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  • 発売日:2018/02/15
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「ツインスティック・プロジェクト」でバーチャロンの未来を切り開きたい。亙 重郎氏とタニタの責任者に企画へ懸ける思いを聞いた
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印刷2018/07/14 00:00

インタビュー

「ツインスティック・プロジェクト」でバーチャロンの未来を切り開きたい。亙 重郎氏とタニタの責任者に企画へ懸ける思いを聞いた

画像集 No.001のサムネイル画像 / 「ツインスティック・プロジェクト」でバーチャロンの未来を切り開きたい。亙 重郎氏とタニタの責任者に企画へ懸ける思いを聞いた
 2018年6月8日,タニタは,セガゲームスの「電脳戦機バーチャロン×とある魔術の禁書目録 とある魔術の電脳戦機(バーチャロン)」(以下,禁書VO)のPlayStation 4版に対応するコントローラ「ツインスティックVTX」(バージョン・タニタ・エキストラ)のクラウドファンディングプロジェクトを開始した。

 7月30日の23:59まで行われているこの「ツインスティック・プロジェクト」は,体組成計などの健康計測機器や「タニタ食堂」などで知られる健康総合企業のタニタが指揮を執っていることや,2億7700万円という日本のクラウドファンディングの最高額を塗り替える大きな目標金額でも注目を集めている。

 今回4Gamerでは,本企画の指揮を執るタニタの久保彬子氏と,セガゲームスのバーチャロンシリーズプロデューサーで知られる,“Dr.ワタリ”こと亙 重郎氏にインタビューを実施し,プロジェクト発足の経緯やタニタと亙氏が目指すバーチャロンの未来などを聞いてきた。

画像集 No.002のサムネイル画像 / 「ツインスティック・プロジェクト」でバーチャロンの未来を切り開きたい。亙 重郎氏とタニタの責任者に企画へ懸ける思いを聞いた

「ツインスティックVTX」のクラウドファンディングプロジェクトページ(CAMPFIRE)

「TANITA ツインスティック・プロジェクト」特設ページ


4Gamer:
 本日はよろしくお願いいたします。
 さっそくですが,今回のプロジェクトが発足したきっかけをお聞かせください。

タニタ 新事業企画推進部
久保彬子氏
画像集 No.007のサムネイル画像 / 「ツインスティック・プロジェクト」でバーチャロンの未来を切り開きたい。亙 重郎氏とタニタの責任者に企画へ懸ける思いを聞いた
久保彬子氏(以下,久保氏):
 今回のお話は,弊社社長の谷田千里がセガさんに話を持ち掛けたところからプロジェクトが始まりました。

4Gamer:
 谷田社長はバーチャロンが好きだとうかがっています。

久保氏:
 はい。以前谷田がセガゲームスの松原社長とお会いしたときに,禁書VOではツインスティックの発売予定がないという話を聞いていたそうで,谷田自身も非常に残念がっていました。そこで今回谷田が「それなら,タニタで作れないだろうか」と動いた結果,私が責任者になってプロジェクトを立ち上げることになりました。

4Gamer:
 亙さんがプロジェクトについて聞いたときはどう思われたんでしょう。

セガゲームス バーチャロンシリーズプロデューサー
亙 重郎氏
画像集 No.015のサムネイル画像 / 「ツインスティック・プロジェクト」でバーチャロンの未来を切り開きたい。亙 重郎氏とタニタの責任者に企画へ懸ける思いを聞いた
亙 重郎氏(以下,亙氏):
 私は開発の取締役経由でプロジェクトのことを知ったのですが,最初は「難しそうな話ならお断りをするように」という厳しめのトーンで話が降りてきました。
 実は私自身,今までタニタさんがどんな会社なのかもあまり存じ上げていなくて,谷田社長がバーチャロン好きなことも知らなかったので,「それくらいの温度感の案件なんだな」と最初はちょっとドライな気持ちだったんです。
 ところが実際久保さんにお会いしたら,ものすごく前のめりに「ぜひやらせてください!」とグイグイ迫られるのでびっくりしました。「あれ? 私が思ってた温度と全然違うぞ」と(笑)。

