2010年4月:Xbox 360「ケツイ 〜絆地獄たち〜 EXTRA」発売
4Gamer:
2010年には,初の本編フル移植であるXbox 360版「
ケツイ 〜絆地獄たち〜 EXTRA」が発売されました。2周目突入条件の変更ができたり,撃ち返し弾&弾消しをフィーチャーした“X MODE”が搭載されていたりします。
堀井氏:
けっこう良かったと思いますよ。
福井氏:
並木さんがオリジナルのメニューBGMを作られていましたね。ステージセレクトもあって,難所の5面をたくさん練習できたので嬉しかったです。アレンジBGMも大好きです。
シュー氏:
今もこれが発表されたときのゲーム雑誌を持ってますよ。「
怒首領蜂 大往生 ブラックレーベル EXTRA」と同時に発表されたんですよね。それから長かったですけど……。
4Gamer:
いろいろありましたね……。
堀井氏:
長く待つことになりましたが,これが出たお陰で家でもケツイを概ねちゃんと遊べるようになって,すごく良かったです。それに,Xbox 360にはSTGが集まっていて……。
久保田氏:
一番盛り上がっていた時期でした。
堀井氏:
家のゲームソフト棚を見ると,Xbox 360のところだけSTGが分厚くて,今見ても「いいなあ」と思います。
4Gamer:
ただEXTRAについて“ケツイ警察”的な人が微妙な難色を示したのがフレームレートなわけですが……もともとは59fpsですか?
福井氏:
「59.x」みたいな数字ですね。
久保田氏:
細かい数字までは僕らも覚えていないんですけど。
堀井氏:
普通に考えたら
完全移植は無理ですよ! ゲーム基板は,HDMIとかの規格から外れた信号をバンバン出しやがるんです! でも,アーケード筐体のCRTモニタは信号を食って,きっちり映しちゃうわけです。そこを利用して,60fpsだと処理が重いから55fpsにして処理を稼いでいる基板なんかもあってですね……正直,呪いたいレベルの移植難度になることが……。
(爆笑)
久保田氏:
移植する側にとっては,一番最初に立ちはだかる壁ですよ。
堀井氏:
うまくマッピングをして速度を合わせてあげないと,ゲーセンで全一を取っているような人は,体感で気持ち悪くなっちゃうんですよ。ただ,普通そこまでやるのは無理ですよ。映像規格というものがきっちり決められているんだから,アーケード基板もそれを守れ! ……という気持ちになります(笑)。
4Gamer:
ちなみに,調べたところではアトラス基板は57フレームだったそうです。
福井氏:
フィーバロンはまた違う基板ですが,それも近いですね。エムツーでは毎回すごい苦労をして,速度を合わせています(笑)。
久保田氏:
合わせる作業は,だいたい俺がエミュレーション担当の高木との2人でやってます。「まだ数フレ速いです」とか言って(笑)。
福井氏:
「10分間で数フレーム違う」とか,そういう話をしていますよね。
久保田氏:
移植版とアーケード版のアトラクトデモを録画して,並べて再生したりして,可能な限り近づけます。差がまったくないところまで合わせるのはなかなか難しいんですけど,けっこう精度は高いですよ。
堀井氏:
やりこんでいる人の感覚は本当にすごくて。エムツーではタイトーの
「ダライアス」の移植もしていますが(Nintendo Switch「
ダライアス コズミックコレクション」),それを
“ダライアスの神様”に遊ばせると,ボス戦の永パ(※)防止キャラで稼ぐときに,「ヤズカの撃ち返しは*秒後から始まるんだけど,そこはピッタリ合ってるから大丈夫!」と言うわけですよ。
※永久パターンの略。主に「ゲームを進めさせず,延々とスコアを稼ぎ続けられる」状態を指す。永パが予想されるアーケードゲームの場合,それを防ぐために永パ防止キャラが用意されていることが多い。
久保田氏:
「何か違う」じゃなくて,「これが正しい」と言えるのがすごいですよね。
堀井氏:
あれを言われたときに,
「神を騙す方法はないな」と思いました(笑)。
松本氏:
人体の性能ってすごいんですよ。数フレームの違いを認識できてしまう。
シュー氏:
分かっちゃうんですよね(笑)。
松本氏:
「俺達は1/60秒の世界に生きてるんだ」(※1)みたいな。
堀井氏:
例の「光速は俺らには遅すぎる」(※2)ね。そのセリフを本当に吐ける人達が,世の中にはいるんですよ!
