プレイレポート
「真・三國無双8」のプレイレポート。オープンワールドで描かれた大規模な戦場を思うままに攻略しよう
「真・三國無双7」から数えると,約5年ぶりのナンバリングタイトルとなる本作は,これまでのシリーズとは異なり,オープンワールドで描かれた広大なフィールドで,一騎当千の無双アクションが楽しめる作品となる。今回4Gamerでは,発売に先がけて本作をプレイする機会を得たので,プレイレポートをお届けしよう。
オープンワールド化により,自由度が増した攻略ルート
本作のメインとなるストーリーモードでは,全10章以上からなる三国志の歴史の中で,各武将ごとの物語を追っていく。まずプレイヤーは,「魏」「呉」「蜀」「晋」「その他」から好きな勢力を選び,操作武将を決めてゲームを始めることになる。
冒頭や過去のインプレッションでもお伝えした通り,今作はシリーズで初めてオープンワールドを採用し,中国全土を1枚のマップで描いているのが特徴だ。各章には,「主要任務」と呼ばれるメインミッションが用意されており,達成することによってストーリーが進行していくが,本作では主要任務をどのような手順で達成するかはプレイヤーの手に委ねられている。
例えば,曹操で始めた第1章の「黄巾平定」では,主要任務として“張角の撃破”が設定されているが,そのほかにも各地で“張梁の討伐”や“管亥の討伐”といったサブ目標となる任務が発生する。
これらの任務を達成すれば,敵の兵力を削ぐだけでなく,味方の進軍ルートが確保され,本拠地攻略が楽になるわけだ。
もちろん,これらはあくまでサブ目標なので,苦戦覚悟でいきなり本陣に突っ込むこともできるし,逆に敵を倒し十分に武将を成長させ,すべての任務を達成してから,最後に主要任務を攻略することもできる。プレイヤー次第でいろいろな攻略方法が取れるのだ。
各地でさまざまな任務が起きているので,プレイヤーは,徒歩や馬で移動するわけだが,本作のマップは,中国大陸の壮大なスケールを感じられる一方で,毎回馬で移動するにはあまりにも広大だ。
そこで気になるのが,各地へと瞬時に移動できるファストトラベルの存在だが,もちろん本作にも用意されており,自勢力が支配している拠点や,既に行ったことのある場所で,敵勢力の支配地でなければ瞬時に移動できる。そのほかにも目標地点を設定すれば,ボタンを押すだけで自動的に目標へキャラクターが移動する「オートラン」システムなど,移動をサポートする機能が備わっているので,迷うことなく目的地へたどり着けるだろう。
一新された多彩な無双アクションで敵を圧倒せよ
ゲーム進行もプレイヤー次第だが,拠点攻略の方法もプレイヤー次第だ。例えば,城に立てこもった敵を撃破する攻城戦では,「井闌」や「衝車」といった自軍の攻城兵器を城壁や城門まで護衛し突破する方法や,鉤縄を使って城壁を登り,単身で城内に乗り込み敵を撃破したり,門のかんぬきを外して味方を呼び込んだりとさまざまな攻略手段があるのだ。
矢を射ると爆発するギミックを持つ「油壷」を利用した攻撃も面白い。あらかじめ,敵が陣取っている場所から少し離れた道などに油壷を置き,敵を誘い込んだ後に爆破させると多くの敵に大ダメージを与えられる。仕掛ける油壷の数を増やせば,更にダメージが増加するので,うまく利用すればレベル差のある強敵も倒せる。敵将とは真っ向勝負が常だった従来作と違って,こういった戦法も取れる。
戦闘でのアクションシステムが「ステートコンボシステム」と呼ばれるものに一新されているのも注目しておこう。
これは,敵の状態に応じて変化する連続攻撃「フロー攻撃」,状況に応じて切り返しや追撃を行い,有利な場面を作り出す「リアクト攻撃」,敵の状態を変化させる「トリガー攻撃」,武将固有の強力な「特殊技」という4つの要素からなるシステムだ。
敵を打ち上げた後にフロー攻撃を放つと,空中に飛び上がり追撃,敵を気絶させた後には広範囲にわたる攻撃を行うなど,同じボタンを押しても,敵のステート(状態)に応じて武将の攻撃が変化する。アクションゲームに慣れていない人でも,簡単な操作で,多彩に立ち回れ,一騎当千の無双アクションが楽しめる。