4Gamer:
 久保さんはそんなにハイテンションだったんですか。

久保氏:
 「作りたいと思ってるんですけど……いや,作っていいですよね!?」ぐらいの勢いだったかもしれません(笑)。「ぜひこのプロジェクトをタニタとしてやってみたいんだ!」という気持ちをぶつけさせていただきました。

亙氏:
 最初は温度差もかなりありました。禁書VOのツインスティックは,さんざん社内で検討して諦めた経緯がありましたので,やはり「どうなのかな」という気持ちがあったんです(関連記事)。

4Gamer:
 セガ側は最初慎重だったんですね。

亙氏:
 ただ,自分の中にも「ツインスティックがあったらいいな」という気持ちはありましたし,我々もだんだんとタニタさんの勢いに押されていきました。
 今では,自分たちが諦めた高いハードルをタニタさんがこれからどうクリアしていくのかと,心配な半面,楽しみに見守らせていただいてます。

4Gamer:
 高いハードルというのは,具体的にどういう部分でしょうか。

久保氏:
 一番のハードルはやはりお金の面です。
 今回は久々のバーチャロン新作ということもあり,過去に発売されたツインスティックの金型はすべて破棄されていて,イチから作らなければならない状況でした。結局設計図から作っていくことになるわけですが,それには膨大な予算が必要なんです。

4Gamer:
 外から見ていても,採算を合わせるのは相当大変だろうなと感じます。そのために受注生産ではなく,クラウドファンディングという形で支援を募っているのでしょうか。

久保氏:
 それもありますが,一番の理由は,ツインスティックを本当にほしいと思う人たちと,対話しながら商品を作りたいと思ったことです。
 商品を作りたい私たちと,商品がほしい人,取り組みに支援していただける人が知恵や資金を持ち寄って商品化を目指す。本当にファンの方が望む商品を作る手段として,クラウドファンディングは,ものづくりにおける1つの可能性になるのではないかと考えたんです。

4Gamer:
 亙さんは今回,資金調達がクラウドファンディングで行われると決まったときはどう思われましたか。

亙氏:
 日本のクラウドファンディングでは,今回のような数億円レベルの高い金額が集まった前例がまだありませんので,私は面白い取り組みだなと思いました。
 クラウドファンディングについて「今までと違う新しいスタンスでものづくりをやっていきたい。こういうやり方もあるんだ! というケースを結果として残していきたい」と谷田社長がおっしゃっていたのも印象的でした。

リターンでツインスティックが得られる支援プランは,1口5万5400円(税込)。合計5000口を目標に支援を募っている
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4Gamer:
 ただ,2億7700万円という目標金額は,日本におけるクラウドファンディングの最高記録を塗り替えるほど大きい額です。ここまでになることは当初から想定されていましたか。

久保氏:
 やはり設計からとなると少なくとも億はいくだろうと思っていました。大きい金額なのですが,これでもシビアな額なんです。

4Gamer:
 クラウドファンディングに対してファンやバッカーからはどういった声が届いていますか。

久保氏:
 製品自体に対するご要望や,「ぜひ達成してほしいです!」「見守っていきます」という温かいお声を多くいただいています。「学生時代にプレイしていて,妻と出会うきっかけになった」という方や「目標達成のために10台買いました!」という方もいらっしゃいましたね。
 また,個人だけなく,取り組み自体に協賛いただけた法人の方もいらっしゃって,本当にありがたい限りです。

