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「SINoALICE」コンサートをレポート。ゲームの世界観が完璧に再現された演奏に会場大盛況! ギシンとアンキも登場して……!?
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SINoALICE CoNCERT 〜ギシンとアンキの愉快な音楽祭
日時:11月23日 (金)【昼公演】14:30開場/15:00開演【夜公演】18:30開場/19:00開演
11月24日(土)【昼公演】12:30開場/13:00開演【夜公演】16:30開場/17:00開演
場所:ニッショーホール
クリエイティブディレクター:ヨコオタロウ
音楽:岡部啓一(MONACA)
演奏:室内管弦楽団(ピアノ&ギター&ハープ&コーラス)
主催:ILCA
制作:LIVE ASIA
制作協力:inLYNK
運営:サンライズプロモーション東京
協力:スクウェア・エニックス/ポケラボ
<セットリスト>
01. 決戦ノ前歌/決戦ノ咆歌
02. 偽書ト世界
03. 甘美ナ記憶
04. 精霊ノ迷路
05. 呪縛ト蓄積
06. 無為ナ迷路
07. 無為ナ末路
08. 圧殺ノ饗宴
09. 焚殺ノ饗宴
10. 鏖殺ノ予感
11. 決戦ノ斉歌/敵軍ノ咆香
12. 孤独ノ迷路/茫洋ノ記憶
13. 鏖殺ノ饗宴
会場内は,「シノアリス」の世界観がそっくりそのまま再現されたステージ,雰囲気が漂っており,「これからなにが起こるのだろうか?」というようなワクワクとドキドキといった感情が駆け巡っているようだった。
開演時間が迫るとゲーム内でお馴染みのギシンとアンキの場内アナウンスが会場内に響き渡る。しかし,直ぐに中断されてしまい,「シノアリス」のプロデューサーを務める前田翔悟さんのアナウンスに変わると「ギシンとアンキによる場内アナウンスを試みようと思いましたが,あまりにも聞き取りにくく,非常時の案内を流す場内アナウンスなのに『流石にこれはなしだろう』と上層部に判断されましたので,僭越ながら私が場内アナウンスをさせていただきます」と,開演前からギシンとアンキに関するトークを披露し,観客の笑いを誘っていた。
開演すると1曲目にも関わらず「シノアリス」の世界へ飛び込んでしまったかのような錯覚に陥っていくのが視界から,空気から,感情から分かった。そして,楽器1つ1つの音が鳴りやむと同時に,会場からは大きな拍手が巻き起こり,コンサートのスタートを飾った。
1曲目が終わると,音楽を担当した岡部啓一さんがステージに登壇。自己紹介をしつつ,観客に向けて「1曲目聞いていただきましたけれど,すごく良くないですか? 良くないですか?」と自身も演奏を聴いて興奮されているような様子がうかがえた。また,「本日は『ギシンとアンキの愉快な音楽祭』ということで,2人も頑張って気合いを入れて準備をしているということなので,なにが愉快か探しながら,愉快な面とシリアスな演奏を皆さんと一緒に楽しみたいと思っております」と伝えて,挨拶を締めくくった。
「シノアリス」の音楽はどの場面でも,寂しさや切なさなどの負のイメージを感じさせる,シリアスな雰囲気の曲が特徴的な印象だ。それを「コンサートで披露する」となると,表現の仕方が中々難しくなってくるように思える。暗くなりすぎると観客の心も中々掴めないだろうし,明るくなりすぎると「シノアリス」の世界観から離れてしまうと感じたからだ。しかし,演奏を聴くとそんな軽率な考えは一気に吹っ飛んでいった。楽器1つ1つの音が「シノアリス」という世界観を理解しており,しかもそれが混ぜり合っているにも関わらず,耳に入ってくるのは何1つ欠けていない完璧な「シノアリス」の音なのだ。観客全員がステージに釘付けになっていたことだろう。
また,曲間では約5回にわたって,ギシンとアンキのやり取りがステージ上で披露された。いつものようにおふざけ感が満載で観客は終始,笑いが止まらない様子。岡部さんが冒頭の挨拶で述べていたように,シリアス調な演奏中のステージとは一変してユーモアあふれるコミカルな演出が施されているので,これには誰もが驚きを隠せなかっただろう。演奏中はコミカルさを感じさせない程の空気間が漂うので,よりステージのメリハリも感じられた。
