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乗る・蹴るの臨場感が味わえるVRアトラククション「VR 進撃の巨人」「VR キャプテン翼」を,開催中のロケーションテストで体験してきた
今回出展された2作品は,タイトーとソニー・ミュージックコミュニケーションズの共同プロジェクトにて制作されたタイトルだ。開発は可動筐体を用いた体感型VRをプロデュースするハシラスが担当しているとのことだ。本稿では,ロケテスト初日あたる10月19日のテストの模様と,簡単なプレイレポートをお届けする。
「キャプテン翼 VR」公式サイト
「VR 進撃の巨人 〜THE HUMAN RACE〜」
「VR 進撃の巨人 〜THE HUMAN RACE〜」は,諫山 創氏による原作コミックおよび,アニメで人気を博している「進撃の巨人」の世界をテーマとした,ライド型のVRアトラククションだ。
筐体を見て真っ先に目に止まるのは,乗馬フィットネスマシンが4台ならんだ特異なフォルムだろう。鋭い原作ファンならここでお気づきだろうが,本作におけるプレイヤーは,調査兵団の一員となって,迫りくる巨人から馬を駆って逃げるシチュエーションを体感することになる。しかも再現されているのは,原作で人気のエピソード“女型の巨人捕獲作戦”の1シーンで,最大4人のプレイヤーが馬にムチを入れながら障害物を回避し,エレンを巨人化させずにゴールまでひたすら走り続けるのがゲームとしての本作の目的となる。
体験プレイでは,乗馬マシンにまたがったうえで,調査兵団のマントを模した落下防止用のハーネスと,VRヘッドセット(HTC Vive)を装着。女性兵団員によるチュートリアルが終わると,いよいよゲームがスタートとなった。
リヴァイ兵長を班長とした騎馬隊の一員として,隊列を組んで森の中を駆け抜けていくのだが,道中では障害物が行く手を阻んでくる。足元の倒木はコントローラのトリガーを引いてジャンプ,頭上の木々は頭を下げる動作をすることで回避できるが,ミスしてしまうと馬の速度が落ちてしまうので注意が必要だ。
おもしろいのは,ジャンプ動作をするとマシンが後方に傾く点。実際には数センチほどの小さな動きなのだが,VR世界に没入しているために,現実以上に“ジャンプ感”を感じられるのは楽しい体験だった。
さらにプレイの途中からは,女型の巨人がズドンズドンと全力疾走でこちらを追いかけてくるので,馬にムチを入れて(VRコントローラを振って)隊列から遅れないようにする必要がある。主観視点で見上げる巨人はそれだけで十分な恐ろしいというのに,自分を追いかけて腕を振り下ろしてくるのは,VRだと分かっていても思わず身がすくんでしまうほどにスリリングだった。
幸いながら筆者は無事にゴールまでたどり着くことができたが,ほかのプレイヤーからの「やられたー!」という声が聞こえてきたので,途中で隊列から遅れてゲームオーバーとなるケースもあるようだ。どんな結末を迎えるかはなんとなく察しはつくが,ここではあえて語るまい。気になる人は,実際にプレイをして確かめてみてほしい。
約5分間のプレイを終えてヘッドセットを外した直後の筆者の感想は「ああ,怖かったぁ〜!」であった。操作こそシンプルだが,360度を見舞わせる衛鞅や乗馬マシンの揺れ,回避の操作などがあるため,一度のプレイで得られる情報量はけっこう多く,没入感はかなり高い。立体機動装置の浮遊感は味わえないが,“迫り来る巨人がもたらす圧倒的な絶望感”がしっかり味わえるのだ。
すでに映像化作品を見て巨人の前の無力な人類の気持ちは分かっていたつもりだったが,VR世界で体験するそれは,また一段上のエグさである。欲を言えばコントローラのトリガーでジャンプという部分だけちょっと興ざめ(VR世界外の感覚)なので,手綱を引く操作になればなお良いのだが。
「VR キャプテン翼 〜燃えろストライカー〜」
