レビュー
比較的安価なRTX 3060搭載2連ファンモデルの実力を検証する
ZOTAC GAMING GeForce RTX 3060 Ti Twin Edge
Ampere世代のNVIDIA製GPU「GeForce RTX 30シリーズ」の中でも,「GeForce RTX 3060 Ti」(以下,RTX 3060 Ti)は,実売が6〜7万円程度と,比較的手の届きやすい価格であることから,市場での人気が高い。今回評価するのは,そんなRTX 3060 Tiを採用した,ZOTAC Technology(以下,ZOTAC)の「ZOTAC
数あるRTX 3060 Ti搭載モデルの中でも,ZOTAC RTX 3060 Ti Twin Edgeは,比較的スタンダードな位置付けの製品で,扱いやすいモデルに仕上がっている。どのような製品なのか,詳しく見て行きたい。
動作クロック設定はリファレンスどおり
FireStormでオーバークロックが可能
ベースクロックは公開されていないものの,ブーストクロックは1665MHzで,これはリファレンスと同じだ。GPU情報表示ツールの「GPU-Z」(Version 2.36.0)で動作クロックを確認すると,ベースクロックは1410MHzと表示されたので,このあたりもリファレンススペックのままと捉えていいだろう。なお,メモリクロックも14GHz相当と,リファレンスから変わりはない。
なお,後述するテスト環境において,GPU-Zでテスト中の動作クロックを追ってみたところ,1935MHzまで上昇しているのを確認した。なお,「GeForce RTX 3060 Ti FE」(以下,RTX 3060 Ti FE)では2035MHzまで上がっていたので,それに比べると若干抑え気味だ。
また,ほかのZOTAC製グラフィックスカードと同様に,ZOTAC
加えて,メモリクロックも1MHz刻みで−1000〜+3000MHz(−2000MHz相当〜+6000MHz相当)に加減できる。
動作クロック以外のスペックを簡単におさらいしておくと,RTX 3060 TiのGPUコアは上位モデルとなる「GeForce RTX 3070」(以下,RTX 3070)と同じGA104である。ただ,演算ユニットのクラスタ「Streaming Multiprocessor」(以下,SM)は,RTX 3070の46基と比べて8割ほどの38基だ。Ampereアーキテクチャでは,SM 1基ごとに第2世代のリアルタイムレイトレーシング用演算ユニット「RT Core」を1基を組み合わせているので,RT Coreの総数も38基。シェーダプロセッサである「CUDA Core」は,SM 1基あたり128基を実装しているので,総数は38×128の4864基となる。
ちなみに,RTX 2080 SUPERは,第1世代のRT Coreを48基備えているので,ユニット数の差を世代の違いがどこまでカバーできるのかは興味深いところだ。
サイズはRTX 3060 Ti FEより短い226mm
GPUクーラーには「IceStorm 2.0」を採用
それではZOTAC
GPUクーラーは,2スロット占有タイプの「IceStorm 2.0」と呼ばれる独自クーラーで,90mm径相当のファンを2基搭載する。ZOTACの説明によると,IceStorm 2.0は,ファンの羽根を11枚にしたことで,同社従来製品と比べて空気流量が約10%向上しているという。またファンの回転数は,先述したFireStormで変更可能で,「MANUAL」を選択すると1%きざみで30〜100%に固定できる。なお,FireStormのファン設定を「ADVANCED」にすると,温度と回転数の関係を示したグラフから,各温度における回転数を任意に設定可能だ。2基のファンを個別に設定できる点は,かなりありがたい機能と言えよう。
GPUクーラーを横から覗き込むと,6mm径のヒートパイプを4本用いているのが分かる。ZOTACによると,これらのヒートパイプはGPUに直に接しているという。また,電源部やメモリチップもヒートシンクと接しているのが確認できる。
カード裏面には金属製バックプレートを装着しており,カードの剛性を維持している。
一方,映像出力インタフェースは,DisplayPort 1.4a×3とHDMI 2.1 Type A×1という構成で,このあたりもRTX 3060 Ti FEと変わらない。
ドライバはテスト時最新の460.89を利用
レイトレーシングやDLSSのテストも実施
それでは,テスト環境の構築に話を移そう。今回,比較対象にはRTX 3060 Ti FEと「GeForce RTX 2080 SUPER」(以下,RTX 2080 SUPER)を用意した。RTX 3060 Ti FEとの差異を確認しつつ,従来のハイエンドモデルからどの程度性能向上したのかを見てみようというわけである。
