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[TGS 2018]半年にわたる激闘を制したのはLibalent Vertex。「CoD ワールドウォーII プロ対抗戦」のグランドファイナルをレポート
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印刷2018/09/23 16:46

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[TGS 2018]半年にわたる激闘を制したのはLibalent Vertex。「CoD ワールドウォーII プロ対抗戦」のグランドファイナルをレポート

 2018年9月22日,ソニー・インタラクティブエンタテインメントは,FPS「コール オブ デューティ ワールドウォーII」(以下,CoD ワールドウォーII)のプロチームによる大会「コール オブ デューティ ワールドウォーII プロ対抗戦 グランドファイナル」を,東京ゲームショウ2018のeスポーツステージ「e-Sports X」で開催した。

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 本大会は,プロチーム6団体を対象としたプロ限定の大会で,2018年4月から行われていたリーグ戦を勝ち上がった上位2チーム「DetonatioN Gaming」と「Libalent Vertex」による決勝戦が,今回のステージで行われたというわけだ。
 賞金総額1000万円におよぶ対抗戦を締めくくり,最強の栄誉を手にしたのはどのチームなのか。大会の様子をレポートしよう。

 大会のMCはゲームキャスターの岸 大河氏が,アシスタントはタレントの松嶋初音さんが担当。実況はk4sen(カセン)氏,解説は鈴木ノリアキ氏が務めた。

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ゲームキャスターの岸 大河氏
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タレントの松嶋初音さん

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実況担当のk4sen(カセン)氏
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解説の鈴木ノリアキ氏

大会で使用するゲームモードとマップ
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 大会のレギュレーションを,簡単に説明しておこう。
 対戦に使用するのはPS4版CoD ワールドウォーIIの「ESPORTSモード」で,試合の5日前に実装となった最新版を使用した(※本大会においてはパッチ1.21)。対戦形式は「BO5」(※3ゲーム先取で勝利,最大5ゲーム)となっており,各試合で取得したゲーム数がそのままポイントとなる。
 使用するゲームモードは,ハードポイント(1,4戦目),サーチ&デストロイ(2,6戦目),キャプチャーフラッグ(3戦目)の3種類だ。各ゲームモードの概要を簡単に紹介しておこう。

●ハードポイント
 一定時間ごとにマップ上の異なる位置に出現する拠点を制圧すると,制圧中のチームに毎秒ポイントが入る拠点制圧戦。250ポイント先取で勝利となる。

●サーチ&デストロイ
 リスポーンできないラウンド制バトル。各チームは攻撃側と防御側に分かれて戦い,攻撃側はマップ内のオブジェクトを爆弾で破壊するのが目的だ。一定ラウンドごとに攻守が切り替わり,6ラウンド先取で勝利となる。

●キャプチャーフラッグ
 相手チームの旗を奪い合うゲームモード。奪った旗は自陣まで持ち帰る必要があるが,その時点で自陣の旗が奪われていると得点にならない。時間制限終了時点で得点の高いチームが勝利となる。

 どちらのチームも非常に高い成績を収めてはいるものの,Libalent Vertexは,リーグ前半に行われたハードポイントで苦戦しており,勝率43%と,DetonatioN Gamingの勝率81%を大きく下回っている。
 また,これまでのリーグ戦で,Libalent Vertexは一度もDetonatioN Gamingに勝利していない。中でも勝率に大きな開きがある初戦のハードポイントで,戦況がどう傾くのかに注目が集まっていた。

リーグ戦での苦戦により,Libalent Vertexは,ハードポイントだけ勝率が極端に低い(左)。大会開始前には,米国の強豪プロチーム「FaZe Clan」のAttach選手が登場。「クオリティ高いゲームを期待しています」と,対戦前の選手たちに激励の言葉を送った(右)
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DetonatioN Gaming(左)とLibalent Vertex(右)の参加選手たち
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 さて,対戦成績から単純に考えれば,Libalent Vertexが不利な試合だが,1戦目は前評判を覆して,Libalent Vertexが終始優勢に試合を進めることに。
 中でも特筆すべきはInaba UR選手で,残り3分のタイミングで28キル&13デス,最終的には稼ぎに稼いで40キル以上をもぎ取り,チームの拠点制圧をサポートしていた。DetonatioN Gamingも,中盤から盛り返しをはかったが一歩及ばず,大方の予想を覆してLibalent Vertexが177対250で快勝を果たす。