もう一方の「VR キャプテン翼 〜燃えろストライカー〜」は,高橋陽一氏による人気サッカー漫画「キャプテン翼」を題材とした,こちらも体感型のVRゲームだ。以前JAEPO 2018でお披露目された際の“実際に蹴ったサッカーボールの方向や高さがVR空間内に反映される”という特徴はそのままに,今回のロケーションテスト版では,さらなるシステムや演出の強化が加えられている。
プレイヤーは“噂のストライカー”となって,大空 翼くん率いる南葛FCと対決。VR空間内のサッカースタジアムでゴールめがけてシュートを放ち,キーパーを交わして見事ゴールを奪うことが目的となる。
ヘッドセットを装着してゲームがスタートすると,眼の前にさっそうと駆け寄ってくる大空 翼くんの姿が。 「ボールは友達!」の名言そのままに,さわやかさ全開でプレイ方法をレクチャーしてくれる。翼くんと同じフィールドに立っているということが,週刊少年ジャンプでの連載をリアルタイムで読んでいる筆者としては非常に感慨深いものであった。
次に「おおっ!」とさせられたのは,試合開始前の整列だ。正面には翼くん率いる南葛FCの面々が,左右を見渡せば日向小次郎や立花兄弟達,翼くんのライバル達が勢揃いしたチームメイトの姿がある。いわば南葛vs.ドリームチームの対戦ということで,試合への期待は否が応でも高まっていく。
チームメイトによるチャンスメイクでお膳立てが整うと,いよいよシュートの機会がやってくる。足でボールの位置を確かめたら,伸び縮みするゲージを見ながらタイミングよくボールをキック! すると,ゲージの長さとボールの軌道とによって,VR世界中のボールもゴール目指してすっ飛んでいく。
今回のキーパーは森崎くんであったため(ファンには申し訳ないが)筆者のシュートは楽勝でゴールネットを揺らし,めでたくハットトリックを達成できた(5本中3本の失敗でゲームオーバー)。今回のロケーションテストでは,ステージ1のみのプレイとのことであったので,おそらくステージが進んでいくと,JAEPO版で登場した若林源三くんが姿を現すのであろう。
JAEPO版からの最大の改良点が,“ガッツシステム”の導入だろう。これは,シュートをするごとに溜まっていくガッツが,ゲージ最大まで溜まると必殺シュートが発動可能になるというもの。ボールを一定時間見つめると炎が吹き出すので,その状態でボールを蹴ると必殺シュートが発動。ボールを止めたキーパーごとゴールに押し込むといったド派手な演出で得点をゲットできる。
ちなみに必殺シュートは,蹴る方向で種類が変わるそうなので,これからプレイする方はいろいろと試してみてほしい。
早々にハットトリックを決めてしまい約3分間の短いプレイとなってしまったが,それでも体験後の満足度はかなりなもの。ボールを蹴るというシンプルな遊びだが,現実とVR世界のミクスチャー具合がミソだと感じた。「VR 進撃の巨人」もそうだが,VR+体感+人気IPの破壊力はかなり凄まじいものがあるので,こうしたコンテンツの広がりはどんどん行ってほしいものだ。
どちらも正式版のリリース時期は未定とのことだが,そこへの期待が大きく膨らんだ今回のロケーションテスト。なお「キャプテン翼 VR」のロケーションテストは,大阪ヨドバシ梅田内のスペースインベーダールームでも実施中(10月18日〜28日)だ。近隣の読者諸氏はぜひ足を運んで,VRによる漫画世界の再現を体験してほしい。
※2018年10月22日追記:初出時,大阪でのロケーションテストについての記述に誤りがありましたので,修正しました。訂正してお詫び申し上げます。
「キャプテン翼 VR」公式サイト
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VR キャプテン翼〜燃えろストライカー〜
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