LV9999で1000億ダメージ？　どうせディスガイアだろ？　そのとおりの最新作「魔界戦記ディスガイアRPG」を先行プレイ

　RPGひいてはゲーム史において，1000万はおろか1000億，果ては兆超えのダメージを叩き出せるバトルというのはそんなにない。というか，大抵の人たちは口を揃えて言うだろう。「どうせディスガイアだろ」。


　そのとおり。今回はディスガイアシリーズの最新作，スマホゲーム「魔界戦記ディスガイアRPG」（iOS / Android）を紹介する。開発はフォワードワークスと日本一ソフトウェアの共同で行われており，ゲームジャンルは“やり込み育成RPG”として提供される。

　本作では従来のシミュレーション要素が取り外され，シリーズ初のコマンドバトル方式が採用されている。とはいえシリーズ作品，あるいはスマホゲームらしいやり込みコンテンツは当然として，“LV9999で1000億ダメージも余裕”なぶっ飛びっぷりも健在である。

　そしてなにより，本作は「キャラクターのレベルや武具を育てる面白さはそのまま」となっている。これらの部分には，従来のスマホゲームが抱えがちであった“モバイル化に伴う雑味”がまったくない。あらかじめ宣言しておくが，ファンの期待が裏切られることはまずないと思っていただきたい。まぁ，汎用キャラメイクはできなくなったが。

「魔界戦記ディスガイアRPG」公式サイト

魔界は楽しい，みんなもおいで

　ディスガイアの物語は（今回も）魔界を舞台に，悪魔や魔王，天使や人間といった超常的な存在がわちゃわちゃと入り乱れ，善悪の価値観が逆転したギャグあり，シリアスありの話が展開していく。本作ではさらに「プレイヤーがスマートフォンを通じて魔界とつながっている設定」のため，登場人物たちがこちらに話しかけてくる形式だ。

　作中ではシリーズキャラクターたちが登場し，「最強は誰だ!?」を合言葉にした“最強魔王を目指すオリジナルストーリー”が描かれる。ラハール，アデル，マオ，ヴァルバトーゼ，キリアといった歴代の主人公はもちろん，各作品の奇抜なヒロインも含めて，個性豊かなキャラクターたちが賑々しい諍いを起こしてくれる。



　なお，シリーズ作品に触れたことがない人はこの時点で疎外感を覚えてしまうかもしれないが，なあに，そんなのは些細なことだ。ディスガイアがゲーム界にデビューしたことで味わえるようになってしまった，“禁断の数字の暴力”が生み出す快感の前では。

　もっと言えば，本作には歴代作品の世界観をダイジェストで体験できる，ストーリーコンテンツ「魔界史回想」が搭載されている。これによりメインストーリーを楽しみつつ，各作品の魅力も楽しめるようになっているので，安心して魔界に飛び込んでほしい。

※サービス開始時は「魔界戦記ディスガイア」の魔界史回想がプレイ可能

1000憶くらいじゃ足りなくない？

　ゲームの基本的な流れは，キャラクターをガチャで入手し，パーティを編成して，バトルに挑んでストーリーを進めながら，装備や転生でさらなる強化を図っていき，その先に立ちはだかるやり込みコンテンツ，さらに期間限定イベントなどにチャレンジしていくといったものだ。

　ゲームサイクルはシンプルだが，シリーズの特色を生かした絶妙な味付けのコマンドバトルと，もはや魔力を帯びていると言うほかない育成への求心力が，ゲームの面白さをがっつり補強している。スタミナに該当する「行動力」の存在がちょっぴり煩わしくも，逆にあってくれてよかったと思える程度に，ディスガイアとしての中毒性は据え置きだ。



　なお，本作では「俺はあと何回ダウンロードして，それを消して，またストアにいくのか」といった特殊な行為への配慮か，一部メインキャラクターが必ず当たる初回ガチャと，チュートリアル5連ガチャについては，結果を何回でもやり直せるようになっている。

　最高レアの☆4が排出されるのかは定かではないが（数回程度のやり直しでは出なかったと報告しておく），「これならまあいっか」と思えるくらいの結果は出やすいので，スマホゲームを久しぶりにスムーズに遊びはじめてみるのも一興かもしれない。


　メインストーリーは「アドベンチャーパート」と「バトルパート」で切り分けられている。あえて特筆するが，物語の作りはなかなか素晴らしい。その内容だが，序盤はほとんど“5タップくらいの会話で終了”と思いきった構成になっているのだ。

　それゆえにプレイ中は面倒臭さを感じることはなく，短い分だけキャッチーにまとめられた魔界話（まかいわ）が徐々に興味を侵食してくる。最初から過度に物語性を押しつけてこない軽快さが心地よい。シナリオスキップを使用する人もおそらく多くはないと思えた。これはファン以外も例外ではないはずだ。


　繰り返しになるが，バトルパートではコマンドバトルで戦う。キャラクターは敵味方関係なくアクティブになった順から行動できる仕組みで，敵はWAVE制で出現する。

　プレイヤーが取れる選択は「攻撃」「スキル」「持ち上げ」が主で，攻撃で溜めたSP（スキルポイント）を使うとスキルを使用できる。攻撃は味方同士の連携技にも派生し，このとき威力とSP充填が強化される。スキルは攻撃，補助，回復などさまざまだが，早いタイミングで全体攻撃スキルを用意できると，通常プレイもほどよく楽になる。