グラフィックスドライバには「GeForce 460.89 Driver」を利用。これは,テスト時に最新バージョンとなるものだ。また,RTX 3060 TiはPCI Express 4.0(以下,PCIe 4.0)に対応しているため,CPUに「Ryzen 9 5950X」を,マザーボードにAMD X570チップセット搭載のMSI製「MEG X570 ACE」をそれぞれ使用している。それ以外のテスト環境は表のとおり。
CPU | Ryzen 9 5950X(16C32T,定格クロック3.4GHz, |
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マザーボード | MSI MEG X570 ACE(AMD X570, |
メインメモリ | G.Skill F4-3200C16D-16GIS |
グラフィックスカード | ZOTAC GAMING GeForce RTX 3060 (グラフィックスメモリ容量8GB) |
GeForce RTX 3060 Ti Founders Edition (グラフィックスメモリ容量8GB) |
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GeForce RTX 2080 SUPER Founders Edition (グラフィックスメモリ容量8GB) |
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ストレージ | Samsung Electronics SSD 850 |
電源ユニット | SilverStone Technology |
OS | 64bit版Windows 10 Pro(Build 19042.630) |
チップセットドライバ | AMD Chipset Drivers 2.07 |
グラフィックスドライバ | GeForce 460.89 Driver |
テスト内容は,4Gamerのベンチマークレギュレーション23.2に準拠。ただし,RTX 3060 Tiも,リアルタイムレイトレーシングやDLSS,それにPCIe 4.0に対応しているため,これらの性能を確かめるべく,「3DMark」(Version 2.16.7113)において以下の4テストを追加した。
- Port Royal:リアルタイムレイトレーシング性能計測テスト
- DirectX Raytracing Feature test:レイトレーシング性能計測テスト
- NVIDIA DLSS feature test:アンチエイリアシング&超解像技術「DLSS」の性能テスト
- PCI Express feature test:PCIeの帯域幅テスト
なお,NVIDIA DLSS feature testでは「DLSS2」を選択し,品質モードは「Quality」に設定している。
これに加えて,「Fortnite」では,グラフィックスAPIをDirectX 12に変更したうえで,DLSSとレイトレーシングを有効にし,レイトレーシングの設定に関しては負荷が最大となるように変更している。なお,テスト方法自体はレギュレーションから変わりない。
解像度は,RTX 3060 Tiが最高画質設定での1920×1080ドットによるゲームプレイを想定しているため,3840×2160ドットと2560×1440ドット,それに1920×1080ドットの3種類を選択している。
Founders Editionには若干離されるものの
RTX 2080 SUPERには多くの場面で優位に立つ
それでは,3DMarkの結果から順に見て行こう。グラフ1は「Fire Strike」の総合スコアをまとめたものだ。
ZOTAC RTX 3060 Ti Twin Edgeのスコアは,若干だが,RTX 3060 Ti FEに届いていない。これは,前述したようにRTX 3060 Ti FEのほうがテスト中により高いクロックまで伸びていることが要因だろう。
一方,RTX 2080 SUPERに対しては,ZOTAC RTX 3060 Ti Twin Edgeが1〜4%程度の差をしっかりと付けている。
続いてグラフ2は,Fire Strikeの総合スコアから「Graphics score」を抜き出したものとなる。
