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信長の野望・大志公式サイトへ
  • コーエーテクモゲームス
  • 発売日:2017/11/30
  • 価格:通常版:9800円(+税)
    TREASURE BOX:1万3800円(+税)
    GAMECITY & Amazon.co.jp限定セット:5万2800円(+税)
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本日発売「信長の野望・大志」プレイレポート。現代的なストラテジーに進化しつつも,強く打ち出すのは武将の人間ドラマ
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印刷2017/11/30 00:00

プレイレポート

本日発売「信長の野望・大志」プレイレポート。現代的なストラテジーに進化しつつも,強く打ち出すのは武将の人間ドラマ

 コーエーテクモゲームスの看板タイトルとも呼べる「信長の野望」シリーズ。その最新作である「信長の野望・大志」PC / PS4 / Nintendo Switch)が本日(2017年11月30日)発売となる(iOS版は12月下旬,Android版は2018年内配信予定)。
 シリーズ15作目となる本作は,これまでのシリーズ作品からどう変わり,どのような面白さを持っているのだろうか。
 今回はPC版で織田信長を選び,天下統一するまでを遊んでみたので,そのプレイ感をレポートしたい。

画像集 No.001のサムネイル画像 / 本日発売「信長の野望・大志」プレイレポート。現代的なストラテジーに進化しつつも,強く打ち出すのは武将の人間ドラマ

 最初に断っておくと,筆者はかつて「大志」のβバージョンと,東京ゲームショウ出展バージョンを試遊している。そのときは天下統一まで見届けたわけではないが,製品版のゲームシステムはその頃から大きく変わっていないように感じた。
 以下で簡単に「大志」の概要を紹介しておこう。β版の紹介記事を既に読んでいるという方は,飛ばしていただいても問題ない。

●大名プレイ
 プレイヤーは戦国大名の立場でゲームをプレイする(武将を大名に昇格させてプレイすることも可能だが,その場合でもあくまで立場は「大名」となる)。ゲームの目的は全国にある国の半数以上と二条御所を手に入れて「惣無事令」を発すること(=天下統一)だ。

●大名の個性と方向性を決める「志」
 大名それぞれの政治指針が「志」として設定されている。志は2つの特性に分かれ,それぞれの特性は大名家に対してさまざまなメリットやデメリットを与える。また「志」はAIの行動方針にも影響を与えるほか,大名と配下武将の関係性にも影響する。例えば大名と武将の「志」が相容れない場合,「登用したのに不満がたまって出奔」ということもあり得るのだ。

●セミリアルタイムのターン制
 1ターンは1か月で,ターンの間はリアルタイムで進行するが,いつでもポーズをかけられる。また,リアルタイムで素早く対応すべきことが発生することはあまりない。

●ゲームの骨格は「内政」「外交」「合戦」
 細かい人事などにこだわることもできるが,基本的には内政・外交・合戦の3つを采配する。

●商業ネットワークの構築がメインの内政
 日本全国に無数の「商圏」が設定されており,そこに進出していくことで経済基盤を固めていくのが「内政」の基本となる(進出済の商圏に投資して育てるのも大事)。農業はコマンドを出せるのが3ターンに1回で,プレイの比重としてはそこまで重くない(「民忠」「武将の忠誠度」の管理も同様)。

●合戦の前哨戦となる外交
 他勢力との関係は,「志」の相性などによって“天井”がある程度決まる。とはいえ,普段から「奏者」を派遣して「心証」を上げておかないと,いざ合戦となったときに,周辺勢力がみな相手側につく,といったことにもなりかねない。外交の重要性は高く,「戦う前に勝てる状況を作る」のが王道だ。戦国時代でボッチはダメ。ゼッタイ。

●士気のマネジメントと機動力の活用がものを言う合戦
 合戦は,両軍の部隊が「行軍」し,遭遇したエリアで「決戦」を行うという流れになっている。各エリアには展開できる兵士数の上限が設定されているうえ,勝敗基準は兵数でなく「戦況」なので,大軍を編制して「戦争は数だよ」と楽観していると,狭いエリアでゲリラ戦を仕掛けてくる相手に一杯食わされかねない。決戦では複数ユニットによる「挟撃」によって敵部隊の士気を崩すのが基本となるので,機動力のある部隊を攻防においていかに扱うかが重要だ。