4Gamer:
 バーチャロンを愛する人たちが各所から集結しているんですね。

久保氏:
 そうですね。タニタが旗振り役になって,ファンの皆さんと商品を作っていく形ができつつあるのかなと思います。


久保さんが初めて触ったコントローラは「ツインスティック」


4Gamer:
 そもそも,久保さん自身はどのような経緯で今回のプロジェクトに関わることになったのでしょうか。

久保氏:
 プロジェクトに関わることになったのは社長からの指名です。私は現在,新事業企画推進部という,新しい取り組みからタニタのファンを作っていくことをミッションに据えた部署に所属しています。

4Gamer:
 セガとタニタと言えば,以前からTwitterでやり取りされていて仲のいいイメージがあります。

久保氏:
 そうですね。最近ではセガサターンの体組成計の企画でコラボさせていただきましたし,Twitterでも弊社の担当が仲良くさせていただいています。なにかと一緒にさせていただくことが多く,最近社内では「セガ部」なんて呼ばれることもありますね(笑)。

セガサターン体組成計(関連記事
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4Gamer:
 社内には「バーチャロン部」があるという噂もお聞きしていますが,久保さんもそのメンバーなのでしょうか。

久保氏:
 いえ,私自身は今回のプロジェクトに携わるまではバーチャロンはおろか,いわゆるビデオゲーム自体もプレイした経験がありませんでした。亙さんにも相当ご迷惑をおかけしているのではないかと……。

4Gamer:
 バーチャロンの用語がまるで分からなかったと。

久保氏:
 それよりもっと初歩の段階だったかもしれません。そもそも亙さんが話されているのが,バーチャロンの専門用語なのか,ゲームの一般的な用語なのか,ツインスティックの部品の用語なのか,そういった区別すらつきませんでした。

亙氏:
 恐らく最初はまっさらだったんだと思いますよ。ツインスティックの話をしているときも,マイクロスイッチとか,ユニバーサルジョイントとか,ワッシャーとか言っても,うつろな目をなさってたので(笑)。

久保氏:
 「ユニバーサルジョイントのここのリング部分が折れるんだよ!」と言われても「え,どこですか?」と必死になって写真を探していた記憶があります。

亙氏:
 「ああ,大変そうだな」と思って見てました(笑)。

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久保氏:
 社長の谷田を始めとして社内の詳しい者にいろいろ用語を教えてもらったり,情報を集めたりしながら何度も何度も打ち合わせを重ねていきました。

4Gamer:
 ということは,久保さんにとっては,人生でプレイする初めてのゲームがバーチャロンで,初めて本格的に触ったゲーム用コントローラがツインスティックになるわけですか。

久保氏:
 そうなりますね。もう完全にツインスティックに慣れてしまって,これから「ゲームパッドでやれ」と言われても,満足に動かせないかもしれません(笑)。
 よくファンの方が「ゲームパッドじゃなくて,ツインスティックじゃなきゃダメなんだ!」とおっしゃっていますが,私自身も同じ気持ちですし,つい力が入ってスティックを折ってしまう気持ちも分かってきました。ツインスティックVTXでは,折れにくさもポイントにしています。


「一生もの」のツインスティックは,商品のお届けがゴール地点ではない


4Gamer:
 さて,ここからはツインスティックの中身についてお聞きします。先ほど「ツインスティックが折れる」という話がありましたが,今回はその点をどのように強化されていくのでしょうか。

亙氏:
 今回パーツを作るのは,過去にもツインスティックの開発に携わった三和電子さんですが,彼らは過去の製品でユーザーから寄せられている意見を踏まえて,折れる原因がどこにあるのかをすでに掴んでいるんです。
 ただ,今回は金型が既に廃棄されてしまっている状態からの製品化なので,過去の製品を改修するという形ではなく,過去の問題点を踏まえた上でイチから設計し直す形を採ることになります。

ツインスティックVTXは,過去の製品より折れにくくなり,傾斜可能角度も深くなるという
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4Gamer:
 支援ページには,アーケード筐体の交換パーツとしての販売も視野に入れて開発を進めているとありました。

