プレイレポート
韓国産学園ホラーゲームの実力やいかに。「ホワイトデイ:学校という名の迷宮」のインプレッションを掲載
しかし今回紹介するタイトルは,そんなホワイトデーの甘ったるい雰囲気を容赦なくぶち壊すホラー作品。その名もズバリ「ホワイトデイ:学校という名の迷宮」(iOS / Android)だ。価格は税込み1800円(アプリ内課金あり)。
本作を手がけたのは韓国のデベロッパ,ROI GAMESだが,オリジナル版は2001年にPCゲームとしてリリースされた「White Day:学校という名の迷宮」で,その歴史は意外と古い。
「ホワイトデイ:学校という名の迷宮」は,そのPC版を日本市場向けに完全日本語ローカライズ&リメイクしたバージョンとなっており,清水彩香さん,井上麻里奈さん,加隈亜衣さんといった日本の人気声優陣が参加している点が大きなウリだ。
実のところ筆者はPC版「White Day」を未プレイだったため,このスマホ版が本シリーズを遊ぶ初の機会となったのだが,その点を踏まえたうえで,本作のプレイインプレッションをお届けしたい。
「ホワイトデイ:学校という名の迷宮」ダウンロードページ
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「ホワイトデイ:学校という名の迷宮」公式サイト
「恐怖」を際立たせる演出や,キャラクターの美麗な造形は一見の価値あり
ゲームは,憧れの女の子「四宮しずく」(CV:清水彩香)の机にホワイトデーのプレゼントを置くため,夜中に学校へ忍び込んだ主人公・山本勇人が,何者かの手によって学校に閉じ込められてしまうところから始まる。いわゆる「学校の怪談」を連想させるような雰囲気もあり,日本のホラーが好きな人なら思わずニヤリとしてしまう展開だ。ベタと言えばベタだが,そんなベタな設定が大好物というホラーファンがいるのもまた事実。筆者もその1人なので,初報記事を見たときから大きな期待を寄せていた。
また本作のデベロッパが,韓国のROI GAMESということも注目したいポイントである。いわゆるジャパニーズホラーテイストの素材を,同社がどのように料理しているのか,いちホラーファンとしても非常に気になっていたのだ。
ゲームをプレイしてまず感じたのは,夜の学校の薄気味悪い雰囲気がしっかりと表現されていることだ。オープニングシーンでは昼の学校がロケーションとして使われていたが,その明るい雰囲気と本編のギャップは実に効果的。学校に踏み入れた瞬間「あれ? 何かおかしいぞ」と,プレイヤーに得体の知れない不安を抱かせることは,ホラー作品のフックとして重要なことである。
オリジナル版がPC向けタイトルということもあり,本作のグラフィックスはなかなかの品質だ。とくにキャラクターの造形には力が入っており,女の子キャラクターも魅力的に描かれている。昨今ではグラフィックスをウリにするスマホタイトルも珍しくはないが,それでもスマホでこのレベルの映像が気軽に堪能できるのは嬉しい限りだ。
学校内を一人称視点で探索する恐怖
本作は一人称視点で校内を探索するアクションアドベンチャーゲームだ。操作方法に関しては数種類の中から選べるのだが,個人的にはスマホに最適化されたデフォルト操作がオススメだ。指で画面の一部が隠れてしまうこともあり,操作に慣れるまで少々時間がかかるかもしれないが,決してゲームの楽しさを損なうレベルで操作性が悪いわけではない。スマホゲームに慣れている人なら,むしろ快適にプレイできるだろう。
PCやコンシューマゲーム機から移植されるスマホゲームに関しては,操作性の面で課題が残るケースがどうしても目立ってしまうが,それを考えると「ホワイトデイ:学校という名の迷宮」の操作性は十分許容範囲内だ。
ゲームの舞台は学校という閉鎖的な空間だが,マップはかなり広く,探索しがいのある作りで,タイトルにもある「学校という名の迷宮」の名に恥じない迷宮っぷりである。個人的には「もう少し入れる部屋が多くてもよかったかな」と思わなくもなかったが,探索できる部屋数をあえて限定することで,プレイの中だるみを防ぐという開発意図があるのかもしれない。事実,ゲームをプレイしていてストレスを感じることはなかった。
学校内を徘徊する守衛から逃れる術は?