●技術ツリー的な「方策」と,それに関わる「評定」
 さまざまなストラテジーゲームに見られる技術ツリー的なシステム「方策」が実装された。方策には金銭収入が上がったり,他勢力との関係改善がしやすくなったりといった,さまざまな種類があり,獲得には季節ごとに1度行われる評定で,配下武将の「提案」を採択することで得られる「施策力」が必要だ。

シナリオは8種類(TREASURE BOX限定特典や早期購入特典まで含めると11種類)
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強く感じる「武将の物語」


 前置きが長くなってしまったが,プレイレポートに移ろう。

 本作でプレイヤーは天下統一を目指すわけだが,「何が何でも自分以外の戦国大名を日本地図から消し去らねばならない」わけではない。婚姻によって同盟を結んだ勢力は「天下統一のために一緒に戦うチームメイト」とみなされるし,日本をほぼ席巻できた段階で「惣無事令」が発令し,エンディングを迎えることもできる。これはシリーズの伝統とも言える仕様だが,そのうえで,今回筆者が強く感じたのは,武将の強烈なキャラクター性である。

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 1988年リリースの「信長の野望・戦国群雄伝」で「武将」という概念が導入されてから,「信長の野望」はそのマネジメントという側面を強く持つようになり,武将の個性(分かりやすく言えば「キャラ立ち」)がプレイヤーに強い印象を与えてきた。
 織田家プレイで「結局信長が直接殴るのが一番強いな」と感じたり,筒井家で「島左近先生,やっちゃってください」と念じながら戦ったりしたプレイヤーは少なくないはずだ。

 つまり武将のキャラクター性はシリーズにおける醍醐味なのだが,「大志」においては,これがかつてなくプレイヤーの心に残るように感じられた。
 その理由は,大きく2つ挙げられる。

 1つ目は,「評定」だ。
 評定においては前述の通り,配下の各武将が「提案」をしてくれて,その採用によって,方策の獲得に必要な施策力(およびさまざまな追加効果)を得るという形になっている。
 当然,多くの施策力をもたらしてくれる武将は必然的にプレイヤーの印象に残りやすい。例えば柴田勝家の提案が「軍事の施策力を+40してくれる」となれば,「さすが鬼柴田だ,少なくとも戦まわりでは頼りになるな」と実感できるというわけだ。

 一方で,誰が提案をしてくれるのかには,ランダム性が絡む。このため「国家の基盤を強化するために,農業関係の方策を取得していきたいな」と思っているときに柴田がしゃしゃり出てきて「今は乱世ですから暴力っすよ暴力。私の提案を採用してくれれば軍事に+40です」みたいな提案をされると,「もうちょっと空気読もうか?」という気持ちにもなる。

一部の大名は,評定で自身の提案を選ぶこともできる
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 また,史実では相容れなかった大名や武将が配下になったときも,評定では面白いことが起こる。
 例えば織田家が本願寺を滅ぼし,本願寺顕如(信長の宿敵とも言える存在)を配下に加えたとしよう。この段階でもすでに面白いのだが,そんな顕如が評定の場に「外交なくして戦争なし」みたいなことを言いながら登場して,議論の施策力+40だの+50だのを提供してきたりすると,「この世界の信長はどんな顔してこの提案を聞いてんのかな」的な気持ちが自然にこみ上げてくる。配下武将が物言わぬ駒ではなく,一人の人間に感じられるのだ。

 もう1つが,「決戦」だ。
 決戦において,武将はさまざまな特殊能力「戦法」を使える。一般的なところでは,敵味方ともに移動速度を激減させる「足止め」や,部隊の防御力を上げる「臨戦」などがあり,これ以外にも武将固有の戦法も用意されている。
 これも最近のシリーズ作品ではおなじみの要素だが,「大志」でこれをさらに加速するのが,決戦において家臣が提案してくる「作戦」だ。