総合スコアがそうであったように,ここでもZOTAC RTX 3060 Ti Twin Edgeは,RTX 3060 Ti FEの後塵を拝している。やはり,最高クロックの差が足を引っ張った格好だ。しかし,CPU性能の影響がなくなったことで,ZOTAC RTX 3060 Ti Twin EdgeはRTX 2080 SUPERに最大20%もの差を付けており,光る部分もある。
Fire Strikeからソフトウェアベースの物理演算テスト結果を,「CPU score」として抜き出したのがグラフ3だ。すべてのテストにおいてCPUを統一しているため,スコアもきれいに横並びとなっている。
GPUとCPU両方の性能が効いてくる「Combined test」の結果をまとめたものがグラフ4だ。
ここではCPU性能の影響が色濃く表れるため,ZOTAC RTX 3060 Ti Twin Edgeは,RTX 2080 SUPERをあまり引き離せていない。なお,ZOTAC RTX 3060 Ti Twin EdgeとRTX 3060 Ti FEとでは,やはり2%ほどの開きがある。
では,DirectX 12のテストとなる「Time Spy」の結果を見てみよう。グラフ5は総合スコアをまとめたものだ。
ここでも,ZOTAC RTX 3060 Ti Twin EdgeがRTX 3060 Ti FEに若干届いていないのは変わらない。なお,Time Spy“無印”では,CPUのボトルネックが近いためスコアが丸まりつつあるが,Time Spy Extremeでは,RTX 2080 SUPERとの差が約6%あり,ZOTAC RTX 3060 Ti Twin Edgeが世代の差を見せ付けている。
続くグラフ6はTime SpyのGPUテスト結果,グラフ7はCPUテストの結果となる。
まず,GPUのテスト結果からだが,総合スコアと同様に,ZOTAC RTX 3060 Ti Twin EdgeとRTX 3060 Ti FEとの差は約2%あり,最高クロックの差は看過できない。Time Spy“無印”はスコアが頭打ち気味になっているが,Time Spy ExtremeではRTX 2080 SUPERに約6%の差を付けている。
一方のCPUテストの結果は,CPUが同一なのでFire Strikeと同様にスコアも並んでいる。
リアルタイムレイトレーシングの性能を計るPort Royalの結果がグラフ8だ。
RT Core数で上回るRTX 2080 SUPERが,RTX 3060 Tiより高いスコアを発揮する傾向があるのだが,今回も同様で,ZOTAC RTX 3060 Ti Twin Edgeの結果はあまり芳しくない。RTX 3060 Ti FEは元よりRTX 2080 SUPERにも1%の差を付けられている。
グラフ9は,もうひとつのレイトレーシングテストであるDirectX Raytracing Feature testの結果だ。
ここでは,Port Royalとは異なり,ZOTAC RTX 3060 Ti Twin EdgeがRTX 2080 SUPERにしっかりと差を付けた。第2世代のRT Coreが真価を発揮した形だ。だが,それでもRTX 3060 Ti FEには約5%の差を付けられ,最高動作クロックの差の影響は少なくない。
続いて,DLSSの性能を見るNVIDIA DLSS feature testの結果がグラフ10となる。
RTX 3060 Tiのレビュー記事でも触れたように,3840×2160ドットでは,DLSS有効時にRTX 3060 Tiのスコアが大きく低下してしまうのだが,それはZOTAC RTX 3060 Ti Twin Edgeでも同じ。やはり,ドライバソフトか何かに問題があるように思える。
そこで2560×1440ドット以下を見ていくと,ZOTAC RTX 3060 Ti Twin EdgeはDLSS有効時で,RTX 2080 SUPERに2〜4%程度の差を付けた。ただ,ここでもRTX 3060 Ti FEには届いておらず,DLSSにも最高動作クロックの影響があることが見て取れる。
グラフ11は,PCI Express feature testの結果だが,PCIe 4.0に対応しているZOTAC RTX 3060 Ti Twin EdgeとRTX 3060 Ti FEでスコアが並び,対応していないRTX 2080 SUPERのみスコアが落ち込むという,仕様どおりの結果が得られている。
では,実際のゲームではどうなのだろうか。グラフ12〜14は「Far Cry New Dawn」の結果となる。
1920×1080ドットでは,CPUが足かせとなり,平均フレームレートが105fps付近で頭打ちとなっている。それ以外の解像度でもCPU性能の影響が大きいためか,さほど差は開いていない。ZOTAC RTX 3060 Ti Twin Edgeは,若干だがRTX 3060 Ti FEに届かず,RTX 2080 SUPERといい勝負を演じているが,ほぼ横並びと言っていいレベルだ。