途中では,ギシンとアンキがゲームをプレイしている皆にプレゼントキャンペーンを実施。なんでも,会場の拍手の大きさを計測して,良かったらガチャを引かせてくれるのだとか。さっそく,計測を試みてみると会場は大きな拍手で包まれるが,ギシンとアンキからは「あと一息のところで届きませんでした」とのことで,ガチャは引かせてくれず……。次の曲間で登場した際にもう一度,計測に挑戦していると“大成功”とのことで,なんとかガチャを引かせてくれることに。「ここまで茶番に付き合わせたのだから,さすがに良いモノをくれるんだろうな」と誰もが心に思うなか,ステージ上の大きな画面でガチャの結果が映し出されるが……ちょっとあんまり喜びにくいモノがずらり。ギシンとアンキは悪びれる様子もなさそうにしており,思わず「ちょっと!」とツッコミたくなるが,そこは何故か憎むことのできない2人。これもアオキさんの腕が光る演出ということで,関心するべきなのであろう。
終演後には,本コンサートの主軸となった面々がステージに登壇。1人1人思いのたけを込めたメッセージを観客に伝えていった。そのあとには「シノアリス」で恒例ともいえるプレゼントコーナーが行われた。ギシンとアンキにはちょっと騙されてしまったが,こちらは誰がもらってもすごく喜ばしいモノとなっていたので,観客は安心したことだろう。
プレゼントコーナーが終わり,これでコンサートも幕締めか……と思いきや,最後はお別れの曲が披露される。「どこまで楽しませてくれるんだ」と感じつつ,貴重な「シノアリス」のコンサートを見納めるのであった。次回の開催も楽しみで仕方がないが,「シノアリス」をプレイして,きっとこのスタッフの方々ならまたやってくれると信じて待っていたい。
公演終了後,音楽を担当した岡部啓一さん,コンサートマスター兼メインアレンジャーの白須 今さん,コンサートの映像と演出を手掛けるアオキタクトさん,シノアリスのプロデューサーを務める藤本善也さん,前田翔悟さん,シノアリス原作・クリエイティディレクターをヨコオタロウさんへの合同インタビューが行われたので,そちらの内容もお届けしよう。
――1回目のコンサートを終えられての率直な感想をお聞かせください。
岡部啓一さん(以下,岡部氏):
リハーサルスタジオから結構何回かやってきて本番前にもリハーサルをしていたんですけれども,演奏が始まると思った以上に皆さん緊張されていて,リハーサルよりもちょっと固い感じがありました。けれど,しばらくすると温まってきて,集中力も上がって,やっぱり本番ならではの緊張感ある演奏になって、すごい素敵になっていたと思います。演出と演奏のギャップもすごすぎて,お客さんの気持ちが行ったり来たりで大変だっただろうなと思いながら僕も見てました。
白須 今さん(以下,白須氏):
最初はやっぱり,僕たち演奏する側も緊張していました。シノアリスのお客様って僕のイメージですと暗い方が多いのかなと思っていたんですよ(笑)。でも違って,すごい暖かいお客様ばっかりだったので,段々と演奏する側も緊張がほぐれてきて良い演奏ができたのかなと思います。お客様のおかげです。ありがとうございます。意外とアオキさんの映像のおかげだとも思っています。
アオキタクトさん(以下,アオキ氏):
率直な感想は「疲れたな」と(笑)。来なかった人に「あ〜行けばよかった!」と思わせるのが僕のテーマだったんですけれども,とにかく話題になりそうなものをたくさん置くっていう。「こういうことをやっていたよ」「ああいうことをやっていたよ」と言ってもらえるようなものをたくさん用意しようと思い,いろいろ仕込みを入れてんですけれども,そのせいで死ぬような思いをして(笑)。本当に大変だったんですけれども,ぼちぼちやりきれたのかなというような気分ではいます。
藤本善也さん(以下,藤本氏):
いや〜すばらしかったですよね。ゲームのリリースから1年半経ってないんですよね。で,このコンサートができるって……本当にお客さんのおかげです。実は馴染みのお客様って結構いらっしゃって,カフェにも行ってるから分かるんですけれども,さっきお話を伺ったら「鳥肌がずっと立ってた」「演奏がすばらしかった」「またやってください」と言われました(笑)。喜んでもらえたらすごい良いなあと思っていたので,ちょっとホッとしましたね。
前田さん(以下,前田氏):
昨日,一昨日,1人で夜な夜な会議室にこもってアオキさんに渡された台本を夜中のポケラボの会議室で読むということをやってました。本番はハードル設定が低めくらいだったのに,笑って下さった皆さんのお陰で会場が温まったというか。失笑くらいがちょうど良いみたいな。さっきも最後入ったとき,失笑があったじゃないですか。登場するだけで失笑みたいな……(笑)。
ヨコオタロウさん(以下,ヨコオ氏):
僕,実はしばらく風を引いておりまして,このコンサートの映像を全部アオキさんに任せていたんですね。そしたらこのありさまだったんですけれども……アオキさんに任せて良かったなと思いました(笑)。
――ギシンとアンキのアオキさんのあの映像でお客さんとつながりができたのかなと思うのですけれど,あれは当初の狙いどおりだったんですか?
