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METAL MAX Xeno

METAL MAX Xeno
公式サイト http://metalmaxxeno.com/
発売元 角川ゲームス
開発元 角川ゲームス
発売日 2018/04/19
価格 パッケージ版:7538円(税込)
ダウンロード版:6998円(税込)
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このゲームの読者の評価
40
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  • メタルマックスとして評価できる点はほとんどなし 40
    • 投稿者:mesotokyo(男性/40代)
    • 投稿日:2018/06/18
    良い点
    ・概ねテンポ良く進む戦闘
    ・HDクラスの3Dモデルでおなじみの敵がぬるぬる動く
    悪い点
    ・コピー&ペーストしたような、ほとんど風景の変わらないマップとダンジョン
    ・薄っぺらく何も残らないシナリオとキャラクター
    ・戦略性に欠ける戦闘
    ・世界観との整合性が取れないシステム
    ・戦車に乗っていない方が長いのではないかと感じられる徒歩中心の探索
    ・シリーズおなじみの要素の改悪
    ・1周目だけではすべての要素をアンロックできない
    ・ボリュームにプライスが見合わない
    総評
    プレイ時間は30時間ほど、ラスボスらしきものを倒してスタッフロールを見るまでプレイしてのレビューです。ゲーム進行に最低限必要だと思われるボスのみ撃破、到達可能な全ダンジョンとマップ内エリアの踏破、最低限必要な装備の強化のみ行い、マップ・ダンジョン内にそのまま放置されているもの以外の戦車の回収やネフテク装備探索などはスルーしています。

    ゲームのテンポは悪くなく、基本的なシステムに関しては特に不満はありません。しかし、ゲームのスケールの小ささ、作り込みの浅さが目につきます。「リメインズ」と呼ばれる各所に設置されたダンジョンはいずれも中身がほぼ同じで、商業施設跡地だろうが駅跡地だろうが全く風景は変わりません。東京が舞台ということでマップ上には東京の名所を思い起こさせるランドマークが多数ありますが、そのほとんどはその内部には入れず、それ以外は基本的に砂漠と廃墟が続くだけ。マップ自体もゲーム開始時点では未踏の部分がマスクされるために広く見えますが、実際には侵入できないエリアが多く移動できる面積はマップ画面の半分ほどです。

    シナリオに関してもスケールが小さく、進行に合わせて強制的に挟まれるイベントではヒロインの「子作り」が繰り返しネタにされる一方で他の登場キャラクターのエピソードはわずかで、主人公の過去や世界崩壊の原因といったトピックはかろうじてダンジョン内に残された若干の記録テキストや説明的な会話で説明されるのみです。ラスボスも途中で唐突に現れ、倒しても世界崩壊問題は解決しないままエンディングに入ります。そもそも東京都心の3、4つの区だけで世界崩壊や人類絶滅を語ること自体がやや無理がある設定でしょう。途中表示される「絶滅指数」も、システム的には全く無意味でなぜ存在するのか意義が分かりません。

    戦闘に関しては、設定でモードとスピードを変えることで一般モンスター戦であれば10秒ほどで終わります。とはいえ、エンカウントや戦闘後リザルト画面には一定時間が取られるため、エンカウント率の高いダンジョン内などでは若干のストレスがあります。一方でボス戦については戦略性が狭く、ボタン連打になりがちです。弱点属性やシールドブレイクという要素もありますが、1周目では事前にそれらの情報を知ることはできないのと、1ターンに複数回攻撃が可能になるラッシュ系攻撃が比較的序盤で利用可能になるため、主砲もしくはSEをたくさん積んでキャノンラッシュもしくはSEラッシュを繰り返すだけ、というのが攻略の最短コースでした。

    ということで、ゲームとしてはとりあえずNPCの指示に従って似たようなマップをひたすら進み、出てきた敵をボタン連打で倒し、拾ったアイテムを装備して強化する、という流れの繰り返しになります。この先に何かあるのでは、という期待は常にあるのですが、残念ながらそれは期待だけで終わってしまいました。ダンジョン内でのエンカウント率が比較的高いこともあり、それなりにプレイ時間は取られるのですがその割に内容は薄く感じられます。

    また、このゲームをメタルマックスというゲームのシリーズとして見ると、残念ながらさらに多くの不満点があります。

    まず、本作では入手したアイテムは即座に拠点に転送されてトランクルームに保管され、いつでもどこでも戦車の装備変更が可能です。今までのシリーズでは雑魚戦とボス戦のバランスを考えて装備を考えたり、アイテム回収と装甲ポイントを秤にかけるといった面白さがあったのですが、今回はそれが完全に失われました。また回復は無料で行えるため補給コストを考えることもなくなり、それが単にボタン連打するだけの戦闘を生み出す一因となっています。

    さらに非戦闘時はいつでもメニューからすぐに拠点に戻ることができ、同時に戦車は自動的に回収され修理されます。そのため、大破して動けなくなった戦車でも簡単に回収が可能になり、メカニックの修理スキルもほぼ無用の長物に。

    ダンジョンもほとんどが徒歩で侵入するものとなり、戦車で移動できるダンジョンは数個あるだけ、しかもただの通路(トンネル)で多少の分岐はあるもののほぼ1本道です。そのため、中盤から後半にかけては戦車に乗っている時間よりも徒歩でダンジョンを歩いている時間の方が長いかもしれません。

    世界観からみたゲームの仕様もツッコミどころが多く、人類が残り数人という設定でお金はまさにケツを拭く紙にすらならないはずなのにアイテム購入や改造にお金が必要だったり、ラスボス前では転送ができなくなるという設定にも関わらずアイテムの転送はできたり、転送技術があるのにわざわざ戦車に書物を積んで運ぶイベントがあったり、閉まっていたシャッターが何の説明もなくいつのまにか空いていたりと、単なる製作者の都合だけで整合性が取れない部分が見られます。

    そのほか、新規追加モンスターのデザインが何の面白みもなかったり、戦車以外の車両がバギー1台だけだったり、終末感のあるキャラクターに欠けていたり、犬が出てこなかったりと、シリーズをプレイしていたプレイヤーとしては残念な点ばかりです。個人的にはメタルマックスシリーズには良い意味で狂ったキャラクターやモンスターと出会いつつ、崩壊した世界や廃墟を旅することを楽しむゲームだったので、その意味では完全に期待はずれでした。

    1周目プレイだけでは入れなかった場所や解放されていない要素もあり、周回プレイが想定されているようですが、個人的には2周目以降はあくまでおまけであり、逆になぜ明確な理由なしに1周目ではロックされた要素を用意するのか疑問です。正直なところこの内容で2周目以降をプレイするモチベーションは全く湧かず、消化不良感が残るだけです。サブクエストなどの要素がある訳でもなく、また職業選択やプレイヤーキャラクター選択などもプレイをする上では全く不要なシステムであり、フルプライスでこのボリュームかと呆れるレベルです。

    評価としては普通のゲームとしては65点、メタルマックスシリーズとして見ると15点ということで、平均して40点とさせてもらいました。町がないことや登場人物の少なさなどは低予算と考えるとしようがないとしても、作り込みが見られない世界観やマップ・ダンジョン、シナリオの稚拙さは全く擁護できず、このようなゲームをリリースしてしまうデベロッパー、パブリッシャーには失望しかありません。
    プレイ時間
    20〜40時間
    グラフィックス サウンド 快適さ/運営 熱中度/ストーリー ボリューム
    3 3 3 1 1
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