久保氏:
 はい。細かいところまでは決定していないんですが,もともとアーケード筐体の使用にも耐えられるぐらいの強度を持ったものとして開発しますので,商品化の際にはそういう可能性も見据えていきます。

4Gamer:
 ちなみに,今ゲームセンターにあるバーチャロンの筐体は,スティックが壊れた場合どうなるんですか。

亙氏:
 もうパーツの新品がないので,お店で動かしているところはニコイチ修理をしたりとか,廃棄された筐体を買ってきて動くものとパーツを組み合わせて直したりされてるみたいです。基板も1枚だけでは動かないので,3枚買ってきて組み合わせたものを動かすということをされているとか。

4Gamer:
 だましだましでなんとかやり繰りされている状況なんですね。

亙氏:
 はい。万が一CRTがぶっ飛んだり,基板がなくなったりしたら終わりですし,ツインスティックも今あるものが最後の1本というお店もあるようです。あらかじめスティックのストックを持っているところもあるようですが,やはり限界はありますよね。

4Gamer:
 ということは,もしこのプロジェクトが成功すれば,三和さんのスティックが交換パーツとして復活するかもしれないと。

亙氏:
 その通りです。

4Gamer:
 私も昔ゲームセンターで折ってしまった申し訳ない過去があるので,そうであるならぜひ実現してほしいですね。
 今回はメンテナンスのしやすさも改善されているとのことですが,その点はいかがでしょうか。

亙氏:
 ツインスティックVTXは,「一生もの」ということを謳って開発する予定で,メンテナンスのしやすさには気を使っていただいてます。過去にツインスティックをいじった経験のある方なら,自分で開けてメンテナンスもされるでしょうし,そのあたりもフォローしたいと思っています。

4Gamer:
 ファストン端子接続を採用したり,配線を長く取ったりして,分解しやすくするということでしょうか。

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亙氏:
 そういうイメージです。過去の商品はコードの長さがギリギリに取られていて分解しにくく,修理しようと思ってもかなり大変だったので。
 そのあたりは最初からセルフメンテナンスをすることを前提とした配線にして,ツインスティックの寿命を長くしようと考えています。

4Gamer:
 サポートを厚くしてくれるのはとても嬉しいですね。望まれている方も多いと思います。セルフメンテナンス前提の構想ということでしたら,パーツの個別販売も行ってほしいところですが,現在支援ページには「パーツのみのご注文は承っておりません」と書かれています。今後もパーツ販売の予定はないのでしょうか。

久保氏:
 現在は未定ですが,ご要望が多ければ,パーツのみの販売も可能性としてはあります。

4Gamer:
 それはぜひ実現してほしいですね。
 亙さんから製品について要望や希望は出されましたか。

亙氏:
 先ほどの「一生もの」という話にもつながりますが,タニタさんには,ツインスティックというデバイスだけを提供するのではなくて,ファンの視点に立ち,アフターフォローも含めてどういったサービスをしていくのかを考えて取り組んでほしいとお伝えしています。

4Gamer:
 商品の提供がゴールではないと。

画像集 No.013のサムネイル画像 / 「ツインスティック・プロジェクト」でバーチャロンの未来を切り開きたい。亙 重郎氏とタニタの責任者に企画へ懸ける思いを聞いた
亙氏:
 はい。まず耐久性を追求して堅牢なものを作る。それでも壊れたときは,どういうフォローができるのかを見据えてほしいとお願いしています。なので,スペアパーツのばら売りは私としても実現してほしいところなんです。

4Gamer:
 スティックの操作感についてはいかがでしょうか。

亙氏:
 入力のフィーリングはアーケードのものに近づけるようにお願いしています。
 具体的には,「オラトリオ・タングラム」や「フォース」のツイン筐体に採用されたタイプの物に近づけてほしいと話しています。最も世の中に流通しているツインスティックですし,現在動いている筐体もほとんどがこのタイプです。あれが皆さんの最も見覚えがあって,慣れ親しんだものだろうと。

