プレイレポート
全米が舞台のオープンワールドドライブゲーム「ザ クルー2」CBTレポートをお届け。縦横無尽に飛び回れる楽しさは大きなポテンシャルを秘める
なお,本稿における内容はPS4版のCBTを基準としたものとなっている。製品版あるいはオープンβテスト版と異なる部分があるかもしれないので,ご了承いただきたい。
「ザ クルー2」公式サイト
「ザ クルー」に続く,2作めとなる「ザ クルー2」の最大の特徴は,前作で車とバイクしかなかった乗り物に,ボートと飛行機が加わったことだろう。これによって陸海空とすべてのフィールドを自由に動き回れ,まさにアメリカ全土を舞台にするオープンワールドドライブゲームにふさわしい内容になったというわけだ。
操作感などは前作同様にアーケードライクで,手軽に楽しめる。アクセルやステアリングなどの基本操作は車,ボート,飛行機でほとんど共通しているので,操縦するうえで戸惑うことは少ないはずだ。
本作におけるレースなどのアクティビティは“ファミリー”と呼ばれるカテゴリーに分かれている。トリッキーなショースタントを行う「FREESTYLE」,ストリートレースが主体の「STREET RACING」,ストイックな速さを追求する「PRO RACING」,砂や泥にまみれたオフロードを専門とする「OFF ROAD」の4つがあり,それぞれに独自のアクティビティが用意されている。
アクティビティの内容は,複数のレースで構成されたイベント風のものや,低空飛行や制限時間内でのスラローム走行などテクニカルな操縦を競う“SKILLS”,決められた条件で写真を撮る“PHOTO ALBUM”などさまざまだ。
とくにPHOTO ALBUMは本作の特徴をよく生かしている。写真撮影の条件には「夜明けにスペリオル湖の外輪船の上を飛行機で飛ぶ」「ナイアガラの滝の写真を撮る」「雪の中のオオカミを探す」などがあり,写真を撮るロケーションを探したり,アングルを試行錯誤する必要があって,これが非常に面白かった。
これらのアクティビティをこなすと,クレジットやフォロワー(ファンみたいなもの)を獲得できる。クレジットは言うまでもなくゲーム内通貨のこと,もう一方のフォロワーはプレイヤーのランクアップのために必要な要素だ。
フォロワーの増やし方は,アクティビティのほか,ファンを魅了するようなアクロバットを披露することで増えたりする。フォロワーが一定値に達すると,ランクが上昇するのだ。
さて,ここからは新たに追加されたボートと飛行機についてレポートしよう。
ボートのアクティビティは水上に設置されたチェックポイントを通過しつつゴールを目指すというもの。ライバルとの接触ありでギリギリを攻める熱いレースが楽しめた。
今回のCBTで操縦したのは喫水の浅いボートだったので,波で船体が跳ね上がり,左右の旋回に少々コツが必要だった。左スティックを手前に倒すと,船主が浮き上がり,スピードが増すが,その状態ではさらに曲がりにくくなる。スピードを出すときと曲がるときの使い分けが重要そうだ。
飛行機は左スティックで期待を回転させるロールと,ピッチアップ,ピッチダウンを操作する。[R2]ボタンで加速し,[L2]ボタンで減速だ。[L1]と[R1]ボタンはラダー操作に使用する。
また,左スティックの押し込みで,アクロバット飛行でよく見られる「スモーク」を噴射することが可能だ。オンラインでマッチングした人と,アメリカ上空をスモークを噴射しながら飛び回るだけでもなかなか楽しい。
墜落の危険がある飛行機だが,別に墜落をしてもペナルティはなく,着陸は飛行場でなくともできる。気兼ねなく飛び回れるのは嬉しいところだ。
CBTでの飛行機のアクティビティはアクロバット飛行がメインだった。上方向に一回転するルーピング(逆はアウトサイドルーピング)や,機体を横滑りさせるエアドリフトといったアクロバット飛行を,指示に従って行うことでポイントが得られる。うまく飛行できたときは気持ちいい。
SKILLSは指定の角度でチェックポイントを通過することで高得点を得られるモードがあった。これがなかなか難しくて面白く,高得点を狙って,ついつい何度もプレイしてしまった。
CBTで判明した本作のカスタマイズ要素も紹介しておこう。
本作では所有する車・ボート・飛行機をパフォーマンスパーツを使って強化できる。例えば車ならブレーキ/ギアボックス/ECU(エンジンコントロールユニット)/エンジン/エキゾースト/サスペンション/タイヤといったパフォーマンスパーツがある。
こうしたパーツはレースに参加して勝利すると,ゴール後に近くに現れるので,それを回収することで入手可能。パフォーマンスパーツの性能はランダムで,基本的に数値の高いパーツほど高性能となる。スリップストリームの有効範囲が上昇するといった,特殊な能力が付与されたレアなパーツもあるため,より強力なパーツを求めて,何度もレースに挑戦することになりそうだ。
前作からアメリカ全土を舞台にしていたが,今作では移動できるフィールドが増えたことで,よりマップの作り込みが増しているように感じた。陸路では到達できなかった場所など,前作では「描く必要がなかった場所」も本作ではキッチリと描かれているため,より再現度が上がったと言えるだろう。
サンフランシスコやラスベガス,ニューヨークといった都市,それらをつなぐ道路網,自由の女神や,ゴールデン・ゲート・ブリッジといった有名建造物も前作同様に再現されている。とくに本作では,飛行機で高低差を気にせずに自由に移動でき,PHOTO ALBUMで「その場所に行く意味」ができたため,いろいろなところに訪れることが増えそうで楽しみだ。
乗り物は拠点となるマイホームに保管されているが,車・飛行機・ボートはフリーライド中であればいつでもどこでも気軽に乗り換えられる。例えば,車で走行中に飛行機に切り替えれば,シームレスに乗り換え,そのまま離陸するし,飛行中に車に切り替えれば,空中から落下して着地といった映画のワンシーンのようなこともできる。
またアクティビティ開始地点などにはファストトラベルが可能で,広大なアメリカ本土を移動するのもスムーズだ。マップ内の好きな場所に直接ファストトラベルといったことはできないが,最寄りの地点から飛行機で目的地に向かうなど,グッと移動が楽になった。飛行機は偉大だ。
CBTでは本作の触りの部分のみプレイできたが,前作から移動できるフィールドが増えた分,遊びまわれる範囲も大幅に増えたことを十分実感でき,より多くの乗り物が登場する製品版を早くプレイしたくなった。
6月21日から25日にかけてオープンβテストが実施される予定だ。広大なアメリカ本土を縦横無尽に飛び回りたい人は,参加してみると良いだろう。