 「作戦」には,ある部隊が囮になって敵を引きつける「十面埋伏」,敵の本陣を見つけたら味方の切り込み隊が突入していく「本陣斬込」といったものが存在する。
 この作戦と武将の特殊能力が組み合わさると,ときに強い印象を残す決戦が発生する。筆者の場合は,本願寺顕如が味方の士気を上げる戦法「門徒鼓舞」を使いながら「本陣斬込」で突入し,多重包囲をものともせずに本陣を撃破して勝利したという決戦だ。たぶんあれは味方もドン引きしていたと思う。

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 ともあれ,「評定」や「決戦」において武将が引き起こす思いがけない出来事は,プレイヤーの心に強く「印象」として残る。戦国時代がテーマのアクションゲームには武将の個性を強調した作品も多いが,ストラテジーゲームでありながら荒唐無稽になることなく,ここまで強く武将の個性と物語を表現しているのは,「大志」の大きな魅力と言えるだろう。


外交の成否が家の存続を決める?


 キャラクター性に続いて,ゲームシステムにフォーカスしよう。
 まずはタイトル名にもなっている「志」だが,β版のときと同様に「まずは大志に掲げられているメリットが発生する条件を満たすべく動く」というのが初動として適切だと改めて感じた。
 また,「志」は「AIの傾向」と「外交の相性」も示しているので,自身だけでなく,他家のものも確認しておくべきだ。

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 ただ,今回のプレイではそれと同じくらい,大名と配下武将の相性で「志」の存在を強く感じた。具体的に言うと,大名と相容れない「志」を持つ武将を登用しても,不満を募らせて出奔してしまうことがあるのだ。

 このため人材を登用するときには,まずは「志」の相性に注目したほうがいいだろう。例えば信長の「天下布武」なら,同じように鉄砲や商業を重視する志の家臣から支持を得やすく,忠誠が高まる。

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 続いて内政だ。
 次々に新たな商圏へ進出し,経済基盤を強化していくのは,端的に言ってそれだけでも楽しい。通常,3勢力が進出している商圏には新たに進出できないのだが,織田家の「志」には4勢力めとして進出できる特性があるのでなおさらだ。
 そのため「目指せ全国展開!」となりがちなのだが,さすがにそう簡単にはいかないようになっていた。というのも特に織田家の場合,ほかの商圏へのルートが敵国(ないし潜在的な敵国)によって封鎖されているためだ。

 具体的に言えば,関東方面は今川家,関西方面は本願寺家と斎藤家によって封鎖されている(斎藤家は,斎藤道三が主君の間は同盟相手だが,謀反が起こると敵国になる)。
 このため,「外に伸ばす」だけでなく,自国内の商圏に対する投資も必要になってくるだろう。また,資金繰りの厳しい序盤でギリギリの運用をしていると,何か事故ったときに「足軽に払う来月の給金がありません」ということになるので,資金運用は計画的に。

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 一方で内政のもう1つの柱である農業は,β版のときと同様に,そこまで強い印象が残る要素ではなかった。個人的な感触としては,1年に4回ある農業コマンドで何かするよりも,農業関連の「方策」を成長させていくほうが重要だと感じた(ただし,これは兵農分離を基本とする織田家ならではかもしれない)。
 このため農業に関しては,それなりにゲームに慣れてきたらAIに委任してしまうのも良いだろう。委任については後ほど詳しく解説するが,「大志」では行動分野ごとに委任のオンオフができる。

 また,本作の農業では,1年のうちに投じることができる労力や良種に限りがあるため,ある季節で全てを使い果たすと、ほかの季節で何もすることがなくなる。委任しないのなら計画的な運用が重要になるだろう。

方策には「水路整備」「開墾支援」といった農業関連のものも多い
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 次に外交だが,「大志」ではこれが非常に重要だ。
 本作においては,「他国との関係は暴力以外持たない」という方向性は,まずうまく行かないように思う。その方針で行くと他国の心証が悪くなり,あっという間に巨大な包囲網が作られてしまうからだ。

