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  • 発売日:2017/02/02
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印刷2017/04/28 15:10

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良い意味で“ネクソンらしくない”スマホ向けアクション「エビルファクトリー」の講演をレポート。グローバルに通用するエッジとは

 ネクソングループが主催するゲーム開発者向けカンファレンス「Nexon Developers Conference 17」の最終日となる2017年4月27日,スマートフォン向けアクションゲーム「エビルファクトリー」iOS/Android)のセッションが行われた。

「エビルファクトリー(Evil Factory)」公式サイト


Neopleで「エビルファクトリー」開発チームのリーダーを務めたファン・ジェホ氏
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 本作は8ビット/16ビット風のグラフィックスをはじめ,ワンミス即死のシビアなゲームバランス,ボス戦のみをフィーチャーした潔いゲーム展開,そして随所に感じられるとがったセンスなど,良い意味でネクソンらしくないゲームだ。今回の講演では,開発チームのリーダーを務めるファン・ジェホ氏により,どのような経緯でこのユニークな本作が生み出されたのかが語られた。

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 エビルファクトリーの開発チームは,初期段階で3名,最終的には5名という,いたって小規模なものだった。開発期間は15か月で,これらの数字を見る限り,社内インディーズとでも呼べそうなプロジェクトだ。実際,グローバルで通用する「エッジ」を追求するという実験的な意味合いが含まれた作品だったとファン氏は語った。

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 「最先端」を意味するエッジだが,彼らの考えるエッジを実現するため,まず最初にターゲットユーザーの設定を明確にした。具体的には「1980〜1990年代のアーケードゲームが好き」「歯ごたえのあるゲームを好むコアゲーマー」をメインターゲットとして,「グローバルの市場で受け入れられること」を目標に掲げた。多くの人や国々でそこそこの評価を受けるより,狙った層に思いきり刺されば,それ以外は重視しないという思い切ったスタンスだ。

 実際問題,ゲーム開発にかけられる時間や予算などが限られている以上,やりたい事をすべて盛り込むことはできない。その中でさまざまなニーズに対応しようとすると,どの方面も中途半端になり,差別化も行いにくいという結果に終わってしまうとファン氏。

 コアゲーマーが望む骨太のバランスにもとくにこだわったという。ファン氏によれば,最近のスマホアプリは手軽に遊べる方向に進化しすぎており,主人公も強すぎる。そのため,遊んでいて歯ごたえがないのだそうだ。そこで本作では,あえて主人公を徹底的に弱くした。
 その結果,ワンミスで即死,敵は遠距離攻撃してくるが,こっちは近接攻撃のみ,しかもメインウェポンは時限式といったシビアなシステムが選ばれた。初見のプレイヤーなら,1ステージあたり20回はゲームオーバーになって当たり前,というバランスを心がけたそうだ。

 その一方で,繰り返し挑戦するのが苦にならないように,ユーザーインタフェースやロード時間などには気を配ったとのこと。こうした工夫で,難しいステージをクリアした達成感が強く味わえるようになった。ちなみに,ターゲット層に該当するプレイヤーならピンと来るであろうオマージュもゲームの中に散りばめられている。例えば,司令官NPCのポーズは碇ゲンドウ,メインウェポンの爆風の形状は「ボンバーマン」,カットシーンの会話は「メタルギア」という感じだ。

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 グローバルで受け入れられるためには,格好良さも欠かせない。これについては,個人の感じ方に負う部分も多そうだが,ファン氏は「Downwell」などを引き合いに出し,8ビット/16ビット風のグラフィックスの格好良さは,現在でも受け入れられるはずだと力説した。韓国のPSYや,日本のBABYMETALがグローバルで受け入れられたように,コアゲーマーのルーツでもあるグラフィックスで格好良さを突き詰めれば,きっと受け入れられるとファン氏は信じていたという。

ファン氏が格好良さを感じるというタイトルの数々
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 本作は2017年2月にグローバル配信され,6日間で100万ダウンロード,35日間で150万ダウンロードを記録した。北米,ブラジル,ロシアの反響がとくに大きく,またレビューやインフルエンサー達からの反響も非常に良好だという。

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 ファン氏は,なによりも自分達が目指したエッジを実現できたところが嬉しいと語る。世界各地から寄せられた「ユニークだ」「ネクソンらしくない」などというフィードバックに目を通すのは,とても楽しいそうだ。
 配信後,AppleがAppStoreのトップページで本作を大々的に紹介してくれたのも感動したとのこと。世界市場を視野に入れて作ったタイトルだけに,この反応には強い手応えを感じたという。

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 収益はそれほど良くないそうだが,これは開発段階から織り込み済みで,今のところ想定どおりといったところだそうだ。
 個人的に気になるのが,パブリッシャであるネクソンがこのプロジェクトをどう受け止めているかだ。もし,本作のようなとがったタイトルの開発を今後も続けてくれるのなら,ターゲット層にドンピシャである筆者としても非常に嬉しい。
 とりあえず,この記事を読んで興味をそそられたという人に刺さる可能性がかなり高いゲームなので,4Gamerに掲載したインタビュー記事なども合わせて参照し,ぜひ一度プレイしてほしい。

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