4Gamer:
 なるほど。

亙氏:
 バッカーの皆さんも,もっとタニタさんに要望をぶつけたらいいと思いますよ。久保さんを始め,プロジェクトに携わってる人たちは,製品仕様についてユーザーの声が聞きたくて聞きたくて仕方がないと思いますし,どんどん意見を寄せて作っていくのがクラウドファンディングですしね。

久保氏:
 はい。これから皆さんと対話しながら商品を作りたいと思っていますので,Twitterや支援ページからご意見をお待ちしております。


ゲームは楽しく健康になれる可能性を秘めたツール


4Gamer:
 タニタさんは,そもそもなぜゲーム事業へ取り組もうと思われたのでしょうか。

久保氏:
 弊社はこれまでも健康づくりの間口を広げるために,タニタ食堂やTwitterなどといった取り組みを進めてきました。今回のゲーム事業も,そういった新しい取り組みの一環として始まったものです。

4Gamer:
 実際のところはともかく,一般的に「ゲームは不健康な趣味」というイメージが強いと思います。6月には,WHOがICD(国際疾病分類)の最新版「ICD-11」に,いわゆる「ゲーム依存症」を盛り込むことを決めたという大きなトピックもありました(関連記事)。タニタさんは「ゲームと健康」についてどのようにお考えでしょうか。

画像集 No.012のサムネイル画像 / 「ツインスティック・プロジェクト」でバーチャロンの未来を切り開きたい。亙 重郎氏とタニタの責任者に企画へ懸ける思いを聞いた
久保氏:
 私たちは,楽しむということは心の健康にプラスの影響があると思っていますし,ストレスの解消にゲームはすごく効果的だと考えています。依存症の話も,食べ物も食べ過ぎたら肥満になってしまいますし,結局はバランスの問題になるのかなと。
 また,楽しく健康になるツールとしてゲームはとても魅力的だと思います。例えば「Pokémon GO」は,ポケモンを集めるためにいろいろなところを歩き回りますが,プレイヤーは健康になりたいと意識して運動しているわけではないですよね。健康のために何かをするのではなくて,楽しいことをしていたら健康になる。私たちはゲームのそういう部分に大きな可能性を感じているんです。

亙氏:
 私もゲームがメンタルに及ぼすプラスの影響はあると思いますね。健康ってフィジカルな部分に注目が集まりがちですが,どんなに肉体的に健やかでも,メンタルがガタついていたら,その状態は健康な状態であるとは言えないと思います。
 自分たちが心から楽しいと思える趣味を続けていくことは何も悪いことではないですし,その結果として心が豊かになっていけば,それが健康な状態へとつながる道の1つになるのではないでしょうか。

4Gamer:
 バーチャロンに関しては体力も結構使いますよね。一試合終わったら汗だくなんてこともよくありました。

亙氏:
 将棋指しも対局の途中で甘いものを食べて糖分を補給していますが,バーチャロンもプレイしていると本当にお腹が空いてくるんですよ。
 バーチャロンは,敵の動きや自分の動き,そして今フィールドに存在する敵の弾,障害物との位置関係など,常に頭の中にフィールド全体をイメージしながら戦うので,とてもアタマを使うゲームです。

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4Gamer:
 へとへとになりますよね。

亙氏:
 代謝というのは筋肉を使うだけなくて,脳を働かせることでも促されるということなのだと思います。もしかしたらツインスティックは,ゲームと健康におけるシンボリックなデバイスなのかもしれませんね。

久保氏:
 実はツインスティックVTXでも,最初は体組成計機能をつけようとか,ゲームと連動して心拍数が計れないかという案もありました。今回は,費用や製作期間の問題などでそこまではこぎつけられませんでしたが。