 しかも「大志」のAIは,率直に言って実に目ざとく,まるでハイエナのようである。
 大国Aと大国Bの間で戦争が始まり,そこに別の大国CがA国に対して援軍を提供したといった場合,「所領拡大」などの志を持ったD国はすかさずB国に合戦を仕掛けてくる。こうなるとB国の勝ち目が極端に薄くなるのは分かるだろう。

 B国のような状況を避けるべきなのは当然として,A国あるいはD国のように,大きな損害を出さずに領土を広げられればかなり“おいしい”。なので,そんな理想のビジョンを描きつつ,外交を繰り広げるというのが,「大志」における基本路線となるだろう。

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マクロからミクロまで,可能性の大きな「戦争」


 「合戦」については,特に語るべきことが多い。
 最も重要なのは,繰り返しになるが「数は力」は絶対の方程式ではないということだ。従来の「信長の野望」が,カネとコメで国を富ませ,相手を上回る軍勢で殴りかかるというのが最も確実で,天下統一への王道だったが,それだけだと「大志」では勝てない。

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 実際に「小よく大を制する」パターンを,紹介しよう。
 大国Aが小国Bに宣戦布告したとする。Aは2万の大軍勢,一方迎え撃つBの兵はわずか2000と,これまでのシリーズ作品であれば,極端な武将の能力差でもない限りAの勝利は間違いないところだ。
 だが前述したように,「大志」では「戦場に入れる兵隊の数」に上限がある。つまりBは「上限2000」のエリアで迎え撃つことで,2万対2000ではなく,2000対200の対等な戦いに持ちこめるのだ(正確には,上限数以上の兵で決戦に臨んだ場合,開始後に少しずつ兵が増えていくのだが,非効率であることに変わりはない)。

 そして「大志」では,決戦における勝敗が,国の「戦意」に影響を与える。AがBとの決戦に負けた場合,兵がまだ残っていたとしても,その戦意は落ちているので,合戦の継続はよく考えたうえで判断すべきだろう。逆にBは戦意が上がっているので,籠城すれば城が落ちづらく,停戦交渉も有利になるなどいいことずくめ。場合によっては逆にA国への侵攻も考えられるなど,戦略の幅が広がるのだ。

 となると問題は「いかにして決戦を制するか」という戦術的な話になる。決戦では「敵部隊の士気をくじき,戦況を自軍に引き寄せる」のが目的になるが,敵の士気を削ぐには複数の部隊による挟み撃ちや十字砲火が効果的だ。

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 実際のところ,「大志」においては「6000人の部隊1つ」より「3000人の軍勢2つ」のほうが基本的に強い。感覚としては2000人の部隊2つでも十分に戦えるくらいである。

 そのため,理想の編制は「正面で敵の攻勢を受け止められるくらいの数で作られた,できるだけ多くの部隊(最大で9)」ということになる。仮に7部隊の敵に9部隊で挑めば,それだけで十字砲火が2か所で作れることになるのだから。

 では部隊数が同じだったり,逆に敵より少ないときはどうするか。ここで何を活用するか(できるか)は,プレイヤーの方針と大名家の状態次第だ。
 本願寺顕如や前田慶次,島左近,あるいは島津家の面々といった武将であれば,その能力や戦法に任せて正面からぶつかれば,やがて敵部隊は崩れるだろう。機動力に富んだ騎兵を多用できるのであれば,敵の対応が間に合わないうちに包囲を作って敵の部隊を敗走させることもできる。黒田官兵衛や竹中半兵衛といった優れた軍師がいれば,「作戦」を活用するのもいいだろう。
 そしてこれらの要素を併用すれば,より大きな効果が生まれる。どんな利点をどう組み合わせるかを考えるのも,決戦の面白さだ。