　一方，本シリーズ独自の概念である持ち上げは，味方の1人を持ち上げることで，持ち上げられた側は敵の攻撃を受けなくなる。敵からの攻撃対象が減るぶん，持ち上げている側やそのほかのキャラクターに攻撃が集中してしまうものの，HPが低いキャラクターを安全圏に置けるのは利点である。

　また，持ち上げた側は「タワー攻撃」と「投げる」を使用できるようになる。いずれも持ち上げた人数が2人，3人と増えるほど威力も上昇する。（ディスガイアでは）当たり前だが，プリニーを投げたら爆発する。

　ちなみにバトルスピードは1倍速〜4倍速を変更可能で，AUTO操作にも対応している。クエストの選択と終了時のリザルトは手動で操作する必要があるが，端的に言って「満員とまではいかない電車の中でも片手で周回可能」といった利便性はある。ついでにバトル中にゲームを終了しても，次の起動時に再開できるようになっている。助かる。


　そのほか，バトル前に選んだフレンドキャラクターは，行動可能なキャラクターと行動消費なしで入れ替えできる。戦闘不能寸前のキャラクターを控えに回したり，強力なフレンドキャラで難所を突破したりと，うまいこと活用しよう。本作には防御などの待機行動がないため，持ち上げる順番なども含めて，意外と考えることが多いのだ。

　また，本作ではキャラクターEXPの獲得手段がバトルに限られている（例外もあり）。EXPはバトル終了時にパーティ全体に，敵にとどめをさしたときにボーナス経験値が個別に計上される。タワー攻撃で敵を倒すと，持ち上げられているキャラクター全員にボーナス経験値が分配されるので，こういった仕組みを活用すれば育成も効率的できる。

嫌われていたらカニミソで決めろ

　キャラクターの強化要素には，レベル上限を開放する「転生」，☆の数を増やす「覚醒」，ほかのキャラクターのEXPを移す「継承」，転生で得たマナの「振り分け」がある。いずれもゲーム序盤ではHL（ヘル。お金）などが厳しいので，当面は放置でいい。限界突破にあたる覚醒については同キャラを重ねる以外に，ほかのキャラでも可能なのが嬉しいポイントだ。

　また，ショップではアイテムや装備品を購入できる。序盤はボロボロの低レアリティな武具しか売っていないが，メインストーリーを進めると開放される「暗黒議会」で議題を可決すると，お客様RANKが上昇し，品揃えも充実していく。とはいえ，ゲーム序盤に関してはドロップ中心に武具を集めつつ，ピンポイントでの利用がオススメだ。

ゲームプレイでアンロックされる「魔ビリティ屋」でサブ魔ビリティを手に入れて，キャラクターの特性を強化しよう

　サブコンテンツは，先ほど紹介した暗黒議会（カニミソなどをワイロに多数決で可決させる議会），武器のレベルや付加効果を高める「アイテム界」，タワー型コンテンツの「魔王の巨塔」，痛い思いをするほど報酬をもらえる「魔界病院」，さらにいらなくなった子を左遷して，酷使労働で骨の髄までしゃぶりつくす「魔界調査団」が存在する。

　アイテム界については知らない人のために注記しておくが，“ディスガイアのメインコンテンツ”である。そうとだけ覚えておこう。そして魔界調査団は，いわゆる放置型コンテンツだ。手持ちのキャラクターを左遷すると，通常のバトルパーティには編成できなくなってしまうが，左遷の見返りにもらえるHLが実に美味しいので，手早く金策をしたいときは非常に便利である。魔界は弱者に厳しい。



　最後に小ネタとして，プレイヤーランクをRANK15まで上げると「ユーザースキル」が開放される。これはバトル中，キャラクターの行動とは別に扱える，プレイヤー自身のスキルとなる。全体攻撃や全体強化など，好みのアクションでパーティを手助けしよう。

ユーザースキルはRANK15になると開放され，戦闘画面の左下にアイコンが追加される

　これまでのディスガイアには，戦略マップ上でキャラクターを動かして，自分なりの戦術をもって敵を倒していく楽しみがあった。その点，ディスガイアRPGはコマンドバトルとなり，キャラクターを自由に動かすことはできなくなった。ただし，それによって面白さが劣化していることはない。あくまで方式が変化しているだけだ。

　それにディスガイアはSRPGではあったが，その文法はRPGとしての趣きが強かった。だからこそ本作でも，どの敵を狙って，どのスキルで潰して，どの順番で持ち上げて，どれだけたっぷり経験値を得るか。そういう芯の部分はそのままである。マール王国の人形姫が1から2になったようなものである。こう考えればビックリするほど問題ないだろう。

　本作は現在，事前登録を実施中で，配信日については【2019年3月】が予定されている？　ようである。すでに本日が3月1日であることから，これを読んでいる人たちが遊べるようになる日も，もう間もなくかもしれないッスね。

【サービス配信開始時期決定！？】
お待たせいたしましたッス！

「ゆるっと日本一 第33回」にて、『魔界戦記ディスガイアRPG』のサービス開始時期が「2019年3月」という情報が漏れてきましたッス！！

いよいよッスね！ワシも配信まで待ちきれないッスよ〜！#ディスガイアRPG

— 【公式】魔界戦記ディスガイアRPG (@Disgaea_App) 2019年2月27日

「魔界戦記ディスガイアRPG」公式サイト