プレイレポート
「CODE VEIN」は多彩な遊びを許容する懐の深さが魅力だ。高難度アクションとして楽しむか,こつこつとレベルを上げてRPG的に楽しむか
また,破滅的な状況下でも,人らしく生きようとする「吸血鬼」(レヴナント)たちのストーリーも見どころとなっている。
本稿では基本的なプレイフィールだけでなく,体験版や先行体験会などでは一部しか確認できなかったキャラクターの育成やビルド,協力プレイについてもお伝えしていく。
閉ざされた地・ヴェインで,吸血鬼たちは血涙を奪い合っていた
赤い霧によって外界から切り離された地・ヴェインでは,吸血鬼(レヴナント)たちが,「血涙」と呼ばれる力の源を奪い合いながら生きていた。本作の主人公もまた,そんな吸血鬼のひとりである。
吸血鬼とは人間を超える力を持ち,心臓を破壊されなければ何度でも復活できる存在だ。だが,人の血,あるいは血涙で“乾き”を癒やさなければ,自我を失った怪物,堕鬼(ロスト)に堕してしまう。
とある戦いで命を落とし,記憶を失ったまま復活した主人公。彼(もしくは彼女)には,枯渇した「血涙の泉」を復活させる力や,「血英」から死者の記憶を読み取る力など特別な力が備わっていた。
血涙を探す探索行の途中,主人公は風変わりな吸血鬼・ルイと出会う。ルイは,主人公の特別な力を知り,自分たちの拠点へ迎え入れる。
かつては人として生きた吸血鬼同士が.血涙や,数少ない人間を奪い合う。この地獄のような状況を変えようとするルイに共鳴し,主人公は血涙の源流を探すための旅を始める。
……といった理由で,プレイヤーは堕鬼だらけの廃墟を探索してまわることになる。おおまかなプレイ感はこれまでの記事でもお伝えしたとおり,「死にゲー」「ソウルライク」と呼ばれるタイプの作品群に近い。「敵が上段に振りかぶったら横に回避」「横に構えたら間合いを離す」「回避しきれない攻撃はガードするか,受け流す」という具合に,敵の動きを覚えていかに対応するかが肝心だ。
ただ,本作にはNPCのバディを探索に同行させるシステムがあり,このバディが敵の注意を引きつけてくれたり,逆にこちらが敵を引きつけている間にダメージを与えてくれたりするなど,本作ならではの戦いを楽しめる。
もちろんバディがいるから簡単かといえば,そんなことはない。敵の意地悪な配置,襲ってくる頭数,動きのスキの少なさなどは,バディがいることを前提としたものになっている印象だ。油断しているとすぐに死にかねない緊張感がしっかりある。
また,フィールドの各所にある「ヤドリギ」では,体力や「再生力」(体力を回復する手段)を回復できる。一見,親切な作りのように思えるが,ヤドリギをいつ利用するかの判断も,本作をプレイするうえで悩ましいポイントになっている。
再生力の残りがわずかになったら,来た道を引き返してヤドリギまで戻れば安全だが,その場合,道中の敵が復活してしまうというデメリットもある。次回,同じ場所までスムーズに進める保証はないため,あえてヤドリギに戻らずに探索を続ける選択肢もありえるというわけだ。
ブラッドコードを変えることで,使用できる武器やスキルが変化。多彩な戦い方を楽しめる
こうしたスリルに満ちた探索を,自分なりの戦い方で進められることも本作の特徴のひとつだ。キャラクターのブラッドコード(クラスや職業のようなもの),錬血(アクティブスキル,パッシブスキル,魔法などの総称),装備品などの組み合わせによって,戦い方のスタイルを自在に変えることができる。
本作に登場する武器や錬血を効果的に使うためには,キャラクターの能力値が条件を満たしている必要がある。能力値はブラッドコードを変えることで大きく変動するため,実質的にはブラッドコードごとに扱える武器や錬血が変わると考えていい。ただ,能力値を上昇させるパッシブスキルを装備すれば,その制限を緩和することも可能だ。
こうしたカスタマイズを上手に行うと,「両手武器を振り回すパワータイプの戦士」「錬血を織り交ぜつつ身軽に戦う剣士」「錬血と銃剣で離れて戦う射手」など,好みのスタイルで戦うことができる。