青がDetonatioN Gaming,赤がLibalent Vertexだ
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勝利をたたえ合うLibalent Vertexの選手たち
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 押し返した逆風がそのまま追い風となったのか,Libalent Vertexの得意種目という2戦目のサーチ&デストロイは3対6,さらにキャプチャーフラッグでは1対4の大差で勝利。なんと怒涛の3連勝を収めて,Libalent Vertexが半年におよぶリーグ戦の覇者となった。

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 見事優勝を勝ち取ったLibalent Vertexには,賞金800万円と,副賞としてソニー製の小型プロジェクタ「Xperia Touch」と,そして発売前の「プレイステーション クラシック」が贈られて,本大会は終了となった。

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 大会の様子はYouTubeでアーカイブが視聴可能なので,詳細な試合内容が気になる人はチェックしてみよう。


 最後に,DetonatioN GamingとLibalent Vertexへのメディア合同インタビューを掲載して,本稿の締めくくりとしたい。


DetonatioN Gaming


――準優勝という結果になりましたが,今のお気持ちを聞かせてください。

xAxSy選手:
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 悔しいですね……。今回の反省点を見つけて,この経験を次に活かしていきたいと思っています。

AIiceWonderIand選手:
 「悔しい」という言葉で表現しきれないくらい,悔しい気持ちで一杯です。もう1回やらせてくれ,というワケにはいかないので……。
ただ,あのステージに立てたのは良い経験になったと思います。どの場面で負けたのかをしっかりと反省し,次回は絶対に勝てるようにしていきたいですね。

GenGar AX選手:
 第5回までは,ずっとポイント首位で走り続けてきて,その分,ある程度の自信もついていました。その状態で臨んだグランドファイナルで負けたといのは,本当に悔しいです。

――グランドファイナルにおいて,どういった点が勝敗を分けたのでしょうか。

AIiceWonderIand選手:
 対戦相手がひと月前から決まっていたので,とくにそれを意識した練習をしていました。ただ,その動きが噛み合わずに敗北してしまったのだと思います。今後は自分たち理想の動きを,相手が逃れられない形で叩きつけられるよう,練習していきたいです。

――次の大会でトップを取るためには何が必要だと思いますか。

xAxSy選手:
 個々のメンバーが力を発揮できなくなってしまうので,精神面の油断や緊張は一番の敵だと思っています。これは,直そうと思ってすぐ直るものではないので,場数を踏んで先に進んでいきたいです。そういう意味で,この敗北は確実に次への糧になりました。

――第1戦目のハードポイントでは,やや立ち上がりが不安定だった印象を受けました。この原因はなんでしょう。

AIiceWonderIand選手:
 相手の動きを意識しすぎて,相手に合わせた動きで対応しようとしすぎてしまった部分があります。その意識が,普段の自分たちの戦い方を崩してしまったので,そこが大きな要因ですね。

――立ち上がりが崩されたあとで,作戦の変更などはありましたか。

AIiceWonderIand選手:
 2戦目以降についても,事前に初動の動きを決めていたのですが,その内容が大胆なものだったんです。1戦目の流れを断ち切る意味でも,事前に考えた通りの動きで進もうとしたのですが,結局崩されてしまいました。

――これまでのリーグ戦を総括したコメントと,今後の展望を。

AIiceWonderIand選手:
 半年間通したリーグでしたが,予選リーグ10試合の中で「Rush Gaming」には2試合とも負けてしまいました。敗北というのは後味が悪くて,対戦でその敗北もよく覚えています。
 なので,TGSに臨むときには,「負けたらどうしよう」とか「負けたくない」とか,そういう感覚もありました。でも次回,こういう機会があったら,もう1回も負けたくありません。

xAxSy選手:
 次回作(※コール オブ デューティ ブラックオプス 4のこと)は5対5になるのが決まったので,正直言って今までのセオリーは通用しなくなると思います。5対5の大会がどんなゲームになるのか,今から楽しみです。

GaIiard選手:
 (次回作は)5人になったという事で,これまで以上に連携も先述も練っていく必要があります。今までの経験も活かしつつ,頑張っていきたいと思います。

GenGar AX選手:
 まずは,今まで基本とされていた動きをすべて見直し,新メンバーを迎えて戦術を組み立てて行くのが今から楽しみです。

――5人目のメンバーはすでに決まっているのでしょうか。

AIiceWonderIand選手:
 候補はいますが,厳密には決まっていません。まだお伝えできません。

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Libalent Vertex


――優勝おめでとうございます。まずは,グランドファイナルの決勝を終えての感想をお願いします。

Inaba UR選手:
 まず,決勝をTGSのステージでプレイできて楽しかったですし,さらに優勝もできて。本当に嬉しかったです。

sitimentyooo選手:
 プロゲーマーになった時から,ずっと“世界”を目標にしています。日本一になったことで,ひとつめの関門は突破できたんじゃないかと思いますので,次は世界に向けて頑張っていきたいと思います。