※1,2 いずれも集英社「電脳格技メフィストワルツ」(原作:杉井 光氏 / 漫画:おかゆさん氏)作中のセリフ。
久保田氏:
ケツイDeathtinyは,今までにないくらいのすごい合わせ方をしました。今回は普通の比較だけじゃなく,処理落ちが重いとか軽いとか,その調整までやったんです。
松本氏:
そもそも処理落ちってイレギュラーな現象なので,それを「調整する」というのが日本語としておかしいんですよね(笑)。
堀井氏:
「身体に染み付いたイレギュラーも再現せよ」というのが,我々に課せられた任務なので。
福井氏:
ただ,「上級者しか発生させられないイレギュラー」もあって,その再現は一部の人にしかできない。
久保田氏:
処理落ちの対象が
2周目の5面ボスだったりね。「そんなのウチらじゃ無理だから!」となるわけです。
堀井氏:
今年のケイブ祭りで,池田さんから「入力を分岐させて基板とPS4に入れたら,同じ結果になれ」という指令が送られてきたことを話しました。指令の図は,いらすとやを使って和やかな感じでしたけど,文章には
「分かっておろうな?」と書いてあったんです。
堀井氏:
まずフレームごとに同じ入力を入れていけば同じ結果が返ってくるところまで作ったんですけど,処理落ちはまた別のことなんですよ。ただ,体感の部分は僕らには分からないので。
久保田氏:
だから
“ケツイの神様”を呼んで,「ちょっと処理落ちさせてください」と。
堀井氏:
ただ,神々でも「今日は体調が悪いからよく分からん」という日があるんですよね。雑談で「全一のために心がけていることって何ですか?」と聞いたら,「健康管理が一番重要」と言われました。
久保田氏:
それは音ゲーのスコアラーだった俺からも言わせてもらうけど,体調管理は重要!
シュー氏:
僕は体調が良くて「今日は行ける!」ってときは,カフェインを摂らないようにしています。
(シューティングゲームを用いたヘルスケア構想がしばらく盛り上がる)
4Gamer:
なんだか話が不思議な方向に転がっていますが……。
松本氏:
「ケツイは健康にいい」というわけですね!
(一同笑)
4Gamer:
市村さんにうかがいたいのですが,アーケードでの開発時点で,移植を前提にした準備みたいなことはしておくのですか。
市村氏
ケツイに関しては考えていなかったですね。難度もアーケードのプレイヤーに向けて調整していますし。ただ,
「虫姫さま」からのCV-1000基板はコンシューマ移植ありきで構成されていて,開発言語をC言語にしたり,描画関係の設計を家庭用ハードに近づけたりはしました。
堀井氏:
それ以前の
「エスプガルーダ」までは68000のアセンブラで開発されていたわけですね。虫姫さまは,半透明をバリバリ使っていて「フレームバッファになったか!」とビックリしましたよ。
福井氏:
虫姫さまはオブジェクト数もすごくて,弾のひとつひとつに残像が付けられていましたね。
市村氏
やっぱり新しい基板を作ったなら,ゲームも今まで以上のものにしたいですから。
2011年2月:Xbox 360用ソフト「怒首領蜂大復活 ブラックレーベル」発売
4Gamer:
家庭用といえば,続いては2011年にケイブから発売されたXbox 360版「
怒首領蜂大復活ブラックレーベル」。これに
「Ketsui Style」という名称のアレンジモードが搭載されていました。簡単に言えば,ケツイのTYPE-A自機で「怒首領蜂大復活ブラックレーベル」をプレイできるというモードです。
※画像はSteamで配信されているPC版のもの
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シュー氏:
売り方が「怒首領蜂大復活のDLCでブラックレーベルを出すけど,ブラックレーベル単品のパッケージ版にはケツイもあるよ!」というものでした。当時はカネがなかったのに……もちろん買いましたけど!