4Gamer:
 タニタさんはそういったゲームと健康についての取り組みに関して,ツインスティックのほかに計画があるんでしょうか。

久保氏:
 次の展開というのは具体的に決まっていませんが,各方面からさまざまなお声がけをいただいており,反響は非常に大きいです。
 私たちもゲームと健康という分野でまだまだやれることはあるのではないかと思いますし,弊社の事業フィールドが広がっていくことにもつながりますので,ぜひこれからもいろいろなチャレンジをしていきたいですね。


ツインスティックVTXの成功でバーチャロンの未来を切り開きたい


4Gamer:
 さて,かなり露骨な質問となりますが,現在集まっている約4600万円という金額は,想定より上ですか下ですか。

※インタビュー実施日:2018年6月28日の金額。7月14日の時点では約5200万円となっている

久保氏:
 うーん……6月中には1億円を達成したいと思っていたので,想定したものよりは下というのが正直なところです。

4Gamer:
 二の足を踏んでいる人がいるとしたら,現段階で,PS4の禁書VOでしかツインスティックVTXが使えないことも要因の1つだと思います。Steamなどで過去作を配信すれば一気に需要が上がりそうですが,そういった予定はありませんか。

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亙氏:
 そこは先立つものがないとどうにもならないですね……。今は1つ1つを形にしていくことで,次の可能性へとつなげる段階だと思います。

4Gamer:
 ぜひ配信していただきたいですが,やはり難しいですか。

亙氏:
 今の時点では,具体的にセガが何かするという話はありません。
 ただ,もし今回の企画が成功すれば,「セガとしてもキチンと取り組んでいかないといけないじゃないか」という動きにもつながりますよね。

4Gamer:
 タニタさんの取り組みが成功すれば,それが今後のバーチャロンの展開に影響するかもしれないと。

亙氏:
 そうですね。まずは今ツインスティックに対応していない禁書VOのソフトをアップデートするところから始めたいと思っています。

4Gamer:
 商品化されたあかつきには,ぜひタニタさん主催のバーチャロン大会なども開催してほしいですね。そのときはぜひ谷田社長にも出ていただいて。

久保氏:
 いいですね! 商品化のあかつきにはぜひやりたいです。

亙氏:
 タニタカップの開催! 夢が膨らみますね。

久保氏:
 私たちも「このプロジェクトを成功させて,バーチャロンの次のステージを開くんだ!」という思いです。プロジェクト終了までまだ時間がありますので,セガさんと協力しながら皆さんにご支援していただけるよう尽力します。

4Gamer:
 残りの日数でタニタさんがどんな取り組みをなさるのか期待しています。
 さて,そろそろお時間ですので,最後に4Gamer読者にメッセージをお願いします。

久保氏:
 ツインスティックVTXは「一生もののツインスティック」ということをコンセプトに商品化を目指しています。このクラウドファンディングの成功がバーチャロンにとっても新しい展開につながる可能性もあると思っておりますので,ぜひファンの方はもちろん,取り組み自体に共感いただける方もぜひ,プロジェクトページからご支援いただければとてもありがたいです。

亙氏:
 今回タニタさんが提供するツインスティックは,商品だけではなく,ファンに総合的な体験の喜びを届けることを目指しています。「一生もの」というふれ込みにはまさにそういう意味が込められています。
 無事クラウドファンディングが成功したら,「亙もぐずぐず言ってないで,ゲームを作れ!」とタニタさんから言われる未来もやってくるんじゃないかな? なんて,私もびくびくしながら期待しています(笑)。
 もしダメならダメでお金は戻ってきますので,ちょっとでも興味のある人はとりあえず支援していただいて,ぜひこのお祭りに参加してほしいです。

4Gamer:
 本日はありがとうございました。

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「ツインスティックVTX」のクラウドファンディングプロジェクトページ(CAMPFIRE)

「TANITA ツインスティック・プロジェクト」特設ページ

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