Nicochaaaaaaaann選手:
 半年間プロ対抗戦を頑張ってきて,そのグランドファイナルで優勝することができて……。僕が目標に掲げてきたことのうち,ひとつがクリアできたのですごく嬉しいです。

E3NCOUNT選手:
 半年間を通じて,自分たちがやってきたことは間違っていなかったんだと思えるグランドファイナルだったと思います。

――今回の勝因となった部分があったら,教えてください。

sitimentyooo選手:
 最初のハードポイントで勝ったのが,とても大きかったかなと。Libalent Vertexは流れに乗れれば強いのが自分たちでも分かっているので,最初の試合で流れを握れたのは本当に重要だったと思います。

――1戦目といえば,Inaba UR選手が大活躍でしたね。

Inaba UR選手
 まぁ,言ってしまえばたまたまとも言えますが……。僕個人の気持ちで言えば,ちょっと調子乗って「このままの流れでやっちまえ」という感じがありました。勢いに乗って,それで勝てたのは大きかったですね。

――Libalent Vertexはリーグ戦の中で成長していったチームと言われていますね。その秘訣はなんでしょう。

sitimentyooo選手:
 試合が終わったら,次の日には必ず全員で試合の動画を何度も見返して,反省会をしていました。負けたのなら敗因を分析して,それを反映して……という繰り返しを,毎日コツコツとやってきて,それが結果につながったのかなと思います。

――練習はどのくらいのペースで行っているのでしょう。

Nicochaaaaaaaann選手:
 誰かが何らかの理由で欠席しない限り,基本的に毎日です。夜の21時に始まって,深夜の0時から2時くらいまで練習しています。Day3あたりの頃は,2時から3時頃までの練習を恒常的にしていました。

――マッチアップが決まった後は,どういった練習をしていましたか。

Nicochaaaaaaaann選手:
 この1か月は,対DetonatioNのためだけにコンディションを整えてきたと言っても過言ではなくくらい,研究と対策を重ねてきました。投げ物を投げる位置や順番なども,事前にキチッと決めて試合に臨みました。

sitimentyooo選手:
 おそらくはDetonatioN側も自分たちと同じで,この瞬間まで自分たちの戦術をバラさないように動いてきたと思います。ただ,やはりチームには特有のクセというものがあるので。それを見つけて,対策に組み込めたのが良かったですね。

――試合を見ていて,チーム内の雰囲気がとても良いように感じました。普段から,そういった空気感を維持する努力しているのですか。

sitimentyooo選手:
 はい。大事なキルを取った時は,互いに声をかけ合うようにしています。それを実践していったことも,今回の結果につながったかなと。
 コミュニケーションという意味では,前日にホテルに一緒に泊まれたのは良い機会でした。普段は住んでいる場所が遠いメンバーもいて,気軽に会えませんからね。

――下世話な質問で申し訳ないのですが,賞金の使い道を教えてください。

Inaba UR選手:
 やっぱりゲーマーなので,ゲームに使おうと思います。

sitimentyooo選手:
 周辺機器の設備投資とかに使いたいですね。

Nicochaaaaaaaann選手:
 同じく,環境を整えるために使います。

E3NCOUNT選手:
 自分は台所でゲームをプレイしているので,その環境をどうにかしたいと思います……。(一同笑)

――では最後に,今後に向けての意気込みをお願いします。

sitimentyooo選手:
 次回作ではいろいろと戦い方が変わってくるとは思います。ただ,今回は日本一になったので,次回作も日本一になるのは前提として,今度は世界でどれくらい上を目指せるかを試していきたいと思います。

Nicochaaaaaaaann選手:
 5対5でチームの形も変わってくるとは思いますが,変わっても負ける気はしません。

Inaba UR選手:
 今後はスペシャリストの数が増えて,戦略の幅が増えてくると思います。まだ細かなルールは分からないので,まずは今後の情報を追って研究していきたいです。

E3NCOUNT選手:
 ゲームのスピード感であるとか,今作とは異なる部分がさまざまあると思いますので,それに対応できるよう努力していきたいと思います。

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「コール オブ デューティ」公式Webサイト


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