攻撃手段のない絶望的状況
ゲームを進めていくと,主人公と同じ学校に通う女子高生に遭遇する。それぞれ個性の強いキャラクターだが,中でも,高圧的な態度が目立つ「藤ノ井さやか」は,出会った直後から主人公をパシリ扱いしてきて最高である。選択肢によっては反発することもできるのだが,怒らせたら怖そうなので,とりあえず従っておくのが無難かもしれない。
ゲームをある程度進めると“守衛”のおじさんが登場する……と書くと,「それがどうしたの?」と思う人もいるだろうが,本作はここからが本番。守衛は,凶器を振り回しながら主人公に襲い掛かってくるうえに,目つきが普通じゃない。そう,この守衛こそが本作における「敵」キャラクターの一つなのだ。
守衛からはダッシュを使えば逃げ切れるのだが,本作には,分かりやすいエスケープポイントがなく,どこに隠れるか迷っているうちに追いつかれ,そのままジ・エンドというパターンも少なくない。
仮に逃げ切っても,まだ安心はできない。守衛は校内を徘徊しているため,探索中はつねに守衛と遭遇する可能性がある。つまり本作では,学校内の探索や謎解きのほかに,守衛からどのようにして逃げるか(隠れるか)が重要になってくるのだ。
なお,守衛に対する攻撃手段は用意されていないので,とにかく逃げることが重要。ゲーム画面の上中央に目のアイコンが出現したら,守衛が近づいてきたサインだ。部屋の電気を消したり,足音を立てないように歩いて移動したりと,守衛に気づかれないような工夫もできるので,あれこれ考えて危機を乗り越えていこう。
守衛が近寄ってくると足音がだんだん大きくなってくるのだが,その足音が緊張感を増幅させる。「早くどっかに行ってくれ!」と願わずにはいられなくなるはずだ。本作はBGMやSEも丁寧に作られているので,可能であればイヤフォンやヘッドフォンを装着してのプレイを推奨したい。とくに足音のSEなどは,恐怖感をよりリアルなものにしてくれるはずだ。
スクリーンショットを確認してもらえば分かるのだが,守衛の見た目はどうみてもおじさん。最初に遭遇した時は思わず笑いそうになってしまったのだが,彼に捕まって何回かダメージを食らうと殺されてしまうため,敵キャラクターとしてはかなりやっかいだ。ゲームオーバーになると,最後にセーブした場所まで戻されてしまうので,攻略法を掴むまでは何回も殺されてしまい,フラストレーションが溜まってしまうことも。
とはいえ,本作には激イージー,イージー,ノーマル,ハード,激リアル(ハードをクリアすると挑戦できる)から難度を選べるので,自信のない人は激イージーやイージーを選んでみるといいだろう。なお,ゲームの途中で難易度を変えることはできないので注意が必要。
さて,ここまで紹介してきた「White Day:学校という名の迷宮」だが,いかがだっただろうか。
日本を舞台にした韓国産のホラーゲームということで,その中身が気になっていたのだが,想像以上に“Jホラー”らしい作りになっていたというのが率直な感想。守衛がちょっぴりシュールに見えたり,一部の演出が若干浮いていたりと,気になるところもあるにはあるのだが,(ネタバレになるために詳細は伏せるが)ショッカー系の心霊現象もふんだんに盛り込まれており,ホラーゲームとしては間違いなく楽しめる一本といえる。
スマホ向けゲームとしては少々値が張るものの,それだけの恐怖は味わえる作品なので,ホラーファンはぜひ購入を検討してみてほしい。
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(C) ROI GAMES Corp. All rights reserved. Published by FUNPLE STREAM CORP.
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