堀井氏:
中の人になって,そうする理由が痛いほどわかったんじゃない?(笑)
そうするきっかけになっていそうなのが,
Jake KaufmanのアレンジBGM……これはすごかった。
福井氏:
これ以前にもJakeさんは,ケツイのアレンジアルバムに参加していましたよね。
松本氏:
1人,ゴリゴリのメタルで目立ってました。“アメリカの音”が鳴っているんですよ。
福井氏:
ゲーム自体も,10箱が出てきたり自機のオプションが6個に増えたり,池田さんの昔やりたがっていたことが,ついに実現したという感じでした。
シュー氏:
10箱はグッズにもなりましたね……。
福井氏:
エンディングではアリスとエヴァンズマンが登場して,「ケツイ本編の前に,シミュレーションで演習をしていて,その内容が怒首領蜂大復活を再現したものだった」,つまり
ケツイと首領蜂シリーズは繋がっていたと明かされるんですよね。
4Gamer:
しかも未来から来たA.Iの左腕にEVAC社のロゴがあって,タイムループものみたいな形にもなっているという。
シュー氏:
……A.Iのは悪ふざけじゃないかな?
(爆笑)
松本氏:
ありそうだなあ(笑)
4Gamer:
悪ふざけですか!? ちなみに,こういう設定はどなたが管理されているのでしょう。
シュー氏:
若林(明 / ケイブスタッフ。書家名で若林實山とも)さんや
野村(秀樹 / ケイブスタッフ)さんだと思います。ストーリーは,だいたい若林さんがやっているみたいです。
福井氏:
その辺りもあまり表に出ないですよね……パッケージ版の初回特典冊子では,ケイブのデザイナーの田中(周幸)さんが「実は妄想していたケツイ裏ストーリー」も語られているんですけれど,そこでも「実はEVACと首領蜂隊は繋がっているのでは?」みたいな構想が明かされています。
松本氏:
市村さんは,このモードではどうだったんですか?
市村氏
関わってないので……。
(爆笑)
福井氏:
スタッフロールを見ると,「DOOM PROGRAMMERS: Takashi Ichimura, Yuji Inoue」と記されていたので,ドゥームのプログラムは市村さんが手がけたのかと思っていました。市村さんのプログラムを,井上(雄二 / ケイブスタッフ)さんがコンバートしたとか,そんな感じかもしれないですね。
2012年3月:Windows Phoneアプリ「DODONPACHI MAXIMUM」リリース
4Gamer:
続いて2012年,Windows Phone向けアプリ「
DODONPACHI MAXIMUM」がリリースされました。タイトルとしては首領蜂シリーズですが,設定としては「EVAC社の作った戦闘シミュレーター」ということになっていたり,ケツイのTYPE-A自機を使えたりします。
スクリーンショットはiOS版のもの
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松本氏:
俺は最初見た時,「弾幕検定試験の再来!」みたいな感じがしたんですよ。ステージも枝分かれして難度が変わりますし。
久保田氏:
当時Windows Phoneを持っていたので,これはやっていました。本格的なゲームでビックリしましたよ。これを遊ぶためにWindows Phoneを買った人もいましたよね。
堀井氏:
いるいる! Twitterではいっぱい見た。
久保田氏:
確かauがWindows Phoneを出していて,それに乗り換えた人がけっこういて。ただ,その後のWindows Phoneは……。
シュー氏:
社内の資料をあさってたら,「Windows Phoneは時期尚早」というコメントが残されていました。
堀井氏:
早いも遅いもなかったけどね。まあ,これでWindows Phoneを手に入れた人達って,遊んでいるあいだは全員幸せそうでしたよ。
久保田氏:
Windows Phoneは「ゲーム機としてはよく出来ていた」というプラットフォームだったと思うんですよ。サクサク動くし,Xbox Liveにも繋がっていて実績も入りますし。
松本氏:
ゲームとしては,お祭り感があって好きですね。
シュー氏:
「赤い刀」の自機も出ますし……あと,なんか変な博士が出てきましたよね。
4Gamer:
Ingram
K.