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 なお,「数は力」は絶対ではないと書いたが,もちろん戦い方によって兵数にものを言わせることもできる。
 大勢力でプレイしているとき,相手が兵数上限の少ないエリアで戦おうとするなら,軍勢を分けて複数ルートで侵攻し,手薄なエリアで勝利を収めるという手もあるのだ。
 この「強い奴に負けるのは仕方ないから,それ以外の場所でもっと勝つ」というやり方は古典的とも言えるが,前近代における多くの戦争は,これを使った側の勝利に終わっている。「大志」においてもこのレベルまで視線を上げれば「数は力」になるのだ。

大軍勢なら,多方面に展開する戦い方も有効だ
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 このように,「大志」の合戦はマクロからミクロまで,非常に見どころが多い。その一方で決戦の基本は“はさみ将棋”なので,何もできずに終わるということも少ないだろう。一部の勢力が使う作戦にも恐ろしく強力なものがあって,初見では驚く間もなくやられてしまったが,2回目からは「タネが分かれば狩るだけよ」と対処できて,なかなか楽しかった。

 個人的に気になったのは,簡単に勝てる決戦であってもスキップできないところだが,このあたりはいずれアップデートで修正されることに期待したい。


賢いAIによる,賢い委任


 最後に「委任」について簡単に紹介しておこう。

 「大志」の委任システムは,要素ごとにオンオフができるタイプのものだ。例えば「商売」の委任をオンにすれば,AIが勝手に商圏を広げてくれる。

 個人的に「絶対に最初から委任にすべき」と感じたのは,支配下の城に武将を配置していく「配属」である。「そんなデリケートな部分を委任して大丈夫か?」と思うかもしれないが,なにせ「大志」に登場する武将は2000人超で,その時代に生きている者だけでも莫大な数がいる。結果的に配下武将の数も凄いことになるわけで,むしろここは人間が頑張るより,AIに任せたほうがいい領域だろう。
 全部自分でやろうとすると。有能武将の存在を見落として「空き城があるのに自分が城主になれないのはどういうことだ」と見限られてしまう,という最悪の事態も起こり得る。

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 唯一,プレイヤーが配属したほうがよさそうなのは,大きな戦争の前だろうか。「大志」では合戦に向けた部隊編制のとき,攻略目標付近の武将に招集がかかるという仕組みになっている。当たり前だが,北九州を攻めるときに東北から兵隊を呼んだりはしないのだ。
 なので「ここが天下分け目」という状況になってきたら,選りすぐりの主力を主戦場の近くに配置するのがいいだろう。

 「農業」も配属と同じくらい委任してしまうことをおすすめする。経済基盤が安定してきたら「取引」も委任してしまいたい。鉄砲や軍馬の仕入れをいちいちコマンドで発行するのは,正直いってめんどくさいのだ。
 ちなみに決戦にも一種の委任はあるが,「1ターンのみAIが動かしてくれる」というものなので,「大いに使える」というものではないと感じた。まぁ,戦場で総大将が「よきにはからえ」では困るので,しっかり自分で采配しろということだろうか。


史実の再現も,ifも楽しめる


 総じて言えば,「大志」は現代的なストラテジーゲームとして完成度を高めつつ,かつてないほど「物語性,キャラクター性」を押し出してきた作品だと感じた。

 「志」の内容や「評定」における提案から,武将の人となりが強く感じられるし,「桶狭間の戦い」や「上田合戦」などに代表される「小軍勢が大軍勢を打ち破れる」という戦国時代のロマンが決戦のシステムで再現されていることに心躍るプレイヤーは多いはずだ。

ほかのシリーズ作品と同様に,多数の歴史イベントが収録されており,その発動条件も確認できる
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 筆者も今回のプレイで「捕らえたけれどなんとなく切らなかった」だけの斎藤龍興が,やがて織田家の中でメキメキと頭角を表し,決戦では突入役として活躍し,評定でも優れた提案を連発し,やがて城主になるも病に倒れて世を去る……という「あり得たかもしれない歴史」を感じながら天下を目指した。
 戦国時代が好きならば,「大志」は間違いなく楽しめる作品と言えるだろう。

「信長の野望・大志」公式サイト

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