アオキ氏:
そうですね……まず,ソーシャルゲームならではのことをやれたらなと思い,ヨコオさんからヒントをいただきました。「縦画面とかいいんじゃない?」とヨコオさんから言っていただいて,最初はギシンとアンキの2人がキャラの紹介とかするくらいでいいんじゃないかなと思ったんですけれども,「それだけじゃなあ」と思うようになって,MCトーク増やしていこうとなったらどんどんあんな感じになっていきました。ポケラボさんにも「なんとかしてプレゼント配りたいんだけど」とお願いしてあんな流れになりました。
――今,実際に端末にも入っているんですか?
前田氏:
そうです、そうです! チェックしなきゃ!
――今回のコンサートでお気に入りのポイント,気合いを入れたポイントなどをお聞かせいただけたらと思います。
岡部氏:
コンサート前に取材していただいたところとか,パンフレットとかでも言っているんですけれども,開催にあたって,めずらしくしくヨコオさんと楽器構成の規模だったりだとか,そういったところで結構意見が衝突したというか。あーでもない,こーでもないと言って結果,それを見かねた大人たちがお金をいっぱい出してくれて,楽器を増やしてくれたんですよ。で,結構ご無理を聞いていただいたんですけれども,実際,ホールで聞いたときに無理を言っただけの音の暈というか,そういったものがちゃんと出たんじゃないかなと思いました。そこは楽しんでいただけたら嬉しいなと思います。
ヨコオ氏:
それ俺のおかげ?
岡部氏:
結果ね(笑)。
――今回,いろんなパートさんが演奏されているにも関わらず,すごく息がピッタリだなと感じたんですけれども,皆さんでなにか「こういうコンサートにしよう」みたいに掲げていた目標とかはあったんでしょうか?
白須氏:
僕の中では岡部さん,ヨコオさんが作る音楽というのは“無機質の中に感情がある”というか。言葉には言い表せないんですけれども,そういうものを皆に共有してもらいたいなと思っていて。やっぱり演奏となると感情を豊かにというのがクラッシックとかは当たり前にやるというのがあるんですけれど、岡部さんのときは“感情を押し殺した中の感情”みたいな。そういうものを引き出せたらいいなみたいな思いでこだわってましたね。それはみんなに共有しておこうと。あとは,唯一ここだけメジャーコードが出てきますとか(笑)。シノアリスの楽曲には暗い和音がよく使用されているんですけれども、その中でも少し明るさ、希望があるようなコードがあったりすると「ここちょっと大事に」みたいなのがありましたね。本当に一瞬なんですけれども。
岡部氏:
「いまチラっと出たな」というところを結構大事にしてやってもらいました。でも僕も自分が演奏しないので,弦の人とかこうやって絵で見ると皆の指が揃っていたりして,すごい綺麗ですよね。シンクロ感があるというか。それがサウンドトラックで聞くのとコンサートで聞くのと大分違って楽しんでもらえるかと思います。僕も結構,観客としても楽しませていただきました。
――白須さんはこれまでゲームの音楽に関わることというのはありましたか?
白須氏:
コンサートは初めてですね。ゲームの仕事はしたことがございます!
――今回,アレンジもなさっているということで,これまで白須さんがやられてきた音楽とゲームの音楽でなにか大きな違いとかはありましたか?
白須氏:
やっぱり戦うシーンだったりとかは同じフレーズが何回も繰り返されたり,ストリングスでも刻みがずっと続いていたりだとかが1分の尺であって。ずっと刻んでいるという曲が中々やってこなかったので,それを参考にしなければいけないというのはありましたね。その中でもフレーズ間を出したりだとか,フォルテとかピアノとかを付けたりだとか,そういうのをしながら作っていきました。
岡部氏:
短い曲を付け加えていただいているとことか,生演奏ならではのフレーズ感とかを出していただきました。
白須氏:
最初のリハから大分変わりましたよね。
岡部氏:
そうですよね。構成とかもすごい良い感じになりました。
――スマホゲームは短めの音楽が多いですからね。
岡部氏:
そうですね。それがリハーサルを経て作っていった感じがありました。普段も収録とかしていると弦楽器とか管楽器とかクラッシック的な楽器は時間も限られているので,譜面に書いたことを忠実にしていただくとか。その中でメリハリを付けていただくというのが多いんですけれども今回、白須さんのリハーサルを拝見していると結構,リハーサルでもどんどん作っていく感じがありました。「あ,こういう作り方はされるんだ」と。やっぱり僕にはできないやり方だなと思い,すごく勉強にもなりましたし,今日はすごい「完成したな」と思って聞いていました。やっぱりコンサートマスターの白須さんの最後の切りとか、ちょっと大げさにやることで皆が見て合わせるているのを見て「あ,こんな感じでまとめていくんだな」と新鮮な気持ちになりました。
――ありがとうございました。
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