Daughというマッドな博士が。
シュー氏:
まあ,つまり
IKDですね。
2013年7月:PS3版「ケツイEXTRA〜絆地獄たち〜」発売
4Gamer:
個人的には,ケツイが「近未来」という設定だったからこそ,シミュレータやバーチャルという設定でいろいろなスピンオフが花開いたのかな……と思っています。
さて,先ほどのXbox 360版から3年後,2013年にPS3版「
ケツイ 〜絆地獄たち〜 EXTRA」が発売されました。ゲーム内容的には大きな変わりはありませんが,限定版にはスーパープレイのBlu-rayが付いていまして,そのスコアはさらに伸びてTYPE-Aの裏2周が
約5億7000万点(572,477,375 pts),TYPE-Bの裏2周が
約5億2千万点(518,237,076 pts)!
堀井氏:
これこそ,神々が雲の上で戦ってるやつですよ(笑)。
松本氏:
どんな心境でプレイされてたんでしょうね……ワンミスで「ここまで来たのに!」みたいなことになるわけじゃないですか。
堀井氏:
「Rogue」の「ここでミスったら……!」みたいなのを1秒間に60回くらい繰り返しているんじゃないですかね。僕には耐えられないし,そんなプレイが出来たら一発で髪の毛が真っ白になるんだろうなと思います(笑)。
このスコアが出たとき,途中で気付いていたのかは知りたいですね。ちなみに僕は,ノーヒットノーランを達成しているピッチャーに「あとこいつを抑えれば,チャンスだよ!」と言ってプレッシャーをかけちゃうタイプです(笑)。
松本氏:
俺は隣でずっと息を止めてるタイプですね。
シュー氏:
僕はプレイしているとき,周りに人がいるだけで「どけよ!」と言っちゃいます(笑)。先輩だろうが上司だろうが,脳汁が湧き出ているときは視界で動いているものは弾だと思っちゃうので。
2016年3月:「ゴシックは魔法乙女〜さっさと契約しなさい!〜」にケツイメンズ参戦
4Gamer:
2016年には
「ゴシックは魔法乙女〜さっさと契約しなさい!〜」(
iOS /
Android 以下,ごまおつ)にケツイメンズが参戦!
ごまおつ版のケツイメンズ。画像は第1回コラボイベントのときのもので,ケツイDeathtiny発売記念のスコアアタック大会では別バージョンのメンズが賞品として配布された。なお,筆者はDeath難度だけ獲得順位に食い付けず,新バージョンアリスを逃してしまった……
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シュー氏:
ゴ魔乙から生まれたケツイプレイヤー,いますからね。
松本氏:
ケツイと大佐だと,大佐が先でしたっけ?
久保田氏:
確か大佐が先で,
「……すごい乙女だ」と思いました。
「怒首領蜂大復活」から参戦したゴットヴィーン・ロンゲーナ(通称:大佐)。魔法乙女というか,魔法老兵である |
ちなみに,エヴァッカニアもケツイイベントのボスとして登場している |
シュー氏:
当時,大学の友達に「いや,大佐が来ても,まだケツイ来なければ課金しないから」と言っていたんですが,本当にケツイ来ちゃって……「ハイ,課金しまーす!」となりました。
松本氏:
いよいよ“乙女”じゃなくなってきたころですよ。
堀井氏:
プレイヤーの乙女がめっちゃ喜んでるからいいじゃん! まあ,うちがアーケード版をやってる
「スカルガールズ」シリーズも,作品を重ねるうちに男性キャラが出てきましたし。
「スイカに塩をかける」ようなものだと思えば,僕はすんなり納得できます。
(爆笑)
4Gamer:
それにしても,誰か足りない気がするんですよね……。
松本氏:
なんで足りないんですかね?
