがゲームの魅力だと思っているので,そこをぬるくしてしまうのはどうかと思うんですよね。自分のゲームの場合,そこを少し厳しめにしてしまうんですが,その分,乗り越えたときの達成感は大きくなりますから。

4Gamer:
 やはり,狙いがあってこういう形にしているんですね。

石井氏:
 ええ。とくにセーブに関しては,最近のゲームのオートセーブはちょっと親切すぎるように思っていて,さらに自分の意志でセーブできない感じもあまり好きではなくて,今回は特定の場所での任意セーブにしました。
 オアシスに戻ってからのレベルアップについても,僕としてはそういうものなのかなと思っているんです。何より,自分ではなくオアシス中心のゲームにしたかったということがあって,オアシスに戻ってきたときの安心感と嬉しさをレベルアップと同期させることが,このゲームに合っていると思っています。冒険の成果をナカマが一緒に喜んでくれているようなことを想像してもらえればと思いますね。


4Gamer:
 確かにレベルアップのために,オアシスに帰ろうという気にもなります。

石井氏:
 それなんですよ。冒険の途中でレベルアップをしてしまうと,その先どんどん進んでいく気になって,オアシスなんてどうでもいい,と思われてしまうのは避けたかったんです。

4Gamer:
 世界観だけでなく,システムの上でもオアシスが中心にあるんですね。

石井氏:
 オアシスはみんなで大事にして,誰もが残していきたいという気持ちになるようにと考えた結果が,本作のシステムにもつながったんだと思います。

4Gamer:
 そもそもアクションRPGとして作ることに理由はあったんですか?

石井氏:
 僕はFFを作っていたときからアクションゲームを作りたくて,さらにRPG要素があればより感情移入ができると思ってアクションRPGを作るようになったんですよね。
 操作したときにすぐに反応が返ってくるうえでRPGを遊んでもらいたいということもあって,この砂漠世界に対するアプローチができたらと思って本作に入れたのが,「風魔法」なんです。あれがあることで砂というオブジェクトを,ちゃんと砂だと認識できますからね。

4Gamer:
 確かに。

石井氏:
 世界を実感することって,間接的に認識することが多くて,それをどうデータとして組み込めるかは,世界をゲームとして表現するうえで必要な要素だと思うんですよね。風魔法のほかにも砂を感じさせる演出はいくつか入れていて,それを定期的に体感できるようにして,砂漠世界を冒険していることを印象づけたかったんです。

4Gamer:
 アクション性だけでなく,砂漠世界を演出するためにも風魔法が存在する,と。

石井氏:
 僕はゲーム作りをするというよりは,自分が作り上げた世界をゲームを通してどう実感してもらえるかというところに,常にチャレンジしてきた気がするんです。だから一見無駄に思えるような間接的なものを大事にしています。背景を殴ったときに場所によって違う音がする,といったことでも世界を実感できますからね。
 逆にそれを煩わしく思うこともあるかもしれませんが,その煩わしさも含めて,その世界で遊んでいることを感じられることが本当に大事なんですよね。


4Gamer:
 なるほど。
 細かいことなんですが,敵を倒したときに敵がその場に倒れるのではなく,逃げていく演出になっているのはなぜなんですか?

石井氏:
 「カオス」の概念を表現するための演出ですね。最初から怖い生き物として存在しているのではなく,元々はその世界の生き物だったけど,世界が砂漠化してカオスが力をつけてきたことで,心の隙にカオスが入り込んで自我を失ってカオスモンスターになってしまった。そんな彼らを見て,そうならないようにどう自分を維持するのかという,過酷な世界を感じてもらう意味を込めているんです。
 それと,あまり殺伐としていない演出にしようという意図もありました。過去,可愛いキャラクターが骨になったり血を吹き出したりと,ブラックファンタジー的な演出をしてきたこともありましたけど,本作はモンスターも好きになれる存在として,「元に戻してあげる」という,自分がやっている行為も殺伐としないところに落とし込みました。だから武器も,攻撃対象を浄化させるような植物のデザインにしているんです。

4Gamer:
 聖剣伝説の頃とは,やはり石井さん自身の価値観も変わりましたか?