続いて,「バイオハザード RE:3」の結果がグラフ15〜17となる。
平均フレームレートを見ると,ZOTAC RTX 3060 Ti Twin Edgeは,RTX 3060 Ti FEに1〜3%の差を付けられているのだが,最小にあたる99パーセンタイルフレームレートを見ると,両GPUにそれほど大きな差はない。そのため,実際にプレイした場合でも,体感での差はあまりないと言っていいだろう。また,RTX 2080 SUPERに対しては,ZOTAC RTX 3060 Ti Twin Edgeは4〜6%程度引き離しており,とくに1920×1080ドットで99パーセンタイルフレームレートで10fps以上もの差を付けた点は評価できる。
「Call of Duty: Warzone」(※グラフ内ではCoD Warzone)の結果がグラフ18〜20だ。
ここでも,ZOTAC RTX 3060 Ti Twin EdgeとRTX 3060 Ti FEとの差は,平均フレームレートで約2%ほどあり,最高動作クロックの差がフレームレートに表れている。一方で,RTX 2080 SUPERとは平均フレームレートで2〜6%程度の差があり,とくに1920×1080ドットで10fps以上の開きがある点は,世代の違いを感じさせるものだ。また,99パーセンタイルフレームレートを見ると,ZOTAC RTX 3060 Ti Twin Edgeは3840×2160ドットでは少々力不足だが,1920×1080ドットであれば高リフレッシュレートの液晶ディスプレイと組み合わせて有利に立ち回れそうだ。
レイトレーシングとDLSSを有効にした「Fortnite」の結果をグラフ21〜23に示そう。
さすがにレイトレーシングの負荷が大きいため,ZOTAC RTX 3060 Ti Twin EdgeとRTX 3060 Ti FEのどちらも,1920×1080ドットであってもプレイアブルな結果は得られていない。また,RTX 3060 Ti FEに若干届かず,RTX 2080 SUPERを少し上回るというZOTAC RTX 3060 Ti Twin Edgeの位置付けは,ここでも変わらない。
続くグラフ24〜26は,「Borderlands 3」の結果だ。
ここでもやはり,ZOTAC RTX 3060 Ti Twin EdgeはRTX 3060 Ti FEに平均フレームレートで2〜3%程度届いていない。ただ,RTX 2080 SUPERに対しては平均フレームレートで5〜6%程度と,しっかりと差を付けている。3840×2160ドットではさすがにプレイアブルとは言い難いものの,2560×1440ドットであれば99パーセンタイルは60fpsに近い性能を発揮しており,ZOTAC RTX 3060 Ti Twin Edgeで快適にプレイできることは間違いない。
グラフ27は「ファイナルファンタジーXIV: 漆黒のヴィランズ ベンチマーク」(以下,FFXIV漆黒のヴィランズ ベンチ)の総合スコアをまとめたものだ。
同ベンチマークでは,CPU性能の影響も大きいため,3製品にそこまで大きな差は開いていない。とはいえ,RTX 3060 Ti FEに届かず,RTX 2080 SUPERに対しては優位に立つといったZOTAC RTX 3060 Ti Twin Edgeの位置付けは,ここでも同じだ。スクウェア・エニックスの指標では,スコア7000以上が最高評価とされているが,それを踏まえると,ZOTAC RTX 3060 Ti Twin Edgeは,3840×2160ドットでも1万弱のスコアを発揮しており,快適にプレイできそうだ。
そんなFFXIV漆黒のヴィランズ ベンチにおける平均フレームレートと最小フレームレートをまとめたものがグラフ28〜30だ。
平均フレームレートは総合スコアを踏襲する形となっているが,最小フレームレートを見ると,ZOTAC RTX 3060 Ti Twin Edgeは,1920×1080ドットでRTX 3060 Ti FEとも遜色ない常時60fps以上の結果を残している点は立派だ。
グラフ31〜33には,「PROJECT CARS 2」の結果をまとめた。
ここでは,ZOTAC RTX 3060 Ti Twin Edgeは,平均フレームレートと最小フレームレートともに若干RTX 2080 SUPERを上回っているものの,ほぼ横並びと言っていいレベルだ。RTX 3060 Ti FEには4%ほどの差を付けられているが,最小フレームレートは最大でも1fps程度の差しかなく,実際にプレイしてみると両者で差を実感することはあまりないだろう。