福井氏:
祖国のために戦ったのにね。
シュー氏:
僕,発注担当に土下座したんですけどダメでしたね。
堀井氏:
いずれまたネタをやるときのために取ってあるんだと僕は信じてます。
2016年12月「ダライアスバースト クロニクルセイバーズ」のコラボDLCがリリース
4Gamer:
他作品への参戦は続き,2016年12月には
「ダライアスバースト クロニクルセイバーズ」(
PC /
PS4 /
PS Vita)第3弾DLCの1つとして,ケツイのTYPE-Aが登場しました。
堀井氏:
横ケツイ!
シュー氏:
僕が監修したんですけど,いちケツイファン目線からの修正点を,
Excelで40行くらい並べて送った覚えがあります。
(爆笑)
4Gamer:
結果的な仕上がりとしてはどうでしょうか。
シュー氏:
ケツイは良かったんですけど,
「デススマイルズ」のウィンディアが,原作を再現しすぎて上下からの物量攻撃に弱くなってしまい……。ちょっと「やりすぎちゃったかな?」と反省してます。ただ,説明文が……外から見たケツイってこれなんだなあ……と。
福井氏:
この説明文は……(笑)。
久保田氏:
実装されているということは,監修でOK出してるってことですよね。
シュー氏:
リリース以前に見た覚えないんですけど……。
(爆笑)
堀井氏:
ぶっきらぼうな方向で笑わせに来ているのか,それとも単にぶっきらぼうなのか。
シュー氏:
単にぶっきらぼうな気はしますけれども,「面白いからいいかな?」みたいな感じでそのままにしました。でもやっぱり,自分がこれだけ思い入れがあって,15年も遊んでいるゲームが,「あとはだいたい戦車」で片付けられると……。
松本氏:
間違ったことは言ってないけど,みたいな(笑)。
2017年4月:PS4版「ケツイ〜絆地獄たち〜(仮)」発表
4Gamer:
そんな感じでヘリコプターなのに宇宙や海中を飛んでみてから半年後の2017年4月,ケイブ祭りでPS4版のケツイを開発している旨が発表されました。
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久保田氏:
あのとき,当時のケイブの担当者さんから「年内に!」って言われてましたけどね。
福井氏:
大変お待たせしました……。
堀井氏:
当時,M2 Shot Triggers第3弾の「
魔法大作戦」が終わったら,そっちのスタッフを投入してまとめに入るから,年内は無理でも(2018年の)2月くらいにマスターアップじゃないかって話してたんです。
久保田氏:
「春かな」って話をしていましたね……。
堀井氏:
どうしてこうなった。
福井氏:
私のせいでございます……。
堀井氏:
早めに出したいから,解析に強いスタッフを昨年の秋くらいに突っ込んで,スケジュールを間に合わせようとしたんですが,なぜか仕様が増える方向に。
福井氏:
飯塚(連也)さんという解析のスペシャリストが来てくれたので,「すごい人が来たから,すごい解析を頼もう!」と頼んじゃいました。その結果としてスーパーイージーモードやアーケードチャレンジ,DEATHTINYモードも出来上がりました。
2018年11月:PS4用ソフト「ケツイ Deathtiny 〜絆地獄たち〜」発売
4Gamer:
そんなこんなで,2018年11月29日にケツイDeathtinyが発売! おめでとうございます!