石井氏:
 あの頃は,王道のファンタジーを作らなければならないという使命感が自分の中にあって,そこを提示しなければならないという気持ちが強かったのかもしれません。ほかの人達は自分が影響を受けたものや好きなものの要素をどんどん組み込んで作品を仕上げていく中で,僕らは王道を提示しなければならないという気持ちで。
 そんな時期を踏まえたことで,今ならば違う価値観の表現をしてもいいのかなという気持ちが,本作には入っているかもしれません。



これまで手掛けてきた作品があったからこそ

Ever Oasisも完成した


4Gamer:
 ちなみに今回,サウンドはどなたが担当されているんですか?

石井氏:
 普段なら知り合いのコンポーザーにお願いするところなんですが,今回は新規で一から作るタイトルなので,こういう曲を作るだろうと想像できる人ではなく,新しい風を送り込んでくれる人がいいなということで,弊社サウンド担当の薦めで,セバスチャン・シュワルツさんにお願いしたんです。
 外国の方で,しかも映画音楽や民族音楽に造詣があるという人選で,実際に作ってもらうとEver Oasisの世界にきっちりはまったんですよね。

4Gamer:
 確かに世界観にぴったりマッチしていると感じました。
 そういえば,ゲーム中に「ゼルダの伝説」シリーズを思わせるような謎解きも見られましたが,やはり過去にグレッゾさんが手掛けられたゼルダシリーズなどからの影響もあるんでしょうか。

石井氏:
 ええ,それはありますね。そもそも聖剣伝説を作ったのも,アクションアドベンチャーのゼルダが好きだったというのがありますし。自分が影響を受けた作品をリスペクトして作ることは凄くいいことで,あとは完成したときにどう別物になっているかがクリエイターとしての勝負ですからね。
 そういう意味でもこのEver Oasisは,ちゃんとゼルダとは別物になっているという自負はあります。


4Gamer:
 ゼルダに影響されて聖剣伝説を作った石井さんが,グレッゾでゼルダの移植に携わっていたというのも,考えてみると面白い話ですよね。

石井氏:
 面白いですよね。デジタルなゲームで幻想世界を表現できるんだ,ということに気付くきっかけを与えてくれたのが,初代ゼルダの伝説だったんですよ。だからあの作品がなかったら,聖剣伝説どころかFFさえなかったかもしれません。
 FFのマップやキャラクターを立体的に見せたいとか,飛空艇を飛んでいるように見せたいとか,すべてをひっくるめて,今の技術でどこまで幻想世界を表現できるかという絵作りに関しては,ゼルダをプレイしてから強くイメージするようになったと思います。

4Gamer:
 そこまでの影響が……。

石井氏:
 ただ,ゼルダに限らず,昔からゲームを作ってきて,作ったものすべてに意味があって,その流れを踏襲するものなんだなと,本作を作っていて感じましたね。過去に作った作品がなければ,このEver Oasisもなかったと思います。

4Gamer:
 では,このEver Oasisにの完成度について,石井さんご自身はどういう評価をされていますか?

石井氏:
 難しいな(笑)。
 ゲーム作りの根底には,自分が遊びたいゲームを作る,というのがあるんです。過去,「コマンド式RPGはもういいかな?」と思ってアクションRPGを作ったんですが,そうするとデバッグ作業がコマンド式RPGよりもずっと楽しかったんですよ。
 自分達が作ったものを自分達が本当に楽しめるのかどうかを意識して作らないと,それを手に取ったプレイヤーに楽しんでもらいたいという気持ちがどんどん薄くなってしまう気がするんです。一番身近なプレイヤーは,自分自身やスタッフだったりするので,彼らが面白がっている姿をこのEver Oasisでは見られたので,そういう意味ではプレイヤーの皆さんにも楽しんでもらえるゲームになっているのかな,という手応えは感じています。

4Gamer:
 ゲームの発売と,遊んだ人からどんな感想が出てくるのかも楽しみになってきました。
 今日はありがとうございました。

「Ever Oasis 精霊とタネビトの蜃気楼」公式サイト

 
  • 関連タイトル:

    Ever Oasis 精霊とタネビトの蜃気楼

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