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「ハッカーズメモリー」でアポカリモンの実装も発表。「デジモン」生誕20周年をテーマにした公開生配信のレポートをお届け
この生配信では,現在デジモンゲームのプロデューサーを務める羽生和正氏と,K-CAFEの店主であり,「デジモンストーリー サイバースルゥース」シリーズのサブクエストでシナリオ原案を務めた渡辺浩弐氏の2人がMCを担当。ゲーム,アニメ,漫画の関係者たちをゲストに迎え,デジモンの歴史や,未来についてが語られた。本稿では,全3部構成,約3時間という長丁場で深いトークが行われた生配信のレポートをデジモンゲームの話題を中心にお届けする。
※使用している画像は生配信からのスクリーンショットです。
まず,デジモンシリーズのメインデザイナーである渡辺けんじ氏,かつてバンダイにてデジモン開発担当を務め,現在は声優として活躍しているボルケーノ太田氏,アニメ「デジモンアドベンチャー」シリーズのディレクター角銅博之氏がゲストとして登場し,液晶ゲームからアニメ化までのデジモンの世界観についてトークを披露した。
トークは,渡辺けんじ氏が描くデジモンのデザインの話からスタートし,デジモンの立ち上げ当初にイメージしていたデザインコンセプトについてファンからの質問を交えながら語った。
究極体に2足歩行のデジモンが多いことについては,「4足歩行のデジモンを作るとアニメの関係者から『描きづらい』と言われたり,商品の開発部門から『4足は売れない』といわれたこともあるから……」と大人の事情が絡んだぶっちゃけたトークも披露された。
デジモンのコンセプトは,電脳空間で発生した自己進化するAIと最初から決まっていたが,デジモンの住む世界について詳しく掘り下げられたのは,「デジモンペンデュラム」以降だという。
ボルケーノ太田氏は,「当時『週刊少年ジャンプ』と『Vジャンプ』で連載があったデジモンペンデュラムは,記事の内容に幅を持たせる必要があり,世界観の構築が求められていた」と語り,出版社からの要望に答える形で徐々に世界観を構築していったという。そうして考えられた世界観は,PSソフト「デジモンワールド」でさらに広がり,ここで固まったものが後のアニメにも生かされていった。
アニメの企画について角銅氏は,「十五少年漂流記のようなものにしようと進んでいた」と語り,企画の段階ではタイトルも「デジモン島漂流記」と呼ばれていたそうだ。
また,デジモンアドベンチャーの選ばれし子供たち8人のうち,最初にデザイン案が決定していたのはその中の5人で,それ以外の3人やパートナーデジモンの組み合わせなどは,後から決まっていったものだという。
デジモンアドベンチャーでは,パートナーデジモンと子供たちの関係性や,「進化」が子供たちの心の成長とイコールで描かれていることが大きな特徴だ。これについては「人間の進化の可能性が異世界に存在するパートナーデジモンで,自らの可能性であるパートナーに出会うことで最終的に人類全体の進化を描くことをバックボーンとして設定していた」と語られた。デジモン全体のキーワードである「進化」の解釈をうまく当てはめたことで,アニメは面白いものに仕上がっていったのだという。
「アニメと原作の設定の違いについて,バンダイから注文があったのか」という質問に対してボルケーノ太田氏は,「デジモンが進化した後は進化したままの状態にして欲しい」と言っていたという。この点はアニメと液晶ゲームで特に異なる箇所なため要望を出したそうだが,結局聞いてもらえなかったと笑いながら語った。
しかし,その結果,毎週のアニメの中で進化シーンが挟み込むことができるようになり,象徴的な見せ場が作り出せたのだから,角銅さんの判断は正しかったと当時を振り返っていた。
続いて「誕生20周年を迎え進化するデジタルとデジモンについて」と題された第2部では,第1部から引き続き出演の角銅博之氏と,新たにアニメ「デジモンテイマーズ」のシリーズ構成を務めた小中千昭氏をゲストに迎えてのトークが披露された。デジモンテイマーズの話題を中心に,当時や現代のIT世界を絡めたアニメシリーズの深い話題が繰り広げられた。
そして第3部では,ハッカーズメモリーの裏話やデジモンゲームの展望についての話が語られた。
角銅氏曰く,「デジモンは,あくまでも現代のデジタルガジェットで認識できるから,“デジモン”と呼ばれているのであって,古くは妖怪,式神というように認識されていたり,その時代によって見え方変わってきたものなのではないか」というデジモンに対する解釈を持っており,羽生氏は,ハッカーズメモリーや前作を作るうえで,その考えに強く影響され,科学だけではなく,神話やオカルトといった要素を絡めて世界観を構築し,ゲームを作り上げていったのだと語った。
渡辺けんじ氏とボルケーノ太田氏は,「小さい液晶ゲームからここまで世界観が広がることは嬉しい,僕らだけはこうはならなかった」と20周年を迎え,さまざまな解釈がなされていることについて喜びを見せていた。
生放送の終盤では,羽生氏は,引き続き「デジモンストーリー」や「デジモンワールド」に加えて,子供たちの心の成長と「進化」をイコールで描くような新しい挑戦もしていきたいと,デジモンゲームの展開を話しており,今後のデジモンの展開に期待の持てる内容でトークは締めくくられた。
関連記事:「デジモンストーリー サイバースルゥース ハッカーズメモリー」の羽生プロデューサーにインタビュー。本作の見どころや今後の展望を聞いた
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