堀井氏:
ROMが9割くらいできたあたりで,池田さんのノリがめちゃくちゃ良くなったんですよ。いろいろなやり取りを見返すと,「お前らはすごいものを作ったのだから売れ!」と,池田さんのテンションが上がったのは感じますね。
「移植度はどうせパーフェクトでしょ」みたいなところはあったと思うんですが,そこからDeathtinyモードとかスーパーイージーとかを見せるうちに,喜んでいただけている様子がこちらにも伝わってきて……我々としては,すごく本望でした。プレイヤーだった人間が作り手側に入っているのも,新しい世代が入っているわけで,良いことだなあと思っています。
4Gamer:
市村さんはオリジナルの開発者として,感慨などはあるのでしょうか。
市村氏
正直,ここまで楽しんでいただけているのは,あまり体感していなかったんです。でも,今までの話を聞いて凄さを実感しました。
福井氏:
タイトルの動きも,ほぼ毎年何かしらがありましたからね。
松本氏:
セガさんの「
オンゲキ」ともコラボして,「No Remorse」が入りました。しかも,弾がちゃんとドゥームらしい動きをするんですよね。
久保田氏:
あれはもう音ゲーじゃないんですよ! 音ゲーって毎回同じノートが来るものですが,No Remorseは自機を追跡して撃ってくるんです。
堀井氏:
すげえ! 意味が分からん(笑)。
シュー氏:
オンゲキはレバーで操作するので,ヘリコプターを操縦しているような雰囲気もあって……ただ僕,解禁できていないんですけど(笑)。
松本氏:
俺はズルして友達がやってるとこを1回遊ばせてもらったんだけど,開幕で撃沈して「無理だろコレ!」って思いました(笑)
久保田氏:
演奏はもちろんですけど,弾避けがヤバいくらい難しいですよね。
そして未来へ 〜絆地獄は続くよ,どこまでも〜
4Gamer:
最後に,たびたびハイスコアを見てきましたが,現時点において何らかのメディアで確認できる限りでは,TYPE-AはSPS氏の
約5億8000万点(583,614,753 pts / Gzブレイン刊「アルカディア No.165」より),TYPE-BはGAN氏の
約5億7000万点(569,741,232 pts / 日本ハイスコア協会より)が最高のようです。
堀井氏:
まだ伸びるかもしれない!
シュー氏:
ケツイDeathtinyのネットランキングで更新されたら熱いですよね。
堀井氏:
ネットランキングのスーパープレイをリプレイで再生するのが楽しみですね。僕はドリキャス版の「斑鳩-IKARUGA-」を買って,そのあとXbox 360版も買ったのですが,オンラインランキングからリプレイデータをダウンロードして,それを再生させるのが好きなんです。遊びまくったときみたいに脳汁が湧いてくるんですよ。
久保田氏:
SPSさんやGANさんには開発にも協力していただいています。お二人にはサンプルROMをお送りするわけですが,PS4本体も買ってプレイすると話していたので,いずれランキングに上がってきて,リプレイを見られるようになると思いますよ。
このほかにもRCベルグから自機のレジンキャストキットが発売されたり,
「ドン★パッチン」(
iOS / Android)にエヴァンズマン
ロボが参戦したりと,15年にわたって愛され続けた「ケツイ 〜絆地獄たち〜」。それにさまざまな新要素を加えて移植した「ケツイ Deathtiny 〜絆地獄たち〜」は,ケツイが好きな人はもちろん,ケツイから溢れる“ケツイ感”に何かしら惹かれる部分がある人なら,ぜひともプレイしてほしいタイトルだ。気軽にスーパーイージーモードを遊ぶもよし,アーケードチャレンジモードで腕前を追求するもよし,Deathtinyモードで新たなケツイの姿を体感するもよし,堀井氏が述べたようにスーパープレイのビューワーとするのもよしなので,きっと
自分だけのケツイを発見できるだろう。そして中盤で松本氏が述べたように,ケツイには
健康に効果があるとか(ないとか)!
なお,M2 ShotTriggersの第5弾タイトルは,こちらもケイブ開発の
「エスプレイド」になると,すでに発表されている。発売日やプラットホームについては未定とされているが、続報を楽しみに待ちたい。
M2 Shot Triggers版エスプレイドが発表された「エムツーショットトリガーズ 弩感謝祭」での堀井氏
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