なかでも錬血メインのスタイルは,ブラッドコードや装備品の有効な組み合わせを理解すると,一気に強力な戦闘スタイルとなる。各種の錬血を使い分け,敵の弱点属性を探り出せば,かなり有利に戦えるだろう。
さすがにボス戦を錬血だけで押し切ることは難しいが,探索中に遭遇する敵はほぼ脅威ではなくなる(奇襲されなければ)。アクションの腕に自信がない人も,剣士タイプのバディを連れ歩き,自身は遠くから錬血を撃つことで,スムーズに探索を進めていける。
マルチプレイを活用すれば行き詰まる心配なし
さて,ここからは本作のマルチプレイについてお伝えしていこう。フィールドメニューのマルチプレイの欄から「他の吸血鬼に救難信号を送る」を選ぶと,他のプレイヤーを自分のゲーム内に呼ぶことができる。もう一方の「他の吸血鬼に救難信号を受信する」を選べば,救難信号を送っている他のプレイヤーのゲームを探し,参加することが可能だ。
ただ,いくつか条件もあって,すでにボスを倒したフィールドにいる場合は,他プレイヤーを呼ぶことはできない。また,自分が行ったことのないフィールドや深層(メインの進行とは独立したダンジョン)からは,救難信号が届くことはない(つまり助けに行けない)。
さらに,マルチプレイ中はヤドリギを使った回復が行えなくなる。つまり,フィールドを探索している段階で他のプレイヤーを呼んだ場合,以後は体力や再生力を回復できない状態で探索を続ける事になるわけだ。本作のフィールドは迷路のようであり,物陰から奇襲してくる敵も多いため,ヤドリギで回復しつつ攻略することが前提となっている。それができなくなるのは,かなり大変だ。
これらの条件から考えるに,他のプレイヤーをゲームに呼ぶタイミングは「抜けられない難所」「倒せないボス」「攻略できない深層」に行き当たった時が最適だろう。
ちなみに9月末の時点で「救難信号を受信する」を選んだ場合,2周目以降をプレイ中の人や,1周目の最序盤をプレイしている人など,さまざまなプレイヤーとマッチングした。
2周目以降で難度が高くなっているプレイヤーのゲームでは,こちらがボスを攻撃してもあまりダメージが入らないので,ボスの注意を引きつつ攻撃を回避し,相手が攻撃しやすいように立ち回ってみた。
また,序盤のフィールドを探索中のプレイヤーとマッチングした際は,すぐに瀕死になってしまった相手をヤドリギまで誘導していくなど,「一期一会のおもてなし」を楽しませていただいた。無論,マルチプレイ中はヤドリギで体力を回復できないので,相手の健闘を祈りつつ,ゲームから抜けることに。
このようにゲームの進行具合が異なるプレイヤー同士でもマルチプレイは成立するが,やはり基本的には自力でゲームを進め,詰まったときにピンポイントでマルチプレイのお世話になるのがよさそうだ。
以上のように,本作は「死にゲー」「ソウルライク」という枠組みの中で,さまざまな戦い方のバリエーションを実現できるところに大きな魅力がある。また,自由なシステムは,こつこつとレベルを上げ,ブラッドコードや装備を整えて先に進むという,従来のRPGのような遊び方まで許容してくれる。
普段はアクションゲームをプレイしない人も,キャラクターのビジュアルや謎めいた世界観に少しでも興味を持ったなら,ためらわず本作をプレイしてみてほしい。多少練習する必要はあるが,その先で「努力して難関を乗り越える」爽やかな気分を味わえるはずだ。
それにもし途中で行き詰まっても,マルチプレイを活用すれば大丈夫。駆けつけた猛者たちがきっちりエスコートしてくれるだろう。
「CODE VEIN」公式サイト
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(C)BANDAI NAMCO Entertainment Inc.
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