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[SPIEL’16]磁石を使ったギミックが楽しい「Mino&Tauri」をプレイ。大人から子供まで楽しめる協力型ボードゲーム
Carlo A. Rossi氏が制作した本作は,対象年齢が6歳以上に設定された子供向けゲームでありながら,大人でも熱中できる奥深さを備えたタイトルでもある。2人でも十分遊べる手軽な本作を,AMIGO Spielのブースで遊んでみた。
「Mino&Tauri」公式サイト(ドイツ語)
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磁石でくっついたコマを動かし,時間内にアイテムを集める
「Mino&Tauri」は,プレイヤーの間に立てられたボードの上に配置されたコマを,2人のプレイヤーが交互に動かし,砂時計で表示された制限時間内に,できるだけ多くのアイテムを集めるのが目的のゲームだ。
このゲームが一風変わっている点は,お互いのコマがボードを挟んで磁石でくっついているために,自分のコマを移動させると,相手のコマも同時に移動するところにある。これはゲーム上大きな意味を持っていて,ボード上に描かれた迷宮で進行が阻まれていても,相手の行動によってワープして進めてしまう。ボードの両面に描かれた迷宮は,2人のプレイヤーでそれぞれ形が異なっているため,例えば「壁の向こうに目的アイテムがあるけれど,道がふさがっていてそこまで行けない」という場合でも,反対側のプレイヤーが進めるのであれば,「引っ張って」もらうことで解決できる。もちろん,相手側のマップの構造的に無理な場合もあるが,そこはお互い様。協力してルートを探すのが,本作の遊びのキモなのである。
さらに磁石というギミックに注目されがちな本作ではあるが,砂時計を使った制限時間というアイデアも面白い。2つのコマをくっつけている磁石は,それなりに強力とはいえ,慌てて動かそうとすると落っこちてしまう。4回コマを落とすとゲーム終了というルールなので,イライラ棒とまではいかないにせよ,それなりに慎重に駒を動かす必要がある。こうした気遣いは,10歳前後の子供とってはかなり集中力がいるだろうし,大人であっても油断できないものとなっている。
コマを乱暴に動かしてはいけない一方で,制限時間内でできるだけ多くのアイテムを手に入れなくてはならないというジレンマ。これが本作に適度な緊張感を与えている。
大人も右往左往する協力プレイの楽しさ
ここまで説明したように,本作は協力プレイに焦点を当てた作品として,非常によく練られたタイトルといえる。しかし,気になるところがないわけではない。例えば,迷宮を攻略するにあたって,相手にどの程度具体的な指示を出して良いのかについては,実はルールブック上に規定がなかったりする。あるいは,にっちもさっちも行かなくなったときに,あえて駒を落下させて仕切り直すような行為についても,とくに言及はないようだった。
とはいえ,こうしたルールを詰め切れていない部分は散見されるものの,本作のは場合はそうした細々した部分よりも,磁石でくっついたコマを一緒に動かしていくというシンプルな楽しさにフォーカスしたタイトルであることは明白だ。
一応,ルールには3人以上で遊ぶ場合に使用する競争モードが用意されているのだが,これは単にプレイする2人のプレイヤーを変えながら協力プレイを行い,総当たりした結果のアイテム数で順位が決まるというもので,対戦ゲームとしての側面は非常に薄いといえる。
プレイヤーが協力して駒を進めていくゲームは珍しくないが,ボードを挟んだコマを同期させるというアイデアは,まさにコロンブスの卵的な発想といえる本作。高難度のマップを使えば,大人であっても右往左往してしまうくらいには楽しめるので,機会があればぜひプレイしてほしいタイトルだ。
「Mino&Tauri」公式サイト(ドイツ語)
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