普通にトリガー攻撃とフロー攻撃だけで敵を倒していくだけでも気持ちいいが,装飾品の「風火輪」を入手すると,プレイフィールが大きく変わる。風火輪は,装備していると,ほとんどの攻撃をジャンプでキャンセルできるという非常に強力な装飾品で,攻撃の隙を消しながら途切れることなく延々と攻撃を繰り出せる。軽功(空中ダッシュ)の回数を増やせる「風袋」と組み合わせて装備すれば,鬼に金棒だ。
アイテムの開発,武将との交流,景勝地探しなど,戦闘以外の楽しみも
本作では,戦闘以外の部分でもさまざまな楽しみが用意されている。
これまでのシリーズ作品では,敵将を倒して手に入れていた武器やアイテムだが,本作では,街の商人から購入したり,フィールドで集めた素材を使って開発したりできる。
開発を行うには,アイテムの作成レシピである「竹簡」と,必要な素材を用意する必要があり,使う素材の種類もさまざまだ。草原や山など各地での採取や,魚釣りや動物の狩猟などを行い,必要な素材を集めよう。
「隠れ処」の拡張も楽しみの1つだ。これは武将の自宅のようなもので,大きな街の外れにある空き家を購入することで利用可能になる。初期段階では,武将へ手紙を送る,愛馬の変更,時間の変更,衣装の選択などが可能だが,街で家具を購入し配置すると,開発,料理,BGMの変更などやれることが増えていく。どんどん便利にカスタマイズしていこう。
隠れ処では面識のある武将に手紙を送ることで,武将が隠れ処を来訪してくれることがある。来訪してきた武将と会話をすれば,友好度が上がり,繰り返し訪ねてくるようになったり,贈り物をもらえたりする。友好度によって会話の内容も変化するので,お気に入りの武将に積極的に手紙を出して,一緒に隠れ処でのひとときを楽しもう。
また,美しい景色を楽しめる「景勝地」の存在も見逃せない。景勝地として設定されているのは,「万里の長城」や「泰山」など中国大陸の名所で,訪れればちょっとした観光客気分になれる。
インパクトがあるのはやはり「万里の長城」だろう。その長さは圧巻の一言で,積雪地帯から砂漠地帯へとまたがっているため,地域の天候ごとにさまざまな顔を見せるのもポイントだ。
泰山 |
銅雀台 |
景勝地のほかにもゲーム内には,劉備,関羽,張飛が義兄弟の契りを結んだ桃園や,諸葛亮の石兵八陣など,三国志ファンにとって印象深いスポットが再現されている。戦いの合間にこれらの場所を転々とし,三国志の物語に思いを馳せるのも一興かもしれない。
従来作のシステムを見直し,シリーズに新しい方向性を示した意欲的な作品
冒頭でも述べたように,本作はオープンワールドを採用していることが大きな特徴だが,オープンワールド系のRPGとは少し違い,シリーズのキモともいえる戦闘描写を進化させることに重きを置いている作品だと感じた。
フィールドで偶発的に起きるイベントや探索要素などは,オープンワールド系RPGに比べるとあっさりしているのだが,戦場の描写は,三国志における戦いがどれだけ大規模だったのかが表現され,進化を遂げている。「真・三國無双」の最新作として新しい方向性を打ち出した作品で,これからのシリーズ展開がどうなっていくのかも楽しみになるようなタイトルと言えるだろう。
ゲームのボリュームも十分で,筆者が曹操で適度にサブ任務をクリアしながらプレイしたところ,第4章クリア(官渡の戦い終了まで)の時点で既に10時間以上が経過していた。面白さがプレイ時間で推しはかれる性質のゲームではないが,章の長いキャラクターならクリアまでプレイするだけでもかなりの時間を要するだろう。ましてや全キャラクターのシナリオを追いかけるとなると,どれぐらいの時間がかかるのか想像もつかない。
「従来のステージ制やアクションシステムはマンネリ気味だ」という人も,新鮮な気持ちで楽しめるので,興味を持った人はぜひプレイして,スケールアップした真・三國無双の世界を体験してほしい。
「真・三國無双8」公式サイト
- 関連タイトル:
真・三國無双8
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