RTX 3060 Ti搭載モデルらしく消費電力は低め
レビュー記事において,RTX 3060 Tiは,RTX 3070から20Wほど消費電力が減り,RTX 2080 SUPERと比べても,しっかりと消費電力を減らせているのが確認できた。では,ZOTAC RTX 3060 Ti Twin Edgeの消費電力はどうなのだろうか。クロックアップモデルではないので,消費電力はさほど高くないと予想できるが,実際の消費電力がどの程度なのか気になるところだ。
そこで,今回はNVIDIAが開発した消費電力計測ツール「PCAT」(Power Capture Analysis Tool)を用いて,グラフィックスカード自体の消費電力を計測してみたい。今回は3DMarkのTime Spyにおいて,消費電力が高くなる傾向がでたGraphics test 2実行中の結果を示している。その結果をグラフ34に示そう。
計測結果を見ると,ZOTAC RTX 3060 Ti Twin Edgeは200W前後で推移しており,RTX 3060 Ti FEと大差ないように見える。ただ,RTX 2080 SUPERからは確実に消費電力が低下しているのは確認できた。
そこで,グラフ34の測定結果から,分かりやすくなるように中央値を求めたものがグラフ35となる。ZOTAC RTX 3060 Ti Twin EdgeとRTX 3060 Ti FEの差は2.8Wであり,測定誤差を考慮するとほぼ同程度と言っていいだろう。ただ,RTX 2080 SUPERとは40W近い開きがあり,消費電力をしっかりと抑えられている点は好印象だ。
次に,ログの取得が可能なワットチェッカー「Watts up? PRO」を用いて,システム全体の最大消費電力のみを計測した結果も見てみよう。
テストにあたっては,Windowsの電源プランを「バランス」に設定。さらに,ゲーム用途を想定し,無操作時にもディスプレイ出力が無効化されないよう指定したうえで,各アプリケーションベンチマークを実行したとき,最も高い消費電力値を記録した時点をタイトルごとの実行時,OSの起動後30分放置した時点を「アイドル時」としている。
その結果がグラフ36だ。
ここでも,ZOTAC RTX 3060 Ti Twin EdgeとRTX 3060 Ti FEとでは,ほぼ横並びになっており,両製品の消費電力にあまり差がないことが見て取れよう。一方で,RTX 2080 SUPERとは18〜40Wの差があり,消費電力を抑えられていることがここでも確認できる。
最後に,GPU-Zを用いて計測したGPU温度も確認しておきたい。ここでは,温度約24℃の室内で,テストシステムをPCケースに組み込まず,いわゆるバラックに置いた状態から,3DMarkの30分間連続実行時を「高負荷時」として,アイドル時ともども,GPU-Zから温度を取得することにした。
GPUによって,温度センサーの位置や取得方法が異なっていることは想像に難くなく,またそれぞれファンの制御方法が違うため,同列に並べての評価にあまり意味はない。それを踏まえた結果はグラフ37のとおり。
ZOTAC RTX 3060 Ti Twin Edgeは,高負荷時でも70℃を超えることはなく,GPUクーラーのIceStorm 2.0は,しっかりとGPUの冷却が行えていると言っていい。なお,アイドル時にRTX 3060 Ti FEの温度が高めなのは,ファンの回転が停止してしまうためだ。
最後に,筆者の主観であることを断ったうえで,ZOTAC RTX 3060 Ti Twin Edgeの動作音について触れておくと,静音性が高いとまでは言えないまでも,十分静かで,少なくともケースに入れてしまえば,動作音が聞こえてくることはないレベルだ。RTX 3060 Ti FEとほぼ同程度と言っていい。
価格は5万6000円ほどと比較的安価
カードサイズの短さも本製品の魅力
本製品を評価すべきポイントの1つは,実勢価格が税込6万円前後と,RTX 3060 Tiモデルとしては比較的安価だ。クロックアップモデルほど高性能ではないものの,RTX 2080 SUPERより高速であることは確かで,カードサイズの短さも魅力的だ。RTX 3060 Ti搭載モデルの購入を考えているのであれば,有力な選択肢として挙げられるカードであることは間違いない。
ZOTACのZOTAC RTX 3060 Ti Twin Edge製品情報ページ
- 関連タイトル:
ZOTAC GAMING(旧称:ZOTAC Gaming)
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